児童発達支援管理責任者(児発管)の年収・給料はどれくらい?給与相場について徹底解説

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児童発達支援管理責任者(児発管)の年収・給料はどれくらい?給与相場について徹底解説

障がい者を抱えて生きる子どもたちの支援計画を作成し、サービスの品質管理を行う児童発達支援管理責任者。

児童福祉の仕事に就く方の中ではキャリアの目標とする方も多い職業ですが、その年収や給与相場については知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は児童発達支援管理責任者(児発管)の年収・給料、給与相場について詳しく解説していきます。

児童発達支援管理責任者とはどんな仕事?

児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障がい児支援の現場において支援計画の基盤を作ったり、子どもたちの療育を組織的に行うためにスタッフの管理を行ったりする専門職です。

児童発達支援管理責任者は、児童福祉法で障がい児支援施設において1名以上の配置が義務付けられています。

施設を利用する子どもたちの成長を左右したり、その施設が提供するサービスの品質を変えたりと影響力のある職業のため、大きな責任も伴いますが、非常にやりがいがある仕事でもあります。

では、児童発達支援管理が具体的にどんな業務を行っているのか、さらに詳しく掘り下げてみましょう。

個別支援計画の作成とモニタリング

児童発達支援管理責任者の主な仕事は個別支援計画書の作成です。

「個別支援計画」とは、利用者である児童がどんな障がいを抱えており、どんなことが苦手なのか、日常生活においてどんなサポートを必要としているのか、何を目標として支援を受けるのか等を詳細にまとめた計画書です。

児童発達支援管理責任者は、利用者本人とその保護者にヒアリングを行い、個別支援計画の原案を作成します。その後、サービスの提供に関わる児童指導員などのスタッフを集めて会議を行い、現場の意見を原案に組み込んでいきます。そして修正を重ね、完成させた個別支援計画を交付し、実際に支援がスタートします。

支援がスタートした後は、児童発達支援管理責任者が定期的に児童の様子や変化を記録し、支援内容が適切かをモニタリングします。利用者の状況は日によって変わるため、支援計画自体の見直しが必要になることも珍しいことではありません。その際は、利用者と保護者への説明やスタッフとの調整なども行う必要があります。

スタッフの指導

児童発達支援管理責任者は支援内容自体に責任を持つ立場として、スタッフの技術指導も行います。

事業所によっては、指導員と一緒に現場に入り、子どもたちと遊んだり、学習支援や療育を行ったりします。その際、スタッフの支援の様子を見つつ、提供する支援の質がさらに良くなるようにアドバイスを行うことも重要な業務です。

相談業務

児童やその保護者から相談があれば、対応することも児童発達支援管理責任者の大切な仕事です。

利用者への支援は、スタッフや児童発達支援管理責任者の力量も大切ですが、何より利用者本人や保護者の意志が伴わなければ意味がありません。支援計画で立てた目標を達成に導くためにも、普段から利用者と保護者と密にコミュニケーションを重ねて関係性を築いていくことが大切です。

そのためにも児童発達支援管理責任者は、些細な不安にも寄り添う姿勢で相談に乗る必要があります。

児童発達支援管理責任者の年収・平均給与はどれくらい?

障がい児支援の場においてリーダー的ポジションである児童発達支援管理責任者ですが、年収や給与はどれくらいなのでしょうか?

ここからはカイゴジョブが実際に扱っている求人票をもとに児童発達支援管理責任者の年収・平均給与について説明していきます。

【常勤】児童発達支援管理責任者の給料・年収

カイゴジョブに掲載している児童発達支援管理責任者の求人(2023年3月時点)から算出した平均給与・年収は次の通りです。

児童発達支援管理責任者の平均給与・年収

上記の額面はボーナスや賞与の他、残業手当や資格手当も除いた金額です。カイゴジョブに掲載している常勤の児童発達支援管理責任者の求人のうち82.9%は「賞与あり」の求人だったため(2023年3月時点)、実際の年収総額は上記の額面よりも多くなると考えてよいでしょう。

【非常勤】児童発達支援管理責任者の給料・年収

続いて、非常勤の児童発達支援管理責任者の平均時給についてカイゴジョブに掲載している求人より算出していきます。

児童発達支援管理責任者の平均時給

上記の平均額を参考にして週5日×8時間で1ヶ月働いた場合の給与を算出すると、非常勤でも月244,000円~280,000円程の収入が見込める計算になります。

児童発達支援管理責任者の給料が将来的に上がる可能性はある?

