【図で比較】「施設ケアマネジャー」と「居宅ケアマネジャー」の違い

【図で比較】「施設ケアマネジャー」と「居宅ケアマネジャー」の違い

介護業界で活躍しているケアマネジャー(介護支援専門員)という職業は、要介護者が適切に介護サービスを利用できるようにケアプランを作成する専門職です。その活躍する職場によって、「施設ケアマネジャー」や「居宅ケアマネジャー」など分類されて呼ばれています。

ここでは、ケアマネジャーの職場による仕事内容の違いを詳しく説明しますので、将来的に介護支援専門員の資格取得を視野に入れている方、ケアマネジャーの求人情報を探している方は、ぜひ参考にしてください。

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?

介護支援専門員という資格が創設されたのは、介護保険法が施行された2000年です。急激な高齢化に対応するために介護保険制度が制定され、介護サービスは適切な計画に基づき提供されることとされました。介護支援専門員は、その介護サービス計画書(ケアプラン)を作成する専門職としての公的な資格です。

介護支援専門員は、介護サービスの利用者のケアマネジメントを行う職種として「ケアマネジャー」と呼ばれ、居宅介護支援、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護など様々な介護施設・事業所で活躍しています。その中でも、ケアマネジャーの代表的な職場である居宅介護支援で働くケアマネジャーは「居宅ケアマネジャー(居宅ケアマネ)」、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などの施設系で働くケアマネジャーは「施設ケアマネジャー(施設ケアマネ)」と呼ばれています。

介護支援専門員の資格を取得するには、試験の受験資格である特定の業務における実務経験を満たし、合格率が20%前後の難関の試験に合格しなくてはいけません。このように狭き門を通り抜け、資格を取得した人が、ケアマネジャーとして働いています。

ケアマネジャーの仕事内容とは?

ここでは、ケアマネジャーの仕事内容を「施設ケアマネ」と「居宅ケアマネ」に分けてご紹介します。

施設ケアマネの仕事内容

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホームなど)で勤務するケアマネジャーは、「施設ケアマネジャー(施設ケアマネ)」と呼ばれています。ここでは、施設ケアマネジャーの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

まずは、入所者のケアプランの作成・更新が挙げられます。入所希望者の状況を把握して、施設で生活を送る上での希望や課題をアセスメントし、ケアプラン案を作成します。その後、施設の介護職員、看護職員、栄養士、生活相談員などと入所者やそのご家族が参加するサービス担当者会議を行い、ケアプランを修正します。ケアプラン完成後は、入所者・そのご家族にケアプランを説明し、同意を得ます。そして施設でサービスの提供が開始した後は、入所者の生活の状況を確認して、必要に応じてケアプランの見直しなどを行います。それ以外にも、入所者の地域とのつながりを継続するためや、在宅復帰の際に支援が継続されるために、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などと連携を取れる体制の構築なども仕事の一つです。

居宅ケアマネの仕事内容

居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーは、「居宅ケアマネジャー(居宅ケアマネ)」と呼ばれています。ここでは、居宅ケアマネジャーの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

まずは、利用者のケアプランの作成・更新が挙げられます。利用希望者の状況を把握して、在宅生活を送る上での希望や課題をアセスメントし、利用する介護サービスなどを調整したケアプラン案を作成します。その後、利用する予定の介護事業所へ連絡し、その事業所のサービス提供責任者や生活相談員、看護職員、リハビリ専門職員などと利用予定者やその家族が参加するサービス担当者会議を行い、ケアプランを修正します。ケアプラン完成後は、利用者・そのご家族にケアプランを説明し、同意を得ます。そして、介護事業所の利用開始後は、定期的に利用者の生活の状況を確認して、必要に応じてケアプランの見直しなどを行います。

施設ケアマネと居宅ケアマネの違い

ここでは、施設ケアマネジャーと居宅ケアマネジャーの違いを表でご紹介します。

居宅ケアマネ 施設ケアマネ
職場 居宅介護支援 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設
介護医療院
介護療養型医療施設
特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)
など
給料 (※) 月給22万円~40万円 月給23万円~31万円
賞与 職場による 職場による
仕事内容 ケアプランの作成・更新 ケアプランの作成・更新
兼務 ほとんどない 兼務することがある
担当件数 35人以内 100人以内
研修の頻度 多い 少ない

(※)東京都の求人情報の調査結果

施設ケアマネと居宅ケアマネのケアプランの違いとは?

