【2023年最新】サービス管理責任者(サビ管)とは?役割・仕事内容・勤務時間・必要資格について徹底解説

【2023年最新】サービス管理責任者(サビ管)とは?役割・仕事内容・勤務時間・必要資格について徹底解説

障がい者支援の現場において、支援サービスそのものに責任を持つ立場であるサービス管理責任者。

しかし、具体的な業務内容やサービス管理責任者になるための要件などは専門用語が多く、難しいと感じている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、サービス管理責任者(サビ管)とはどんな職業なのか、役割や仕事内容、必要な資格などについてわかりやすく解説していきます。

サービス管理責任者とは?

サービス管理責任者とは、心身に何らかの障がいを抱える方に対して適切なケアや支援を提供できるように、サービスの内容や品質を管理したり、関係者との連携や調整を行ったり、サービスを提供する職員の育成を行ったりする職業のことを指します。

サービス管理責任者は、支援内容やケアの品質そのものを左右する責任ある職業でもあるため、障がい者支援の経験が豊富なベテランの職員が務めることが多い傾向にあります。

サービス管理責任者の役割とは?

サービス管理責任者の主な役割は下記の3つです。

  • 個別支援計画の作成とプロセス管理
  • 医療機関や行政など関係機関との連携
  • スタッフの指導・アドバイス
  • ここからはそれぞれの役割について解説していきます。

    個別支援計画の作成とプロセス管理

    サービス管理責任者が行う主な業務の一つとして、個別支援計画の作成があります。

    個別支援計画とは文字通り、利用者がどんな障がいを抱え、何を目標として支援を受けるのか、状況や目標設定などを詳細にまとめた計画書です。

    サービス管理責任者は、利用者本人やその家族と面談を行って情報を集め、個別支援計画の原案を作ります。その後、実際に支援を行うスタッフたちとも打ち合わせを重ねて、個別支援計画の修正を行い、完成した個別支援計画をもとに支援を実施していきます。

    実施した後は個別支援計画に基づいて支援が行われているか、利用者が目標に近づいているかなど、進捗を見るプロセス管理を行います。必要に応じて、個別支援計画を見直したり、面談で利用者とその家族に説明を行うこともサービス管理責任者の重要な業務です。

    医療機関や行政などとの連携

    個別支援計画を実行するにあたり、医療機関や行政、障害福祉サービス事業所などとの連携は不可欠です。

    支援の対象となる利用者の状況や抱える障がいや症状は様々です。利用者にとって、どの機関と連携することがベストな支援につながるのかを考え、こまめにすり合わせを行って包括的なサポート体制を構築していきます。

    スタッフの指導・アドバイス

    支援の品質や内容を管理する上で、スタッフの指導やアドバイスは非常に重要な業務です。サービスの質を高めるために、サービス管理責任者が実際にスタッフが支援を行う場面を見ながら指導やアドバイスを行っていきます。

    その他にも、経験が浅いスタッフへのOJTや、技術向上のための勉強会企画、外部研修参加や上位資格の取得促進など事業所の状況に応じて様々な取り組みを行います。

    サービス管理責任者の具体的な仕事内容とは?

    サービス管理責任者の役割や業務の概要はわかりましたが、具体的な仕事内容はどんなことをするのでしょうか?

    ここからは、サービス管理責任者の仕事内容をより詳細に説明していきます。

    個別支援計画書の作成

    前述の通り、個別支援計画はサービス管理責任者が利用者本人やその家族、そしてサービスを実際に提供するスタッフと打ち合わせを行って作り上げていくものです。

    利用者の中には、障がいによって上手く自分の状況を言葉にできなかったり、家族を通してでなければコミュニケーションが取れなかったりすることもあります。そこでサービス管理責任者が、利用者や家族の声を上手く引き出せるかが腕の見せ所になります。

    また、障がい者支援の技術は年々進化しています。新しい支援技術を日々学び、実際の業務の中で生かせるかも重要なポイントです。

    支援状況のモニタリング・管理

    利用者の状況は日々変化します。昨日までは上手くできていたことができなくなったり、逆に乗り気になって急に意欲を見せてくれたりすることもあります。その日、その週、その月で利用者の変化を詳細にモニタリングしつつ、今の支援計画で目標を達成できるか、不可能であればどう修正するべきかを判断することも重要な業務です。

