第33回 社会福祉士国家試験 過去問と解答(2021年2月7日実施)

第33回 社会福祉士国家試験 過去問と解答(2021年2月7日実施)

第33回 社会福祉士国家試験(2021年2月7日実施)の過去問題と解答をご紹介します。

過去問:第33回 社会福祉士国家試験 解答(2021年2月実施)

人体の構造と機能及び疾病

問1 問2 問3 問4
5 3 2 4
問5 問6 問7
3 1 5

心理学理論と心理的支援

問8 問9 問10 問11
4 1 3 4
問12 問13 問14
1 5 2

社会理論と社会システム

問15 問16 問17 問18
1 2 4 4
問19 問20 問21
2 5 3

現代社会と福祉

問22 問23 問24 問25
1 3 2 1
問26 問27 問28 問29
3 2 4 5
問30 問31
1 3,5

地域福祉の理論と方法

問32 問33 問34 問35
2 2,5 5 5
問36 問37 問38 問39
3 1 2 1
問40 問41
4,5 2

福祉行財政と福祉計画

問42 問43 問44 問45
1 3 4 5
問46 問47 問48
3 3 2

社会保障

問49 問50 問51 問52
4 3,5 1 4
問53 問54 問55
4 5 2

障害者に対する支援と障害者自立支援制度

問56 問57 問58 問59
2 5 2 2
問60 問61 問62
3 1 4

低所得者に対する支援と生活保護制度

問63 問64 問65 問66
1 3 4 5
問67 問68 問69
2 1 3

保健医療サービス

問70 問71 問72 問73
1 3 2,3 4,5
問74 問75 問76
1 4 5

権利擁護と成年後見制度

問77 問78 問79 問80
2 2 5 3
問81 問82 問83
4 3 1

社会調査の基礎

問84 問85 問86 問87
2 4 1 4
問88 問89 問90
5 3 1

相談援助の基盤と専門職

問91 問92 問93 問94
5 4 2 1
問95 問96 問97
1,4 3 2,5

相談援助の理論と方法

問98 問99 問100 問101
4 1 2,4 3
問102 問103 問104 問105
3,5 1,4 2,3 5
問106 問107 問108 問109
2 3,4 3,4 5
問110 問111 問112 問113
3,5 4 5 2
問114 問115 問116 問117
1 5 3 2,5
問118
4

福祉サービスの組織と経営

問119 問120 問121 問122
4 1 1 2
問123 問124 問125
2 3 5

高齢者に対する支援と介護保険制度

問126 問127 問128 問129
4 2 2,5 1
問130 問131 問132 問133
1 4 2 3
問134 問135
1 1

児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

問136 問137 問138 問139
4 3 2,5 4
問140 問141 問142
3 2 1

就労支援サービス

問143 問144 問145 問146
4 2 1 3

児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

問147 問148 問149 問150
5 4 3 5
●第33回 社会福祉士国家試験の合格基準点(1問1点)
93点/150問

第33回 社会福祉士国家試験 過去問題(2021年2月実施)

人体の構造と機能及び疾病

問題 1

人の成長と老化に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 生後 2 か月では,寝返りが打てる。

2 思春期には,第一次性徴が出現する。

3 青年期の終わりは,身体の成長が最も著しい時期である。

4 20歳頃には,生殖器系の成長が最も著しくなる。

5 老年期には,収縮期血圧が上昇する。

問題 2

心臓と血管の構造と機能に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 肺と右心房をつなぐのは,肺静脈である。

2 左心房と左心室の間には,大動脈弁がある。

3 血液は,左心室から大動脈へと流れる。

4 上大静脈と下大静脈は,左心房に開口する。

5 血液は,大動脈から肺に流れる。

問題 3

健康の概念と健康増進に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 WHOは,健康を身体的,精神的,社会的,スピリチュアルに良好な状態と定義した。

2 「健康日本21」は,一次予防を重視している。

3 健康増進法は,生活習慣病対策を含まない。

4 健康増進は,一次予防には該当しない。

5 健康寿命とは,平均寿命を超えて生存している期間をいう。

問題 4

日本におけるがん(悪性新生物)に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 近年において,がんは死因の第 2 位となっている。

2 がんと食生活は関係がない。

3 早期発見を目的とするがん検診は,がんの一次予防である。

4 近年の傾向として,胃がんの「死亡率」は低下している。

5 がんの治療は,手術療法に限られる。

(注)「死亡率」とは,年齢構成を基準人口で調整した「年齢調整死亡率」を指す。

問題 5

障害に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 後天性免疫不全症候群による免疫機能障害は,内部障害に該当しない。

2 「難病法」で定められた指定難病患者の全てに,身体障害者手帳が交付される。

3 外傷性脳損傷による注意力の低下は,高次脳機能障害の症状の一つである。

4 一つの疾患から,複数の身体機能の障害を来すことはない。

5 糖尿病による視覚障害では,身体障害者手帳を取得できない。

(注)「難病法」とは,「難病の患者に対する医療等に関する法律」のことである。

問題 6

次のうち,精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM- 5 )において,自閉スペクトラム症(ASD)と診断するための症状に含まれるものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 同一性への固執

2 精神運動制止

3 陰性症状

4 気分の高揚

5 幻覚

問題 7

リハビリテーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 学校教育では行われない。

2 急性期治療を終えてから開始される。

3 補装具の処方による代償的・適応的アプローチは含まれない。

4 介護保険制度によるサービスとしては提供されない。

5 将来的な筋力低下が予想される場合の予防的アプローチが含まれる。

心理学理論と心理的支援

問題 8

マズロー(Maslow, A.)による人間の欲求階層又は動機づけに関する理論について,次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 階層の最下位の欲求は,人間関係を求める欲求である。

2 階層の最上位の欲求は,自尊や承認を求める欲求である。

3 階層の下から 3 番目の欲求は,多くのものを得たいという所有の欲求である。

4 自己実現の欲求は,成長欲求(成長動機)といわれる。

5 各階層の欲求は,より上位の階層の欲求が充足すると生じる。

問題 9

知覚に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 外界の刺激を時間的・空間的に意味のあるまとまりとして知覚する働きを,知覚の体制化という。

2 明るい場所から暗い場所に移動した際,徐々に見えるようになる現象を,視覚の明順応という。

3 個人の欲求や意図とは関係なく,ある特定の刺激だけを自動的に抽出して知覚することを,選択的注意という。

4 水平線に近い月の方が中空にある月より大きく見える現象を,大きさの恒常性という。

5 二つの異なる刺激の明るさや大きさなどの物理的特性の違いを区別することができる最小の差異を,刺激閾(しげきいき)という。

問題 10

社会的関係において生じる現象に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 初対面の人の職業によって,一定のイメージを抱いてしまうことを,同調という。

2 相手に能力があると期待すると,実際に期待どおりになっていくことを,ハロー効果という。

3 頻繁に接触する人に対して,好意を持ちやすくなることを,単純接触効果という。

4 外見が良いことによって,能力や性格など他の特性も高評価を下しやすくなることを,ピグマリオン効果という。

5 集団の多数の人が同じ意見を主張すると,自分の意見を多数派の意見に合わせて変えてしまうことを,ステレオタイプという。

問題 11

発達障害に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 限局性学習症(SLD)は,全般的な知的発達に遅れが認められる。

2 自閉スペクトラム症(ASD)は,通常, 6 歳以降に発症する。

3 自閉スペクトラム症(ASD)は,知的障害を伴わないのが特徴である。

4 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の両方が併存することがある。

5 注意欠如・多動症(ADHD)は,男児よりも女児の方が有病率が高い。

(注) 選択肢に使われている診断名に係る用語は,「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM- 5 )」に基づく。

問題 12

心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,自然災害によっても引き起こされる。

2 フラッシュバックとは,心的外傷体験に関する出来事を昇華することである。

3 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,心的外傷体験後 1 か月程度で自然に回復することもある。

4 過覚醒とは,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることである。

5 回避症状とは,心的外傷体験の後,過剰な驚愕(きょうがく)反応を示すことである。

問題 13

心理検査に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 特別支援学級への入級を検討したい子どもの知能検査を学校から依頼されたので,ロールシャッハテストを実施した。

2 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの結果がカットオフポイントを下回ったので,発達障害の可能性を考えた。

3 10歳の子どもに知能検査を実施することになり,本人が了解したので,WAIS-Ⅳを実施した。

4 投影法による性格検査を実施することになったので,矢田部ギルフォード(YG)性格検査を実施した。

5 WISC-Ⅳの結果,四つの指標得点間のばらつきが大きかったので,全検査IQ(FSIQ)の数値だけで全知的能力を代表するとは解釈しなかった。

問題 14

認知行動療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 セラピストは,クライエントが独力で問題解決できるように,クライエントとの共同作業はしない。

2 他者の行動観察を通して行動の変容をもたらすモデリングが含まれる。

3 クライエントは,セッション場面以外で練習課題を行うことはない。

4 リラクセーション法は併用しない。

5 少しでも不快な刺激に曝(さら)すことは避け,トラウマの再発を防ぐ。

社会理論と社会システム

問題 15

「令和元年版少子化社会対策白書」(内閣府)に示された合計特殊出生率に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 日本の合計特殊出生率は,1975 年(昭和 50 年)以降 2.0 を下回っている。

2 日本の 1999 年(平成 11 年)の合計特殊出生率は 1.57 で,それまでの最低値であった。

3 日本の 2017 年(平成 29 年)の合計特殊出生率は,2005 年(平成 17 年)のそれよりも低い。

4 イタリアの 2017 年の合計特殊出生率は,フランスのそれよりも高い。

5 韓国の 2017 年の合計特殊出生率は,日本のそれよりも高い。

問題 16

都市化の理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 フィッシャー(Fischer, C.)は,都市の拡大過程に関して,それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする,同心円地帯理論を提起した。

2 ワース(Wirth, L.)は,都市では人間関係の分節化と希薄化が進み,無関心などの社会心理が生み出されるとする,アーバニズム論を提起した。

3 クラッセン(Klaassen, L.)は,大都市では類似した者同士が結び付き,ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする,下位文化理論を提起した。

4 ウェルマン(Wellman, B.)は,大都市では,都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し,都市中心部の空洞化が生じるとする,都市の発展段階論を提起した。

5 バージェス(Burgess, E.)は,都市化した社会ではコミュニティが地域や親族などの伝統的紐帯(ちゅうたい)から解放されたネットワークとして存在しているとする,コミュニティ解放論を提起した。

問題 17

社会集団などに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 準拠集団とは,共同生活の領域を意味し,地域社会を典型とする集団を指す。

2 第二次集団とは,親密で対面的な結び付きと協同によって特徴づけられる集団を指す。

3 内集団とは,個人にとって嫌悪や軽蔑,敵意の対象となる集団を指す。

4 ゲマインシャフトとは,人間が生まれつき持っている本質意志に基づいて成立する集団を指す。

5 公衆とは,何らかの事象への共通した関心を持ち,非合理的で感情的な言動を噴出しがちな人々の集まりを指す。

問題 18

次のうち,標準的な段階設定をすることなく,社会的存在として,個人がたどる生涯の過程を示す概念として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 家族周期

2 ライフステージ

3 コーホート

4 ライフコース

5 生活構造

問題 19

次のうち,ゴッフマン(Goffman, E.)が提示した,他者の期待や社会の規範から少しずらしたことを行うことを通じて,自己の存在を他者に表現する概念として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 役割取得

2 役割距離

3 役割葛藤

4 役割期待

5 役割分化

問題 20

次のうち,社会的ジレンマの定義として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 目標を効率的かつ公正に達成するための手段として制定されたルールが,それ自体目的と化してしまうことで,非効率な結果が生み出されている状況

2 文化を介して不平等や序列を含んだものとしての社会秩序が維持・再生産されている状況

3 信頼関係,互酬性の規範,人的ネットワークなどが整えられることによって人々に広く便益をもたらしている状況

4 協力的な行動には報酬を与え,非協力的な行動には罰を与えることで,協力的行動が合理的であるようにする状況

5 各個人が自らの利益を考えて合理的に行動した結果,集団あるいは社会全体として不利益な結果を招いてしまう状況

問題 21

次のうち,マートン(Merton, R.K.)が指摘したアノミーに関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ある現象が解決されるべき問題とみなす人々の営みを通じて紡ぎ出される社会状態を指す。

2 下位文化集団における他者との相互行為を通じて逸脱文化が学習されていく社会状態を指す。

3 文化的目標とそれを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を指す。

4 他者あるいは自らなどによってある人々や行為に対してレッテルを貼ることで逸脱が生み出されている社会状態を指す。

5 人間の自由な行動を抑制する要因が弱められることによって逸脱が生じる社会状態を指す。

現代社会と福祉

問題 22

社会福祉法で規定された福祉サービスの基本的理念に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 個人の尊厳の保持を旨とし,その内容は,福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され,又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして,良質かつ適切なものでなければならない。

