第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解答(2021年1月31日実施)

第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解答(2021年1月31日実施)

第33回 介護福祉士国家試験(2021年1月31日実施)の過去問題と解答をご紹介します。

過去問:第33回 介護福祉士国家試験 解答(2021年1月実施)

人間の尊厳と自立

問1 問2
1 3

人間関係とコミュニケーション

問3 問4
2 4

社会の理解

問5 問6 問7 問8
2 3 4 3
問9 問10 問11 問12
2 4 2 4
問13 問14 問15 問16
3 1 5 1

介護の基本

問17 問18 問19 問20
1 2 5 4
問21 問22 問23 問24
1 5 3 4
問25 問26
2 3

コミュニケーション技術

問27 問28 問29 問30
5 2 5 1
問31 問32 問33 問34
3 1 3 4

生活支援技術

問35 問36 問37 問38
3 5 4 1
問39 問40 問41 問42
4 1 3 5
問43 問44 問45 問46
3 5 2 3
問47 問48 問49 問50
2 5 1 4
問51 問52 問53 問54
4 2 3 1
問55 問56 問57 問58
5 2 3 3
問59 問60
3 2

介護過程

問61 問62 問63 問64
5 1 5 3
問65 問66 問67 問68
2 2 2 1

発達と老化の理解

問69 問70 問71 問72
4 5 3 4
問73 問74 問75 問76
2 1 2 5

認知症の理解

問77 問78 問79 問80
1 1 2 5
問81 問82 問83 問84
2 5 4 3
問85 問86
1 4

障害の理解

問87 問88 問89 問90
3 1 5 5
問91 問92 問93 問94
2 5 3 2
問95 問96
3 4

こころとからだのしくみ

問97 問98 問99 問100
1 4 2 3
問101 問102 問103 問104
5 1 4 2
問105 問106 問107 問108
5 4 1 2

医療的ケア

問109 問110 問111 問112
1 5 2 4
問113
1

総合問題

問114 問115 問116 問117
1 4 なし 4
問118 問119 問120 問121
1 2 3 5
問122 問123 問124 問125
1 4 5 2

※問116は問題不成立のため正答なし

●第33回 介護福祉士国家試験の合格基準点(1問1点)
75点 / 125問

第33回 介護福祉士国家試験 過去問題(2021年1月実施)

人間の尊厳と自立

問題 1

人権や福祉の考え方に影響を与えた人物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 リッチモンド(Richmond, M.)は、『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』をまとめ、現在の社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。

2 フロイト(Freud, S.)がまとめた『種の起源』の考え方は、後の「優生思想」につながった。

3 マルサス(Malthus, T.)は、人間の無意識の研究を行って、『精神分析学入門』をまとめた。

4 ヘレン・ケラー(Keller, H.)は、『看護覚え書』の中で「療養上の世話」を看護の役割として示した。

5 ダーウィン(Darwin, C.)は、『人口論』の中で貧困原因を個人の人格の問題とした。

問題 2

自宅で生活しているAさん(87歳、男性、要介護3)は、7年前に脳伷塞(cerebral infarction)で左片麻痺(ひだりかたまひ)となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用していた。Aさんは食べることを楽しみにしていたが、最近、食事中にむせることが多くなり、誤嚥(ごえん)を繰り返していた。誤嚥(ごえん)による緊急搬送の後、医師は妻に、「今後も自宅で生活を続けるならば、胃ろうを勧める」と話した。妻は仕方がないと諦めていたが、別に暮らしている長男は胃ろうの造設について納得していなかった。長男が実家を訪れるたびに、Aさんの今後の生活をめぐって口論が繰り返されていた。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にどうしたらよいか相談した。介護福祉職の職業倫理に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「医療的なことについては発言できません」

2 「医師の判断なら、それに従うのが良いと思います」

3 「Aさん自身は、どのようにお考えなのでしょうか」

4 「息子さんの気持ちより、一緒に暮らす奥さんの気持ちが優先されますよ」

5 「息子さんと一緒に、医師の話を聞きに行ってみてください」

人間関係とコミュニケーション

問題 3

人間関係における役割葛藤の例として、適切なものを1つ選びなさい。

1 就労継続支援B型の利用者が、生活支援員の期待に応えようとして作業態度をまねる。

2 家族介護者が、仕事と介護の両立への期待に応えられるかどうか悩む。

3 通所介護(デイサービス)の利用者が、レクリエーションを楽しんでいる利用者の役を演じる。

4 就労移行支援の利用者が、採用面接の模擬訓練中にふざけて冗談を言ってしまう。

5 高齢者が、家事を行う家族に代わり、孫の遊び相手の役割を担う。

問題 4

Bさん(80歳、男性)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら自宅で一人暮らしをしている。最近、自宅で転倒してから、一人で生活をしていくことに不安を持つこともある。訪問介護員(ホームヘルパー)がBさんに、「お一人での生活は大丈夫ですか。何か困っていることはありませんか」と尋ねたところ、Bさんは、「大丈夫」と不安そうな表情で答えた。Bさんが伝えようとしたメッセージに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 言語メッセージと同じ内容を非言語メッセージで強調している。

2 言語で伝えた内容を非言語メッセージで補強している。

3 言語の代わりに非言語だけを用いてメッセージを伝えている。

4 言語メッセージと矛盾する内容を非言語メッセージで伝えている。

5 非言語メッセージを用いて言葉の流れを調整している。

社会の理解

問題 5

家族の変容に関する2015年(平成27年)以降の動向として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 1 世帯当たりの人数は、全国平均で3.5人を超えている。

2 核家族の中で、「ひとり親と未婚の子」の世帯が増加している。

3 50 歳時の未婚割合は、男性よりも女性のほうが高い。

4 65 歳以上の人がいる世帯では、単独世帯が最も多い。

5 結婚して 20 年以上の夫婦の離婚は、減少している。

(注)「50 歳時の未婚割合」とは、45~49 歳の未婚率と50~54 歳の未婚率の平均であり、「生涯未婚率」とも呼ばれる。

問題 6

次のうち、セルフヘルプグループ(self-help group)に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 町内会

2 学生自治会

3 患者会

4 専門職団体

5 ボランティア団体

問題 7

次のうち、福祉三法に続いて制定され、福祉六法に含まれるようになった法律として、正しいものを1つ選びなさい。

1 社会福祉法

2 地域保健法

3 介護保険法

4 老人福祉法

5 障害者基本法

問題 8

2017年度(平成29年度)の社会保障給付費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 国の一般会計当初予算は、社会保障給付費を上回っている。

2 介護対策の給付費は、全体の30%を超えている。

3 年金関係の給付費は、全体の40%を超えている。

4 医療関係の給付費は、前年度より減少している。

5 福祉その他の給付費は、前年度より減少している。

問題 9

介護保険法の保険者として、正しいものを1つ選びなさい。

1 社会保険診療報酬支払基金

2 市町村及び特別区

3 国民健康保険団体連合会

4 厚生労働省

5 日本年金機構

問題 10

介護保険制度の利用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 要介護認定は、介護保険被保険者証の交付の前に行う。