    関係機関との連携

    前述の通り、利用者を支援していくには医療機関や行政、その他の事業所のサービスとの連携が非常に重要になります。関係機関との連携が必要になるケースとしては、その日利用者に新しいニーズが生まれたり、ニーズの変化があったりした場合や利用者が複数のサービスを使い分けて生活している場合、イベントへの参加など地域との関わりが必要な場合などです。

    サービス管理責任者が関係機関としっかり連携することによって、適切なサービスの提供ができるようになることはもちろん、個別支援計画の修正が必要になった時などに、各機関のスペシャリストの意見を聞くこともできます。

    職員の教育/指導など人材育成

    障害者福祉サービスは、事業所に勤めるスタッフが協力しチームで行います。サービス管理責任者はそのリーダーのような役割で、業務に行き詰っているスタッフのサポートを行うこともあります。

    また、スタッフの技術が上がれば利用者に提供できる支援の幅も広がります。そのため、日々の指導やOJT、外部研修の企画、資格取得支援なども支援計画の作成や管理と並行して行っていく必要があります。

    相談業務

    利用者本人や家族、支援に関わるキーパーソンから相談があれば対応しサポートを行うのもサービス管理責任者の大事な業務です。支援サービスそのものに責任を持つ職業なので、クレームへの対応を求められることもあります。その際、関わる人が納得するよう真摯に対応し、状況に応じて支援計画を見直すことも必要になります。

    サービス管理責任者になるには?必要資格・要件を解説

    サービス管理責任者になるには、一定の実務経験に加えて、相談支援従事者初任者研修とサービス管理責任者研修を修了する必要があります。

    また、一定の実務経験にも条件があり、保有する資格や実務の内容により要件が異なります。ここからは、サービス管理責任者になるために必要な実務経験と各研修について詳細に解説していきます。

    実務経験

    サービス管理責任者になるためには、障がいを持った方への保健、医療、福祉、就労、教育分野のいずれかの分野において支援に携わった経験が必要となります。実務経験の期間は、経験した業務や保有する資格によって4つのパターンに分けられています。

  • 相談支援業務に従事した場合
  • 直接支援業務に従事した場合
  • 有資格者の場合パターン①
  • 有資格者の場合パターン②
  • また、実務経験の年数については、業務に携わった期間と日数で実務要件が判定されますが、1日あたりの従事時間数の長短は問われません。例えば、パート勤務で1日4時間程度の勤務だったとしても、1日として換算されます。

    相談支援業務に従事した場合

    相談支援業務とは、身体または精神に障がいを持つ方の日常生活や自立に関する相談や助言、指導などのサポートをおこなう業務のことです。サービス管理責任者になるための研修を受けるには、3年以上の業務経験が必要です。

    主な職種としては、児童相談所の相談員やソーシャルワーカー、相談支援専門員、支援相談員、特別支援学校での特別支援教育における進路指導・教育相談などが挙げられます。

    直接支援業務に8年以上

    直接支援業務とは、身体または精神に障がいを持つ方の入浴介助、食事介助などの身体介護や、生活能力の向上のための訓練やサポートを行う業務を指します。サービス管理責任者になるための研修を受けるには、8年以上の業務経験が必要です。

    主な職種としては、高齢者福祉施設の介護職や障害福祉施設の指導員、看護助手、生活支援員などが挙げられます。

    有資格者の場合パターン①

    直接支援業務または相談支援業務に従事する方の中で、下記のいずれかの国家資格を持つ場合は1年以上の実務経験でサービス管理責任者になるための研修を受けることができます。

    医師/歯科医師/薬剤師/保健師/助産師/看護師/准看護師/歯科衛生士/理学療法士/作業療法士/言語聴覚士/視能訓練士/義肢装具士/あん摩マッサージ指圧師/はり師/きゅう師/柔道整復師/管理栄養士/栄養士/社会福祉士/介護福祉士/精神保健福祉士