将来的に、児童発達支援管理責任者の給料が上がる可能性は高いです。

2012年の障害者自立支援法見直しを皮切りに、障害児支援事業所は急増しており、2013年から2021年の8年間で4倍に増えています。

障害児支援事業所数の推移 ※出典: 令和3年社会福祉施設等調査の概況|厚生労働省

前述の通り、児童発達支援管理責任者は各事業所に1名以上の配置義務があるため、事業所が増えれば増えるほどニーズは高まります。

また、近年はSNSなどメディアの影響により、ADHDやLD、自閉スペクトラムなどの発達障がいへの認知度が高まっており、発達障がいと認定される児童自体も増加傾向にあります。

通級による指導を受けている児童数の推移 ※出典:令和元年度 通級による指導実施状況調査結果について|文部科学省

今後もこの傾向は続くと見られ、ますます児童発達支援管理責任者のニーズが高まっていき、有効求人倍率も上がっていきます。

児童発達支援管理責任者は、なるまでに最低でも5年以上の相談支援または直接支援の実務経験が必須となるため、簡単に採用できる人材ではありません。

すると、各法人は優秀な人材を確保するために給与を上げたり、手当を充実させたりなどの対策を強いられることになるため、今後も児童発達支援管理責任者の給与額は上がっていく可能性が非常に高くなります。

児童発達支援管理責任者が給料を上げるにはどうしたらいい?

児童発達支援管理責任者がさらに給料を上げるためには下記3つの方法があります。

  • 経験を積む
  • 業務に役立つ資格を取って資格手当をもらう
  • 給料が高い職場へ転職する
  • ここからは、それぞれの方法について詳しく説明していきます。

    経験を積む

    児童発達支援管理責任者が給料を上げる方法1つ目は経験を積むことです。

    どの職種でも共通して言えることですが、児童発達支援管理責任者として経験を積んで事業所内や社内での評価が上がれば自然と昇給し給与を上げることができます。

    しかし、これは事業所やその法人の評価制度にもよるため、ただ長く勤めていれば良いというものではありません。給与額を上げるための一番の近道は、児童発達支援管理責任者として知識を深めて支援の幅を広げ、利用者や保護者、スタッフに認められる成果を残していくことです。

    また、こちらは応用編になりますが、経験や知識を深めて成果を出してもなかなか認められない環境にいる場合は、上司に給与がこれ以上上がらなければ退職を検討している旨を伝え、昇給を促すことも手段の一つです。

    業務に役立つ資格を取って資格手当をもらう

    2つ目の方法は、業務に役立つ資格を取って資格手当をもらうことです。

    児童発達支援管理責任者の主な仕事である支援計画の作成には、幅広い知識や経験が役立ちます。

    例えば、事業所が抱える児童の傾向として精神に障がいを抱えた子どもが多いのであれば、精神障害者社会復帰施設指導員任用資格や精神保健福祉士の資格を持った児童発達支援管理責任者が重宝されます。

    一方、医療的ケアを必要とする児童が入所する障害児入所施設であれば、介護福祉士や看護師などの資格や経験を持つ方が重宝されます。

    事業を運営する側からすると、幅広い知識がある児童発達支援管理責任者がいるだけで支援の幅が広がり、売上を伸ばすことができるため、手当を支給し給与を高くしてでも人材を確保しておきたいのです。

    そのため、児童発達支援管理責任者として給料を上げたい方は新たな資格取得に挑戦してみましょう。

    給料が高い事業所へ転職する

    3つ目は給料が高い事業所へ転職することです。

    前述の通り、児童発達支援管理責任者は非常にニーズの高い職業のため、なかなか給料が上がらない場合は思い切って転職することも大切です。

    しかし、転職の際に給料や待遇ばかりを重視すると思わぬ失敗に繋がることがあるため注意が必要です。

    ニーズが高い職業である児童発達支援管理責任者は、業界全体で人材不足の傾向があるため、事業所によっては残業が多くなってしまったり、業務負荷が給料と見合わなかったりすることもあります。

    もちろん、人員配置を多めにしていてサポートし合える環境を作っている事業所もあるので、転職活動の際は給料や待遇だけでなく、業務量や平均残業時間、人員配置を入念に確認した上で総合評価で転職先を決めていきましょう。

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    まとめ

    今回は児童発達支援管理責任者(児発管)の年収・給料、給与を上げるためにはどうしたらいいのかを解説しました。

    今後も平均給与額が上がっていく可能性が高い児童発達支援管理責任者ですが、障がい児支援という業界においては人材の育成にまで手が回らなかったことによるスキル不足も課題となっています。

    目先の給料や年収を上げることに囚われず、豊富な知識と経験を身に付け、現代の複雑な支援ニーズにも応えられる実力を付けていくことが児童発達支援管理責任者として長く活躍し、満足のいく収入を得ることに繋がるのではないでしょうか。

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