2 全ての国民が,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される。

3 国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長する。

4 地域の実情に応じて,高齢者が,可能な限り,住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう,医療,介護,介護予防,住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される。

5 老齢,障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与する。

問題 23

「令和元年版高齢社会白書」(内閣府)における日本の現状に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 15歳未満人口に比べて,65 歳以上人口の方が少ない。

2 健康寿命は,男女共に 80 年に達している。

3 日本の高齢化率は,先進諸国の中で最も高い。

4 70歳代前半の就業率は,男女共に半数を超えている。

5 公的年金・恩給を受給する高齢者世帯のうち,それらが総所得の全てである世帯は約 2 割である。

問題 24

「人間開発報告書2019(概要版)」(国連開発計画(UNDP))の内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 「持続可能な開発目標」(SDGs)中の「2030 年までに極度の貧困を全世界で根絶する」という目標を達成する目途が立っている。

2 「人間開発指数ランクごとのグループ」をみると,2005 年から 2015 年にかけての平均寿命の年数の延びは,最高位グループよりも低位グループの方が大きい。

3 人間開発の各側面のうち,健康の格差は,所得や教育の格差と異なり,世代間で継承されることは少ない。

4 各国・地域の人間開発の格差を評価するには,一人当たり国民総所得(GNI)を比較することが最も適切である。

5 人間開発の格差を是正するには,市場の公平性と効率を高めることが有効であり,そのために各国・地域は減税・歳出削減と規制緩和を実施する必要がある。

(注)「人間開発指数ランクごとのグループ」とは,世界の国・地域を人間開発指数の高い方から,最高位(Very high),高位(High),中位(Medium),低位(Low)の 4グループに分類したもののことである。

問題 25

イギリスの新救貧法(1834 年)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 劣等処遇の原則を導入し,救貧の水準を自活している最下層の労働者の生活水準よりも低いものとした。

2 パンの価格に基づき定められる最低生計費よりも収入が低い貧困者を対象に,救貧税を財源としてその差額を給付した。

3 貧困調査を実施して,貧困は社会的な要因で発生することを明らかにした。

4 働ける者を労役場で救済することを禁止し,在宅で救済する方策を採用した。

5 貧困の原因として欠乏・疾病・無知・不潔・無為の5大巨悪を指摘した。

問題 26

福祉政策における資源供給の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 現金よりも現物で給付を行う方が,利用者の選択の自由を保障できる。

2 バウチャーよりも現金で給付を行う方が,利用者が本来の目的以外に使うことが生じにくい。

3 日本の介護保険法における保険給付では,家族介護者に対して現金給付が行われることはない。

4 負の所得税は,低所得者向けの現金給付を現物給付に置き換える構想である。

5 普遍主義的な資源の供給においては,資力調査に基づいて福祉サービスの対象者を規定する。

問題 27

各国の社会福祉や社会保障の現状に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 アメリカの公的医療保障制度には,低所得者向けのメディケアがある。

2 スウェーデンの社会サービス法では,住民が必要な援助を受けられるよう,コミューンが最終責任を負うこととなっている。

3 ドイツの社会福祉制度は,公的サービスが民間サービスに優先する補完性の原則に基づいている。

4 中国の計画出産政策は,一組の夫婦につき子は一人までとする原則が維持されている。

5 韓国の高齢者の介護保障(長期療養保障)制度は,原則として税方式で運用されている。

問題 28

日本における男女共同参画に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 男女共同参画社会基本法は,男女が様々な活動に参加できるよう,性別役割分担の強化に努めなければならないとしている。

2 男女共同参画社会基本法は,男女が性別による差別的扱いを受けることを防止するため,行政機関や事業主に対する罰則を規定している。

3 男女共同参画社会基本法は,都道府県が都道府県男女共同参画計画を定めるように努めなければならないとしている。

4 2018年(平成 30 年)7 月時点で,国家公務員の本省係長相当職以上の職員に占める女性の割合は 3 割に達していない。

5 「ジェンダー・ギャップ指数 2020」における 153 か国の総合スコアでは,日本はジェンダー平等が進んでいる方から数えて上位 50 位以内に入っている。

(注)「ジェンダー・ギャップ指数 2020」とは,世界経済フォーラムが 2019 年 12 月に報告書「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート 2020」において発表した,経済・政治・教育・健康の 4 分野における各国のジェンダー平等度を示す指数のことである。

問題 29

「政策評価法」に基づく行政機関の政策評価に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 政策評価の実施に当たり,利害関係者の参加を義務づけている。

2 政策評価の基準として,必要性よりも効率性が重視される。

3 政策評価の方法は,自己評価,利用者評価,プロセス評価により行われる。

4 政策評価の対象となる行政機関は,地方公共団体である。

5 政策評価の目的は,効果的・効率的な行政の推進及び国民への説明責任を全うされるようにすることである。

(注)「政策評価法」とは,「行政機関が行う政策の評価に関する法律」のことである。

問題 30

日本における住宅政策や居住支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 「住宅セーフティネット法」では,民間賃貸住宅を賃貸する事業者に対し,住宅確保要配慮者の円滑な入居の促進のための施策に協力するよう努めなければならないとされている。

2 公営住宅の入居基準では,自治体が収入(所得)制限を付してはならないとされている。

3 住生活基本法では,国及び都道府県は住宅建設計画を策定することとされている。

4 住宅困窮者が,居住の権利を求めて管理されていない空き家を占拠することは,違法ではないとされている。

5 日本が批准した「国際人権規約(社会権規約)」にいう「相当な生活水準の権利」では,住居は対象外とされている。

(注1)「住宅セーフティネット法」とは,「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」のことである。

(注2)「国際人権規約(社会権規約)」とは,国際人権規約における「経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約」のことである。

問題 31

次のうち,働き方改革とも関連する「労働施策総合推進法」の内容の説明として,適切なものを 2 つ選びなさい。

1 国は,日本人の雇用確保のため不法に就労する外国人への取締りを強化しなければならない。

2 国は,子を養育する者が離職して家庭生活に専念することを支援する施策を充実しなければならない。

3 事業主は,職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって,業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう,必要な措置を講じなければならない。

4 国は,労働者が生活に必要な給与を確保できるよう労働時間の延長を容易にする施策を充実しなければならない。

5 事業主は,事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について,求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うよう努めなければならない。

(注)「労働施策総合推進法」とは,「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(旧雇用対策法)のことである。

地域福祉の理論と方法

問題 32

事例を読んで,U障害者支援施設のA相談員(社会福祉士)が立てた,利用者の地域移行に向けたプランに関する次の記述のうち,地域福祉の理念・原則に基づき,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕重度の知的障害があるBさん(40 歳,女性)は,特別支援学校高等部を卒業後,実家から遠く離れたU障害者支援施設に入所して生活を続けてきた。Bさんは言葉でのコミュニケーションは困難であるが,地域で近隣の住民がボランティアとして主催する音楽活動に時折参加した際には,明るい表情で音楽を聴く様子が見られた。Bさんには兄弟姉妹がなく,両親は既に亡くなっている。

1 自己決定の尊重の観点から,Bさん自身から地域移行の希望が出てくるのを待つプランを立てた。

2 社会的包摂の観点から,BさんがU障害者支援施設近くの共同生活援助(グループホーム)に移り,地域住民と共に音楽を楽しむ場に参加するプランを立てた。

3 自立生活支援の観点から,Bさんが一般就労をした後に地域移行を目指すプランを立てた。

4 ノーマライゼーションの観点から,Bさんの実家近くの障害者支援施設へ入所するプランを立てた。

5 住民主体の観点から,地域移行後のBさんの支援を全面的に住民ボランティアに委ねるプランを立てた。

問題 33

民生委員制度やその前身である方面委員制度等に関する次の記述のうち,正しいものを 2つ選びなさい。

1 方面委員制度は,岡山県知事である笠井(かさい)信一によって,地域ごとに委員を設置する制度として1918 年(大正 7 年)に創設された。

2 方面委員は,救護法の実施促進運動において中心的な役割を果たし,同法は1932 年(昭和 7 年)に施行された。

3 民生委員法は,各都道府県等で実施されていた制度の統一的な発展を図るため, 1936 年(昭和 11 年)に制定された。

4 民生委員は,旧生活保護法で補助機関とされていたが,1950 年(昭和 25 年)に制定された生活保護法では実施機関とされた。

5 全国の民生委員は,社会福祉協議会と協力して,「居宅ねたきり老人実態調査」を全国規模で 1968 年(昭和 43 年)に実施した。

問題 34

地域福祉の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 社会保障審議会の「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について」(2002 年(平成 14 年))は,専門のコンサルタントに計画の策定を請け負わせるべきであると提言した。

2 厚生労働省の「これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書」(2008 年(平成 20 年))は,制度の対象とならない生活課題は,行政が原則として関与せず,住民同士の支え合いによって解決していく必要があると提言した。

3 社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書」(2013 年(平成 25 年))は,生活保護受給者が増加する中で,中間的就労を通じた生活困窮者の社会参加よりも一般就労を重視すべきであると提言した。

4 厚生労働省の「地域力強化検討会最終とりまとめ」(2017 年(平成 29 年))は,地域共生社会の実現に向けて,地域住民が多機関協働の中核を担う必要があると提言した。

5 厚生労働省の「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ」(2019 年(令和元年))は,既存の地域資源と狭間のニーズを持つ者との間を取り持つ,新たな参加支援の機能が重要であると提言した。

問題 35

事例を読んで,N市の地域包括支援センターのC社会福祉士の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕N市の地域包括支援センターのC社会福祉士は,担当地区で住民主体の集いの場を行っているグループから,様々な高齢者が集まってくれて手応えを感じているが,福祉の専門的な相談に対応できずに悩んでいる,と相談を受けた。C社会福祉士は,この相談を住民活動と協働して,アウトリーチによる早期のニーズ把握を行う好機と捉え,対応することにした。

1 集いの場を通じて高齢者の早期のニーズを正確に把握するため,地域包括支援センターが主体となった運営に切り替えることを提案する。

2 集いの場において受付や後片付けなどを手伝い,集いの場により多くの参加者を受け入れられるよう支援する。

3 専門的な相談機関のリストを作成し,相談が必要な人に渡すよう,集いの場に参加している高齢者に依頼する。

4 集いの場に地域包括支援センターの保健師を派遣し,適切な介護予防のプログラムが実施できるよう指導させる。

5 集いの場において出張相談を実施し,気になることがあればいつでも相談してほしいと参加者に伝える。

問題 36

社会福祉法における地域福祉の推進に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 社会福祉事業を経営する者は,地域福祉を推進する主体には含まれないとされている。

2 社会福祉に関する活動を行う者は,地域福祉を推進する主体である市町村に協力しなければならないとされている。

3 地域住民等は,支援関係機関と連携して地域生活課題の解決を図るよう留意するとされている。

4 福祉サービスの利用者は,支援を受ける立場であることから,地域福祉を推進する主体には含まれないとされている。

5 国及び地方公共団体は,地域住民等が取り組む地域生活課題の解決のための活動に関与しなければならないとされている。

問題 37

地域生活課題を抱える人への支援のための施策に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法は,生活困窮者における経済的困窮だけでなく,地域社会からの孤立についても支援の対象としている。

2 日常生活自立支援事業は,判断能力の不十分な精神障害者等に対して住宅を購入するための銀行からの借入れの契約などを支援している。

3 災害対策基本法は,福祉避難所に,介護支援専門員の配置を義務づけている。

4 住居確保給付金は,18 歳未満の子を持つ母子世帯に対して,生活保護法に基づく住宅扶助の一環として家賃相当額を給付するものである。

5 ひきこもり地域支援センター設置運営事業は,ひきこもりの状態にある人を一般就労につなげるための職業訓練を必須事業にしている。

問題 38

事例を読んで,V社会福祉法人のD生活相談員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕特別養護老人ホームを中心に社会福祉事業を経営するV社会福祉法人では,2016年(平成 28 年)の社会福祉法改正を受け,「地域における公益的な取組」(以下「取組」という。)の実施について協議する委員会が設置され,D生活相談員が責任者となった。委員会では,地域の中で孤立する子どもたちに対して1回100円程度で利用できる子ども食堂を実施してはどうかという提案がなされた。

1 子ども食堂は「取組」に当たらないため,法人は関わらず,施設に関わっているボランティアが中心となって実施する計画を立てる。

2 日常生活上又は社会生活上の支援を必要とする者が対象でなければ「取組」に当たらないため,地域住民や関係機関に働き掛けて,地域の子どもたちのニーズを明らかにするための話合いを実施する計画を立てる。