    有資格者の場合パターン②

    直接支援業務に従事する方の中で、下記のいずれかの資格を持つ場合は5年以上の実務経験でサービス管理責任者になるための研修を受けることができます。

    社会福祉主事任用資格/介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)/保育士/児童指導員任用資格者/精神障害者社会復帰指導員任用資格者

    研修

    サービス管理責任者になるために必要な研修は、相談支援従事者初任者研修サービス管理責任者研修の2つに分かれています。

    相談支援従事者初任者研修

    以下の3つの分野を11時間(2日間)で学ぶカリキュラムになっています。

  • 障がいがある方の地域支援とサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の役割に関する講義
  • 障害者総合支援法・児童福祉法の概要とサービス提供プロセスに関する講義
  • 相談支援におけるケアマネジメント手法に関する講義
  • この研修を修了することで、次の「サービス管理責任者等研修」に進むことができ、修了後には修了証が発行されます。

    ※出典:相談支援専門員及びサービス管理責任者等の研修制度の見直しについて|厚生労働省(平成30年)

    サービス管理責任者等研修

    サービス管理責任者等研修は基礎・実践・更新の3つに分かれており、児童発達支援管理責任者の研修カリキュラムと共通になっています。

    基礎研修では、個別支援計画の作成に必要なアセスメントやモニタリングの知識など、より実践的な研修内容となっています。基礎研修の修了後には個別支援計画の原案作成が可能になります。

    また、実践研修ではグループワークを通じて多職種連携・地域連携の重要性やPDCAサイクルに基づくサービス提供管理手法についての学びを深めていきます。人材育成の項目では、受講者が持ち寄った事例を用いて、事例検討会を行います。

    研修終了後には、晴れてサービス管理責任者として各事業所に配置されます。

    サービス管理責任者が活躍できる職場・勤務先は?

    サービス管理責任者が活躍できる職場は多数あり、それぞれの事業所によって業務内容が変わります。ここでは、数ある勤務先を入所系・通所系・就労支援系の3つの分野に分け、特徴を説明していきます。

    入所系事業所

    障がい者支援において、入所系事業所と呼ばれるものは下記の通りです。

  • 療養介護
  • 施設入所支援
  • 宿泊型自立訓練
  • 自立生活援助
  • 共同生活援助(グループホーム)
  • 「療養介護」は医療機関でのケアを受けて入院生活を送る重度の障がいを抱える方が支援対象となります。その他の施設入所支援や自立生活援助、グループホームなどは、身体または精神に障がいを抱える方が集団で生活する事業所でその利用者が対象となります。

    サービス管理責任者は、創作活動や生産活動への参加機会を提供する等して、障がいに向き合って"できること"を増やせるよう、支援計画を企画し実行していきます。

    また、入所系事業所では利用者30人以下であれば1名のサービス管理責任者を配置、利用者30人以上であれば30人以内ごとに1名ずつ追加するよう義務付けられています。

    通所系事業所

    通所系事業所には、「自立訓練(機能訓練・生活訓練)」「生活介護」と言われるサービスが該当します。

    「自立訓練」には機能訓練と生活訓練の2種類あり、対象となる利用者の状況が大きく異なります。機能訓練は、身体障がいを持った方や難病を抱える方などが利用する施設や住まいへ訪問し、日常生活の相談に乗ってアドバイスを行ったり、リハビリテーションの支援を行います。一方、生活訓練は知的障がい、または精神障がいを持つ方が利用する施設や住まいを訪問し、自立に向けた生活などに関する助言や必要に応じて入浴や排泄、食事などの介助を行います。

    「生活介護」では、障がい者支援施設に入所する方に対して生活援助や社会活動に参加する機会の提供などを行います。「生活介護」においては、常に介護を必要とする方が対象となるので、「自立訓練」と比較すると利用者の障がい度合いが重い傾向にあります。