2 要介護認定には、主治医の意見書は不要である。

3 要介護認定の審査・判定は、市町村の委託を受けた医療機関が行う。

4 居宅サービス計画の作成は、原則として要介護認定の後に行う。

5 要介護者の施設サービス計画の作成は、地域包括支援センターが行う。

問題 11

Cさん(75 歳、男性、要支援 2 )は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して一人暮らしをしていた。最近、脳伷塞(cerebral infarction)を起こして入院した。入院中に認知症(dementia)と診断された。退院時の要介護度は2で、自宅での生活継続に不安があったため、Uグループホームに入居することになった。Uグループホームの介護支援専門員(ケアマネジャー)が行うこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 訪問介護(ホームヘルプサービス)を継続して受けるために、Cさんを担当していた地域包括支援センターに連絡する。

2 Uグループホームに入居するときに、認知症対応型共同生活介護計画を作成する。

3 地域の居宅介護支援事業所に、Cさんのケアプランを作成するように依頼する。

4 認知症対応型共同生活介護計画の作成をするときに、認知症(dementia)があるCさんへの説明と同意を省略する。

5 日中の活動を充実するために、地域の通所介護(デイサービス)の利用をケアプランに入れる。

(注) ここでいう「グループホーム」とは、「認知症対応型共同生活介護事業所」のことである。

問題 12

ノーマライゼーション(normalization)を説明する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 福祉、保健、医療などのサービスを総合的に利用できるように計画すること。

2 家族、近隣、ボランティアなどによる支援のネットワークのこと。

3 利用者自身が問題を解決していく力を獲得していくこと。

4 障害があっても地域社会の一員として生活が送れるように条件整備をすること。

5 利用者の心身の状態やニーズを把握すること。

問題 13

Dさん(64歳、女性、障害支援区分4、身体障害者手帳2級)は、「障害者総合支援法」の居宅介護を利用して生活している。この居宅介護事業所は共生型サービスの対象となっている。 Dさんは65歳になった後のサービスについて心配になり、担当の居宅介護職員に、「65歳になっても今利用しているサービスは使えるのか」と尋ねてきた。居宅介護事業所の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Dさんは障害者なので介護保険サービスを利用することはないと伝える。

2 障害者の場合は 75 歳になると介護保険サービスに移行すると伝える。

3 現在利用しているサービスを継続して利用することができると伝える。

4 継続して利用できるかどうか 65 歳になった後で検討すると伝える。

5 介護予防のための通所介護(デイサービス)を利用することになると伝える。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 14

「障害者総合支援法」の障害者の定義に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 18 歳以上の者である。

2 65 歳未満の者である。

3 難病患者は除外されている。

4 発達障害者は除外されている。

5 精神作用物質による依存症の者は除外されている。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 15

「障害者総合支援法」のサービスを利用するための障害支援区分を判定する組織として、正しいものを1つ選びなさい。

1 身体障害者更生相談所

2 協議会

3 基幹相談支援センター

4 居宅介護事業所

5 市町村審査会

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 16

「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 養護者及び養介護施設従事者等が行う行為が対象である。

2 虐待の類型は、身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待の三つである。

3 虐待を発見した場合は、施設長に通報しなければならない。

4 立ち入り調査を行うときは、警察官の同行が義務づけられている。

5 通報には、虐待の事実確認が必要である。

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

介護の基本

問題 17

「2016年(平成 28 年)国民生活基礎調査」(厚生労働省)における、同居の主な介護者の悩みやストレスの原因として、最も多いものを1つ選びなさい。

1 家族の病気や介護

2 自分の病気や介護

3 家族との人間関係

4 収入・家計・借金等

5 自由にできる時間がない

問題 18

「価値のある社会的役割の獲得」を目指すソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)を提唱した人物として、正しいものを1つ選びなさい。

1 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)

2 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)

3 メイヤロフ(Mayeroff, M.)

4 キットウッド(Kitwood, T.)

5 ニィリエ(Nirje, B.)

問題 19

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)における環境因子を表す記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。

2 糖尿病(diabetes mellitus)があるため服薬をしている。

3 医者嫌いである。

4 町内会の会長を務めていた。

5 娘が近隣に住み、毎日訪問している。

問題 20

利用者の自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ごみの分別がわからない利用者だったので、その場でごみを分別した。

2 利用者の自宅の冷蔵庫の中が片づいていないので、整理整頓した。

3 トイレ誘導した利用者の尿パッドを、本人に配慮して無言で取り替えた。

4 服薬時に、薬を飲むように促して、そばで確認した。

5 利用者が居間でテレビを見ているそばで、洗濯物を畳んだ。

問題 21

高齢者のリハビリテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 機能訓練は、1回の量を少なくして複数回に分けて行う。

2 基本的な動作を行う訓練は、物理療法である。

3 関節障害のある人の筋力訓練は、関節を積極的に動かすことが効果的である。

4 パーキンソン病(Parkinson disease)の人の訓練では、体幹をひねることは避ける。

5 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の訓練は、朝に行うことが効果的である。

問題 22

施設利用者の多様な生活に配慮した介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 夜型の生活習慣がある人に、施設の就寝時刻に合わせてもらった。

2 化粧を毎日していた人に、シーツが汚れるため、化粧をやめてもらった。

3 本に囲まれた生活をしてきた人に、散乱している本を捨ててもらった。

4 自宅で畳に布団を敷いて寝ていた人に、ベッドで寝てもらった。

5 自宅で夜間に入浴をしていた人に、夕食後に入浴してもらった。

問題 23

介護医療院に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入所できるのは要介護3以上である。

2 介護医療院の開設は市町村から許可を受けなければならない。

3 入所者のためのレクリエーション行事を行うように努める。

4 入所者一人当たりの床面積は、介護老人福祉施設と同じ基準である。

5 サービス管理責任者を1名以上置かなければならない。

問題 24

Eさん(女性、82 歳、要介護 1 )は、夫(80 歳)と二人暮らしである。膝の痛みがあるが、夫の介助があれば外出は可能である。最近Eさん宅は、玄関、トイレ、浴室に手すりを設置している。Eさんは料理が趣味で、近所のスーパーで食材を自分で選び、購入し、食事の用意をしたいと思っている。こうした中、Eさん宅で介護支援専門員(ケアマネジャー)が関係職種を招集してサービス担当者会議を開くことになった。Eさんの思いに添ったサービスの提案として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の生活援助の利用

2 介護支援専門員(ケアマネジャー)の手配による配食サービスの利用

3 社会福祉協議会の生活支援員による日常生活自立支援事業の活用

4 福祉用具専門相談員の助言による四輪歩行車の利用

5 通所介護(デイサービス)の職員による入浴サービスの利用

問題 25

介護施設におけるプライバシーの保護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ユニット型施設は個室化が推進されているため、各居室で食事をしてもらった。

2 個々の利用者の生活歴の情報を、ルールに従って介護職員間で共有した。

3 個人情報記録のファイルを、閲覧しやすいように机の上に置いたままにした。

4 着衣失行があるため、トイレのドアを開けたままで排泄(はいせつ)の介護を行った。

5 家庭内の出来事や会話の内容は、情報に含まれないため記録しなかった。

問題 26

ハインリッヒ(Heinrich, H.)の法則に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 機能障害、能力障害、社会的不利という障害をとらえるための分類である。

