介護保険施設の一つである介護老人保健施設(老健)。介護の仕事に興味がある方や、介護の資格を活かした転職を考えている人の中には、介護老人保健施設を就職先の候補としている人も多いと思います。
この記事では、介護老人保健施設でどのような職種が働いているのか、また、その仕事内容についてご紹介しますので、ぜひ職場選びの参考にしてみてください。
介護老人保健施設とは?
介護老人保健施設は要介護1以上の人が入所する介護保険施設です。病院から退院して在宅生活に復帰するまでに必要な身体機能や生活動作能力を改善させるためなど、「在宅復帰」を念頭に利用することが多い施設になっています。そのため、他の介護施設に比べてリハビリテーションや機能訓練の取り組みが重視されています。
介護老人保健施設で働く職種・資格とは?
では、介護老人保健施設ではどのような資格を持った職種が働いているのかを見ていきましょう。
医師
医師として働くためには、国家資格である医師の資格が必要になります。大学で6年制の医学部を卒業するなど、国家試験の受験資格を満たして合格することで、資格を取得できます。
看護職員
看護職員として働くためには、国家資格である看護師または公的資格である准看護師の資格が必要になります。看護師は、大学や短期大学の看護学部を卒業するなど、国家試験の受験資格を満たして合格することで、資格を取得できます。准看護師は、准看護師養成校である専門学校を卒業するなど、准看護師試験の受験資格を満たして合格することで、資格を取得できます。
リハビリテーション専門職
リハビリテーション専門職として働くためには、国家資格である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかの資格が必要になります。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、それぞれの養成校である大学、短期大学、専門学校を卒業するなど、国家試験の受験資格を満たして合格することで、資格を取得できます。
栄養士
栄養士として働くためには、国家資格である栄養士の資格が必要になります。栄養士は、栄養士養成校や管理栄養士養成校を卒業することで、資格を取得できます。さらに上位の国家資格である管理栄養士は、管理栄養士養成校の卒業や栄養士としての実務経験など、国家試験の受験資格を満たして合格することで、資格を取得できます。
介護支援専門員
介護支援専門員として働くためには、公的資格である介護支援専門員の資格が必要になります。介護支援専門員は、介護福祉士や看護師などの国家資格に基づく実務経験や相談援助業務の実務経験など、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格をみたして合格し、研修を受講することで、資格を取得できます。
支援相談員
支援相談員として働くためには、法律上の資格要件は定められていません。しかし、相談援助職として専門的な知識が求められることから、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格・介護支援専門員などの資格を応募の条件にしている求人情報が多いようです。
介護職員
介護職員として働くためには、法律上の資格要件は定められていません。そのため無資格・未経験の人も応募可能な求人情報があります。しかし、経験者を優遇したり、介護職員初任者研修修了・実務者研修修了・介護福祉士の資格を応募の条件にしている求人情報もたくさんあります。
介護老人保健施設で働く各職種の仕事内容
ここからはそれぞれの職種の仕事内容について説明します。
医師
医師は入所者の健康管理のための診断、治療、処方、在宅復帰に向けたリハビリテーションの指示などを行います。
看護職員
看護職員は、入所者の療養上の世話や医師の指示のもとに診療の補助を行います。具体的には、バイタルチェック、たんの吸引、経管栄養、褥瘡のケア、服薬確認などを行います。
リハビリテーション専門職
リハビリテーション専門職は、入所者に対して専門的な知識と技術に基づいたリハビリテーションを行います。
理学療法士は、「起き上がる」「座る」「立つ」「歩く」といった基本的動作能力の維持・回復のためのリハビリテーションを行います。
作業療法士は、「トイレでの動作」「食事での動作」などの応用的動作能力、「社会参加」などの社会的適応能力の維持・回復のためのリハビリテーションを行います。
言語聴覚士は、音声機能、言語機能、聴覚機能、摂食・嚥下機能の維持・回復のためのリハビリテーションを行います。
栄養士
栄養士、管理栄養士は、入所者の食事をコーディネートしています。具体的には栄養バランスに優れたメニューの考案、入所者一人ひとりに合わせた食事形態の対応を行います。管理栄養士を配置して栄養マネジメント加算を算定している施設では、栄養計画の作成、計画に沿った栄養管理、評価なども行っています。
介護支援専門員
介護支援専門員は、入所者の介護サービス計画書(ケアプラン)の作成・更新を行います。具体的には、入所者一人ひとりのニーズや状況を把握して、他の職種の意見も含めながら、ケアプランの作成、更新を行います。
支援相談員
支援相談員は、入所者やその家族からの相談に対応する業務を担います。具体的な業務として、利用者やその家族からの入所・退所・入所中の相談対応、レクリエーションの計画・指導、市町村との連携、ボランティアの指導などを行います。
介護職員
介護職員は、入所者へ介護を提供します。具体的には、掃除、洗濯といった身の回りの世話や、食事介助、排泄介助、入浴介助、着替えの介助、移乗の介助など入所者の日常生活で必要になる介助を行います。
まとめ
介護老人保健施設で働く職種とその仕事内容について説明しました。多職種が連携して入所者の在宅復帰を目指すことが、介護老人保健施設の特徴です。介護職として就職を考えている人は、無資格から働くことができる施設もありますが、資格があれば就職先の選択肢が増え、給与なども有利になります。就職前、または就職後に介護の資格を取得することをおすすめします。
カイゴジョブのメールマガジンでは、皆さんへおすすめの求人情報を配信しています。求人情報を比較して検討したい人は、ぜひ登録してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
監修者 カイゴジョブ編集部
介護業界でがんばる皆様、転職を検討している皆様を全力応援!お悩みQ&Aや転職ノウハウなど、お役立ち情報を発信します。