3 高齢者を対象とした事業でなければ法人の「取組」に当たらないため,孤立した高齢者を主たる対象とした取組として実施する計画を立てる。

4 低額であっても費用が徴収される活動は「取組」に当たらないため,無償の活動として実施する計画を立てる。

5 一つの社会福祉法人のみでは「取組」に当たらないため,近隣の他の社会福祉法人に呼び掛けて,賛同が得られた後に実施する計画を立てる。

問題 39

地域福祉等を推進する民間組織への寄附等に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 所轄庁の認定を受けた認定特定非営利活動法人に対して寄附した個人又は法人は,税制上の優遇措置を受けることができる。

2 共同募金によって集められた資金は,市町村,社会福祉事業・社会福祉を目的とする事業を経営する者などに配分されている。

3 社会福祉法人の公益事業における剰余金については,他の社会福祉法人が行っている社会福祉事業への寄附が認められている。

4 「社会福祉協議会活動実態調査等報告書 2018」(全国社会福祉協議会)によれば,住民から会費を徴収している市町村社会福祉協議会は半数以下であった。

5 「令和元年度市民の社会貢献に関する実態調査」(内閣府)によれば,2018年(平成 30 年)に市民が寄附をした相手で最も多かったのは特定非営利活動法人であった。

問題 40

地域福祉の人材に関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

1 権利擁護人材育成事業の養成者のうち,成年後見人等として選任されている市民後見人の数は,2017 年度(平成 29 年度)末で3万人を超えている。

2 生活支援体制整備事業の生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)は,原則として民生委員・児童委員から選出される。

3 認知症サポーター養成事業は,認知症高齢者に対して有償で在宅福祉サービスの提供を行う人材の育成を目的としている。

4 地域自殺対策強化事業におけるゲートキーパー養成研修の対象には,民間企業等の管理職,かかりつけ医,民生委員・児童委員,地域住民等が含まれる。

5 日常生活自立支援事業における専門員は,支援計画の作成や契約の締結に関する業務を行うとされている。

問題 41

福祉サービスの立案及び評価に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 パブリックコメントとは,利害関係者や学識経験者を集めて意見を聴き,予算や法律・規則の制定を行う手法のことである。

2 ニーズ推計とは,ニーズを一定の基準で分類し,その類型ごとに出現率の推計等を行い,それに対応するサービスの種類や必要量を算出する手法である。

3 福祉サービス第三者評価事業における第三者評価とは,利用者の家族等によって行われる評価のことである。

4 福祉サービスのアウトカム評価とは,福祉サービスが適切な手順と内容で利用者に提供されているかに着目する評価である。

5 プログラム評価の枠組みでは,サービスの効果を計測するための指標の設定は基本的にサービスの実施後に行われる。

福祉行財政と福祉計画

問題 42

都道府県の役割に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法に基づき,生活困窮者自立相談支援事業を行う。

2 老人福祉法に基づき,養護老人ホームへの入所措置を行う。

3 「障害者総合支援法」に基づき,介護給付費の支給決定を行う。

4 子ども・子育て支援法に基づき,市町村子ども・子育て支援事業計画を定めるに当たって参酌すべき標準を定める基本指針を策定する。

5 介護保険法に基づき,地域密着型サービス事業者の指定を行う。

(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 43

福祉の財源に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法に基づき,生活困窮者家計改善支援事業の費用には国庫負担金が含まれる。

2 生活保護法に基づき,保護費には国庫補助金が含まれる。

3 介護保険法に基づき,介護給付費には国庫負担金が含まれる。

4 身体障害者福祉法に基づき,身体障害者手帳の交付措置の費用には国庫補助金が含まれる。

5 「障害者総合支援法」に基づき,地域生活支援事業の費用には国庫負担金が含まれる。

問題 44

次のうち,都道府県が設置しなければならないと法律に規定されている行政機関として,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 発達障害者支援センター

2 基幹相談支援センター

3 地域包括支援センター

4 精神保健福祉センター

5 母子健康包括支援センター

問題 45

次のうち,行政機関に配置が義務づけられている職種として,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 身体障害者更生相談所の身体障害者相談員

2 都道府県福祉事務所の知的障害者福祉司

3 婦人相談所の母子・父子自立支援員

4 精神保健福祉センターの精神保健福祉相談員

5 児童相談所の児童福祉司

問題 46

「令和 2 年版地方財政白書」(総務省)における地方財政の状況(普通会計)に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 都道府県及び市町村の歳入純計決算額では,地方交付税の割合が最も大きい。

2 都道府県の目的別歳出では,土木費の割合が最も大きい。

3 市町村の目的別歳出では,民生費の割合が最も大きい。

4 都道府県の性質別歳出では,公債費の割合が最も大きい。

5 市町村の性質別歳出では,補助費等の割合が最も大きい。

問題 47

事例を読んで,介護保険事業計画に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕P県Q市の介護保険課に勤めるEさんは,次期Q市介護保険事業計画を策定するための担当者に任命されたので,法令上遵守すべき点を確認した。

1 介護保険事業計画を通して算定される介護保険料の伸び率を 3 %以内に抑えるため,介護サービス全体の見込量を勘案して,Q市の計画を策定するよう努めなければならない。

2 被保険者全体の意向を踏まえる必要があるので,20 代の若者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

3 Q市の計画に盛り込む各年度における地域支援事業の量の見込みについては,P県に計画策定前に意見を聴かなければならない。

4 Q市の計画には,介護予防・日常生活支援総合事業に関する市町村相互間の連絡調整を行う事業に関する事項を盛り込まなければならない。

5 計画期間が終了後,Q市では市町村介護保険事業計画の実績に関する評価を実施するよう努めなければならない。

問題 48

厚生労働省が発表した「市町村地域福祉計画策定状況等調査結果(平成31年4月1日時点)」に示された「地域における高齢者の福祉,障害者の福祉,児童の福祉その他の福祉に関し,共通して取り組むべき事項」として,次の中で最も多くの計画に位置づけられている事項はどれか,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 居住に課題を抱える者への横断的な支援の在り方

2 地域住民等が集う拠点の整備や既存施設等の活用

3 自殺対策の効果的な展開も視野に入れた支援の在り方

4 保健医療,福祉等の支援を必要とする犯罪をした者等への社会復帰支援の在り方

5 地域づくりにおける官民協働の促進や地域福祉への関心の喚起も視野に入れた寄附や共同募金等の取組の推進

(注) 「地域における高齢者の福祉,障害者の福祉,児童の福祉その他の福祉に関し,共通して取り組むべき事項」とは,社会福祉法第 107 条第 1 項第 1 号に掲げられている事項のことである。

社会保障

問題 49

日本の人口に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 「人口推計(2019 年(令和元年)10 月 1 日現在)」(総務省)によると,2019 年の総人口は前年に比べ増加した。

2 「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)」(厚生労働省)によると,2019 年 の合計特殊出生率は前年より上昇した。

3 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」によると,2065 年の平均寿命は男女共に 90 年を超えるとされている。

4 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」によると,老年(65 歳以上)人口は2042 年にピークを迎え,その後は減少に転じるとされている。

5 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」によると,2065 年の老年(65 歳以上)人口割合は約 50 %になるとされている。

(注)「国立社会保障・人口問題研究所の推計」とは,「日本の将来推計人口(平成29 年推計)」の出生中位(死亡中位)の仮定の場合を指す。

問題 50

「平成 29 年版厚生労働白書」における社会保障の役割と機能などに関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

1 戦後の社会保障制度の目的は,「広く国民に安定した生活を保障するもの」であったが,近年では「生活の最低限度の保障」へと変わってきた。

2 1950年(昭和 25 年)の「社会保障制度に関する勧告」における社会保障制度の定義には,社会保険,国家扶助,治安維持及び社会福祉が含まれている。

3 社会保障には,生活のリスクに対応し,生活の安定を図る「生活安定・向上機能」がある。

4 社会保障の「所得再分配機能」は,現金給付にはあるが,医療サービス等の現物給付にはない。

5 社会保障には,経済変動の国民生活への影響を緩和し,経済を安定させる「経済安定機能」がある。

問題 51

医療保険制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 国民健康保険には,被用者の一部も加入している。

2 医師など同種の事業又は業務に従事する者は,独自に健康保険組合を組織することができる。

3 協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の保険料率は,全国一律である。

4 健康保険の被扶養者が,パートタイムで働いて少しでも収入を得るようになると,国民健康保険に加入しなければならない。

5 日本で正社員として雇用されている外国人が扶養している外国在住の親は,健康保険の被扶養者となる。

問題 52

事例を読んで,労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕運送会社で正社員として働いているFさんは,合理的な経路及び方法により通勤中,駅の階段で転倒し,負傷した。

1 Fさんの負傷は業務災害ではないので,労災保険の給付は行われない。

2 Fさんの雇用期間が 6 か月未満である場合,労災保険の給付は行われない。

3 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受けられる場合,自己負担は原則 1 割である。

4 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受ける場合,同一の負傷について,健康保険の療養の給付は行われない。

5 Fさんの勤務先が労災保険の保険料を滞納していた場合,労災保険の給付は行われない。

問題 53

障害児・者に係る現金給付に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 出生時から重度の障害があり,保険料を納めることができなかった障害者は,保険料を追納した場合に限り,障害基礎年金を受給することができる。

2 在宅の重度障害者は,所得にかかわらず特別障害者手当を受給できる。

3 障害厚生年金が支給される場合,労働者災害補償保険の障害補償年金は全額支給停止される。

4 特別児童扶養手当を受給している障害児の父又は母が,児童手当の受給要件を満たす場合には,児童手当を併せて受給できる。

5 障害児福祉手当は,重度障害児の養育者に対し支給される手当である。

問題 54

事例を読んで,Gさんが受けられる社会保障給付等に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Gさん(35 歳,女性)は民間企業の正社員として働く夫と結婚後, 5 年間専業主婦をしていたが 2019 年(令和元年)に離婚し, 3 歳の子どもと二人で暮らしている。飲食店で週 30 時間のパートタイムの仕事をしており,雇用保険の加入期間は 1 年を過ぎた。しかし,店主の入院により飲食店は営業を休止し,Gさんは休業を余儀なくされている。

1 Gさんは,婚姻期間中の夫の老齢基礎年金の保険料納付記録を分割して受けられる。

2 Gさんが児童扶養手当を受給できるのは,子が小学校を卒業する年度末までである。

3 Gさんが母子生活支援施設に入所した場合,児童扶養手当を受給できない。

4 Gさんは,休業期間中の手当を雇用保険の雇用継続給付として受給できる。

5 Gさんが解雇により失業した場合,失業の認定を受けて雇用保険の求職者給付を受給できる。

問題 55

国民年金に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 国民年金の第一号被保険者の保険料は,前年の所得に比例して決定される。

2 障害基礎年金を受給していると,国民年金の保険料納付は免除される。

3 学生納付特例制度の適用を受けた期間は,老齢基礎年金の受給資格期間には算入されない。

4 自営業者の配偶者であって無業の者は,国民年金の第三号被保険者となる。

5 障害基礎年金には,配偶者の加算がある。

障害者に対する支援と障害者自立支援制度

問題 56

厚生労働省の「平成 28 年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」及び「社会福祉施設等調査」(2018 年(平成 30 年))に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 65歳未満の障害者手帳所持者で,「特に生活のしづらさは無かった」と答えた者は半数を超えている。

2 就労移行支援サービス,就労継続支援(A型)サービス及び就労継続支援(B型)サービスのうち,利用実人員が最も多いのは就労継続支援(B型)サービスである。

3 65歳以上の障害者手帳所持者の「障害の原因」は,「事故・けが」が最も多い。

4 障害児通所支援等事業所のうち,利用実人員が最も多いのは,児童発達支援サービスである。

5 65歳以上の障害者手帳所持者の 3 分の 2 以上が,介護保険法に基づくサービスを利用している。

問題 57

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 国際障害者年(1981 年(昭和 56 年))に向けて,国内法の整備の一環として制定された。

2 「不当な差別的取扱いの禁止」について,国・地方公共団体等には義務が,民間事業者には努力義務が課されている。

3 「合理的配慮の提供」について,国・地方公共団体等と民間事業者に,共に義務が課されている。

4 障害者の定義は,障害者基本法に規定されている障害者の定義より広い。

5 国や地方公共団体の関係機関は,地域における障害を理由とする差別に関する相談や差別解消の取組のネットワークとして,障害者差別解消支援地域協議会を設置できる。

(注)「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

問題 58

障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 1949年(昭和 24 年)の身体障害者福祉法は,障害者福祉の対象を傷痍(しょうい)軍人に限定した。