2 人間の自己実現に向けた欲求を5つの階層で示したものである。

3 一つの重大事故の背景には、多くの軽微な事故とヒヤリハットが存在する。

4 患者が余命を知らされてから死を受容するまでの心理的プロセスである。

5 生活課題を抱えた人の支援をする上で必要な7つの原則である。

コミュニケーション技術

問題 27

介護福祉職が利用者と信頼関係を形成するためのコミュニケーション技術として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の意見に賛成できなくても同意する。

2 「○○ちゃん」と親しみを込めてお互いを呼び合う。

3 介護福祉職からは質問をせずに受け身の姿勢で聞く。

4 介護福祉職の価値判断に従ってもらう。

5 介護福祉職自身の感情の動きも意識しながら関わる。

次の事例を読んで、問題28、問題29について答えなさい。

〔事例〕Fさん(85歳、女性)は、中等度の認知症(dementia)がある。同居していた娘の支援を受けて生活してきたが、症状が進行してきたために、介護老人福祉施設への入所が決まった。入所当日、介護福祉職はFさんの付き添いで来た娘に初めて会った。介護福祉職が、「はじめまして。よろしくお願いします」と挨拶をすると、娘は少し緊張した様子で、「お願いします」とだけ答えた。娘は、介護福祉職の問いかけに応えるまで時間がかかり、また、あまり多くを語ることはなかった。持参した荷物の整理を終えて帰宅するとき、娘が寂しそうに、「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。

問題 28

初対面の娘と関係を構築するために介護福祉職がとる対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 友人のような口調で話す。

2 相手のペースに合わせて、表情を確認しながら話す。

3 会話が途切れないように積極的に話す。

4 密接距離を確保してから話す。

5 スキンシップを用いながら話す。

問題 29

帰宅するときの娘の発言に対する、介護福祉職の共感的な言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「心配しなくても大丈夫ですよ」

2 「私も寂しい気持ちは一緒です」

3 「元気を出して、お母さんの前では明るく笑顔でいましょう」

4 「お母さんに毎日会いに来てください」

5 「お母さんと離れて暮らすと寂しくなりますね」

問題 30

Gさん(55 歳、男性)は父親と二人で暮らしている。父親は週2回通所介護(デイサービス)を利用している。Gさんは、父親が夜に何度も起きるために睡眠不足となり、仕事でミスが続き退職を決意した。ある日、Gさんが介護福祉職に、「今後の生活が不安だ。通所介護(デイサービス)の利用をやめたいと考えている」と話した。Gさんが、「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためのコミュニケーションとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 開かれた質問をする。

2 「はい」「いいえ」で答えられる質問をする。

3 介護福祉職のペースに合わせて話してもらう。

4 事実と異なることは、訂正しながら聞く。

5 相手が話したくないことは、推測して判断する。

問題 31

利用者と家族の意向が対立する場面で、介護福祉職が両者の意向を調整するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 両者が話し合いを始めるまで発言しない。

2 利用者に従うように家族を説得する。

3 利用者と家族のそれぞれの意見を聞く。

4 家族の介護負担の軽減を目的にして調整する。

5 他職種には相談せずに解決する。

問題 32

運動性失語症(motor aphasia)のある人とコミュニケーションを図るときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 絵や写真を使って反応を引き出す。

2 大きな声で1音ずつ区切って話す。

3 手話を使うようにする。

4 五十音表でひらがなを指してもらう。

5 閉ざされた質問は控える。

問題 33

介護記録を書くときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 数日後に書く。

2 客観的事実と主観的情報は区別せずに書く。

3 ほかから得た情報は情報源も書く。

4 利用者の気持ちだけを推測して書く。

5 介護福祉職の意見を中心に書く。

問題 34

報告者と聞き手の理解の相違をなくすための聞き手の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 受け身の姿勢で聞く。

2 腕組みをしながら聞く。

3 同調しながら聞く。

4 不明な点を確認しながら聞く。

5 ほかの業務をしながら聞く。

生活支援技術

問題 35

次の記述のうち、古い住宅で暮らす高齢者が、ヒートショックを防ぐために必要な環境整備の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居室の室温を低くする。

2 脱衣室の照明を明るくする。

3 トイレに床置き式の小型のパネルヒーターを置く。

4 入浴直前に浴槽の湯温を60℃にし、蒸気を立てる。

5 24 時間換気システムを導入する。

問題 36

高齢者にとって安全で使いやすい扉の工夫として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 トイレの扉は内開きにする。

2 開き戸は杖(つえ)の使用者が移動しやすい。

3 引き戸は開閉の速度が速くなる。

4 アコーディオンドアは気密性が高い。

5 引き戸の取っ手は棒型にする。

問題 37

下肢の筋力が低下して、つまずきやすくなった高齢者に適した靴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 靴底の溝が浅い靴

2 靴底が薄く硬い靴

3 足の指が固定される靴

4 足背をしっかり覆う靴

5 重い靴

問題 38

介護が必要な利用者の口腔(こうくう)ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 うがいができる場合には、ブラッシング前にうがいをする。

2 歯磨きは、頭部を後屈させて行う。

3 部分床義歯のクラスプ部分は、流水で軽く洗う。

4 全部の歯がない利用者には、硬い毛の歯ブラシを使用する。

5 舌の清拭(せいしき)は、手前から奥に向かって行う。

問題 39

口腔内(こうくうない)が乾燥している人への助言に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 苦味の強い食べ物を勧める。

2 臥床時(がしょうじ)は仰臥位(ぎょうがい)(背臥位:はいがい)で枕を使用しないように勧める。

3 水分は控えるように勧める。

4 唾液腺マッサージをするように勧める。

5 ジェルタイプの保湿剤は、前回塗った上に重ねて塗るように勧める。

問題 40

介護福祉職が利用者を仰臥位(ぎょうがい)(背臥位)(はいがい)から側臥位(そくがい)へ体位変換するとき、図に示された力点の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1 AとC

2 AとD

3 BとC

4 BとD

5 BとE

問題 41

標準型車いすを用いた移動の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 急な上り坂は、すばやく進む。

2 急な下り坂は、前向きで進む。

3 踏切を渡るときは、前輪を上げて駆動輪でレールを越えて進む。

4 段差を上がるときは、前輪を上げて進み駆動輪が段差に接する前に前輪を下ろす。

5 砂利道では、駆動輪を持ち上げて進む。

問題 42

Hさん(35歳、男性)は6か月前、高所作業中に転落し、第6胸髄節(Th6)を損傷した。リハビリテーション後、車いすを利用すれば日常生活を送ることができる状態になっている。Hさんの身体機能に応じた車いすの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ヘッドサポートを装着している。

2 ハンドリムがないタイヤを装着している。

3 レバーが長いブレーキを装着している。

4 片手で駆動できるハンドリムを装着している。

5 腰部までのバックサポートを装着している。

問題 43

Jさん(80歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。食事の後、Jさんから、「最近、飲み込みにくくなって時間がかかる」と相談された。受診の結果、加齢による機能低下が疑われると診断された。次の記述のうち、Jさんが食事をするときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 リクライニングのいすを用意する。