ここでは、施設ケアマネジャーと居宅ケアマネジャーのケアプランの違いをご紹介します。

施設ケアマネのケアプランの例

施設サービス計画書は、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などに入所した後、その方の施設での生活に対してどのようなサービス提供するかが計画されています。施設サービス計画書の例として、前提、ニーズ、長期目標、短期目標、サービス内容をご紹介します。 

前提 自治会の花壇作りに積極的に参加していた。
仲の良い友人と手紙のやりとりをしていた。
定期的に自治会の集まりに通っていた。
ニーズ 一人で居室で過ごすことが多い為、生活の中に楽しみや変化を増やしたい。
長期目標 施設の花壇作りや手入れに参加できる。
友人と手紙のやり取りができる。
他者と交流し、楽しく過ごす。
短期目標 転倒せず歩行ができる。
座位が維持できる。
自室から出て他者と交流が図れる。
サービス内容 歩行、座位保持、筆記等の訓練。
施設行事やレクリエーション活動への参加。

このように入所者のニーズを把握して、『施設での生活』におけるその人らしい生活の継続や生活意欲が向上のためのケアプランを作成します。

居宅ケアマネのケアプランの例

居宅サービス計画書は、利用者の在宅での生活に対してどのようなサービスを組み合わせて利用するかが計画されています。居宅サービス計画書の例として、前提、ニーズ、長期目標、短期目標、サービス内容をご紹介します。 

前提 自治会の花壇作りに積極的に参加していた。
仲の良い友人と手紙のやりとりをしていた。
定期的に自治会の集まりに通っていた。
ニーズ 以前と同じように自治会の活動に参加したい。
長期目標 施設の花壇作りや手入れに参加できる。
友人と手紙のやり取りができる。
自治会の集まりに参加できる。
短期目標 転倒せず歩行ができる。
座位が維持できる。
他者とのコミュニケーションの機会が持てる。
サービス内容 住宅改修と福祉用具の活用。
デイサービスやデイケアなどでの歩行、座位保持の訓練。
デイサービスによる他者交流と外出機会の確保。
地域ボランティアの活用。

このように利用者のニーズを把握して、『自宅での生活』におけるその人らしい生活の維持・継続や元々の生活に戻るためのケアプランを作成します。

皆さんに向いている職場とは?

皆さんの中には、就職・転職を考えていて、どの職場に応募しようか迷っている方もいるのではないでしょうか?職場を選ぶ際、職場に求める要件によって職場の選び方は変わってきます。ここでは職場を選ぶポイントを幾つかご紹介します。

夜勤がない職場を希望

家庭の事情などで、夜勤ができないことを重視して職場を探す方も多いでしょう。そのような方には「居宅介護支援事業所」をおすすめします。施設系の職場でも「応相談」で、夜勤に就くことない職場もありますが、居宅介護支援事業所は日中帯での営業が基本になっています。

給料が高い職場を希望

給料を重視して職場を選ぶ方には、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護付有料老人ホーム」などの施設系の職場がおすすめです。東京都の求人情報を調査し、給料と賞与から年収を計算すると施設系の方が高い傾向にありました。

スキルアップできる職場を希望

ケアマネジャーとしてのスキルアップを考えて職場を選ぶ方も多いでしょう。そのような方には「居宅介護支援事業所」、その中でも特に特定事業所加算を取得している事業所や、「地域包括支援センター」がおすすめです。これらの事業所には主任介護支援専門員が在籍し、研修や指導の体制が整っています。

まとめ

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などで働く「施設ケアマネ」と、居宅介護支援事業所で働く「居宅ケアマネ」の違いをご理解いただけましたか?「ご利用者のためにケアプランを作成する」ことは共通していますが、詳細な仕事内容はそれぞれに特徴があります。

ここでご紹介した内容が、皆さんのケアマネジャーとしての職場探しや、これからの介護支援専門員の資格取得にお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

カイゴジョブ編集部

監修者 カイゴジョブ編集部

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