2 1950年(昭和 25 年)の精神衛生法は,精神障害者の私宅監置を廃止した。

3 1960年(昭和 35 年)の身体障害者雇用促進法は,児童福祉施設に入所している18歳以上の肢体不自由者が増加する問題に対応するために制定された。

4 1980年代に日本で広がった自立生活運動は,デンマークにおける知的障害者の親の会を中心とした運動が起源である。

5 2010年(平成 22 年)に発足した障がい者制度改革推進会議における検討の結果,障害者自立支援法が制定された。

問題 59

「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 共生型サービスは,障害児が健常児と共に学校教育を受けるための支援を行うものである。

2 行動援護は,介護保険の給付を受けることができる者でも必要に応じて利用できる。

3 就労移行支援の利用には,障害支援区分の認定が必要である。

4 生活介護を利用する場合は,暫定支給決定が行われる。

5 障害児に関するサービスの利用者負担は不要である。

(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 60

事例を読んで,W就労継続支援A型事業所のH生活支援員(社会福祉士)のこの段階における対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Jさん(45 歳,男性)は,軽度の知的障害があり,賃貸アパートで一人暮らしをしている。W事業所に通い,そこでの作業を楽しんでいる。ただ,金銭管理が得意ではなく,賃金や年金が支給されるとすぐに使い果たし,ガスや電気を止められ,W事業所への交通費に困ることがあった。そこで,H生活支援員がJさんと面談すると,お金のやりくりに困っているが,興味のあるネットビジネスも始めたいと思っているとのことであった。一方,離れて暮らしている妹からは,将来を考え,ネットビジネスを諦めさせてほしいとの相談があった。

1 ネットビジネスの夢を諦めるように説得する。

2 後見開始の審判の申立てを妹に勧める。

3 日常生活自立支援事業の利用を提案する。

4 共同生活援助(グループホーム)への入居を調整する。

5 W事業所に通うために自治体の移動支援事業の利用を促す。

問題 61

「精神保健福祉法」に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者は,退院後生活環境相談員を選任しなければならない。

2 精神障害者の定義に,知的障害を有する者は含まれない。

3 精神医療審査会は,都道府県の社会福祉協議会に設置するものとされている。

4 精神保健指定医の指定は, 1 年の精神科診療経験が要件とされている。

5 精神障害者保健福祉手帳の障害等級は, 6 級までとされている。

(注)「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

問題 62

「障害者虐待防止法」及び「平成 30 年度障害者虐待対応状況調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 養護者による虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は,速やかに,これを都道府県に通報する義務がある。

2 障害者虐待とは,養護者による障害者虐待と障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の 2 類型をいうと定義されている。

3 養護者による障害者虐待は,身体的虐待,性的虐待,心理的虐待,放置など養護を怠ること,の 4 種類であると定義されている。

4 障害者福祉施設従事者等により虐待を受けた者の障害種別は,知的障害が最も多い。

5 障害者福祉施設従事者等による虐待行為の類型は,性的虐待が最も多い。

(注1)「障害者虐待防止法」とは,「障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

(注2)「平成 30 年度障害者虐待対応状況調査」とは,「平成 30 年度『障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律』に基づく対応状況等に関する調査結果報告書」のことである。

低所得者に対する支援と生活保護制度

問題 63

「生活保護の被保護者調査(平成 30 年度確定値)」(厚生労働省)に示された,2018 年度(平成 30 年度)における生活保護受給者の動向に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 被保護実人員(保護停止中を含む)は,1995 年度(平成 7 年度)の時点よりも増加している。

2 保護率(人口百人当)は,16.6 %である。

3 保護開始の主な理由は,「傷病による」の割合が最も多い。

4 保護廃止の主な理由は,「働きによる収入の増加・取得・働き手の転入」の割合が最も多い。

5 保護の種類別にみた扶助人員は,住宅扶助よりも教育扶助の方が多い。

問題 64

生活保護法が規定する基本原理・原則に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 すべて国民は,この法律及び地方公共団体の条例の定める要件を満たす限り,この法律による保護を受けることができる。

2 必要即応の原則とは,要保護者の需要を基とし,そのうち,その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において保護を行うことをいう。

3 民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は,すべてこの法律による保護に優先して行われる。

4 保護の決定は,生活困窮に陥った原因に基づいて定められている。

5 行政庁が保護の必要な者に対して,職権で保護を行うのが原則とされている。

問題 65

事例を読んで,R市福祉事務所のK生活保護現業員が保護申請時に行う説明に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Lさん(39 歳,男性)は,妻(36 歳),長男(15 歳,中学生)及び次男( 4 歳,幼稚園児)と暮らしている。Lさんは精神障害者,妻は身体障害者であり,一家は夫妻の障害基礎年金とLさんの就労所得で生活してきた。これまでLさんはパートタイム就労を継続していたが,精神疾患が悪化して退職し,夫妻の年金だけでは生活できなくなった。Lさんは,退職に際して雇用保険からの給付もなかったので,生活保護の申請を行おうとしている。

1 生業扶助における母子加算を受給できることを説明した。

2 二人の子に対しては,それぞれ教育扶助を受給できることを説明した。

3 長男が高校に進学すれば,教育扶助から高等学校等就学費を受給できることを説明した。

4 夫妻が共に障害基礎年金を受給していても,生活保護の申請を行うことはできると説明した。

5 Lさんに精神疾患があるとしても,就労が可能である場合,生活保護の申請は行えないことを説明した。

問題 66

生活保護法に定める不服申立てに関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 不服申立てが権利として認められたのは,旧生活保護法(1946 年(昭和 21 年))制定時においてである。

2 審査請求は,市町村長に対して行う。

3 審査請求に対する裁決が 50 日以内に行われないときは,請求は認容されたものとみなされる。

4 当該処分についての審査請求を行わなくても,処分の取消しを求める訴訟を提起することができる。

5 再審査請求は,厚生労働大臣に対して行う。

問題 67

事例を読んで,S市福祉事務所のM生活保護現業員の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕 Aさん(30 歳,女性)は,会社員として働いていた 3 年前に乳がんと診断された。仕事をしながら治療を受けることが困難であったため会社を退職し,現在,生活保護を受給し,S市福祉事務所のM生活保護現業員による支援を受けている。約 1 年間の治療を経て,現在はパートタイムの仕事ができる程度に体調が回復しており,検診の結果,「軽労働」が可能と診断された。そこでAさんは,体調に合わせて働ける職場での再就職を希望している。

1 日常生活自立を図るため,Aさんに被保護者就労準備支援事業の利用を促す。

2 Aさんの同意を得て,公共職業安定所(ハローワーク)と福祉事務所が連携した就労支援チームによる支援を行う。

3 Aさんの同意を得て,公共職業安定所(ハローワーク)に配置される就職支援コーディネーターに職業相談・職業紹介を依頼する。

4 Aさんの同意を得て,福祉事務所に配置される就職支援ナビゲーターに公共職業安定所(ハローワーク)と連携した支援を依頼する。

5 Aさんの同意を得て,S市において生活困窮者自立相談支援事業を受託している社会福祉協議会に,被保護者就労支援を依頼する。

問題 68

福祉事務所の組織及び運営に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 都道府県及び市(特別区を含む)は,条例で,福祉事務所を設置しなければならない。

2 都道府県知事は,生活保護法に定める職権の一部を,社会福祉主事に委任することができる。

3 生活保護の現業を行う所員(現業員)は,保護を決定し実施することができる。

4 福祉事務所の指導監督を行う所員(査察指導員)及び現業を行う所員(現業員)は,生活保護法以外の業務に従事することは禁止されている。

5 福祉事務所の長は,高度な判断が求められるため社会福祉士でなければならない。

問題 69

生活福祉資金貸付制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 借入れの申込先は,福祉事務所である。

2 借入れの申込みは,民生委員を介して行わなければならない。

3 資金貸付けと併せて必要な相談支援を受ける。

4 償還の猶予はできない。

5 総合支援資金は,連帯保証人を立てないと貸付けを受けることができない。

保健医療サービス

問題 70

医療保険制度における保険者とその被保険者に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 健康保険の保険者には,全国健康保険協会が含まれる。

2 船員保険の保険者は,健康保険組合である。

3 日雇特例被保険者の保険の保険者は,国民健康保険組合である。

4 国民健康保険の被保険者には,国家公務員共済組合の組合員が含まれる。

5 後期高齢者医療制度の被保険者は,75 歳以上の者に限られる。

問題 71

公的医療保険の保険給付に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 医療保険の保険給付は,現物給付に限られる。

2 高額療養費の給付は,国民健康保険を除く公的医療保険で受けられる。

3 療養の給付は,保険医の保険診療を受けた場合に受けられる。

4 出産手当金は,女子被保険者及び女子被扶養者が出産した場合に支給される。

5 入院時生活療養費は,特別の病室に入院した場合に限り支給される。

問題 72

日本のがん対策に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。

1 都道府県は,がん対策基本法に基づき,がん対策推進基本計画を策定することが義務づけられている。

2 地域がん診療連携拠点病院では,患者や家族に対して,必要に応じて,アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を含めた意思決定支援を提供できる体制の整備が行われている。

3 がん診療連携拠点病院では,相談支援を行う部門としてがん相談支援センターが設置されている。

4 地域がん診療連携拠点病院では,社会福祉士がキャンサーボードと呼ばれるカンファレンスを開催することが義務づけられている。

5 都道府県は,健康増進法に基づき,がん検診を実施することが義務づけられている。

問題 73

医療法等による地域医療構想に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。

1 構想区域の設定については,三次医療圏を原則とする。

2 病床の必要量の推計については,慢性期病床は推計の対象外とされている。

3 医療需要の推計については,在宅医療は推計の対象外とされている。

4 都道府県は,構想区域等ごとに,診療に関する学識経験者の団体等(関係者)との協議の場を設けなければならない。

5 地域医療構想では,地域における病床の機能分化と連携の推進が目指される。

問題 74

日本における医師の資格,業務及び偏在に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 医師が正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らす行為は,刑法により罰せられる。

2 医師は診察治療の求めがあった場合には,事由のいかんにかかわらず,拒むことはできない。

3 医療施設に従事する医師の人口 10 万対の数を地域別にみると,東北地方に比べて近畿地方が少ない傾向にある。

4 医師の養成機関に対する指定権者は,厚生労働大臣である。

5 医療施設に従事する医師数を施設種別にみると,診療所に従事する医師が最も多い。

問題 75

訪問看護ステーションの指定要件等に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 栄養士を配置していること。

2 特定行為研修を修了した看護師を配置していること。

3 管理者は医師であること。

4 機能強化型訪問看護ステーションでは,利用者や家族からの連絡及び相談を24時間受ける体制を整備していること。

5 訪問看護の対象は 65 歳以上の高齢者とすること。

問題 76

事例を読んで,X病院のB医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のCさんへの対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Cさん(43 歳,男性)は,正社員として勤務する工場での仕事中に鋼板の落下によって頭部外傷を負った。救急病院で 1 か月の入院後,リハビリテーションの目的でX病院へ転院し 3 週間が経過した。下肢の片麻痺と高次脳機能障害があり,歩行のために下肢装具を製作した。CさんはB医療ソーシャルワーカーの下を訪れ,「労働災害として認められたが,今後の経済的なことがとても心配である。復職を含めたこれからの生活について相談したい」と話した。B医療ソーシャルワーカーはCさんの不安な気持ちに共感しながら具体的な情報を提供した。

1 Cさん宅へ職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣し,復職に向けた訓練ができることを説明する。

2 入院期間中は傷病手当金が支給されることを説明する。

3 装具購入費は,労働者災害補償保険法に基づいて勤務先の工場へ請求できることを説明する。

4 退院後の生活に備えて,介護保険の要介護認定の申請について説明する。

5 休業 4 日目以降の休業期間中は,休業補償給付に加えて休業特別支給金が受けられることを説明する。

権利擁護と成年後見制度

問題 77

財産権の制限に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 財産権は,条例によって制限することができない。

2 法律による財産権の制限は,立法府の判断が合理的裁量の範囲を超えていれば,憲法に違反し無効となる。

3 所有権は,法律によって制限することができない。

4 私有財産を公共のために制限する場合には,所有権の相互の調整に必要な制約によるものであっても,損失を補償しなければならない。

5 法令上の補償規定に基づかない財産権への補償は,憲法に違反し無効となる。

問題 78

事例を読んで,次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Dさんは,アパートの 1 室をEさんから月額賃料 10 万円で賃借し,一人暮らしをしている。Dさんには,唯一の親族として,遠方に住む子のFさんがいる。また,賃借をする際,Dさんの知人であるGさんは,Eさんとの間で,この賃貸借においてDさんがEさんに対して負担する債務を保証する旨の契約をしている。

