一般的にデイサービスは日中に営業していますが、デイサービスの設備を利用して、宿泊を受け入れる「お泊りデイサービス」があります。最近では、この宿泊サービスを提供するデイサービスが増えています。介護保険適用外のサービスですが、ショートステイの予約が取りにくい地域などでは、利用者も増えているようです。
ですから、これまでは「デイサービスは日中帯で勤務」というイメージが強かったですが、「お泊りデイサービス」では、夜勤を担当することもあります。
デイサービスの夜勤の仕事内容とは?
デイサービスの夜勤の仕事内容
お泊りデイサービスでは、宿泊したご利用者に夜間帯の介護サービスを提供します。デイサービスのご利用者は要介護度が低い人が多いので、特別養護老人ホームの夜間帯の業務のようにおむつ交換や体位交換などの身体介助が中心ではなく、ご利用者一人ひとりの夜の過ごし方に配慮した形での見守り業務が中心となっているようです。また、お泊りデイサービスの利用定員は、日中のデイサービスの半分以下、最大9名と定められているため、一人ひとりに合わせたきめ細やかなサービス提供できるようになっています。
しかし、ご利用者の容態変化など、急を要する事態になった際は、特別養護老人ホームなどの夜勤と同様に救急搬送手配などの対応をとることが求められます。
デイサービスの夜勤の給与
デイサービスも含めて、夜勤の魅力として、日勤に比べて給与が高いことが挙げられます。深夜帯の業務は、労働基準法で割増賃金の支給が義務となっていますが、その割増賃金分が夜勤手当として支給されています。その事業所によって金額は違いますが、夜勤1回あたり5,000円程の事業所が多いようです。
デイサービスの夜勤の人員体制
厚生労働省が定める人員配置では、お泊りデイサービスを行う時間帯に1名以上の夜勤職員を配置することになっています。そのため、1人で業務を行う時間帯があるシフトが組まれていることが多いようです。
デイサービスの夜勤で働くメリットとデメリット
メリット
給与が高い
先ほども説明しましたが、夜勤で働くと給与が高いことがメリットとして挙げられます。
日中の時間を活用できる
デイサービスは、平日の日中に営業していることが多いため、平日の休みが取りにくい傾向にあります。夜勤の場合は、日中の時間を活用できるため、市役所や病院など、日中の用を足しやすくなります。
通勤ラッシュがない
都会にあるデイサービスでは、職員の通勤時間が、通勤ラッシュと重なることが多くて苦労していませんか?しかし、夜勤の場合は、通勤ラッシュに巻き込まれることなく、ゆとりを持って出社や帰宅をすることができます。
デメリット
体調管理
夜勤で働く場合には睡眠時間や生活リズムが崩れるため、体力的には厳しいと感じる人も多いようです。
友人や家族と時間が合わない
多くの人は日中帯に働く生活を送っているため、夜勤が中心になると友人や家族と時間が合わなくなってしまうことがあります。
デイサービスの夜勤で働くために必要な資格
夜勤者については、介護職員初任者研修修了者、実務者研修修了者、介護福祉士が望ましいとされています。それ以外でも、介護等に対する知識及び経験を有する者であることとされています。
初心者や未経験者でも夜勤はできる?
初心者や未経験者でもデイサービスで働くことは可能ですが、前述している通り夜勤者は有資格者が望ましいとされています。夜勤では職員配置が少ないことから、適切な判断を行える人材であることが求められています。そのため、初心者や未経験者の場合は、まず日中のデイサービス職員として働き、介護職員初任者研修などを受講してから、夜勤に配置されているようです。
夜勤の注意点とは?
仮眠
人間の身体は、夜に寝て日中に活動するようになっています。夜勤では生活が逆転しますが、少しでも仮眠を取ると体力的に楽になることがあります。自分に仮眠をとるスタイルが合っているのか?また、事業所で仮眠を取れる体制で勤務するのか?などを確認しながら体調管理に気をつけましょう。
仕事の予定
夜勤の業務の1つにご利用者に変わりがないか様子を伺う「巡回」があります。巡回の時間は設定されている場合が多いと思いますが、巡回と巡回の間の時間に、どのような業務を行うのかによって、仕事にメリハリをつけることができます。夜勤では、予定していたこと以外のその都度対応する業務も多いため、仕事を詰め込み過ぎないように予定を考えましょう。
夜勤明けの過ごし方
夜勤明けにどのように過ごすかは、夜勤を続けるにあたって大事になります。基本的な生活リズムを崩さないように、夜勤明けの仮眠や過ごし方は体調だけでなく、モチベーションの維持にも影響するでしょう。
デイサービスで夜勤がある事業所の割合
宿泊サービスを提供しているデイサービスは、東京都の介護事業所公表サービスより算出すると、約1%となっていました。お泊りデイサービスは必要になった時にすぐに使えて、なじみのスタッフに囲まれた環境で宿泊できることからニーズが高まっています。これから、高齢化がさらに進展していく中で、宿泊サービスのご利用者はますます増加すると見込まれ、お泊りデイサービスへの需要はさらに増していくかもしれません。
まとめ
「お泊りデイサービス」は、介護保険適用外のサービスとして2015年に厚生労働省から人員、設備、運営に関する指針が通知され、実施するデイサービスが増えています。もし皆さんが応募するデイサービスで夜勤がある場合は、ここでご紹介した内容を参考に、体調管理に十分に気をつけてください。皆さんが介護業界でご活躍されることをお祈り申し上げます。
監修者 カイゴジョブ編集部
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