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高齢者施設で働く介護職におけるストレスマネジメントについて

2017-10-17

高齢者施設で働く介護職員は、利用者の身体介護だけが業務ではありません。入所されている高齢者の居住空間の整備、生活の質向上の援助などの間接介護業務、さらには書類整備や委員会など、求められる業務が多岐にわたります。その業務の多忙さから、ストレスが溜まることも少なくないでしょう。今回はそうした介護職員のストレスマネジメントについて、いかにストレスと上手に付き合っていくのか、その方法を解説していきます。

介護職は一般職と比べてストレスが溜まりやすい?

仕事に従事する者にとって、少なからずストレスが発生するのは当たり前と言えるでしょう。中でも介護職員は支援を必要とする、いわゆる支援者へ対応するという仕事柄、ストレスを感じる機会は多いかもしれません。

また、福祉は医療現場のように「完治」というゴール、あるいは「治療」という明確な目標がありません。あくまで「支援」「介護」という千差万別の目標に留まります。さらに完治のような明確なゴールが無いため、職種間で意見が食い違ったり、同じ介護職間でも人によって支援の価値観が異なったりするなど、職員同士における対人関係で摩擦が生じやすい現状も見られます。

介護職におけるストレス解消法

ではそういった高ストレス状態にある介護職員について、どのようにストレス解消を図れば良いのでしょうか。ここで、いくつか具体的な解消法をお伝えしておきましょう。

<仕事の愚痴は勤務日に済ませる>

介護施設における介護職員の数は、その施設の規模にもよるものの、多くの事業所において職員全体の中でもっと多い人数になるでしょう。人数が多ければ、当然ながらその中で仲の良い職員が生まれます。すると、その職員と仕事の愚痴などを話す機会もあるでしょう。

しかし、ここで注意しなくてはならないことがあります。それは、仕事の愚痴を話すのは、自分と相手が勤務の日に限るということです。

現在はSNSなどで、本人のオン・オフに関係なく一方的にメッセージが送られてくる時代になりました。せっかく自分が休暇を楽しんでいるときに、SNSで仕事の愚痴や申し送りをされたらどう思うでしょうか。気持ちが滅入ってしまい、ストレスが余計に溜まることは明らかです。

自分も相手もオフ(休暇日)にこういったことが起きないよう、仕事の愚痴は自分と相手がオン(勤務日)のときだけに留めるよう配慮しなくてはなりません。

<福祉や介護の書籍をオフの日に読まない>

介護観や福祉論に関する書籍は、今や書店に行くとたくさん並んでいます。しかし先述したように、介護観・福祉観には千差万別の考え方や答えがあるもの。休日にそうした書籍を読んでしまうと、自分の介護観に対する混乱や戸惑いが生じ、落ち込んでしまうことがあるかもしれません。

わざわざオフの日に考え、心労を重ねる必要はありません。オフの日は、介護観から離れるようにすると良いでしょう。

<介護観が似ている上司に話しを聴いてもらう>

介護業務に従事していると、自分の介護に対する考え方が本当に正しいのか不安になったり、時には別の職種や先輩等から否定されてしまったりすることがあるかもしれません。そういったときは、日頃からなんとなく意見や波長の合う上司や先輩に相談してみることをオススメします。自分の介護観に同調してもらえるだけで自分の自信に繋がり、明日からまた仕事に前向きに取り組むことができるようになるでしょう。

ただし、もちろん上司も人間です。相談する際は、先ほど述べたように上司のオン・オフなど、タイミングに気を配るようにしてください。

<体内時計をリセットさせる>

夜勤を行っている、あるいは早番・遅番などで時間が不規則になりがちな介護職員は、体内時計も狂いがちです。夜勤明けで寝だめして夜眠れなくなったり、次の日が夜勤だからと夜更かしをし過ぎたりすると、身体に負担が生じます。できるだけ、寝る時間と起きる時間は一定にした方が良いでしょう。

また、ときどき休日はアウトドアに勤しみ、日光を浴びることで体内時計を正常化するのもオススメです。

<他の人や事業所と比較しない>

同じ学校出身の同級生など、他の職場の介護職同士で飲み会を開いたり、愚痴を言い合ったりするのもたまには良いでしょう。しかし中には、現在自分が置かれている環境がいかに素晴らしいかをアピールする人もいるかもしれません。それを聞くと、あなたは当然ながら羨ましくおもうことでしょう。しかし相手の会社も仕事である以上、良いところばかりではなく厳しい部分も当然あります。

例えば給与が良い分だけ一人当たりの業務量がキツかったり、人員が多い分だけ給与が少し低かったり。あるいは、福利厚生が整備されている反面で時間外研修が多いなど、会社によってその特色はさまざまなはずです。

他の事業所と比較する際は、良い部分ばかりでなく、そのようにマイナスな部分にも視点を当ててみてください。そのうえで、今働いている会社より本当に魅力的なのか考えてみましょう。そのうえでもし魅力的であれば、今の社会はどの事業所でも介護職不足という現状。転職して、新たな人生を歩んでみるのも一つかもしれません。

まとめ

高齢者施設で働く介護職員は、介護業における「奉仕の精神」というホスピタリティ精神が根底にあります。しかしサービス業であるため、業務では実にさまざまなことが求められてしまいがちです。すると周囲からの要求、あるいは自分自身を律するあまり、ストレスも大きくなりがちでしょう。

今回挙げたストレス解消法は、ほんの一例に過ぎません。しかし、まずはオン・オフをきっちり切り分け、ストレスマネジメントを図ることがとても重要です。肩に力を入れ過ぎず、日々の業務を遂行してください。

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