1 Dさんが賃料の支払を 1 回でも怠れば,Eさんは催告をすることなく直ちに賃貸借契約を解除することができる。

2 Fさんは,Dさんが死亡した場合に,このアパートの賃借権を相続することができる。

3 Gさんは,保証が口頭での約束にすぎなかった場合でも,契約に従った保証をしなければならない。

4 Fさんは,Dさんが賃料を支払わないときに,賃借人として賃料を支払う責任を負う。

5 Gさんは,この賃貸借とは別にDさんがEさんから金銭を借り入れていた場合に,この金銭についても保証をしなければならない。

問題 79

遺言に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 公正証書遺言は,家庭裁判所の検認を必要とする。

2 聴覚・言語機能障害により遺言の趣旨を公証人に口授することができない場合は,公正証書遺言を作成することができない。

3 法定相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は,その全部について無効となる。

4 前の遺言が後の遺言と抵触している場合,その抵触する部分について,後の遺言で前の遺言を撤回したものとはみなされない。

5 被保佐人が遺言を作成するには,保佐人の同意は不要である。

問題 80

事例を読んで,関係当事者の民事責任に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Y社会福祉法人が設置したグループホーム内で,利用者のHさんが利用者のJさんを殴打したためJさんが負傷した。K職員は,日頃からJさんがHさんから暴力を受けていたことを知っていたが,適切な措置をとらずに漫然と放置していた。

1 Hさんが責任能力を欠く場合には,JさんがK職員に対して不法行為責任を追及することはできない。

2 JさんがK職員に対して不法行為責任を追及する場合には,Y社会福祉法人に対して使用者責任を併せて追及することはできない。

3 JさんはY社会福祉法人に対して,施設利用契約における安全配慮義務違反として,損害賠償を請求することができる。

4 Hさんに責任能力がある場合に,JさんがY社会福祉法人に対して使用者責任を追及するときは,Jさんは,損害の 2 分の 1 のみをY社会福祉法人に対して請求することができる。

5 Y社会福祉法人が使用者責任に基づいてJさんに対して損害賠償金を支払った場合には,Y社会福祉法人はK職員に対して求償することができない。

問題 81

次のうち,成年後見制度において成年後見人等に対して付与し得る権限として,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 成年後見人に対する本人の居所指定権

2 成年後見監督人に対する本人への懲戒権

3 保佐人に対する本人の営業許可権

4 補助人に対する本人の代理権

5 任意後見監督人に対する本人の行為の取消権

問題 82

任意後見制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 任意後見契約に関する証書の作成後,公証人は家庭裁判所に任意後見契約の届出をしなければならない。

2 本人は,任意後見監督人選任の請求を家庭裁判所に行うことはできない。

3 任意後見契約では,代理権目録に記載された代理権が付与される。

4 任意後見監督人が選任される前において,任意後見受任者は,家庭裁判所の許可を得て任意後見契約を解除することができる。

5 任意後見監督人が選任された後において,本人が後見開始の審判を受けたとしても,任意後見契約は継続される。

問題 83

「成年後見関係事件の概況(平成 31 年 1 月~令和元年 12 月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 「成年後見関係事件」の「終局事件」において,主な申立ての動機として最も多いのは,預貯金等の管理・解約であった。

2 「成年後見関係事件」の「終局事件」において,市区町村長が申立人となったものの割合は,全体の約 5 割であった。

3 後見開始,保佐開始,補助開始事件のうち「認容で終局した事件」において,親族以外の成年後見人等の選任では,社会福祉士が最も多い。

4 「成年後見関係事件」のうち「認容で終局した事件」において,開始原因として最も多いのは,統合失調症であった。

5 「成年後見関係事件」の申立件数に占める保佐開始の審判の割合は,全体の約 7 割であった。

(注1)「成年後見関係事件」とは,後見開始,保佐開始,補助開始及び任意後見監督人選任事件をいう。

(注2)「終局事件」とは,認容,却下,その他(取下げ,本人死亡等による当然終了,移送など)によって終局した事件のことである。

(注3)「認容で終局した事件」とは,申立ての趣旨を認めて,後見開始,保佐開始,補助開始又は任意後見監督人選任をする旨の審判をした事件のことである。

社会調査の基礎

問題 84

政府が行う社会調査の対象に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 国勢調査は,日本に常住する外国人を対象としない。

2 労働力調査は,調査時に求職中の人も対象とする。

3 社会保障生計調査は,被保護世帯を対象としない。

4 国民生活基礎調査は,20 歳未満の国民を対象としない。

5 家計調査は,学生の単身世帯も対象とする。

問題 85

社会調査の倫理に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 社会福祉施設利用者に聞き取り調査をする際,聞き漏らしを防ぐための録音は,不安感を抱かせるので,調査対象者に告げずに行った。

2 介護施設で職員へのマネジメントに関する調査をする際,施設長に対する職員の評価を正確に把握するために,全員に記名式の質問紙の提出を義務づけた。

3 社会福祉学部の学生からの依頼で質問紙調査をする際,いつも出入りしている学生だったため,施設利用者に特に説明することなく質問紙を配布した。

4 社会福祉施設利用者の家族の実情を聴く際,第三者が出入りしない個室で聞き取り調査を行った。

5 施設にボランティア活動に来る小学生に質問紙調査をする際,本人たちの了承を得るだけでよい。

問題 86

標本調査に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 非標本誤差は,回答者の誤答や記入漏れ,調査者の入力や集計のミスなどで生じる。

2 無作為抽出法による標本調査には,道で偶然に出会った見知らぬ人々を調査対象者として選ぶ方法も含む。

3 系統的抽出法は,母集団を性別や年齢別などの比率で分けて標本を得る無作為抽出の方法である。

4 有意抽出法は,確率抽出法の一方法である。

5 無作為抽出法による標本調査では,サンプルサイズの大小は,母集団を推計する信頼度に関係しない。

問題 87

横断調査と縦断調査に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 縦断調査とは,一時点のデータを収集する調査のことをいう。

2 横断調査で得られたデータを,時系列データと呼ぶ。

3 パネル調査とは,調査対象者に対して,過去の出来事を振り返って回答してもらう調査のことをいう。

4 パネル調査は,横断調査に比べて,因果関係を解明するのに適している。

5 横断調査では,時期を空けた 2 回目以降の調査で同じ調査対象者が脱落してしまうといった問題がある。

問題 88

質問紙の作成に当たっての留意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 一つの質問文で複数の事項を問うことは,複数の回答が同時に得られるので,質問紙の作成において望ましいと考えられている。

2 パーソナルな質問とは社会一般的な意見について尋ねる質問であり,インパーソナルな質問とは調査対象者自身の意識や行動について尋ねる質問である。

3 質問文を作成するときには,調査対象者に関心を持ってもらうために,一般的に固定的なイメージを持つステレオタイプな用語を使う必要がある。

4 社会的に望ましい結果を得るために,誘導的な質問をすることは質問紙の作成として適切である。

5 前の質問文の内容が次の質問文の回答に影響を与えないように,注意を払う必要がある。

問題 89

調査票の配布と回収に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 集合調査は,多くの人が集まる場所で調査票を配布後,個々の調査対象者に対して回答を尋ねて,調査員が調査票に記入して回収する方法である。

2 郵送調査は,調査対象者に調査票を郵便によって配布後,調査員が訪問して,記名のある回答済の調査票を回収する方法である。

3 留置調査は,調査対象者を調査員が訪問して調査票を置いていき,調査対象者が記入した後で調査員が回収する方法である。

4 訪問面接調査は,調査員が調査対象者を訪問して調査票を渡し,調査対象者に記入してもらい回収する方法である。

5 モニター調査は,インターネット上で不特定多数の人々に調査票を配信して回収する方法である。

問題 90

調査手法としての観察法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 観察法における「完全な観察者」は,観察に徹して,その場の活動には参加しない。

2 観察法では,聞き取り,文書,写真などの資料は使用しない。

3 観察法の一つとしての参与観察法では,集団を観察対象としない。

4 観察法におけるノートへの記録は,観察時間内に行い,観察終了後には行わない。

5 観察法では,質的なデータは扱うが,量的なデータは扱わない。

相談援助の基盤と専門職

問題 91

社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている社会福祉士に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 社会福祉士は資格更新のため, 7 年ごとに所定の講習を受講しなければならない。

2 社会福祉士は相談業務を行う上で,クライエントの主治医の指示を受けなければならない。

3 社会福祉士の「信用失墜行為の禁止」は,2007 年(平成 19 年)の法律改正によって加えられた。

4 社会福祉士の「秘密保持義務」は,社会福祉士の業務を離れた後においては適用されない。

5 社会福祉士はその業務を行うに当たって,福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。

問題 92

次のうち,「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014 年)が「ソーシャルワークの定義」(2000 年)と比べて変化した内容として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 人間関係における問題解決を図ることが加えられた。

2 中核をなす原理として,社会の不変性の尊重が容認された。

3 実践の基盤として,社会システムに関する理論の導入が加えられた。

4 定義は,各国及び世界の各地域で展開することが容認された。

5 人々が環境と相互に影響し合う接点に介入することが加えられた。

(注1)「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは,2014年 7 月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。

(注2)「ソーシャルワークの定義」とは,2000 年 7 月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)で採択されたものを指す。

問題 93

国が規定する近年の相談事業に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 地域で生活する障害者のために,「地域生活定着促進事業」が創設され,地域生活着支援センターにおいて相談支援業務が行われるようになった。

2 「スクールソーシャルワーカー活用事業」において,社会福祉士や精神保健福祉士等がその選考対象に明記されるようになった。

3 地域包括支援センターでは,社会福祉士等によって「自立相談支援事業」が行われるようになった。

4 矯正施設退所者のために,「地域生活支援事業」が創設され,市町村における必須事業として相談支援事業が行われるようになった。

5 生活困窮者自立支援制度が施行され,その中核的事業として「総合相談支援業務」が行われるようになった。

問題 94

19 世紀末から 20 世紀初頭のセツルメント活動に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

1 バーネット(Barnett, S.)が創設したトインビーホールは,イギリスにおけるセツルメント活動の拠点となった。

2 コイト(Coit, S.)が創設したハル・ハウスは,アメリカにおけるセツルメント活動に大きな影響を及ぼした。

3 石井十次が創設した東京神田のキングスレー館は,日本におけるセツルメント活動の萌芽(ほうが)となった。

4 アダムス(Addams, J.)が創設したネイバーフッド・ギルドは,アメリカにおける最初のセツルメントであった。

5 片山潜が創設した岡山孤児院は,日本におけるセツルメント活動に大きな影響を及ぼした。

問題 95

事例を読んで,Z母子生活支援施設のL母子支援員(社会福祉士)の対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Mさん(28 歳)は夫のDVに耐え切れず,近所の人に勧められて福祉事務所に相談し,Aちゃん( 7 歳,女児)を連れてZ母子生活支援施設に入所した。Mさんには軽度の知的障害があり,療育手帳を所持している。入所後 1 か月が経過したが,Mさんは自室に閉じ籠もっていることが多い。また,他の入所者の部屋の音のことでトラブルとなったこともある。Aちゃんは精神的に不安定で学校を休みがちである。ある日,Mさんは,「ここに居ても落ち着かないので,Aちゃんを連れて施設を出たい」とL母子支援員に訴えてきた。

1 Mさんの気持ちを受け止めた上で,これからの生活に対する希望を聴く。

2 母子分離を図るため,Aちゃんを児童相談所へ送致する。

3 Mさんには退所に関する意思決定は困難であると判断する。

4 退所の申出の背景にある施設での生活環境を探る。

5 すぐに福祉事務所に退所についての判断を仰ぐ。

問題 96

相談援助に関わる職種の根拠法に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。

1 民生委員は,社会福祉法に規定されている。

2 介護支援専門員は,老人福祉法に規定されている。

3 児童福祉司は,児童福祉法に規定されている。

4 社会福祉主事は,生活保護法に規定されている。

5 身体障害者福祉司は,「障害者総合支援法」に規定されている。

(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 97

例を読んで,多職種連携の観点から,この時点でのT市の地域包括支援センターのB社会福祉士の対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕担当地区の民生委員のCさんより,一人暮らしのDさん(80 歳,男性)のことでT市の地域包括支援センターに相談の電話があった。Dさんは 3 か月ほど前に妻を亡くした後,閉じ籠もりがちとなり,十分な食事をとっていないようである。Dさんはこれまで要支援・要介護認定は受けていない。B社会福祉士がDさんの下を訪ねたところ,Dさんは受け答えはしっかりしていたが,体力が落ち,フレイルの状態に見受けられた。

1 法定後見制度の利用を検討するため,弁護士に助言を求める。

2 サロン活動の利用を検討するため,社会福祉協議会の福祉活動専門員に助言を求める。

3 日常生活自立支援事業の利用を検討するため,介護支援専門員に助言を求める。

4 介護老人福祉施設への入所を検討するため,医師に助言を求める。

5 栄養指導と配食サービスの利用を検討するため,管理栄養士に助言を求める。

相談援助の理論と方法

問題 98

次の記述のうち,人と環境との関係に関するソーシャルワーク理論として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 リッチモンド(Richmond, M.)は,「人」,「状況」,「人と状況の相互作用」の三重の相互関連性を説いた。

