介護職として転職を考えている皆様は、転職で失敗しないようにどのようなことに注意すべきか調べているのではないでしょうか?
この記事では、介護職の転職でチェックするポイントをご紹介しています。ぜひ最後までお読みいただき転職活動にお役立てください。
介護職が転職する理由として多い理由は?
まずは、介護職として働いている人が離職した理由について見ていきましょう。
公益財団法人介護労働安定センターの実施した『令和元年度介護労働実態調査』によると離職した理由は以下のようになっています。
離職した理由 | 該当する回答 |
---|---|
結婚・妊娠・出産・育児のため | 26.0% |
職場の人間関係に問題があったため | 16.3% |
自分の将来の見込みが立たなかったため | 15.6% |
収入が少なかったため | 12.3% |
他に良い仕事・職場があったため | 11.5% |
法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため | 9.6% |
新しい資格を取ったから | 9.4% |
人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振等のため | 8.8% |
自分に向かない仕事だったため | 7.9% |
家族の介護・看護のため | 4.8% |
定年・雇用契約の満了のため | 4.0% |
家族の転職・転勤、又は事業所の移転のため | 3.9% |
病気・高齢のため | 3.1% |
介護職は女性が多い職場として、『結婚、妊娠、出産、育児のため』という理由が一番多い離職理由となっています。そしてライフステージの変化をはじめ、職場の人間関係の悪化、キャリアアップ、給料アップ、将来の見込み、資格を取得したタイミングなど様々な理由から離職していることがわかります。
介護職員の給料の平均はどれくらい?
将来の見込みや収入の少なさを理由に離職している人がいますが、介護職員の給料はどれくらいなのでしょうか?
ここでは、厚生労働省の『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果』から、常勤の平均給与(月額)の介護サービス種別による違いと勤続年数による違いを見ていきましょう。
介護サービス種別による平均給与の違い
提供するサービスの違いや夜勤の有無などから、介護サービス種別による平均給与にこのような違いが出ています。
介護サービス種別 | 平均給与月額 |
---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 350,430円 |
介護老人保健施設 | 338,920円 |
介護医療院 | 312,600円 |
訪問介護 | 306,760円 |
通所介護 | 280,600円 |
通所リハビリテーション | 305,660円 |
特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム等) | 322,020円 |
小規模多機能型居宅介護 | 287,980円 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 287,770円 |
勤続年数による平均給与の違い
介護職としての経験を積むことで昇給する制度があることや、経験に合わせて資格を取得する人が多いことから、経験年数が増えると以下のように平均給与が高くなる傾向にあります。
勤続年数 | 平均給与月額 |
---|---|
1年~4年 | 289,960円 |
5年~9年 | 307,980円 |
10年以上 | 350,820円 |
介護職の転職で失敗しないためのチェックポイントと確認方法とは?
ここでは、転職で失敗しないためにチェックすべき7つのポイントとその確認方法をご紹介します。
チェックポイント①労働時間
『勤務時間』『労働時間』『休憩時間』『休日』についてチェックしましょう。
勤務時間は、求人票に掲載されている「○○時~○○時」という時間であり、この中の8時間ほどが実際に労働する労働時間、1時間ほどが休憩時間となっています。
1日8時間の労働時間、1時間(45分以上)の休憩時間が一般的ですが、介護業界では1ヵ月単位の変形労働時間制などを採用したシフトの場合もあります。また、職場によって365日営業している事業所や土日が休日となる事業所などの違いもあります。そのため、皆さんの生活リズムと合う勤務時間の職場、希望する休日を取れる職場を選ぶことが重要になります。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- 希望する時間帯の範囲内の勤務時間か?
- 事業所の休日があるか?
- 子供の学校・保育所等の時間と合っているか?
- 他にどのようなシフトがあるか?
- 休憩時間は長くまたは短くないか?
- 残業はあるか?
【面談等で確認するチェックポイント】
- おおよその残業時間
- 希望の休日がとれるか?
