介護業界に就職しようと思っている人や、介護業界で働き始めた人は、将来的なキャリアアップとして『ケアマネジャー』を考えている人も多いでしょう。そして、そのためにケアマネジャーの具体的な仕事内容や資格の取得方法が気になっているのではないでしょうか?
そこで、この記事では、ケアマネジャーの仕事内容や資格取得方法について詳しくご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
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ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格とその役割とは?
ケアマネジャーの資格の正式名称は、『介護支援専門員』という資格になります。
介護支援専門員は、介護を必要とする高齢者の相談を受けて、その方が心身の状況に応じた適切な介護サービスを利用できるように介護サービス計画(ケアプラン)を作成する役割を担っています。また、その役割は所属する機関によって若干異なり、介護支援専門員の代表的な職場である居宅介護支援事業所では、利用者が在宅生活を継続するために、外部の介護サービスをどのように組み合わせて利用するかを計画する役割を担い、それ以外の特別養護老人ホームや介護老人保健施設などでは、その施設でどのような介護サービスを提供するかを計画する役割を担っています。
介護支援専門員の資格は、介護保険制度の制定に合わせて1998年度から資格試験が実施され、2020年度の試験までで累計70万人を超える合格者がいます。
介護支援専門員の資格を取得するには?
まずは、介護支援専門員の資格取得までの流れを見ていきましょう。
このような流れで介護支援専門員の資格を取得します。この流れの中で注意すべきことは、『受験資格を満たすまでに期間がかかること』と『試験の合格率が低いこと』です。
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格
介護支援専門員実務研修受講試験を受験するためには、以下のいずれかの要件を満たさなくてはいけません。
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格
- 特定の国家資格(※1)を保有し、その国家資格に基づく業務の実務経験が従業期間5年以上かつ従事日数900日以上
- 相談援助業務(※2)の実務経験が従業期間5年以上かつ従事日数900日以上
(※1)特定の国家資格:医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士
(※2)相談援助業務:生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員としての相談援助業務
このように、どちらの受験資格においても、実務経験5年以上と長い期間が必要になるので、資格取得まで計画的に準備することが重要になります。
介護支援専門員実務研修受講試験の合格率
介護支援専門員実務研修受講試験の過去5年間の合格率は、以下のようになっています。
回数・年度 | 合格率 |
---|---|
第18回・平成27年度 | 15.6% |
第19回・平成28年度 | 13.1% |
第20回・平成29年度 | 21.5% |
第21回・平成30年度 | 10.1% |
第22回・令和元年度 | 19.5% |
資格を取得するためには、この難関の試験に合格しなくてはいけません。そのために、問題集や模擬試験、資格のスクールが実施している受験対策セミナーなどを活用して、計画的に試験対策を進めましょう。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容・業務内容とは?
ここではケアマネジャーの仕事内容を、居宅介護支援で働く居宅ケアマネジャーと特別養護老人ホームで働く施設ケアマネジャーに分けて説明します。
居宅ケアマネジャーの仕事内容
居宅ケアマネジャーは、利用者が在宅生活を継続するために、外部の介護サービスをどのように組み合わせて利用するかを計画する役割を担うことをお伝えしました。その役割を担うために、居宅介護支援のケアマネジャーは以下のような業務を行っています。
- 利用者の自宅を訪問し、心身の状態や生活状況を確認する(アセスメント)
- 利用者の希望や心身の状態に合わせた介護サービス計画の案を作成する(ケアプランの原案作成)
- 介護サービス事業所と連絡・調整をして、サービス担当者会議を開催し、利用者・家族、各介護サービス事業所の担当者からの意見を集める(サービス担当者会議の開催)
- 意見を基にケアプランを作成する(ケアプランの作成)
- ケアプランを利用者・家族へ説明して、同意を得る(ケアプランの説明・同意)