2 ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)は,生態学的視座に立ち,人が環境の中で生活し,社会的にも機能していると説いた。

3 ホリス(Hollis, F.)は,パーソナリティの変容を目指し,人と環境との間を個別に意識的に調整すると説いた。

4 バートレット(Bartlett, H.)は,人々が試みる対処と環境からの要求との交換や均衡を,社会生活機能という概念で説いた。

5 ジャーメイン(Germain, C.)は,クライエントの環境は,アクション・システムなど,複数のシステムから構成されると説いた。

問題 99

家族システム論に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 家族内で生じる問題は,原因と結果が円環的に循環している。

2 各家族員の分化度が高いほど,家族内において相互依存が生じる。

3 家族の内と外は,区別されず連続している。

4 ある家族の全体が有する力は,各家族員が持つ力の総和に等しい。

5 多世代家族において,一つの世代の家族の不安は,別の世代の家族に影響を与えない。

問題 100

事例を読んで,エコシステムの視点に基づくEさんへのFソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕U里親養育包括支援(フォスタリング)機関のFソーシャルワーカーは,里親Eさん(42 歳,女性)宅へ訪問した際,委託を受け養育しているGちゃん(10 歳,女児)のことで相談を受けた。Gちゃんは,最近無断で学校を休み,友達のHちゃんと万引きをした。EさんはGちゃんに注意し,諭したが,Gちゃんは二日前に再び万引きをした。Eさんは夫に心配を掛けてはすまないと思い,一人で対処してきたが,自分の里親としての力のなさに失望している。

1 「Gちゃんの万引きがやまなければ,児童相談所に委託の解除を相談してはいかがでしょうか」

2 「Gちゃんが通う学校の先生に,Gちゃんの学校での様子について尋ねてみてはいかがでしょうか」

3 「Hちゃんとの付き合いが,Gちゃんの問題を引き起こしているのでしょう」

4 「お一人で悩まれずに,Gちゃんのことをご夫婦で話し合われてはいかがでしょうか」

5 「Gちゃんに欲しい物を尋ね,買ってあげてはいかがでしょうか」

問題 101

次のうち,ソーシャルワークにおける機能的アプローチに関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 クライエントが被っている差別や抑圧に対抗するため,既存の制度や政策を批判し,これらの変革を目指す。

2 クライエントとのコミュニケーションを通じ,クライエントのパーソナリティの変容と環境との機能不全の改善を目指す。

3 クライエントのニーズを機関の機能との関係で明確化し,援助過程の中でクライエントの社会的機能の向上を目指す。

4 クライエントの望ましい行動を増加させ,好ましくない行動を減少させることを目指す。

5 クライエントの問題の解決へのイメージに焦点を当て,問題が解決した状態を実現することにより,クライエントの社会的機能の向上を目指す。

問題 102

事例を読んで,N市の地域包括支援センターのJ社会福祉士の初回面接の対応に関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕J社会福祉士は,初めて地域包括支援センターに来所したKさん(66 歳,女性)の相談を受けた。「娘が結婚して家を出て以来,夫と二人で暮らしてきました。1 年前に夫が定年で退職した頃から,夫が塞ぎ込み不眠にも悩まされるようになりました。V病院を受診していますが,一向に良くなりません。私にささいなことで怒鳴ることがあり,どうしたらいいか分かりません」と不安そうに話した。

1 夫婦間の問題であるため,配偶者暴力相談支援センターに相談するよう伝える。

2 夫の不眠の症状を改善させる方法をアドバイスする。

3 Kさんが問題や不安を落ち着いて語れるように心掛ける。

4 V病院にKさんの夫の医療情報を照会する。

5 Kさんに対して地域包括支援センターの役割について説明する。

問題 103

事例を読んで,課題中心アプローチに基づくL指導員(社会福祉士)の応答として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕W自立援助ホームのL指導員は,Mさん(18 歳,男性)から将来についての相談を受けた。Mさんは就職をして一人暮らしをしたいと思っているが,求人募集に何度応募しても不採用が続いている。自信を失ったMさんは,「また駄目かもしれないと思うと,面接が怖いです」とうつむいた。

1 「就職活動をする上で,今,何が一番問題だとMさんは思われますか」と尋ねる。

2 「面接が奇跡的にうまくいったとしたら,どのように感じますか」と尋ねる。

3 「面接が怖いのであれば,採用試験に面接がない職場を探しましょう」と提案する。

4 「Mさんが次の面接の日までに取り組む具体的な目標を一緒に考えましょう」と提案する。

5 「大丈夫,Mさんなら自信を持って何でもできますよ」と励ます。

問題 104

事例を読んで,在日外国人支援を行うX団体のA相談員(社会福祉士)によるBさんへのこの時点での対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕外国籍の日系人Bさん(45 歳,男性)は,半年前に来日し,Y社で働いていたが, 1 か月前にY社が倒産し職を失った。今後の生活について相談するため,在日外国人支援を行うX団体を訪ねた。A相談員との面接では,以下のことを語った。母国では,今日まで続く不況により一家を養える仕事に就けず,家族の生活費を稼ぐため来日したこと。近い将来,母国で暮らす家族を呼び寄せたいと思っていること。現在求職中であるが日本語能力の低さなどからか,仕事が見付からず,もうこのまま働けないのではと思っていること。手持ちのお金がなくなり当面の生活費が必要なこと。なお,Bさんは在留資格(定住者)を有することを確認した。

1 一旦帰国することを提案する。

2 これまでの就労経験を確認し,働く上での強みを明らかにする。

3 生活福祉資金貸付制度などの仕組みを説明し,希望があれば窓口へ同行することを提案する。

4 日本語を学び直し,日本語能力を早急に高めることを勧める。

5 家族を呼び寄せることは無理であると伝える。

問題 105

次のうち,相談援助の過程におけるモニタリングに関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 クライエントに対する一連の支援終結後に,支援計画の妥当性や効果を測る段階である。

2 支援再開の要否確認のため,問題再発の有無などクライエントの生活状況を確認する段階である。

3 支援計画見直しのため,クライエントの状態変化のありように関する情報を収集する段階である。

4 支援を開始するため,クライエントの問題を把握し,援助関係を形成する段階である。

5 計画どおりに援助が展開されているか否か,計画された援助が効果を上げているか否かなど,援助の経過を観察する段階である。

問題 106

次のうち,生活モデルにおけるクライエントの捉え方として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 環境から一方的に影響を受ける人

2 成長のための力を有する人

3 治療を必要とする人

4 パーソナリティの変容が必要な人

5 問題の原因を有する人

問題 107

事例を読んで,Z大学の障害学生支援室のCソーシャルワーカー(社会福祉士)のDさんへのこの時点での対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Z大学 3 年生のDさん(21 歳,男性)は入学前に交通事故に遭い,日常的に車いすを使用している。Dさんの入学以来,Cソーシャルワーカーは面接を行い,必要な支援を提供してきた。ある日,Dさんが卒業後の生活について相談したいと障害学生支援室を訪れた。「就職活動をする時期になり,卒業後は一人暮らしをしたいと両親に伝えました。両親は,最初は反対していましたが,最終的には賛成してくれました。でも,実際に将来のことを考え始めたら様々なことがとても不安で,就職活動が手につきそうにありません」と,Dさんは思い詰めた表情で話した。

1 両親にはこれ以上心配を掛けないよう,自分で解決するように伝える。

2 CソーシャルワーカーがDさんにとって良いと考える具体的な就職先を伝える。

3 不安について具体的に話すよう促し,解決すべき問題を一緒に整理する。

4 障害者の自立生活や就職活動の経験者がいる自助グループへの参加を提案する。

5 就職して一人暮らしをすることは十分可能なので,自信を持つように伝える。

問題 108

事例を読んで,Uがん診療連携拠点病院のE医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)による応答として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Uがん診療連携拠点病院のE医療ソーシャルワーカーは,入院以来関わり続けてきた末期がん患者のFさん(48 歳,男性)の妻Gさんから次のような相談を受けた。「夫も私も納得して,緩和ケアに変更して積極的な治療を行わないことを決めたのですが,もしかしたら明日効果的な薬が開発されるかもしれないし,果たしてその決断が正しかったのか。今後のことを考えると私は不安で不安で仕方がありません。今の私は亡くなっていく夫を支えていく自信がありません」と話した。

1 「心配ですね。でも,Fさんはすぐに亡くなると決まったわけではありませんよ」

2 「Gさんなら最後までFさんに寄り添う力がありますよ」

3 「決断に迷いがあるのですね。そのお気持ちをもう少しお話しいただけますか」

4 「おつらいですね。Fさんを支えていく手立てをご一緒に考えていきませんか」

5 「がんの最新の治療方法を調べてお教えしますね」

問題 109

次の記述のうち,ソーシャルワーカーが用いる面接技法に関する説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 明確化とは,クライエントを精神的に支えるための応答をすることである。

2 閉じられた質問とは,クライエントに多くの語りを促す質問方法である。

3 支持とは,クライエントの語りをソーシャルワーカーが明確にして返すことである。

4 開かれた質問とは,クライエントが,「はい」や「いいえ」など一言で答えが言える質問方法である。

5 要約とは,クライエントが語った内容をまとめて反射することである。

問題 110

事例を読んで,V母子生活支援施設(以下「V施設」という。)のH母子支援員(社会福祉士)がJさんに家庭訪問を提案した目的として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Jさん(38 歳,女性)は,半年前にV施設を退所した。退所後は仕事をしながら,息子(12 歳)と共にV施設の隣町のアパートで暮らしていた。しかし,最近になって体調を崩し,自己都合により退職した。Jさんは生活に不安を覚え,V施設の支援担当者だったH母子支援員に電話をした。電話では,再就職活動をしているが,適切な職場が見付かっていないこと,手持ちのお金が底をつきそうで今後の生活に不安があること,思春期を迎える息子とのコミュニケーションに戸惑いがあることなどがJさんから話された。話を聞いたH母子支援員は,支援の必要性を感じ早期の家庭訪問を提案した。

1 アパートの家主に同席を願い,Jさんの状況を知ってもらうため。

2 時間の長さを気にせず,訪問面接を行うため。

3 Jさんの生活状況を把握するため。

4 Jさんが,緊張感を持って訪問面接に臨めるようにするため。

5 息子の様子を知るため。

問題 111

ケアマネジメントの過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 アセスメントとは,クライエントや家族の意向に沿ってニーズを充足する方法を決定することである。

2 ケアプランの作成とは,ケアマネジメントの対象となるかどうかを確認することである。

3 ケアプランの実施とは,ケアマネジメントについて説明をし,利用意思を文書等により確認することである。

4 リファーラルとは,支援が望まれると判断された人々を,地域の関係機関等が支援提供機関などに連絡し,紹介することである。

5 スクリーニングとは,一定期間の後に支援経過と結果を全体的に評価することである。

問題 112

次のうち,ネットワークに関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ジェノグラムは,クライエントを取り巻く人間関係や社会環境における資源のネットワークを可視化したものである。

2 地域で構築される個別の課題に対する発見・見守りネットワークは,専門職を中心に構成される。

3 ラウンドテー

4 多職種ネットワークでは,メンバーができるだけ同じ役割を担うようにコーディネートする。

5 個人を取り巻くネットワークには,個人にプラスの影響を与えるものと,マイナスの影響を与えるものの双方がある。

問題 113

グループワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 コイル(Coyle, G.)は,ミシガン学派に所属し,個人を望ましい方向に向けて治療する治療モデルを提唱した。

2 コノプカ(Konopka, G.)は,グループワークの 14 の原則を示し,治療教育的グループワークの発展に貢献した。

3 ヴィンター(Vinter, R.)は,ソーシャルワーカーの役割を,メンバーとグループの媒介者とし,相互作用モデルを提唱した。

4 トレッカー(Trecker, H.)は,セツルメントやYWCAの実践を基盤とし,グループワークの母と呼ばれた。

5 シュワルツ(Schwartz, W.)は,アメリカ・グループワーカー協会で採択された「グループワーカーの機能に関する定義」(1949 年)を起草した。

問題 114

次のうち,複数のスーパーバイジーがスーパーバイザーの同席なしに行うスーパービジョンの形態として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ピア・スーパービジョン

2 グループ・スーパービジョン

3 ライブ・スーパービジョン

4 個人スーパービジョン

5 セルフ・スーパービジョン

問題 115

ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち,逐語体の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 クライエントの基本的属性に関する事項を整理して記述する。

