ケアマネジャー(介護支援専門員)の就職先とは?仕事内容から給料まで

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ケアマネジャー(介護支援専門員)の就職先とは?仕事内容から給料まで

介護支援専門員の資格を持っている方や、これから資格を取得してケアマネジャーとして働きたいと考えている方は、「ケアマネジャーの就職先にはどんな介護サービスがあるの?」「就職先によって仕事内容は違うの?」「就職先によって給料がずいぶん違うなぁ」など、就職先について気になっているのではないでしょうか。

そこで今回は、ケアマネジャーの就職先である介護サービス種別について、仕事内容や給料などを比較しながらご紹介します。ぜひ最後までお読みください。

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ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格とは?

ケアマネジャーとして働くには「介護支援専門員」の資格が必要となります。介護保険法には、介護支援専門員とは「要介護者等からの相談を受けて、心身の状況等に応じた適切なサービスを受けられるように市町村・サービス事業者等との連絡・調整を行うもので、要介護者等が自立した日常生活を送れるよう援助の専門的知識と技術を有しているものとして、介護支援専門員証の交付を受けたもの」とされています。

この介護支援専門員証の交付を受けるまでの流れは以下のようになっています。

  1. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
  2. 介護支援専門員実務研修を修了する
  3. 各都道府県の介護支援専門員名簿に登録を行う

そして、この介護支援専門員証には5年間の有効期間が設けられています。そのため、継続してケアマネジャーとして働くためには、5年ごとに所定の研修を受講して、介護支援専門員証を更新しなくてはいけません。

介護支援専門員実務研修受講試験とは?

先ほど介護支援専門員の資格取得には、まず「介護支援専門員実務研修受講試験に合格する」ことが必要なことをお伝えしました。ここでは、介護支援専門員実務研修受講試験について説明します。

介護支援専門員実務研修受講試験は、毎年10月頃に各都道府県で実施されています。(第22回令和元年度介護支援専門員実務研修受講試験は、台風の影響により一部地域で試験日程が延期されました。)

受験料は1万円前後で、出題数は全60問(介護支援分野25問、保健医療サービス等の知識等20問、福祉サービスの知識等15問)、出題方式は5肢選択式、試験を受けるための受験資格が設けられています。この試験の合格率は、20%前後で、直近5年間の合格率は以下のようになっています。

介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数・合格者数・合格率

受験者数 合格者数 合格率
第18回(平成27年度) 134,539 20,924 15.6%
第19回(平成28年度) 124,585 16,281 13.1%
第20回(平成29年度) 131,560 28,233 21.5%
第21回(平成30年度) 49,332 4,990 10.1%
第22回(令和元年度10月実施) 30,509 5,644 18.5%

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格とは?

受験資格として、以下のいずれかを満たさなくてはいけません。

  • 法定資格(※1)に基づく業務に5年以上の従事期間かつ900日以上の従事日数の経験
  • 相談援助業務(※2)に5年以上の従事期間かつ900日以上の従事日数の経験

(※1)法定資格とは以下の資格になります。

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士)、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士

(※2)相談援助業務とは以下のようになります。

  • (地域密着型、介護予防含む)特定施設入居者生活介護、(地域密着型含む)介護老人福祉施設の生活相談員
  • 介護老人保健施設の支援相談員
  • 計画相談支援、障害児相談支援の相談支援専門員
  • 生活困窮者自立相談支援事業の主任相談支援員

介護支援専門員実務研修とは?

介護支援専門員実務研修受講試験に合格すると、次に「介護支援専門員実務研修を修了する」ことが必要になります。

介護支援専門員実務研修は、介護支援専門員として利用者の自立支援に資するケアマネジメントを行うために必要な知識や技術を修得することが目的とされています。そして、習得した知識や技術を活かして、地域の中で介護、医療、その他の関係機関などと連携できるようになることも目的の一つとされています。

介護支援専門員実務研修の受講期間は19日間ほど、受講時間は87時間以上で、研修では、ケアプラン等の作成方法や要介護認定に関する知識や方法を学ぶ講義や、グループワークを通して理解を深める演習、実際にケアマネジャーと一緒に利用者の自宅に訪問したり、サービス担当者会議に参加する実習があります。

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ケアマネジャー(介護支援専門員)の就職先にはどんな職場がある?

ケアマネジャーとして働く職場は、「居宅介護支援事業所」「施設・入居系の職場」「その他の職場」の3つに分かれています。ケアマネジャーの主な仕事は『介護サービス計画書(ケアプラン)を作ること』ですが、それぞれの施設・事業所で提供するサービスに特徴があるので、順番に確認していきましょう。

居宅介護支援事業所

居宅介護支援事業所は、在宅生活を送る要介護度1以上の高齢者が適切な介護サービスを受けられるよう、居宅サービス計画の作成、サービス事業者等との連絡調整を始めとした支援を提供する事業所です。直接介護サービスを提供する介護事業所ではなく、利用者が適切に介護サービスを利用できるようにマネジメントします。

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施設・入居系の職場

施設・入居系の職場として、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護付有料老人ホーム、グループホームなどが挙げられます。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

特別養護老人ホームは、要介護度3以上の高齢者が入所して、介護を受けながら生活を送る施設です。施設サービス計画の作成とその計画に基づいて、入浴、排せつ、食事などの日常生活の介護、機能訓練、レクリエーション、健康管理、療養上の世話などを提供しています。