- 仕事が忙しくなる時期があるか?
- シフトが複数ある場合、希望する時間帯だけの就業が可能か?
- 事情がある場合、定められているシフト以外の勤務時間にも対応してもらえるか?
チェックポイント②通勤時間、通勤手段
『通勤時間』『通勤手段』『通勤経路』についてもチェックしましょう。
給料などの条件が良くても、毎日の通勤で時間がかかってしまうと生活の中で仕事に関わる時間が増えてしまいます。また、住居や職場が車がないと通勤できない場所にある可能性もあるでしょう。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- 希望する通勤時間の範囲内で通えるか?
- 公共交通機関で通勤できるか?
- 公共交通機関の本数は利用しやすいか?
- 徒歩で移動する距離は長くないか?
【面談等で確認するチェックポイント】
- 車・バイク・自転車など希望する通勤手段は認められているか?
- 車等で通勤する場合、駐車場はあるか?
チェックポイント③仕事内容
『仕事内容』についてもチェックしましょう。
介護職の仕事内容は『利用者の介護をすること』ですが、介護サービス種別や事業所の提供するサービスによって、利用者の状態が異なり、業務の内容や特定の業務が多い・少ないなどの傾向が異なっています。また、事務作業や車の運転など付随する業務についてもチェックしましょう。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- 希望する仕事内容とのミスマッチがないか?
- 兼務はあるか?
【面談等で確認するチェックポイント】
- スキルアップに繋がる仕事内容か?
- 車の運転業務があるか?
- パソコンやタブレットを使った業務があるか?
- 腰痛や体力に不安のある人に業務負担の配慮があるか?
チェックポイント④給料
『給料』『各種手当』『賞与』についてもチェックしましょう。
仕事を継続する上で給料はとても大切な要素です。基本給の金額、手当の種類と金額、賞与の有無と金額など職場によって様々な給与制度が設けられています。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- 給料は希望の金額を超えているか?
- 各種手当の内訳と金額
- 賞与の有無と金額、支給実績
- 昇給する仕組みがあるか?
【面談等で確認するチェックポイント】
- 昇給制度の具体的な仕組み
- 各種手当の支給要件
チェックポイント⑤キャリアアップ
『キャリアアップ』についてもチェックしましょう。
長く勤めることを考える上で、キャリアアップはとても大切な要素です。また、キャリアアップを積極的に支援している職場では、上位の『介護職員処遇改善加算』を算定している傾向にあるので、その分、給料も高くなる傾向にあります。職場や運営法人で、どのようなキャリアアップの可能性があるのかを確認しましょう。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- キャリアアップの制度はあるか?
- キャリアアップの取組の概要
【面談等で確認するチェックポイント】
- 働いている人の資格取得状況
- キャリアアップに伴う役職・職種
- キャリアアップに必要な資格・経験等
- 実際にどのようにキャリアアップしている人がいるのか?
- キャリアアップによるメリット
チェックポイント⑥人材育成、福利厚生
『人材育成の取組』『福利厚生』についてもチェックしましょう。
人材育成の取組や福利厚生が充実している職場は、スタッフが働きやすいように、そして継続して働いてもらえるように取り組んでいます。また、福利厚生が充実していることで給料が少し低くてもそれを補えるメリットがある職場もあります。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- 人材育成の取組を積極的に行っているか?
- 退職金制度があるか?
- 共済などの制度に加入しているか?
【面談等で確認するチェックポイント】
- 社内研修の実施状況
- 社外研修への参加状況
- 資格取得助成制度の内容
- 優待や社員割引などの制度があるか?
チェックポイント⑦職場の人間関係
『職場の人間関係』についてもチェックしましょう。
離職理由にも挙げられているように、たくさんの人が働く職場では、人間関係が原因で離職してしまうことがあります。そのため職場の人間関係に不安を感じる方も多いでしょう。
【求人情報から確認するチェックポイント】
- スタッフからのコメントが掲載されているか?
- スタッフの写真が掲載されているか?