2 経過記録などに用いられ,ソーシャルワーク過程の事実経過を簡潔に記述する。

3 出来事の主題に関連して重要度の高いものを整理し,要点をまとめて記述する。

4 出来事に対するソーシャルワーカーの解釈や見解を記述する。

5 ソーシャルワーカーとクライエントの会話における発言をありのままに再現して記述する。

問題 116

次の記述のうち,個人情報の保護に関する法律の内容として,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 個人情報取扱事業者には,国・地方公共団体が含まれる。

2 個人情報の取扱いが 5,000 人以下の事業者は,法律の適用対象外である。

3 個人情報には,個人の身体的な特徴に関する情報が含まれる。

4 認定個人情報保護団体とは,市町村の認定を受けた民間団体である。

5 要配慮個人情報とは,本人が配慮を申し立てた個人情報のことである。

問題 117

事例を読んで,P市社会福祉協議会のKソーシャルワーカー(社会福祉士)によるソーシャルアクションの実践として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Kソーシャルワーカーは,以前から面識のあったLさん(32 歳)から相談を受けた。Lさんの同性のパートナーであるMさん(35 歳)が,残業が続くつらい日々の中,職場で倒れて病院に救急搬送され,緊急手術を受けた。Lさんは,すぐに病院に駆けつけ面会しようとしたが,病院からは,「家族ではないため面会はできない」と伝えられた。「自分たちの関係が社会的に認められず,何かあったときに助け合うこともできない」とLさんは涙ながらに訴えた。Kソーシャルワーカーは上司と相談し,LGBTへの偏見や差別を解消し,地域住民の理解を深めるために,支援を行うことにした。

1 地域住民の反発を避け,円滑に医療を受けることを優先し,まずは病院の規則のとおりにするようアドバイスをする。

2 LGBTを支援する団体と連携し,同じような経験をした人の意見交換の場をつくる。

3 病院内の退院支援に向けたカンファレンスに参加し,Mさんの今後の地域生活で必要な医療的ケアについて検討する。

4 Mさんの職場に対し,長時間労働が常態化する職場環境の改善を求めて交渉する。

5 他市の「同性パートナーシップ証明」発行の取組について,地域住民を対象とした学習会を開催する。

問題 118

事例を読んで,Q市社会福祉協議会のAソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Q市社会福祉協議会で民生委員協議会の支援に従事するAソーシャルワーカーは,市内の地区民生委員協議会のB会長から相談を受けた。最近,民生委員協議会の定例会で,個別のケースで対応に困る事例が増えていることや,市からの地域活動への協力依頼が多く負担が重いという意見が出てきており,会長としてどのように対応すればよいか悩んでいるとのことだった。

1 困難な問題を抱える家庭の個別対応については,住民懇談会で広く協議することを提案する。

2 どうすれば負担が軽減できるか,上部団体であるQ市社会福祉協議会へ解決を委任する。

3 地域活動に対する民生委員協議会の関わり方については,自治会・町内会で計画を立てることを促す。

4 市の担当職員を定例会に呼び,市からの協力依頼についてどうすれば負担が軽減できるか協議する。

5 負担感を訴える民生委員の代わりに,新たに民生委員になれる人を探す。

福祉サービスの組織と経営

問題 119

社会福祉法人に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 理事長は,無報酬でなければならない。

2 経営安定化を図るため,収益事業を行う義務がある。

3 設立認可を行う所轄庁は,その主たる事務所の所在地を管轄する厚生労働省の地方厚生局である。

4 規模にかかわらず,決算書類を公表する義務がある。

5 評議員会の設置は任意である。

問題 120

福祉サービスに関連する事業や活動を行うことのできる組織・団体に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 へき地医療や救急医療などを担うことが要件となっている社会医療法人は,医療保健業について法人税は非課税となっている。

2 「平成 29 年介護サービス施設・事業所調査」(厚生労働省)によると,介護保険法による指定訪問介護事業所の開設(経営)主体別事業所数の構成割合は社会福祉法人が最も高い。

3 組合員の生活の文化的経済的改善向上を図ることを目的に設立された消費生活協同組合は,介護保険事業を実施できないとされている。

4 医療法人は全て,本来業務である病院,診療所,介護老人保健施設のほか,収益業務も実施することができる。

5 地域の自治会・町内会が法人格を取得する制度は存在せず,集会場など土地・建物の管理は個人名義で行う必要がある。

問題 121

経営の基礎理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 バーナード(Barnard, C.)によれば,公式組織の 3 要素とは,コミュニケーション,貢献意欲,共通目的である。

2 アッシュ(Asch, S.)の実験によれば,集団の中で孤立無援の状態で異議を唱えるのと,一人でも同じ考えの仲間がいるのとでは,集団力学的に違いはない。

3 テイラー(Taylor, F.)は,労働者の感情を重視し人間関係に重きを置く経営管理を提唱した。

4 メイヨー(Mayo, G.)らによって行われたホーソン実験では,生産性に影響を与える要因が,人間関係よりも労働条件や作業環境であることが確認された。

5 ハインリッヒの法則とは,集団力学における集団規範に関するものである。

問題 122

動機づけに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ブルーム(Vroom, V.)によれば,上司が部下に対して大きな期待を抱くと,部下の動機づけが高まる。

2 ハーズバーグ(Herzberg, F.)によれば,仕事への満足感につながる要因と仕事への不満足につながる要因とは異なる。

3 マグレガー(McGregor, D.)によれば,X理論では部下は仕事を当然のこととして自律的に目標達成しようとし,責任を率先して引き受ける。

4 デシ(Deci, E.)は,内発的動機によってではなく,むしろ金銭的報酬などの外的報酬によって人は動機づけられるとした。

5 マクレランド(McClelland, D.)は,人間が給与への欲求のために働いていることを示す期待理論を展開した。

問題 123

リーダーシップに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 三隅二不二は,リーダーシップの行動面に注目して,「指示的リーダーシップ」と「支援的リーダーシップ」の2 次元で類型化したPM理論を提唱した。

2 経営環境が変化する中では,定型的業務を遂行するためのリーダーシップだけではなく,変革型リーダーシップも求められる。

3 フィードラー(Fiedler, F.)は,リーダーとフォロワーの関係が良好で,仕事の内容・手順が明確な場合は,タスク志向型より人間関係志向型のリーダーの方が良い業績を上げるとした。

4 フォロワーがリーダーを支えるフォロワーシップは,リーダーシップに影響を与えないとされている。

5 初期のリーダーシップ研究は,リーダーの効果的な行動のアプローチを研究した行動理論が主流であった。

問題 124

社会福祉法人の会計財務等に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 財務会計は組織内部における管理を目的としているため,通常,組織独自の会計ルールを用いる。

2 貸借対照表の純資産とは,外部から調達した負債である。

3 減価償却とは,固定資産(土地と建設仮勘定を除く)の取得原価をその耐用年数にわたり費用化する手続であり,過去に投下した資金を回収するものである。

4 流動資産とは,通常 2 年以内に費用化,現金化できるものである。

5 社会福祉充実残額とは,社会福祉法人における事業継続に必要な財産額をいう。

問題 125

経営戦略に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ドメインの策定とは,経営理念を前提としてある時点までに到達すべき目標の設定のことである。

2 3C分析は,内部環境の「強み」と「弱み」,外部環境の「機会」と「脅威」を総合的に分析するフレームワークである。

3 福祉事業において経営戦略は,経営理念とは切り離して検討するものである。

4 機能戦略とは,事業単位に対して策定される戦略をいう。

5 経営戦略とは,チャンドラー(Chandler, A.)によれば,長期的目的を決定し,これらの目的を遂行するための行動方式を採択し,諸資源を割り当てることである。

高齢者に対する支援と介護保険制度

問題 126

「令和元年版高齢社会白書」(内閣府)における高齢者の介護に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 65歳以上の者の死因別の死亡率で最も高いのは,「老衰」となっている。

2 要介護者等からみた主な介護者の続柄で最も多いのは,「子の配偶者」となっている。

3 55歳以上の男性では,介護を頼みたい人として最も多いのは,「子」となっている。

4 要介護者等において,介護が必要になった主な原因で最も多いのは,「認知症」となっている。

5 55歳以上の男女では,介護が必要になった場合の費用をまかなう手段として最も多いのは,「貯蓄」となっている。

問題 127

高齢者の保健・福祉制度の展開に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 生活保護法(1950 年(昭和 25 年))により,全国老人クラブ連合会が結成され,老人クラブが規定された。

2 老人福祉法(1963 年(昭和 38 年))により,軽費老人ホームが規定された。

3 老人保健法(1982 年(昭和 57 年))により,介護予防事業が規定された。

4 高齢社会対策基本法(1995 年(平成 7 年))により,21 世紀までの介護基盤の量的整備が規定された。

5 介護保険法(1997 年(平成 9 年))により,認知症サポーター養成研修事業が規定された。

問題 128

事例を読んで,W居宅介護支援事業所のC介護支援専門員(社会福祉士)によるDさんへの支援内容として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Dさん(69 歳,女性,要介護 2 )は長男(42 歳)と暮らしている。10 年前にパーキンソン病と診断され,服薬を続けている。小刻み状態の歩行であり,自宅のカーペットは,ずれやすく転びそうになることがある。ベッドの端座位からの起立に時間がかかる。食事の際,たまにむせることがある。また,最近は昼間に強い眠気がある。担当のW居宅介護支援事業所のC介護支援専門員は,自宅で安心して暮らしていきたいというDさんと長男の意向を踏まえ,居宅サービス計画を立案している。

1 転倒防止のため,できるだけベッド上での安静を図るよう指示した。

2 転ばないように,カーペットを固定することを助言した。

3 強い眠気は薬の副作用であるので,薬の減量を長男に指示した。

4 ベッドからの起立を楽にするために,一気に起き上がることを勧めた。

5 食べ物が喉の途中に引っかかる感じがないか,Dさんと長男に確認した。

問題 129

「ロボット技術の介護利用における重点分野」(2017 年(平成 29 年)改訂(厚生労働省・経済産業省))に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 見守り・コミュニケーション分野には,センサーや外部通信機能を備えた機器のプラットフォームが含まれる。

2 移乗支援分野には,ロボット技術を用いて高齢者等の外出や屋内移動をサポートする機器が含まれる。

3 移乗支援分野の非装着型の機器は,備付けのための土台工事が必要となる。

4 移動支援分野の装着型機器は,パワーアシストで介助者の負担軽減を図る。

5 排泄(はいせつ)支援分野を担うロボットは,排泄物の処理を行うものに限られる。

問題 130

要介護高齢者の住環境整備に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 階段は,ステップの面と高さの色彩コントラストをはっきりさせる。

2 床の滑り止めを極力強化することで,転倒を防止する。

3 手指に拘縮がある場合,握り式のドアノブにする。

4 車いす利用の場合,有効な廊下幅は550㎜以上である。

5 ポータブルトイレの設置は,ベッドからできるだけ遠ざける。

問題 131

介護保険制度における保険給付と介護報酬に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 介護報酬の算定基準を定める場合,厚生労働大臣はあらかじめ財務大臣及び総務大臣の意見を聴かなければならないこととなっている。

2 特定入所者介護サービス費は,介護保険施設入所者のうちの「低所得者」に対し,保険給付にかかる定率負担の軽減を図るものとなっている。

3 介護報酬の 1 単位当たりの単価は 10 円を基本とした上で,事業所・施設の所在地及びサービスの種類に応じて減額が行われている。

4 要介護度に応じて定められる居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されるサービスの種類の一つとして,短期入所療養介護がある。

5 福祉用具貸与の介護報酬については,貸与価格の下限の設定が行われることとなっている。

(注)「低所得者」とは,要介護被保険者のうち所得及び資産の状況などの事情をしん酌して厚生労働省令で定める者のことである。

問題 132

次の記述のうち,国民健康保険団体連合会の介護保険制度における役割として,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 介護保険の財政の安定化に資する事業に必要な費用を充てるため,財政安定化基金を設ける。

2 介護サービス事業者が利用者に提供したサービスに伴う介護給付費の請求に関し,市町村から委託を受けて,審査及び保険給付の支払を行う。

3 介護サービスの苦情処理等の業務や事業者・施設への指導・助言のための機関として,運営適正化委員会を設置する。

4 市町村が介護認定審査会を共同設置する場合に,市町村間の調整や助言等の必要な援助を行う。

5 保険給付に関する処分や保険料などの徴収金に関する処分について,不服申立ての審理・裁決を行うための機関として,介護保険審査会を設置する。

問題 133

事例を読んで,X事業者(福祉用具貸与事業者及び特定福祉用具販売事業者)に勤務するE福祉用具専門相談員(社会福祉士)が行う支援として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕E福祉用具専門相談員は,Y居宅介護支援事業所のF介護支援専門員からの依頼で,R市で一人暮らしをしているGさん(女性,84 歳,要介護 1 )の自宅を訪問し,福祉用具の選定に関する相談を行うこととなった。Gさんは約 10 年前の大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折の後遺症により股関節が動きにくくなり,現在では浴槽への出入りと屋外での移動に支障がある。しかし,その他の日常生活動作や認知機能に支障はなく,状態も安定している。GさんはこれまでT字杖(つえ)以外の福祉用具は使用したことがない。