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介護老人保健施設

介護老人保健施設は、要介護度1以上の高齢者が入所して、在宅復帰に向けてリハビリや介護を受けながら生活を送る施設です。施設サービス計画の作成とその計画に基づいて、入浴、排せつ、食事などの日常生活の介護、リハビリテーション、レクリエーション、健康管理、療養上の世話などを提供しています。

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介護医療院

介護医療院は、要介護度1以上の長期の療養が必要な高齢者が入所して、医療や介護を受けながら生活を送る施設です。施設サービス計画の作成とその計画に基づいて、入浴、排せつ、食事などの日常生活の介護、医療、リハビリテーション、レクリエーション、健康管理、療養上の世話などを提供しています。

介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

介護付有料老人ホームは、要支援1以上の高齢者が入居して、介護や支援を受けながら生活を送る施設です。特定施設サービス計画の作成とその計画に基づいて、入浴、排せつ、食事などの日常生活の介護や支援、機能訓練、レクリエーション、健康管理、療養上の世話などを提供しています。

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グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームは、要支援2以上の認知症の診断を受けた高齢者が入居して、介護や支援を受けながら生活を送る施設です。認知症対応型共同生活介護計画の作成とその計画に基づいて、入浴、排せつ、食事などの日常生活の介護や支援、機能訓練、レクリエーションなどを認知症の症状が落ち着くような家庭的な環境の中で提供しています。

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その他の職場

その他の職場として、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護が挙げられます。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、在宅生活を送る要支援1以上の高齢者に、「通い」を中心に「宿泊」「訪問」のサービスを提供する事業所です。居宅サービス計画・小規模多機能型居宅介護計画の作成とそれらの計画に基づいて、事業所への送迎、滞在中の入浴、排せつ、食事などの介護や支援、機能訓練、レクリエーション、自宅へ訪問して安否確認や日常生活の支援などを提供しています。

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看護小規模多機能型居宅介護

看護小規模多機能型居宅介護は、在宅生活を送る要介護1以上の高齢者に、「通い」を中心に「宿泊」「訪問介護」「訪問看護」のサービスを提供する事業所です。居宅サービス計画・看護小規模多機能型居宅介護計画の作成とそれらの計画に基づいて、事業所への送迎、滞在中の入浴、排せつ、食事などの介護や支援、機能訓練、レクリエーション、自宅へ訪問して安否確認や日常生活の支援、療養上の世話などを提供しています。

ケアマネジャー(介護支援専門員)はそれぞれの職場の仕事内容とは?

居宅介護支援事業所のケアマネジャーの仕事内容

居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、居宅サービス等を組み合わせたケアプランを作成することが主な業務です。利用者からの相談を受け、面談を行い、ニーズや課題を把握します。それを基にケアプラン案を作成して、内容について居宅サービス事業所の担当者と調整を行います。その後、月1回の利用者宅への訪問、居宅サービス事業所の担当者との連絡調整などを行います。その他にも、地域ケア会議への参加、要介護認定に関する手続きのサポート、施設入所を希望する利用者へ施設の紹介なども行っています。

施設・入居系の職場のケアマネジャーの仕事内容

施設等で働くケアマネジャーは、それぞれの施設で具体的に提供するサービスが記載された施設サービス計画等を作成することが主な業務です。利用者と面談を行い、ニーズや課題を把握します。それを基にケアプラン案を作成して、内容について施設の介護職員、看護職員、リハビリ職、栄養士、相談援助職と調整を行います。その後、定期的に利用者の状況を確認し、ケアプランの修正を行います。その他にも、地域ケア会議への参加、要介護認定に関する手続きのサポート、在宅復帰のための連携なども行っています。また、職場によっては介護職や相談援助職などの他の職種を兼務することがあります。

その他の職場のケアマネジャーの仕事内容

小規模多機能型居宅介護等で働くケアマネジャーは、具体的に提供するサービスが記載された居宅サービス計画を作成することが主な業務です。利用者と面談を行い、ニーズや課題を把握します。それを基にケアプラン案を作成して、内容について事業所の介護職員、看護職員などと調整を行います。その後、定期的に利用者の状況を確認し、ケアプランの修正を行います。その他にも、地域ケア会議への参加、要介護認定に関する手続きのサポートなども行っています。また、職場によっては介護職を兼務することがあります。

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就職先別 ケアマネジャー(介護支援専門員)の給料

ケアマネジャーとしての就職先を検討する上で、給料は気になるところではないでしょうか?ここでは、東京都の求人情報を調査して、介護サービス種別ごとの給料をご紹介します。

給料
居宅介護支援 20万円〜40万円
特別養護老人ホーム 20万円〜43万円
介護老人保健施設 18万円~37万円
介護付有料老人ホーム 23万円~35万円
グループホーム 23万円~33万円
小規模多機能型居宅介護 22万円~32万円

まとめ

今回はケアマネジャーの就職先の概要と、それぞれの仕事内容や給料についてご紹介しました。ケアマネジャーの就職先である介護施設・事業所の役割によって、ケアマネジャーの仕事も異なってくることがお分かりいただけたかと思います。

ケアマネジャーとして就職・転職を考えている方は、ここでご紹介した内容を参考に、より良い条件の職場を見つけるために求人情報を比較検討してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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