- 介護サービス利用開始後、定期的に利用者の状況を確認する(モニタリング)
- 状況の変化に合わせてケアプランを変更する(ケアプランの変更)
- 介護報酬の給付管理のために、介護サービス事業所との予定表・実績表などの受け渡しを行う(給付管理)
- 介護報酬を請求するための書類作成、データ作成、伝送などを行う(介護報酬請求)
居宅ケアマネジャーの一日の流れ
時間 | 業務内容 |
---|---|
9:00 | 出社、ミーティング、連絡事項の確認 |
9:30 | アセスメントのために利用者宅を訪問 |
11:30 | サービス担当者会議の準備 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | サービス担当者会議 |
14:00 | モニタリングのために利用者宅を訪問(2件) |
16:00 | ケアプラン原案の作成、ケアプランの修正 |
17:30 | 関係機関や関係者への連絡・スケジュール調整 |
18:00 | 退社 |
施設ケアマネジャーの仕事内容
施設ケアマネジャーは、その施設でどのような介護サービスを提供するかを計画する役割を担うことをお伝えしました。その役割を担うために、特別養護老人ホームのケアマネジャーは以下のような業務を行っています。
- 入所希望者の自宅や病院を訪問し、心身の状態や生活状況を確認する(アセスメント)
- 利用者の希望や心身の状態に合わせた介護サービス計画の案を作成する(ケアプランの原案作成)
- サービス担当者会議を開催し、入所者・家族、施設の専門職からの意見を集める(サービス担当者会議の開催)
- 意見を基にケアプランを作成する(ケアプランの作成)
- ケアプランを入所者・家族へ説明して、同意を得る(ケアプランの説明・同意)
- 入所後、定期的に入所者の状況を確認する(モニタリング)
- 状況の変化に合わせてケアプランを変更する(ケアプランの変更)
- 介護報酬の給付管理のために、他の専門職や事務職員などと連携する(給付管理)
施設ケアマネジャーの一日の流れ
時間 | 業務内容 |
---|---|
9:00 | 出社、ミーティング、連絡事項の確認 |
9:30 | ケアプラン変更の説明のため入所者・家族との面談 |
10:30 | モニタリングのため入所者の状況確認、スタッフからの聞き取り |
12:30 | 昼食 |
13:30 | 入所希望者・家族との面談 |
14:30 | サービス担当者会議の資料作成、準備 |
15:30 | サービス担当者会議 |
16:30 | ケアプランの修正、更新 |
17:30 | 関係者への連絡・スケジュール調整 |
18:00 | 退社 |
ケアマネジャー(介護支援専門員)の勤務時間は?
これまで説明したようにケアマネジャーは、利用者や家族、関係機関、関係者との面談、会議、連絡、スケジュール調整などが多いので、一般的に「8:00~17:00」や「9:00~18:00」などの日中帯での勤務時間になっています。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事の魅力や大変だと感じることとは?
ここではケアマネジャーの魅力と大変だと感じていることなどの意見をご紹介します。
ケアマネジャーの仕事は、ここが魅力
ケアマネジャーが仕事で感じるの魅力・やりがいとして、以下のような意見がありました。
- 利用者や家族が抱える悩みや課題を解決できることで仕事の達成感を感じることができる。
- 夜勤を行わなくて良い。
- 給料がアップした。
- 良い条件の求人情報がある。
- 介護職としての経験、これまでの仕事の経験を活かせる。
- デスクワークが中心なので、長く働けると思う。
ケアマネジャーの仕事は、ここが大変
ケアマネジャーが仕事で感じるの大変なこと・苦労することとして、以下のような意見がありました。
- 利用者や家族が無理な依頼をしてくる。
- 職種や個人による考え、意見の相違に挟まれて苦労する。
- 思ったより給料が上がらなかった。
- 資格の更新に時間やお金がかかる。
まとめ
ケアマネジャーの仕事内容や資格取得方法、仕事の魅力などをご紹介してきました。
ケアマネジャーは、介護サービスにおけるケアマネジメントを行う重要な職種です。そのために、苦労することもありますが、やりがいやメリットなども多い職種です。これから介護支援専門員の資格取得を目指す方は、受験要件を満たすための資格取得と実務経験、受験対策など計画的に準備しましょう。
ここでご紹介した内容が、ケアマネジャーを目指す皆さんの参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
監修者 カイゴジョブ編集部
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