【面談等で確認するチェックポイント】
- 実際に働いている人の様子
- 長く働いている人が多いか?
- 最近辞めた人は多いか?
介護職として転職するまでの流れ
転職活動の一般的な流れは以下のようになっています。
介護職として転職する時のQ&A
ここでは、介護職として転職する時よくある質問についての回答をご紹介します。
「介護が未経験でも介護職として就職できますか?」
『介護職は未経験から就職できます!』
だれしも最初は未経験からスタートします。介護職は、入社時に業務の説明や入社時研修、入社後フォローアップ研修などを実施していることが多く、未経験からでも安心して就職できる職場があります。しかし、中には入社時の説明や入社時研修を実施していないこともありますので、求人情報や面談、面接などでしっかりと確認するのが良いでしょう。
また、違う業種からの転職で介護職への転職を検討している無資格の方には、就職前に『介護職員初任者研修』を受講することをおススメします。もちろん「無資格 応募可」や「無資格 歓迎」などの求人情報を選ぶこともできますが、就職に合わせて介護の資格を取得することで、どのような仕事をするのかを理解でき、介護職として働く意思を応募先の採用担当者にアピールできます。また、介護職としてのキャリアアップを考える際、介護職員初任者研修は次のステップへとつながる資格となっています。
「介護職の仕事はきついですか?」
『介護の仕事はきついと感じることもありますし、楽しいと感じることもあります!』
介護の仕事では、おむつ交換など排せつに関わる介助や入浴の介助などがあるので、清潔好きの人はつらいと感じるでしょう。また、介護の仕事では、立っている時間が長く、しゃがんだり、利用者の身体を支えたりするので、体力に不安がある人や腰痛がある人などはつらいと感じる業務があるでしょう。
しかし、日々の利用者の様子を見て、よりよいサービスを提供しようと考えることや利用者とコミュニケーションを取り、信頼や感謝を受けることで楽しい、やりがいのある仕事だと感じている人もたくさんいます。
「介護職はどのような人が向いていますか?」
『様々な傾向の人が介護職に向いています!』
介護の仕事では、利用者の日々の生活を支援するために様々な業務内容を行います。もちろん介護の知識や技術を必要とする業務もありますが、これまで皆さんが生活を送る上で行っていたことも役立つ業務があります。
それでは、介護職に向いている人の特徴や傾向をいくつかご紹介します。
【介護職に向いている人の特徴・傾向】
- 人と接する仕事がしたい
- 高齢者を思いやることができる
- 手に職を付けたい
- キャリアアップを目指している
- 将来が安定している仕事がしたい
- 接遇スキルがある
- 高齢者とのコミュニケーションが好き・苦にならない
- 体力に自信がある
- 社会貢献につながる仕事がしたい
- 掃除、片付けなどの家事が得意
介護職の転職におすすめの方法は?
それでは、介護職として転職する時におすすめの方法をご紹介します。
それは、カイゴジョブのような『介護職専門の転職サイトを利用すること』です!
介護の仕事に特化していることで、掲載している求人票の情報が詳細かつ情報量が多いことがメリットとして挙げられます。また、WEBサイト内には、就職・転職に役立つ情報があり、就職・転職活動で疑問や不安に思ったことは電話で相談できる相談窓口もあります。
まだ、カイゴジョブをお使いでない方は、ぜひこの機会に求人票を検索してみてください。
まとめ
介護職の転職について、離職の理由や転職のチェックポイント、転職におすすめの方法などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
転職活動では、『なぜ、前職を辞めたのか?』という理由を明確にして、次の職場では同じ理由から退職しないように条件を決めることが重要です。
ここでご紹介した内容が皆様の転職活動に役立ち、皆様が介護職として希望条件を満たす職場へ就職できることをお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
監修者 カイゴジョブ編集部
介護業界でがんばる皆様、転職を検討している皆様を全力応援!お悩みQ&Aや転職ノウハウなど、お役立ち情報を発信します。