2 栄養価の高い食事を準備する。

3 食前に嚥下体操(えんげたいそう)を勧める。

4 自力で全量を摂取できるように促す。

5 細かく刻んだ食事を提供する。

問題 44

慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)(chronic obstructive pulmonary disease)のある利用者 の食事に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 繊維質の多い芋類を食事に取り入れる。

2 炭酸飲料で水分補給をする。

3 たんぱく質の多い食事は控える。

4 高カロリーの食事は控える。

5 1 回の食事量を減らし、回数を増やす。

問題 45

入浴の身体への作用を踏まえた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 浮力作用があるため、食後すぐの入浴は避ける。

2 浮力作用があるため、入浴中に関節運動を促す。

3 静水圧作用があるため、入浴後に水分補給をする。

4 静水圧作用があるため、入浴前にトイレに誘導する。

5 温熱作用があるため、お湯につかる時間を短くする。

問題 46

四肢麻痺(ししまひ)の利用者の手浴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位)(はいがい)で行う。

2 手指は、30分以上お湯に浸す。

3 手関節を支えながら洗う。

4 指間は、強く洗う。

5 指間は、自然乾燥させる。

問題 47

利用者の状態に応じた清潔の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 乾燥性皮膚疾患がある場合、弱アルカリ性の石鹸(せっけん)で洗う。

2 人工透析をしている場合、柔らかいタオルでからだを洗う。

3 褥瘡(じょくそう)がある場合、石鹸(せっけん)をつけた指で褥瘡部(じょくそうぶ)をこすって洗う。

4 糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)がある場合、足の指の間はナイロンたわしで洗う。

5 浮腫のある部位は、タオルを強く押し当てて洗う。

問題 48

Kさん(72歳、女性、要介護2)は、脳伷塞(cerebral infarction)で入院したが回復し、自宅への退院に向けてリハビリテーションに取り組んでいる。トイレへは手すりを使って移動し、トイレ動作は自立している。退院後も自宅のトイレでの排泄(はいせつ)を希望している。Kさんが自宅のトイレで排泄(はいせつ)を実現するために必要な情報として、最も優先されるものを1つ選びなさい。

1 便意・尿意の有無

2 飲食の状況

3 衣服の着脱の様子

4 家族介護者の有無

5 トイレまでの通路の状況

問題 49

自己導尿を行っている利用者に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 座位が不安定な場合は、体を支える。

2 利用者が自己導尿を行っている間は、そばで見守る。

3 利用者と一緒にカテーテルを持ち、挿入する。

4 再利用のカテーテルは水道水で洗い、乾燥させる。

5 尿の観察は利用者自身で行うように伝える。

問題 50

下肢筋力の低下により立位に一部介助が必要な車いすの利用者が、トイレで排泄(はいせつ)をするときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 便座の高さは、利用者の膝よりも低くなるように調整する。

2 便座に移乗する前に、車いすのバックサポートに寄りかかってもらう。

3 車いすから便座に移乗するときは、利用者の上腕を支える。

4 利用者が便座に移乗したら、座位が安定していることを確認する。

5 立ち上がる前に、下着とズボンを下腿部(かたいぶ)まで下げておく。

問題 51

図の洗濯表示の記号の意味として、正しいものを1つ選びなさい。

1 液温は 30℃以上とし、洗濯機で洗濯ができる。

2 液温は 30℃以上とし、洗濯機で弱い洗濯ができる。

3 液温は 30℃以上とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。

4 液温は 30℃を上限とし、洗濯機で弱い洗濯ができる。

5 液温は 30℃を上限とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。

問題 52

衣服についたバターのしみを取るための処理方法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 水で洗い流す。

2 しみに洗剤を浸み込ませて、布の上に置いて叩(たた)く

3 乾かした後、ブラッシングする。

4 氷で冷やしてもむ。

5 歯磨き粉をつけてもむ。

問題 53

食中毒の予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 鮮魚や精肉は、買物の最初に購入する。

2 冷蔵庫の食品は、伱間(すきま)なく詰める。

3 作って保存しておく食品は、広く浅い容器に入れてすばやく冷ます。

4 再加熱するときは、中心部温度が60℃で1分間行う。

5 使い終わった器具は、微温湯をかけて消毒する。

問題 54

喘息(ぜんそく)のある利用者の自宅の掃除に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 掃除機をかける前に吸着率の高いモップで床を拭く。

2 掃除は低い所から高い所へ進める。

3 拭き掃除は往復拭きをする。

4 掃除機の吸い込み口はすばやく動かす。

5 掃除は部屋の出入口から奥へ向かって進める。

問題 55

ベッドに比べて畳の部屋に布団を敷いて寝る場合の利点について、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 布団に湿気がこもらない。

2 立ち上がりの動作がしやすい。

3 介護者の負担が少ない。

4 床からの音や振動が伝わりにくい。

5 転落の不安がない。

問題 56

睡眠の環境を整える介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 寝具を選ぶときは、保湿性を最優先する。

2 湯たんぽを使用するときは、皮膚に直接触れないようにする。

3 寝室の温度は、1年を通して15℃前後が望ましい。

4 枕は、顎が頸部(けいぶ)につくぐらいの高さにする。

5 就寝中の電気毛布は、スイッチを切る必要がない。

問題 57

Lさん(78歳、男性)は、脳伷塞後遺症による右片麻痺(みぎかたまひ)がある。妻の介護疲れで、3日前から介護老人保健施設の短期入所療養介護(ショートステイ)を利用している。入所以降、Lさんは日中もベッドで横になっていることが多かったため、介護福祉職がLさんに話を聞くと、「夜、眠れなくて困っている」と訴えた。介護福祉職のLさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 施設の起床時間や消灯時間をわかりやすく伝える。

2 眠ろうとする意志が大切だと説明する。

3 自宅での睡眠の状況について詳しく尋ねる。

4 日中の睡眠の必要性を伝える。

5 睡眠薬の服用について提案する。

問題 58

「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年(平成30年)改訂(厚生労働省))において、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)が重要視されている。このアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を踏まえた、人生の最終段階を迎えようとする人への介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「生活上の悩みごとは、近くの地域包括支援センターに相談できます」

2 「今後の医療とケアについては、家族が代わりに決めるので安心です」

3 「今後の生活について、家族や医療・介護職員と一緒に、その都度話し合っていきましょう」

4 「口から食べることができなくなったら、介護職員に相談してください」

5 「意思を伝えられなくなったら、成年後見制度を利用しましょう」

問題 59

死期が近づいたときの介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食事量が減少したときは、高カロリーの食事を用意する。

2 チアノーゼ(cyanosis)が出現したときは、冷罨法(れいあんぽう)を行う。

3 全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん)が強いときは、全身清拭(ぜんしんせいしき)から部分清拭(ぶぶんせいしき)に切り替える。

