特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)と介護老人保健施設の違いについて。-仕事内容・給与など-

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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)と介護老人保健施設の違いについて。-仕事内容・給与など-

「特別養護老人ホームと介護老人保健施設って何が違うの?」

介護職の求人情報を見ていると、このような疑問が出てきませんか?介護施設・事業所には様々な介護サービス種別があって、どのように就職先を決めたらいいのか迷うことがあるでしょう。

ここでは、介護施設の中でも、入所施設として代表的な特別養護老人ホームと介護老人保健施設について、何が違うのかをご紹介します。

特別養護老人ホームの概要と仕事内容

特別養護老人ホームの概要

特別養護老人ホームとは要介護度3以上の中重度の高齢者が入所し、施設サービス計画に基づき、入浴、排泄、食事等の介護、日常生活の支援、機能訓練、療養上の世話を受けながら生活を送る施設です。

特別養護老人ホームの介護職員の仕事内容と給与

特別養護老人ホームで働く介護職員の仕事内容は、食事介助、排泄介助、入浴介助、口腔ケアなどをはじめ、入所者の生活の質を向上させるためのレクリエーションの企画・実施、通院・外出支援など多岐に渡ります。入所者が施設で生活しているため、夜勤を含めた24時間のシフト制で勤務しています。厚生労働省の「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、特別養護老人ホームの介護職員の平均給与月額は、332,260円でした。これは、介護職員処遇改善加算を算定している特別養護老人ホームの月給で働く介護職員の平均になっているので、経験年数、資格、役職、夜勤の有無など、就職先の給与の算定方法によって大きな差があるでしょう。

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介護老人保健施設の概要と仕事内容

介護老人保健施設の概要

介護老人保健施設は、要介護度1以上の高齢者が入所し、医師による医学的な管理の下、看護職員による日常的な健康管理、介護職員による食事・入浴・排泄介助などの日常生活の支援、理学療法士等のリハビリ専門職によるリハビリテーションを受け、在宅復帰を目指す施設です。

介護老人保健施設の介護職員の仕事内容と給与

介護老人保健施設は、施設の運営形態が特別養護老人ホームと近いため、仕事内容、給与が特別養護老人ホームと似ています。同じく厚生労働省の「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、平均給与月額は317,350円でした。

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特別養護老人ホームと介護老人施設の違いは?

特別養護老人ホームと介護老人施設の目的の違い

特別養護老人ホームと介護老人保健施設はどちらも施設サービスに分類され、「介護が必要な高齢者が入所する施設」として、同じ施設だと思っている人も多いでしょう。しかし、特別養護老人ホームは「生活の場」であるのに対して、介護老人保健施設は「在宅復帰を目指す場」であることから、入所者が入所する目的と働く職員の目指すことが違います。

特別養護老人ホームと介護老人施設の勤務時間は違う?

どちらも24時間体制で介護職員が勤務しているため、勤務時間の違いは施設の種別によるものではなく、その施設のシフトによる違いになります。

特別養護老人ホームと介護老人施設の勤務している職種の違い

特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
医師 医師
生活相談員 支援相談員
看護職員 看護職員
介護職員 介護職員
機能訓練指導員 リハビリテーション専門職
栄養士 栄養士
介護支援専門員 介護支援専門員
- 薬剤師

特別養護老人ホームと介護老人保健施設の求人情報を比較するポイントとは?

給与・賞与

求人情報を比較する時に、まず「給与」で比較する人は多いのではないでしょうか?給与は、基本給の他にも、資格手当、処遇改善手当、賞与などが支給されるかどうか、賞与がある場合にいくら支給されるかは、就職する施設によって異なります。

資格手当

資格を取得したことを評価して支給される手当です。施設によって、対象になる資格、資格ごとの支給される金額が違います。

処遇改善手当

介護報酬の加算項目である「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」を算定している施設では、介護職員への処遇改善の取り組みに応じて、これらの加算を算定して、それを処遇改善手当などで支給しています。この加算の算定の有無と、加算の種類によって、支給される手当の金額は大きく異なります。

賞与

賞与の支給は義務ではないため、年に1~2回賞与を支給する施設や、賞与を支給しない代わりに月々の給与を高く設定する施設などがあります。また、支給する施設でも、支給額の算定方法(○.○月分など)は施設によって異なります。

休日数(労働日数)

労働基準法で休日数(労働時間数に対する休日の設定)が定められていますが、施設によって休日数を法定の日数よりも増やして働きやすい環境を構築していることがあるので、休日数・労働日数は比較するポイントです。

労働時間と休憩時間

早番、遅番、夜勤など交代勤務で働く場合、それぞれの労働時間だけでなく拘束される時間(労働時間+休憩時間)を確認しましょう。例えば、夜勤では労働時間が同じく16時間だとしても、休憩時間の設定によって、職場に居なくてはいけない時間が異なります。また、施設によってシフトの始業時間と終業時間が違いますので、自身のライフスタイルに合った勤務時間も施設選びのポイントになります。

応募資格

特別養護老人ホームと介護老人保健施設はどちらも無資格から介護職員として働くことができます。しかし、応募先の施設によって「即戦力の人材を採用したい」などの理由から、応募に介護の資格などの条件を付けていることがあります。施設が求めている人材・資格を確認して就職先を検討しましょう。

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まとめ

特別養護老人ホームと介護老人保健施設は、どちらも業務内容や勤務シフトなどは似ていますが、施設の目的が違うので、働く介護職員の意識にも違いがあります。それぞれの施設の目的を理解して、皆さんの希望の条件を満たし、働きがいを感じる就職先を探しましょう。

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監修者 カイゴジョブ編集部

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