    また、通所系事業所では利用者60人以下であれば1名のサービス管理責任者を配置、利用者60人以上であれば60人以内ごとに1名ずつ追加するよう義務付けられています。

    就労支援事業所

    就労支援事業所は「就労移行支援」「就労継続支援(A型)」「就労継続支援(B型)」の3つに分類されます。

    「就労移行支援」では、一般企業で働ける65歳未満の障害者を対象として就労支援・職業訓練を行っています。「就労継続支援(A型)」と「就労継続支援(B型)」では、一般企業での就労が困難な障害者に対して就労訓練や就労機会の提供を行っています。

    サービス管理責任者は、職業指導員や就労支援員とすり合わせを行い個別支援計画を作成し、利用者の就労に向けてサポートを行います。

    なお、就労支援事業所でも通所系同様、利用者60人以下であれば1名のサービス管理責任者を配置、利用者60人以上であれば60人以内ごとに1名ずつ追加するよう義務付けられています。

    サービス管理責任者の将来性は?

    サービス管理責任者は将来性のある仕事です。

    厚生労働省の調査で、何らかの障がいを抱えて生活する方の人口は2006年から2018年で約300万人増加していることがわかっています。

    ※出典:障害者数の推移|厚生労働省(平成30年度)

    その要因としては、医療の発達により平均寿命は延びたものの、障がいを抱えて生きる高齢者も増えていることや、メディアによる障がいに対する認識変化などが関わっていると考えられています。

    また、障害者福祉に関わる法律も何度か改正されており、それに伴って事業所も増加傾向にあります。

    ※出典:障害福祉サービス等における主なサービス種類別に見た総費用額の推移(各年度合計)|厚生労働省

    障がいを抱える方の自立をサポートする職員のニーズは今後も増えていく可能性が高く、その職員を束ねる立場であるサービス管理責任者は将来性のある職業と考えて間違いないでしょう。

    サービス管理責任者の仕事探しのポイント2選

    ここからは、サービス管理責任者として就職したい方や転職を考えている方向けに、求人の中でチェックしておきたいポイント2選をご紹介していきます。

    ①職場の雰囲気やチームワーク

    サービス管理責任者として転職・就職する上で一番おさえておきたいポイントはその事業所の雰囲気や職員同士のチームワークです。

    前述の通り、サービス管理責任者は支援を提供するスタッフを束ね、必要に応じて指導を行う立場です。また、障がい者支援の仕事は、個人プレーではなくスタッフ同士の協力がサービスの質そのものに関わります。

    しかし、同じ障がい者支援の事業所でも働く人が違えば雰囲気も全く異なり、連携の仕方やサポートを必要とするタイミングも変わるものです。チームプレーとは人と人の関わりで生まれるものですから、相性の良し悪しがあることも事実です。

    そのため求人を見る時は、「この事業所で働くことになったら職員とどう関われば良いか」「サービス管理責任者としてリーダーシップを発揮できるだろうか」という目線で確認し、働く姿をイメージしておくと良いでしょう。もし求人の内容だけで判断できなければ、採用担当者に事前の見学を申し込んでみましょう。

    ②勤務時間や業務量

    続いて確認しておきたいポイントは、勤務時間や業務量です。

    前述の通り、サービス管理責任者は支援サービスそのものに責任があるため業務の幅が広いです。また、相談業務の頻度はコントロールできるものではないため、時期によっては利用者、その家族、関係機関からの相談が一気に舞い込んでくることもあります。

    また、人手不足の事業所ではサービス管理責任者が支援員を兼任するケースもあるため、業務量が増えて残業時間が長くなることもあります。

    プライベートや家族の時間を大切にしながら働きたい方は、勤務時間や残業時間の平均などを事前に確認しておくようにしましょう。

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    まとめ

    今回はサービス管理責任者とはどんな職業で、具体的にどんな仕事をしているのか、また勤務先や従事するための要件について解説しました。

    障がいを持つ方の支援計画そのものをコーディネートでき、その事業所が提供するサービスの質そのものも変化させられるサービス管理責任者は、責任が重い仕事ではあるもののとてもやりがいに溢れています。

    非常に将来性もあるため、「障がい者支援に関わりたい」「持ち前のリーダーシップを生かして働きたい」という方は、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか?

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