4 傾眠傾向があるときは、話しかけないようにする。

5 口腔内乾燥(こうくうないかんそう)があるときは、アイスマッサージを行う。

問題 60

高齢者施設で利用者の死後に行うデスカンファレンス(death conference)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ボランティアに参加を求める。

2 ケアを振り返り、悲しみを共有する。

3 利用者の死亡直後に行う。

4 個人の責任や反省点を追及する。

5 自分の感情は抑える。

介護過程

問題 61

介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の健康状態の改善

2 介護福祉職の介護観の変容

3 他職種との役割の分化

4 家族の介護負担の軽減

5 利用者の生活の質の向上

問題 62

介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 五感を活用した観察を通して情報を集める。

2 一つの場面に限定して得られる情報を集める。

3 初対面のときから踏み込んで情報を集める。

4 興味のある個人情報を集める。

5 実践したい支援に沿った情報を集める。

問題 63

次の記述のうち、介護過程の展開におけるアセスメント(assessment)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 支援内容を説明して同意を得ること。

2 具体的な支援計画を検討すること。

3 達成できる目標を設定すること。

4 支援の経過を評価すること。

5 利用者の生活課題を明確にすること。

問題 64

短期目標の設定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護福祉職の視点で目標を設定する。

2 多様な解釈ができる言葉を用いて設定する。

3 実現可能な目標を段階的に設定する。

4 長期目標とは切り離して設定する。

5 最終的に実現したい生活像を設定する。

次の事例を読んで、問題 65、問題 66について答えなさい。

〔事例〕Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

問題 65

Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 順調に経過していたときの状況を分析する。

2 「怖いから」という思いを解釈する。

3 入浴を断られた介護福祉職の思いを理解する。

4 入浴時間の変更を検討する必要があると判断する。

5 入浴を面倒に思っていると判断する。

問題 66

再アセスメントによって見直した支援の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 湯船につかる自信を取り戻す支援

2 浴室内の移動の不安を取り除く支援

3 浴室まで安全に移動できる支援

4 足浴で満足感を得ることができる支援

5 身体機能を改善する支援

次の事例を読んで、問題 67、問題 68について答えなさい。

〔事例〕Aさん(80歳、女性、要介護3)は、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断されている。診断後も家業を手伝いながら、地域の活動に参加していた。半年前からパーキンソン病(Parkinson disease)が悪化し、動作は不安定となったが、「家族に迷惑をかけたくない」と、できることは自分で取り組んでいた。また、主となる介護者である娘に服薬を管理してもらいながら、通所介護(デイサービス)を週3回利用し、なじみの友人と話すことを楽しみにしていた。最近、通所介護(デイサービス)の職員から娘に、昼食時にむせることが多く食事を残していること、午後になると、「レクリエーションには参加したくない」と落ち着かない様子になることが報告された。

問題 67

介護福祉職がAさんについて、主観的に記録したものを1つ選びなさい。

1 パーキンソン病(Parkinson disease)と診断されている。

2 帰宅願望から、レクリエーションの参加を拒否した。

3 「家族に迷惑をかけたくない」と話し、できることは自分で行っていた。

4 週3回、通所介護(デイサービス)を利用している。

5 昼食時にむせることが多く、食事を残していることを娘に報告した。

問題 68

その後、娘が腰痛を発症し、Aさんは短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。

次の記述のうち、短期入所生活介護(ショートステイ)におけるAさんの生活課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 食事を安全に摂取できること。

2 服薬の管理ができること。

3 通所介護(デイサービス)の利用を再開できること。

4 なじみの友人ができること。

5 地域の活動に参加できること。

発達と老化の理解

問題 69

Aさん(小学4年生、男性)は、思いやりがあり友人も多い。図画工作や音楽が得意で落ち着いて熱心に取り組むが、苦手な科目がある。特に国語の授業のノートを見ると、黒板を書き写そうとしているが、文字の大きさもふぞろいで、一部の漢字で左右が入れ替わっているなどの誤りが多く見られ、途中で諦めた様子である。親子関係や家庭生活、身体機能、就学時健康診断などには問題がない。Aさんに当てはまる状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)

2 愛着障害

3 注意欠陥多動性障害

4 学習障害

5 知的障害

問題 70

医療や福祉の法律での年齢に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 35 歳の人は、老人福祉施設に入所できる。

2 50 歳の人は、介護保険の第一号被保険者である。

3 60 歳の人は、医療保険の前期高齢者である。

4 70 歳の人は、介護保険の第二号被保険者である。

5 75 歳の人は、後期高齢者医療の被保険者である。

問題 71

高齢期の喪失体験と悲嘆に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 喪失体験とは、加齢に伴う身体機能の低下のことである。

2 悲嘆過程とは、病的な心のプロセスのことである。

3 死別後の悲嘆からの回復には、喪失に対する心理的対処だけでなく生活の立て直しへの対処も必要である。

4 ボウルビィ(Bowlby, J.)によれば、悲嘆過程には順序性はない。

5 身近な人との死別後に生じる病的悲嘆への支援では、亡くなった人への愛着をほかに向けることを目標にする。

問題 72

加齢による味覚の変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 味蕾(みらい)の数に年齢による違いはない。

2 服用する薬剤で味覚が変化することはない。

3 唾液が増加して味覚が敏感になる。

4 濃い味を好むようになる。

5 口腔(こうくう)ケアは関係ない。

問題 73

意欲が低下した高齢者の動機づけに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高い目標を他者が掲げると、動機づけが強まる。

2 本人が具体的に何をすべきかがわかると、動機づけが強まる。

3 本人にとって興味がある目標を掲げると、動機づけが弱まる。

4 小さな目標の達成を積み重ねていくと、動機づけが弱まる。

5 本人が自分にもできそうだと思う目標を掲げると、動機づけが弱まる。

問題 74

高齢者の便秘に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 大腸がん(colorectal cancer)は、器質性便秘の原因になる。

2 弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)はまれである。

3 けいれん性便秘では、大きく柔らかい便がでる。

4 直腸性便秘は、便が直腸に送られてこないために起こる。

5 薬剤で、便秘になることはまれである。

問題 75

高齢者の転倒に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 介護が必要になる原因は、転倒による骨折(fracture)が最も多い。

2 服用する薬剤と転倒は、関連がある。

3 転倒による骨折(fracture)の部位は、足首が最も多い。

4 転倒の場所は、屋内では浴室が最も多い。

5 過去に転倒したことがあると、再度の転倒の危険性は低くなる。

問題 76

高齢者の糖尿病(diabetes mellitus)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 アミラーゼ(amylase)の作用不足が原因である。

2 ヘモグロビンA1c(HbA1c)の目標値は、若年者に比べて低めが推奨される。

3 若年者に比べて高血糖の持続による口渇感が強い。

4 運動療法は避けたほうがよい。

5 若年者に比べて低血糖の自覚症状に乏しい。

認知症の理解

問題 77

うつ病(depression)による仮性認知症(pseudodementia)と比べて認知症(dementia)に特徴的な事柄として、適切なものを1つ選びなさい。

1 判断障害がみられることが多い。

2 不眠を訴えることが多い。

3 誇張して訴えることが多い。

4 希死念慮がみられることが多い。

5 抗うつ薬が効果的であることが多い。

問題 78

日本における認知症(dementia)の原因のうち、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の次に多い疾患として、正しいものを1つ選びなさい。

