介護職の働く悩みや疑問に、介護現場で働く人達がリアルに答えるQ&A。「こんなとき、他のみんなはどうしているの?」といった疑問に、介護職歴10年以上の経験者が答えます。
Q グループホームのレクリエーション、認知症の方にも楽しんでもらうには?
グループホーム勤務の介護士です。認知症の方向けのレクリエーションについて、何かおすすめやアドバイスはありますか?
A 認知症の進行にあわせて、個別や数名のグループごとにレクをしています。
グループホームでは、入居者の方によって認知症の進行が違うので、人によりできる・できない、得意・不得意があると思います。なので私は個別か、数名ずつに分けてレクリエーションをすることが多いです。
全員で楽しめるものとして、歌は無難ですが人気です。歌うなり聞くなり、個々の楽しみ方で、わりと全員が楽しく参加してくださいます。私は歌があまり得意ではないので、CDを流して一緒に歌うようにしています。
また、職員が気合いを入れてレクをやらなくても、カルタやトランプをお渡しすると、入居者のみなさんがデタラメなルールで楽しみ始めたりするので、提案だけして、遠くから見守ることもあります。
アドバイスとしては、ご自身が好きなこと、得意なことをレクに取り入れることです。歌でも体操でもクイズでもゲームでも、職員自身が楽しんでいると、入居者のみなさんも一緒にノッてきてくれるものです。
私は音楽が好きなので、CDラジカセを持参して、よくイントロクイズをしています。あまり肩肘張らず、ご自身が楽しめることを一緒にやってみてください。(介護職歴15年/介護福祉士)
認知症でも脳は成長する
少し前までは、加齢とともに脳の神経細胞は減り続けると思われてきました。実際、加齢による脳の萎縮は避けられないものです。しかし近年の脳科学研究で、脳の神経細胞のうち、少なくとも記憶を司る「海馬」については、何歳になっても新しい細胞が生まれ続けることがわかりました。
また、脳は20歳頃に完成すると、そのあとは加齢や病気で萎縮などが起こったとき以外は変化しないと考えられてきましたが、外部からの刺激を与え続けることで脳は変化し、体積を増やすことができることもわかってきました。
つまり、脳の機能は何歳になっても高めることができるのです。それは認知症の症状がでている場合でも同じだといいます。
脳への刺激として好ましいのは、好奇心をくすぐること、人とコミュニケーションを取ること、有酸素運動をすることです。介護現場のレクリエーションの中には、これらの刺激が生まれるものが多くあります。レクリエーションで認知症の進行を抑制できるかもしれないことは、脳科学的にも証明されているようです。
監修者 カイゴジョブ編集部
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