介護の仕事を探している人は、特別養護老人ホームの求人情報・条件が気になっていませんか?そして、「特別養護老人ホームってどんな施設なんだろう?」、「特別養護老人ホームってどんな人が働いているのかな?」などの疑問をお持ちではないですか?
ここでは、特別養護老人ホームがどのような施設なのかをご紹介しますので、ぜひご一読ください。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の定義とは?
特別養護老人ホームは、原則要介護度3以上の高齢者が入所して、生活する介護施設です。特別養護老人ホームは老人福祉法に基づく名称であり、略して「特養(とくよう)」と呼ばれることも多いです。介護保険法が施行されてからは、「介護老人福祉施設」や「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」の指定を受け、介護サービスを提供する介護施設にも該当しています。介護老人福祉施設とは、介護保険法に基づく名称になります。
特別養護老人ホーム
老人福祉法 第二十条の五特別養護老人ホームは、第十一条第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法 の規定による地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護福祉施設サービスに係る施設介護サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を入所させ、養護することを目的とする施設とする。
介護老人福祉施設
介護保険法 第八条27この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホーム(入所定員が三十人以上であるものに限る。以下この項において同じ。)であって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。
定義されている内容の違い
どちらの法律においても、対象者やサービス内容に違いはありません。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の成り立ちと由来
我が国の少子高齢化、核家族化を背景に、高齢者福祉の法律の必要性が高まり、1963年「老人福祉法」が制定され、特別養護老人ホームという施設の制度ができました。そして、高齢化の進行と共に、医療費、要介護者数が増加したことを理由に、1997年介護保険法が成立、2000年に施行されました。これにより特別養護老人ホームは、介護老人福祉施設としての認可も受けることになっています。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の入居条件
特別養護老人ホームに入所するためには、一定の条件があります。
- 介護保険の第1号被保険者(65歳以上)で、要介護度3以上の人
- 介護保険の第2号被保険者(40〜64歳)で、要介護度3以上の人(特定疾患によるもの)
- 特例により入所に必要性が認められた要介護1・2の人
特定疾患とは?
- がん(末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
特例により入所に必要性が認められる場合とは?
- 認知症により、日常生活に支障を来すような症状・行動等が頻繁に見られる場合
- 知的障害や精神障害等を伴い、日常生活に支障が出る症状・行動等が頻繁に見られる場合
- 家族等による虐待などによって、家庭での安全が確保できない場合
- 単身世帯であるなどで家族等による支援が期待できない、加えて地域での介護サービス等を十分に受けられない場合
入所の判定とは?
特別養護老人ホームへの入所にあたり、各施設に設置される入所判定委員会により入所の必要性が判定されます。この入所判定は、厚生労働省通知「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」に基づいて、優先順位の高い者から入所が決定されます。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の特徴とは?
費用負担が少ない
同じように入所して生活を送る介護付有料老人ホームなどと比較すると、費用負担が少ないことが特徴として挙げられます。入居一時金もなく、所得に応じて居住費や食費の負担の一部が給付される仕組みもあります。
入所期間が長い
特別養護老人ホームは、生涯にわたって生活できる施設であるという特徴があります。ただし、対応できない範囲の医療的処置が必要となった場合や、長期間の入院が必要になった場合は、退所となる場合があります。
24時間の介護サービスを提供する
特別養護老人ホームでは、介護職員が24時間体制で切れ目なく介護サービスを提供します。ですから、介護職員として働くときには、夜勤を含めたシフト制で働くことになるでしょう。
経営母体が限られている
特別養護老人ホームは、地方自治体または社会福祉法人を運営母体として、経営状況が安定していることも特徴になります。
入所待ち(待機者)が多い?
特別養護老人ホームの充足度は、その地域によって違うため、入所までの期間が長くなっているケースも多いようです。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)で働く職種は?
- 管理者:特別養護老人ホームの運営上の管理業務を担います。
- 医師:定期的な健康診断を行い、入所者の健康管理を担います。
- 介護職員:入所者の介護業務を担います。
- 看護職員:入所者の健康管理、療養上の世話を担います。
- 機能訓練指導員:入所者の機能訓練を担います。
- 介護支援専門員:入所者のケアプラン作成・管理を担います。
- 生活相談員:入所・入所中・退所に関する相談に対応します。
- 栄養士:入所者の栄養管理を担います。
- 調理スタッフ:入所者へ提供する食事の調理を行います。
- 事務職員:受付・介護報酬請求などの事務業務を担います。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の種類とは?
特別養護老人ホームの中にも、建物・設備などの環境によって種類が分かれています。
ユニット型とは?
入所者に、家庭に近い空間で生活していただくためにリビングスペース等の共用空間を設けて、入所者を10人以下のグループ(ユニット)に分け、ケアを行う施設をユニット型と言います。ユニット型では、ユニット単位に職員が配置されるので、ユニット単位(夜勤は隣接のユニットも含め)でシフトが組まれています。
従来型とは?
名称の通り、従来からある形態で施設サービスを提供する施設を従来型と言います。施設全体としての食堂などの共用空間が設置され、職員のシフトは施設単位で組まれています。
特別養護老人ホームの居室区分
ユニット型個室
居室が完全個室であり、ユニット型の基準を満たすもの
ユニット型個室的多床室
居室が大部屋を間仕切り等で仕切ることにより、天井と壁の間に一定の隙間が生じている部屋であり、ユニット型の基準を満たすもの
従来型個室
居室が完全個室であり、ユニット型の基準を満たさないもの
多床室
居室が複数人が居住できる多床室であり、ユニット型の基準を満たさないもの
地域密着型特別養護老人ホーム(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護)とは?
定員が29人以下の特別養護老人ホームは、地域密着型介護老人福祉施設の指定を受けるため、地域密着型特養などと呼ばれています。
地域密着型特別養護老人ホームは、通常の特別養護老人ホームの入居条件に加えて、施設のある市町村に住民登録している人が入所の対象になります。居室区分は介護老人福祉施設と同じですが、施設の運営体系は「サテライト型」「単独型」の2種類に分けられます。
サテライト型とは?
サテライト型とは本体施設近く(交通機関を利用して20分以内程度の範囲など)に設置され、本体施設と一体的に運営されている地域密着型特別養護老人ホームです。本体施設として認められたものは、同一法人が運営する特養、地域密着型特養、介護老人保健施設、病院、診療所です。本体施設が基準を満たしていることを前提にして、設備や人員について緩和した基準が設けられています。単独型とは?
単独型は、サテライト型のように本体施設と一体的に運営している地域密着型特別養護老人ホームではなく、単独で運営されてる施設です。人員の基準などは通常の特養と同様に設けられています。
まとめ
今回は特別養護老人ホームについてご紹介しました。特別養護老人ホームには、種類があり、その種類によってシフトの組み方や業務内容も変わります。応募する前に、応募する施設がどのような種類で、どのような介護サービスを提供しているのかを把握しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
監修者 カイゴジョブ編集部
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