1 血管性認知症(vascular dementia)

2 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)

3 混合型認知症(mixed type dementia)

4 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)

5 アルコール性認知症(alcoholic dementia)

問題 79

日本での認知症(dementia)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)以外の認知症(dementia)の患者数が増加している。

2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の有病率は、男性より女性が高い。

3 年齢が若いほど、認知症発症のリスクが高い。

4 生活習慣病(life-style related disease)と認知症発症には関連がない。

5 運動は認知症予防に無効である。

問題 80

認知症初期集中支援チームに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)の人は病院への入院や施設への入所をするべきであるという考えに基づいている。

2 既に認知症(dementia)の診断を受けている人への支援は含まれない。

3 家族への支援は含まれない。

4 支援期間は2~3年である。

5 チーム員会議を開催してケア方針を決定する。

問題 81

クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 有病率は1万人に1人である。

2 プリオン病である。

3 認知症(dementia)の症状は緩やかに進行する場合が多い。

4 致死率は低い。

5 不随意運動は伴わない。

問題 82

レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 脳伷塞(cerebral infarction)が原因である。

2 初発症状は記憶障害である。

3 けいれんがみられる。

4 人格変化がみられる。

5 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)(aspiration pneumonia)の合併が多い。

問題 83

Bさん(80歳、女性、要介護2)は、1年前にアルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimerʼs type)の診断を受け、服薬を継続している。同居の息子は日中不在のため、週に3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、訪問介護員(ホームヘルパー)と共に活発に会話や家事をしていた。不眠を強く訴えることが増えたため、1週間前に病院を受診したときに息子が主治医に相談した。その後、午前中うとうとしていることが多くなり、飲水時にむせることがあった。歩くとき、ふらつくようになったが、麻痺(まひ)はみられない。バイタルサイン(vital signs)に変化はなく、食欲・水分摂取量も保たれている。訪問介護員(ホームヘルパー)のBさんと息子への言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「日中は横になって過ごしたほうがよいでしょう」

2 「歩行機能を保つためにリハビリを始めませんか」

3 「嚥下障害(えんげしょうがい)が起きてますね」

4 「処方薬が変更されていませんか」

5 「認知症(dementia)が進行したのでしょう」

問題 84

認知症(dementia)の原因疾患を鑑別するときに、慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)の診断に有用な検査として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 血液検査

2 脳血流検査

3 頭部CT検査

4 脳波検査

5 認知機能検査

問題 85

認知症(dementia)に伴う注意障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 周囲から物音が聞こえてくると、食事を中断したままになる。

2 毎日、同じ時間に同じ行動をする。

3 旅行の計画を立てることが難しい。

4 話そうとすることを言い間違える。

5 介護職員から説明を受けたことを覚えていない。

問題 86

Cさん(87歳、男性、要介護 5 )は、重度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。現在、介護老人福祉施設に入所しているが終末期の状態にある。できる限り経口摂取を続けてきたが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)(aspiration pneumonia)を繰り返し、経口摂取が困難となった。臥床状態(がしょうじょうたい)が続き、声かけに対する反応も少なくなっている。医師から、「死が極めて近い状態である」と伝えられた。施設で看取(みと)ることになっているCさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 離床している時間をつくる。

2 会話によって本人の希望を聞く。

3 事前指示書を作成する。

4 苦痛があるかないか、状態を観察する。

5 本人の好きな食事を用意する。

障害の理解

問題 87

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)の社会モデルに基づく障害のとらえ方に関する記述として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 個人の問題としてとらえる。

2 病気・外傷から直接的に生じる。

3 さまざまな環境との相互作用によって生じる。

4 治療してできるだけ回復させることを目的とする。

5 医療などによる援助を必要とする。

問題 88

リハビリテーションに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 語源は、「再び適したものにすること」である。

2 ニィリエ(Nirje, B.)によって定義された。

3 医療の領域に限定されている。

4 自立生活運動とは関係がない。

5 機能回復訓練は社会的リハビリテーションである。

問題 89

「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」の考え方のもとに、障害者が作成の段階から関わり、その意見が反映されて成立したものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 優生保護法

2 国際障害者年

3 知的障害者福祉法

4 身体障害者福祉法

5 障害者の権利に関する条約

問題 90

Dさん(31歳、男性)は、脊髄損傷(spinal cord injury)による対麻痺(ついまひ)で、リハビリテーションのため入院中である。車いすでの日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は自立したが、退院後自宅で生活するときに、褥瘡(じょくそう)が生じないか心配している。Dさんの褥瘡(じょくそう)が発生しやすい部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 頭部

2 上腕部

3 背部

4 腹部

5 坐骨結節部(ざこつけっせつぶ)

問題 91

脊髄の完全損傷で、プッシュアップが可能となる最上位のレベルとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 頸髄(けいずい)(C 1 ~C 3 )

2 頸髄(けいずい)(C 7 )

3 胸髄

4 腰髄

5 仙髄

問題 92

筋ジストロフィー(muscular dystrophy)の病態について、適切なものを1つ選びなさい。

1 網膜が変性する。

2 運動神経が変性する。

3 自己免疫が原因である。

4 中脳の黒質が病変部位となる。

5 筋線維に変性が生じる。

問題 93

「障害者虐待防止法」の心理的虐待に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加えること。

2 わいせつな行為をすること。

3 著しい暴言、または著しく拒絶的な対応を行うこと。

4 衰弱させるような著しい減食、または長時間の放置を行うこと。

5 財産を不当に処分すること。

(注)「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

問題 94

心臓機能障害のある人に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 塩分の制限は必要としない。

2 呼吸困難や息切れなどの症状がみられることが多い。

3 日常生活で外出を避けるべきである。

4 ペースメーカーの装着者は、身体障害者手帳の交付対象から除外される。

5 精神的なストレスの影響は少ない。

問題 95

発達障害のEさん(5歳、男性)の母親(28歳)は、Eさんのことを一生懸命に理解しようと頑張っている。しかし、うまくいかないことも多く、子育てに自信をなくし、どうしたらよいのかわからずに一人で悩んでいる様子が見られる。母親への支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 現状を受け入れるように説得する。

2 一時的な息抜きのために、レスパイトケアを紹介する。

3 同じ立場にあるペアレント・メンターを紹介する。

4 Eさんへの発達支援を強化するように勧める。

5 介護支援専門員(ケアマネジャー)を紹介する。

問題 96

「2016年(平成28年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(厚生労働省)における身体障害者手帳所持者の日常的な情報入手手段として、最も割合が高いものを1つ選びなさい。

