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家族はここを観ている!家族が良し悪しを判断する施設の介護職員の基準とは

2017-05-08

ここ数年、マスコミでも多く取り上げられている「介護事業所における虐待事件」。こういったマスメディアによる報道は、介護サービスの利用者本人やその家族を不安にさせます。また介護従事者にとっては、一部の人による行為で介護業界全体が不信の目で見られてしまうという悲しい現実も存在しています。『介護の常識は世間の非常識』という言葉も存在するほど、介護業界で当たり前に行っている業務も、実は家族からすると「それっておかしくない!?」と感じてしまうことがあります。そのため、余計な心配・不信感を持たれてしまうことに、私たちは日々気をつけなくてはなりません。では実際、利用者本人やその家族は介護サービスのどういった点を特に注意して見ているのでしょうか。今回は介護サービスの中でも、特に家族が注目しやすい施設系サービスについてご説明していきます。

ケアの内容を見るのは今や常識!?

ひと昔前のご家族であれば、「自分たちが見られない親を、代わりに介護してくれるだけでありがたい!」なんて言ってくれる時代もありました。しかし介護保険制度が施行されて「措置」から「契約」に移り変わったように、介護サービスは「サービス業」であり、サービス提供の代わりに金銭の対価を払っているという、ごく当たり前の図式になっています。

そういった時代ですから、ケアサービスは提供されて当たり前。そのケアサービスの中身にも、質の担保が取られているかを見学の時点から利用者及び家族は確認されます。この時に大切なのは、全て利用者やご家族の言いなりになるのではなく、施設の在り方として「出来る・出来ない」の区別を適切な根拠を基に説明すること。それが、信頼に結びつける大事なことです。

ただし、闇雲に家族の求めるケアサービスを提供すれば良いのではありません。例えば「この施設はしっかりとした信念を持って運営している」という印象は、良い施設と判断される一つの材料になるでしょう。また、これは施設にとって大事な介護職員自身を守ることにも繋がりますので、最初にしっかり伝えていくことが必要になってきます。

家族は意外と介護職員の顔を見ている

先述したケア内容については、いわゆるサービスの質に当たります。しかし、実際にそのサービスを提供するのは介護職員が中心です。では、自分の身内を施設に預けると仮定した場合、あなたは介護職員がプロフェッショナルと呼べない施設に大切な家族を預けることが出来るでしょうか?

「本当にこの施設の介護職員は、心ある優しい介護をしてくれるのか」という不安を払拭するには、結局のところ、その介護職員自身の人柄による判断が多くなってきます。例えば、介護職員が自分の身内以外の入居者にキツイ言葉掛けをしている。または、フロア内を大声で叫び合っていたり、談笑していたりする場面を見た家族は、決してその施設に自分のご家族を入居させようとは思わないでしょう。

また、逆にケアサービスを提供している最中に一言も言葉を発せず、無言で介護をしている場面を見たらどうでしょう。ご家族は、その介護職員に恐怖心を覚えるかもしれません。これは決して極端な例ではなく、介護施設においてよくある風景の一つだと思います。

介護職員は施設の顔であり選ばれる大きな基準

では良い施設と判断されるために、介護職員はどう有るべきなのでしょうか。それは、第一に「笑顔で元気な声で挨拶」をして「利用者や家族に声をかけ歩み寄る」という、一見するととてもシンプルなものです。しかしこのシンプルなことが、意外と出来ないこともまた「介護の常識は世間の非常識」に当てはまってしまうところです。

介護職員は時間と業務に追われ常に、余裕なく業務に取り組んでいます。「家族対応はソーシャルワーカーや事務職員が行えば良い」または「フロア責任者やその日の分担職員がやってくれるから自分たちはそれどころではない」などと、自己判断で勝手に自分の業務外だと切り離してしまっていることはないでしょうか。

確かに、自分が対応しなくても誰かが対応するでしょう。しかしそれを目の当たりにした家族からすると、「ここはゆとりのない施設だな」と判断してしまいます。その結果、施設に対してネガティブなイメージが焼き付いてしまうのです。

業務をしながらでも、ほんの一瞬手と足を止めて、来訪者に笑顔で挨拶をすることころから始めてみましょう。

専門職としての知識と説明能力

身内を施設に預ける家族は、介護の素人ではなく、介護の専門職という施設職員を信頼してサービスを利用しています。例えば、「最近飲み込みが悪いけど何か原因があるのか?」「足が浮腫んでいるけど大丈夫だろうか?」など。日々面会の中で変化する入居者自身を目の当たりにして、不安を覚える家族の方も少なくありません。

こういった不安に対し、医学的根拠に基づく説明、あるいは日々の介護の中でしっかりと入居者自身の身体的変化の気付き説明ができる職員がいること。それが家族の不安を払拭することにも繋がり、また、説明した介護者自身への信頼関係にも結びついてきます。

このように適切なケアと入居者への説明が行える職員がいる施設は、たとえ事故などのトラブルが起きた際にも、日頃の信頼の積み重ねから最悪の事態を防ぐことができる場合もあるでしょう。

まとめ

高齢者施設のほとんどは、職員がほぼ介護職員で構成されています。そのため、家族の視点は必然的に介護職員へ向きがちです。

施設によっては、相談員やケアマネジャー等が家族対応をする場合も多いでしょう。しかし実際に家族が気にしているのは「身内にどういった介護をしてくれるか」という点であり、その介護を行っている介護職員が、介護施設の良し悪しの基準にされることは必然と言えます。

今回挙げた事以外にも、介護施設の良し悪しを選ぶ点は多々あります。とはいえ、介護職員自身が「選ばれる施設」の基準を担っているという点をしっかり意識し、日々の業務に励んで頂きたいと思います。

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