1 Gさんに,福祉用具貸与による入浴補助用具の給付が可能と説明した。

2 Gさんに,特定福祉用具販売による自宅廊下の手すりの設置が可能と説明した。

3 Gさんに屋外での移動のため,福祉用具貸与による歩行器の利用が可能と説明した。

4 Gさん及びF介護支援専門員と相談した上で福祉用具貸与計画と特定福祉用具販売計画を作成し,利用前にR市に提出して承認を得た。

5 Gさんが将来,身体状況が悪化したときのことを想定して,玄関の段差を解消するために移動用リフトを設置した方がよいと説明した。

問題 134

老人福祉法に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 市町村は,市町村老人福祉計画において,当該市町村の区域において確保すべき老人福祉事業の量の目標を定めるものとしている。

2 養護老人ホームの入所要件は,60 歳以上の者であって,経済的理由により居宅において介護を受けることが困難な者としている。

3 老人福祉法に基づく福祉の措置の対象となる施設の一つとして,救護施設が含まれている。

4 特別養護老人ホームについて,高齢者がやむを得ない事由により自ら申請できない場合に限って,市町村の意見を聴いた上で都道府県が入所措置を行う。

5 老人介護支援センターは,介護保険法の改正(2005 年(平成 17 年))に伴って,老人福祉法から削除され,介護保険法上に規定された。

問題 135

高齢者の住まいに関する法制度についての次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

1 住宅確保要配慮者に対して居住支援に取り組む法人(居住支援法人)は,その申請により,都道府県知事から指定されることとなっている。

2 サービス付き高齢者向け住宅は,入居者に対し,介護保険制度における居宅介護サービス若しくは地域密着型サービスの提供が義務づけられている。

3 シルバーハウジングにおいては生活支援コーディネーターが配置され,必要に応じて入居者の相談や一時的な身体介護を行うこととなっている。

4 終身建物賃貸借制度は,賃借人が死亡することによって賃貸借契約が終了する借家契約であり,75 歳以上の高齢者が対象とされている。

5 市町村は,住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する計画(市町村賃貸住宅供給促進計画)の作成を義務づけられている。

児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

問題 136

「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査」(厚生労働省)又は「平成 28 年国民生活基礎調査」(厚生労働省)に示された,2016 年(平成 28 年)時点におけるひとり親世帯等の実態に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 母子世帯になった理由としては,生別よりも死別が多い。

2 母子世帯になった時の末子の年齢階級は,生別世帯の場合, 9 歳から 11 歳までが最も多い。

3 世帯類型別にみると,母子世帯の世帯数は,ここ 10 年で約 5 倍に増えている。

4 「子どもがいる現役世帯」のうち,大人が一人の世帯の相対的貧困率は,約 5 割となっている。

5 母子世帯の母の就業状況としては,正規の職員・従業員の割合は約 8 割である。

(注)「子どもがいる現役世帯」とは,世帯主が 18 歳以上 65 歳未満で,子どもが 17 歳以下の世帯をいう。

問題 137

2019 年(令和元年)に改正された児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 児童相談所における介入担当と保護者支援担当は,同一の児童福祉司が担うこととなった。

2 児童相談所の業務の質について,毎年,評価を実施することが義務づけられた。

3 親権者は,児童のしつけに際して体罰を加えてはならないとされた。

4 特別区(東京 23 区)に,児童相談所を設置することが義務づけられた。

5 一時保護の解除後の児童の安全の確保が,市町村に義務づけられた。

問題 138

事例を読んで,Z配偶者暴力相談支援センターのH相談員(社会福祉士)によるこの時点での対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕Jさん(35 歳)は夫(45 歳)と娘( 7 歳)の 3 人暮らしである。日々の生活の中で,「誰のおかげで飯を食わせてもらっているのか。母親失格,人間としても駄目だ」等と毎日のように娘の前で罵倒され,娘もおびえており,Z配偶者暴力相談支援センターに相談に来た。H相談員に,夫の言葉の暴力に苦しんでいることを相談し,「もう限界です」と話した。Jさんは娘の成長にとってもよくないと思っている。

1 家庭裁判所に保護命令を申し立てるようJさんに勧める。

2 Jさんの希望があれば,Jさんと娘の一時保護を検討できるとJさんに伝える。

3 「身体的暴力はないのだから」と,もう少し様子を見るようJさんに伝える。

4 警察に通報する。

5 父親の行為は児童虐待の疑いがあるので,児童相談所に通告する。

問題 139

事例を読んで,Kさんの児童手当の支給先として,正しいものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Kさん(13 歳,女性)は,父からの身体的虐待によりS市に住む家族と離れ,T市にあるU児童養護施設に入所した。S市役所にKさんの母が来て,これまで父に支払われていたKさんの児童手当は誰に支払われるのかと聴いた。

1 T市

2 Kさん本人

3 Kさんの父

4 U児童養護施設の設置者

5 支給は停止される。

問題 140

子育て支援に係る法律に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 子ども・子育て支援法に基づき,国は,子どもと保護者に必要な子ども・子育て支援給付,地域子ども・子育て支援事業を総合的・計画的に行う。

2 次世代育成支援対策推進法に基づき,市町村は, 3 年ごとに次世代育成支援対策の実施に関する計画を策定することが義務づけられている。

3 次世代育成支援対策推進法に基づき,常時雇用する労働者が 100 人を超える一般事業主は,一般事業主行動計画を策定しなければならない。

4 児童福祉法に基づき,保育所等訪問支援では,小学校長が命じる者が保育所等を訪問して,就学前教育に関する助言を行う。

5 母子保健法に基づき,乳児家庭全戸訪問事業では,生後 8 か月に達した乳児の家庭を訪問して,指導を行う。

問題 141

子どもの貧困対策の推進に関する法律に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 基本理念として,子どもの貧困対策が児童虐待の予防に資するものとなるよう,明記している。

2 子どもの貧困対策では,子どもの年齢及び発達の程度に応じて,その意見が尊重され,その最善の利益が優先して考慮されなければならない。

3 政府は 2 年ごとに,子どもの貧困の状況と貧困対策の実施状況を公表しなければならない。

4 社会福祉協議会は,貧困の状況にある子どもの保護者に対する就労支援に関して必要な対策を講じなければならない。

5 文部科学省に,特別の機関として,子どもの貧困対策会議を置く。

問題 142

子どもに関わる専門職等に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 家庭裁判所調査官は,家庭内の紛争や非行の原因などの調査や,児童福祉施設入所等の適否を判断するための調査等を行う。

2 法務教官は,児童自立支援施設において,生活指導,職業指導,教科教育等各種の教育訓練による矯正教育を行う。

3 保健師は,児童福祉法に基づき,妊産婦や新生児の訪問指導,乳幼児健診,保健指導などを行う。

4 児童委員は,要保護児童の把握や通告を行うこととされており,児童相談所の決定による子どもやその保護者への指導を行うことは業務外となっている。

5 保育士は,子どもを対象とした直接的な援助が主な業務であり,保護者への保育に関する指導を行うことは業務外となっている。

就労支援サービス

問題 143

労働と福祉に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 フレキシキュリティとは,職業生活と家庭生活の両立を図る政策理念のことである。

2 ワークフェアとは,就労と福祉を完全に切り離す政策理念のことである。

3 OFF-JTとは,職務現場で実践指導を通して行われる職業関連の研修のことである。

4 アンペイドワークとは,賃金や報酬が支払われない労働や活動のことであり,家族による無償の家事,育児,介護が含まれる。

5 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後も安定した就労機会を実現する政策理念のことである。

問題 144

厚生労働省,文部科学省の調査等に基づく障害者の雇用・就労に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 2017年度(平成 29 年度)の就労移行支援から一般就労への移行率は,約 50 %である。

2 2018年度(平成 30 年度)の就労継続支援B型事業所の月額の平均工賃(賃金)の実は,約 16,000 円である。

3 2018年(平成 30 年)3 月の特別支援学校高等部(本科)卒業者における就職者数の割合は,約 5 %である。

4 2019年(令和元年)において,特例子会社の認定を受けている企業は,約 50 社である。

5 2019年(令和元年)において,障害者の法定雇用率が課せられる民間企業のうち法定雇用率を達成している企業の割合は,約 70 %である。

問題 145

障害者の雇用の促進等に関する法律に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 職業指導や職業訓練などの職業リハビリテーションの原則を規定している。

2 法定雇用率を課せられる民間企業は,障害者雇用納付金を納付することによって,障害者雇用義務が免除される。

3 国・地方公共団体も,民間企業と同じ水準の法定雇用率が課せられる。

4 障害者である労働者は,自ら進んで,その能力の開発及び向上を図り,有為な職業人として自立しなければならないと規定している。

5 事業主は,労働者の募集と採用について,障害者に対して,障害者でない者と均等な機会を与える必要はない。

問題 146

事例を読んで,N市の総合相談窓口のL相談員(社会福祉士)が,この時点で連携を検討する機関として,次のうち最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕Mさん(37 歳,女性)は高校卒業後に就職したが,職場になじめず退職し,その後,両親と同居する家から外出することなく,就労経験がほとんどなかった。数年前から働く意思はあるが,対人関係を苦手と感じており,仕事の経験が乏しいことから就労に不安を感じている。就労の相談のために,MさんはN市の総合相談窓口に問い合わせた。

1 就労移行支援事業所

2 自立援助ホーム

3 地域若者サポートステーション

4 地域活動支援センター

5 労働基準監督署

更生保護制度

問題 147

保護観察官及び保護司に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 保護観察官は,都道府県庁及び保護観察所に配置される。

2 保護観察官は,犯罪の予防に関する事務には従事できない。

3 保護司の身分は,常勤の国家公務員である。

4 保護司が相互に情報交換するには,保護観察官の許可が必要である。

5 被害者を担当する保護司は,その任に当たる間,加害者の保護観察は行わない。

問題 148

少年司法制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 少年法は,家庭裁判所の審判に付すべき少年として,犯罪少年,触法少年,虞犯少年,不良行為少年の 4 種類を規定している。

2 家庭裁判所は,18 歳未満の少年については,都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り,これを審判に付することができる。

3 少年鑑別所は,警察官の求めに応じ,送致された少年を一定期間収容して鑑別を行う施設である。

4 少年院は,保護処分若しくは少年院において懲役又は禁錮の刑の執行を受ける者に対し,矯正教育その他の必要な処遇を行う施設である。

5 家庭裁判所が決定する保護処分は,保護観察,児童自立支援施設又は児童養護施設送致,少年院送致,検察官送致の 4 種類である。

問題 149

「医療観察法」が定める医療観察制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 精神保健観察は,刑法上の全ての犯罪行為に対して適用される制度である。

2 医療観察制度における医療は,法務大臣が指定する指定入院医療機関又は指定通院医療機関で行われる。

3 医療観察制度による処遇に携わる者は,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が円滑に社会復帰をすることができるように努めなければならない。

4 精神保健観察に付された者には,保護司によって「守るべき事項」が定められる。

5 精神保健観察に付される期間は,通院決定又は退院許可決定があった日から最長10 年まで延長できる。

(注)「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。

問題 150

事例を読んで,保護観察に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ 選びなさい。

〔事例〕Aさん(47 歳,男性)は,覚醒剤取締法違反により懲役 2 年執行猶予 4 年の保護観察付きの刑の言渡しを受けた。今まで頻繁に転職を繰り返し就労経験に乏しく,現在も無職である。親の遺産で生活できており,経済的には今すぐ困窮するような状況ではない。薬物使用に関する罪悪感や後悔の念が薄いことが懸念されている。

1 Aさんの指導監督における,更生保護法が定める一般遵守事項としては,薬物再乱用防止プログラムを受けることが明記される。

2 Aさんは,薬物再乱用防止プログラムの実施期間中,簡易薬物検出検査を受けることまでは求められない。

3 Aさんへの指導監督において,保護観察官若しくは保護司は,収入又は支出の状況など,生活実態に関する資料の提出を求めることはできない。

4 Aさんのプライバシー保護のため,薬物再乱用防止プログラムには外部の関係機関(者)は関与することはできない。

5 薬物依存の改善に資する医療を受けるよう,必要な指示その他の措置をとる場合は,あらかじめ,Aさんの意思に反しないことを確認しなければならない。

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※過去問題の内容・解答は、試験実施年度当時の情報です。制度改正等による変更がある可能性があります。

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