1 家族・友人・介助者

2 パソコン

3 携帯電話

4 テレビ

5 ラジオ

こころとからだのしくみ

問題 97

心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 原因となった体験が繰り返し思い起こされる。

2 1 か月以内で症状は治まる。

3 小さな出来事が原因となる。

4 被害妄想を生じる。

5 気分が高ぶる。

問題 98

健康な人の体温に関する次の記述のうち、適切なものを 1 つ選びなさい。

1 高齢者の体温は小児より高い。

2 早朝の体温が最も高い。

3 腋窩温(えきかおん)は口腔温(こうくうおん)より高い。

4 体温調節中枢は視床下部にある。

5 環境の影響を受けない。

問題 99

義歯を使用したときの影響として、適切なものを1つ選びなさい。

1 唾液分泌量が増加する。

2 話す言葉が明瞭になる。

3 舌の動きが悪くなる。

4 口のまわりのしわが増える。

5 味覚が低下する。

問題 100

1 週間の安静臥床(あんせいがしょう)で筋力は何%程度低下するか、次のうちから最も適切なものを1つ選びなさい。

1 1%

2 5%

3 15%

4 30%

5 50%

問題 101

栄養素の働きに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 たんぱく質は、最大のエネルギー源となる。

2 ビタミンD(vitamin D)は、糖質をエネルギーに変える。

3 カリウム(K)は、骨の形成に関わる。

4 ビタミンB1(vitamin B1)は、カルシウム(Ca)の吸収に関わる。

5 ナトリウム(Na)は、血圧の調節に関わる。

問題 102

Fさん(80歳、女性)は、普段の食事は自立している。日常生活では眼鏡がないと不自由である。ある日、いつもより食事に時間がかかっていた。介護福祉職が確認したところ、Fさんは、「眼鏡が壊れて使えなくなってしまった」と答えた。食事をとるプロセスで、Fさんが最も影響を受ける段階として、正しいものを1つ選びなさい。

1 先行期

2 準備期

3 口腔期(こうくうき)

4 咽頭期

5 食道期

問題 103

入浴(中温浴、38~41℃)の効果に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 脳が興奮する。

2 筋肉が収縮する。

3 血圧が上昇する。

4 腎臓の働きを促進する。

5 腸の動きを抑制する。

問題 104

Gさん(83歳、女性)は、認知機能は正常で、日常生活は杖歩行(つえほこう)で自立し外出もしていた。最近、外出が減ったため理由を尋ねたところ、咳(せき)やくしゃみで尿が漏れることが多いため外出を控えていると言った。 Gさんの尿失禁として、適切なものを1つ選びなさい。

1 機能性尿失禁

2 腹圧性尿失禁

3 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

4 反射性尿失禁

5 切迫性尿失禁

問題 105

次のうち、便秘の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease)

2 経管栄養

3 消化管切除

4 感染性腸炎(infectious enteritis)

5 長期臥床(ちょうきがしょう)

問題 106

高齢者の睡眠の特徴に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 熟睡感が増加する。

2 深睡眠が増加する。

3 夜間の睡眠時間が増加する。

4 睡眠周期が不規則になる。

5 入眠までの時間が短縮する。

問題 107

睡眠に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 レム睡眠のときに夢を見る。

2 レム睡眠から入眠は始まる。

3 ノンレム睡眠では筋緊張が消失する。

4 ノンレム睡眠では速い眼球運動がみられる。

5 高齢者ではレム睡眠の時間が増加する。

問題 108

死斑(しはん)が出現し始める時間として、正しいものを1つ選びなさい。

1 死後 5分以内

2 死後 20~30分

3 死後 3時間

4 死後 8~12時間

5 死後 48時間

医療的ケア

問題 109

介護福祉職が経管栄養を実施するときに、注入量を指示する者として、適切なものを1つ選びなさい。

1 医師

2 看護師

3 訪問看護事業所の管理者

4 訪問介護事業所の管理者

5 介護支援専門員(ケアマネジャー)

問題 110

気管粘膜のせん毛運動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 痰(たん)の粘度が高いほうが動きがよい。

2 空気中の異物をとらえる運動である。

3 反射的に咳(せき)を誘発する。

4 気管内部が乾燥しているほうが動きがよい。

5 痰(たん)を口腔(こうくう)の方へ移動させる。

問題 111

介護福祉職が実施する喀痰吸引(かくたんきゅういん)で、口腔内(こうくうない)と気管カニューレ内部の吸引に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 気管カニューレ内部の吸引では、カニューレの内径の 3 分の 2 程度の太さの吸引チューブを使用する。

2 気管カニューレ内部の吸引では、滅菌された洗浄水を使用する。

3 気管カニューレ内部の吸引では、頸部(けいぶ)を前屈した姿勢にして行う。

4 吸引時間は、口腔内(こうくうない)より気管カニューレ内部のほうを長くする。

5 吸引圧は、口腔内(こうくうない)より気管カニューレ内部のほうを高くする。

問題 112

Hさん(80歳、男性)は嚥下機能(えんげきのう)の低下があり、胃ろうを1か月前に造設して、自宅に退院した。現在、胃ろう周囲の皮膚のトラブルはなく、1日3回の経管栄養は妻と介護福祉職が分担して行っている。経管栄養を始めてから下肢の筋力が低下して、妻の介助を受けながらトイレへは歩いて行っている。最近、「便が硬くて出にくい」との訴えがある。Hさんに対して介護福祉職が行う日常生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入浴時は、胃ろう部を湯につけないように注意する。

2 排泄時は、胃ろう部を圧迫するように促す。

3 排便は、ベッド上で行うように勧める。

4 経管栄養を行っていないときの歩行運動を勧める。

5 栄養剤の注入量を増やすように促す。

問題 113

経管栄養の実施に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 経管栄養の準備は、石鹸(せっけん)と流水で丁寧に手を洗ってから行う。

2 栄養剤は、消費期限の新しいものから使用する。

3 胃ろうや腸ろう周囲の皮膚は、注入開始前にアルコール消毒を行う。

4 カテーテルチップシリンジは、1回使用したら廃棄する。

5 口腔(こうくう)ケアは、数日に1回行う。

総合問題

(総合問題 1 )次の事例を読んで、問題 114から問題 116までについて答えなさい。

〔事例〕Jさん(83歳、女性)は一人暮らしである。人と付き合うのが苦手で、近所付き合いもあまりなく、一人で静かに生活していた。80歳を過ぎた頃から右膝に痛みが出て、変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)(knee osteoarthritis)と診断されたが、近くのスーパーへの買物や、近所の散歩には出かけていた。1か月ほど前から膝の痛みが悪化し、散歩にも行かなくなった。食事量が減って痩せてきてしまい、一日中、座ってテレビを見て過ごしている。

問題 114

現在のJさんに心配される病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 フレイル(frailty)

2 不定愁訴

3 寛解

4 不穏

5 せん妄(delirium)

問題 115

Jさんは、食事量は回復したが、膝に痛みがあり、家の中ではつかまり歩きをしていた。要介護認定を受けたところ要支援2と判定され、家の近くの第一号通所事業(通所型サービス)を利用することになった。通所初日、車で迎えに行くと、Jさんは、「心配だからやっぱり行くのはやめようかしら」と介護福祉職に言い、玄関の前からなかなか動かなかった。このときの介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「急ぎましょう。すぐに車に乗ってください」

2 「心配なようですから、お休みにしましょう」

3 「歩けないようでしたら、車いすを用意しましょうか」

4 「初めてだから心配ですね。私もそばにいるので一緒に行きませんか」

5 「Jさんが行かないと、皆さん困ってしまいますよ」

問題 116

その後、Jさんは少しずつ回復し、膝の痛みもなく、家の中では何もつかまらずに歩くことができている。一人で散歩に出ようという意欲も出てきた。Jさんは、介護福祉職にもっと安定して歩けるように練習をしていきたいことや、外出するときは膝の負担を減らすために杖(つえ)を使用したいと思っていることを話した。Jさんに合った、杖(つえ)を使った歩き方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 杖(つえ)(左手で持つ)を出す→右足を出す→左足を出す

2 杖(つえ)(右手で持つ)を出す→左足を出す→右足を出す

3 杖(つえ)(左手で持つ)と右足を出す→左足を出す

4 杖(つえ)(右手で持つ)と左足を出す→右足を出す

5 杖(つえ)(左手で持つ)と左足を出す→右足を出す

(総合問題 2 )次の事例を読んで、問題 117から問題 119までについて答えなさい。

〔事例〕Kさん(80歳、女性)は夫が亡くなった後、自宅で一人暮らしをしていた。ある日、一人娘のLさんが訪ねると、ごみが散乱しており、冷蔵庫の中には古くなった食材がたくさん入っていた。変化に驚いたLさんはKさんと病院を受診したところ、認知症(dementia)と診断された。Lさんは、Kさんに家庭的な雰囲気の中で生活をしてほしいと考えた。その結果、Kさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することになった。入居して 1 週間が経過し、Kさんと関わったM介護福祉職は、Kさんは短期記憶の低下により、最近の出来事については話すことは難しいが、自分が学校に通っていた頃の話や、子どもの頃に歌っていた歌については生き生きと話すことを確認した。

問題 117

M介護福祉職は、Kさんが今持っている認知能力を活用して、ほかの利用者と交流する機会を作りたいと考え、Kさんとほかの利用者に参加してもらう活動を企画することにした。M介護福祉職が企画した活動の手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)

2 ピアカウンセリング(peer counseling)

3 スーパービジョン(supervision)

4 回想法

5 社会生活技能訓練

問題 118

ある日、M介護福祉職がKさんの入浴介護を行っていたところ、手のひらや指の間に赤い丘疹(きゅうしん)を確認した。M介護福祉職がKさんに、「かゆくないですか」と聞くと、「かゆい」と答えた。そのため、病院を受診したところ、角化型疥癬(かくかがたかいせん)(hyperkeratotic scabies)と診断された。Kさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入浴後の洗濯物は、ビニール袋に入れて運ぶ。

2 マスクを着けてもらう。

3 個室に隔離する必要はない。

4 介護は素手で行う。

5 ほかの利用者よりも先に入浴してもらう。

問題 119

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用するKさんの要介護度に変更があった場合に影響があるものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 介護保険料

2 認知症対応型共同生活介護費

3 介護サービスの利用者負担割合

4 食費

5 居住費

(総合問題 3 )次の事例を読んで、問題 120から問題 122までについて答えなさい。

〔事例〕Aさん(10歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり、多動で発語は少ない。毎日のように道路に飛び出してしまったり、高い所に登ったりするなど、危険の判断ができない。また、感情の起伏が激しく、パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す。お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。現在は、特別支援学校に通っており、普段の介護は母親が一人で担っている。

問題 120

Aさんのこのような状態に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 注意障害

2 遂行機能障害

3 強度行動障害

4 記憶障害

5 気分障害

問題 121

Aさんの将来を考え、家族以外の支援者と行動できるようにすることを目標に障害福祉サービスを利用することになった。介護福祉職と一緒に散歩に行き、外出時のルールを覚えたり、移動中の危険回避などの支援を受けている。Aさんが利用しているサービスとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 同行援護

2 自立生活援助

3 自立訓練

4 生活介護

5 行動援護

問題 122

Aさんのサービス利用開始から6か月が経ち、支援の見直しをすることになった。Aさんの現状は、散歩では周囲を気にせず走り出すなど、まだ危険認知ができていない。介護福祉職はルールを守ることや周りに注意するように声かけをするが、注意されるとイライラし、パニックになることがある。一方で、スーパーではお菓子のパッケージを見て、硬貨を出し、長時間その場から動こうとしない。介護福祉職は、Aさんがお菓子とお金に注目している様子から、その力を引き出す支援を特別支援学校に提案した。介護福祉職が特別支援学校に提案した支援の背景となる考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 エンパワメント(empowerment)

2 アドボカシー(advocacy)

3 ピアサポート(peer support)

4 ノーマライゼーション(normalization)

5 インクルージョン(inclusion)

(総合問題 4 )次の事例を読んで、問題 123から問題 125までについて答えなさい。

〔事例〕Bさん(45歳、女性)はアパートで一人暮らしをしていた。家族や親戚との付き合いはなかったが、趣味も多く、充実した生活を送っていた。ある日、車で買物に行く途中、交通事故を起こし、U病院に救急搬送され手術を受けた。手術の数日後、医師から、頸髄損傷(けいずいそんしょう)(cervical cord injury)があり、第5頸髄節(だいけいずいせつ)まで機能残存するための手術をしたこと、今後の治療方針、リハビリテーションによって今後の生活がどこまで可能になるかについて、丁寧に説明を受けた。

問題 123

Bさんの今後の生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自力歩行ができる。

2 自走式標準型車いすを自分で操作して、一人で外出することができる。

3 自発呼吸が困難になり、人工呼吸器が必要な生活になる。

4 電動車いすを自分で操作することが可能になる。

5 指を使った細かい作業が可能になる。

問題 124

Bさんは、入院当初は落ち込んでいたが、徐々に表情が明るくなり、U病院でのリハビリテーションにも積極的に取り組むようになった。現在はVリハビリテーション病院に転院して、退院後の生活に向けて身体障害者手帳を取得し、準備を進めている。Bさんは、以前のようなアパートでの一人暮らしはすぐには難しいと考え、障害者支援施設への入所を考えている。障害者支援施設に入所するために、Bさんがこの時期に行う手続きとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅サービス計画を作成するために、介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。

2 要介護認定を受けるために、市町村の窓口に申請する。

3 施設サービス計画を作成するために、介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。

4 サービス等利用計画を作成するために、相談支援専門員に相談する。

5 障害支援区分の認定を受けるために、市町村の窓口に申請する。

問題 125

その後、Bさんは希望どおり障害者支援施設に入所した。入所した施設では、C介護福祉職がBさんの担当になった。C介護福祉職は、Bさんから、「日常生活で、もっと自分でできることを増やし、いずれは地域で生活したい」と言われた。そこでC介護福祉職は、施設内の他職種と連携して支援を行う必要があると考えた。C介護福祉職が連携する他職種とその業務内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 工作などの作業を行いながら身体機能の回復を図るために、看護師と連携する。

2 運動機能の維持・改善を図るために、理学療法士と連携する。

3 趣味活動を増やすことを目的に、管理栄養士と連携する。

4 活用できる地域のインフォーマルサービスを検討するために、義肢装具士と連携する。

5 栄養状態の面から健康増進を図るために、社会福祉士と連携する。

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