介護福祉士の受験資格とは?受験するための条件、合格の条件は?

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介護福祉士の受験資格とは?受験するための条件、合格の条件は?

介護職として働いている人やこれから介護職として就職を考えている人は、介護職としてキャリアアップを目指すには『介護福祉士』という資格を取得することが必要だと知って、「介護福祉士の資格はどうやったら取得できるの?」、「介護福祉士の試験を受けるためにはどうしたらいいの?」、「介護福祉士の試験の合格ラインや合格率はどれくらいなの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?

この記事では、介護福祉士の受験資格、合格の条件、合格率、資格取得のメリットについて説明しています。ぜひ最後までお読みください。

介護福祉士の資格を取得する方法とは?

介護福祉士の資格は、『国家資格』です。

国家資格を取得するためには、原則『国家試験に合格すること』と『介護福祉士として登録すること』が必要になります。この国家試験は誰でも受験できるわけではなく、受験するための条件(受験資格)を満たした人だけが受験できます。この資格取得までの流れを簡単にまとめると以下のようになります。

【介護福祉士を取得するまでの流れ】

  1. 国家試験の受験資格を満たす
  2. 国家試験に合格する
  3. 介護福祉士として登録する
  4. 登録証が届く、資格取得

介護福祉士国家試験の受験資格とは?

それでは、介護福祉士国家試験の受験資格について詳しく説明します。

2021年現在の受験資格は、大きく分けて4つの種類(ルート)がありますので、それぞれについて見ていきましょう。

介護福祉士国家試験の受験資格①実務経験ルート

まずは、国家試験の受験者数が一番多い『実務経験ルート』です。実務経験ルートは、介護の仕事の経験を活かして受験資格を得られるので、このルートを選ぶ人が多いようです。

【実務経験ルートの受験資格】

  • 実務経験3年以上 + 実務者研修
  • 実務経験3年以上 + 介護職員基礎研修 + 喀痰吸引等研修

※実務経験3年以上は、定められた『介護等の業務』に、『従業期間3年(1095日)以上』かつ『従事日数540日以上』が必要になります。

実務経験ルートでは、上記の2つの受験資格がありますが、介護職員基礎研修は廃止されている資格なので、これから受験資格を得る人は、実務者研修を受講することになります。

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介護福祉士国家試験の受験資格②養成施設ルート

養成施設ルートは、介護福祉士養成施設としてのカリキュラムを実施している福祉系専門学校の介護福祉科などを卒業することで受験資格を得られるルートです。また、このルートでは令和8年度までに卒業すると、国家試験に合格できなかった場合に、卒業後5年間の期限付きで介護福祉士の資格を取得することができます。

【養成施設ルートの受験資格】

  • 高等学校等 + 養成施設(2年以上)
  • 高等学校等 + 福祉系大学 + 養成施設(1年以上)
  • 高等学校等 + 社会福祉士養成施設 + 養成施設(1年以上)
  • 高等学校等 + 保育士養成施設 + 養成施設(1年以上)

介護福祉士国家試験の受験資格③福祉系高校ルート

福祉系高校ルートは、介護福祉士養成施設としてのカリキュラムを実施している高等学校の福祉科などを卒業することで受験資格を得られるルートです。

【福祉系高校ルートの受験資格】

  • 新カリキュラム(平成21年度以降入学者)
  • 旧カリキュラム(平成21年度以前入学者)
  • 特例高校等 + 実務経験9ヵ月以上

※実務経験9ヵ月以上は、定められた『介護等の業務』に、『従業期間9ヵ月(273日)以上』かつ『従事日数135日以上』が必要になります。

福祉系高校ルートの旧カリキュラムを受けて卒業または特例高校を卒業して実務経験を積んだ場合、介護技術講習を受講して実技試験の免除または筆記試験の後に実技試験を受験のどちらかを選ぶことになります。

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介護福祉士国家試験の受験資格④経済連携協定(EPA)ルート

経済連携協定(EPA)ルートは、インドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補生として来日し、実務経験を積みながら学習することで受験資格を得られるルートです。

【経済連携協定(EPA)ルートの受験資格】

  • EPAで来日 + 実務経験3年以上

※実務経験3年以上は、定められた『介護等の業務』に、『従業期間3年(1095日)以上』かつ『従事日数540日以上』が必要になります。

経済連携協定(EPA)ルートは、介護技術講習または実務者研修を受講して実技試験の免除、もしくは筆記試験の後に実技試験を受験のどちらかを選ぶことになります。

介護福祉士国家試験の試験内容、範囲とは?

介護福祉士国家試験は、『筆記試験』と『実技試験』があります。筆記試験は例年1月下旬に、実技試験は3月上旬に実施されていますが、現在の受験資格の多くは『実技試験免除』になるので、筆記試験に合格することイコール資格取得となる人がほとんどでしょう。ですから、ここでは筆記試験について説明します。

【介護福祉士国家試験の概要】

  • 11科目群から出題
  • 合計125問
  • 選択式のマークシート方式

【介護福祉士国家試験の科目群】

  • 人間の尊厳と自立、介護の基本
  • 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  • 社会の理解
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
  • 医療的ケア
  • 総合問題

介護福祉士国家試験の合格の条件、合格率は?

ここでは介護福祉士国家試験の合格の条件、基準や合格率がどうなっているのか見ていきましょう。

【介護福祉士国家試験の合格の条件、基準】

  • 問題の総得点の60%を基準として、問題の難易度から補正した点数以上の得点があること
  • 11科目群のすべての科目で得点があること

【介護福祉士国家試験の合格率】

第28回 第29回 第30回 第31回 第32回
受験者数 152,573 76,323 92,654 94,610 84,032
合格者数 88,300 55,031 65,574 69,736 58,745
合格率 57.9% 72.1% 70.8% 73.7% 69.9%

介護福祉士国家試験の受験対策は?

介護福祉士国家試験の受験者はどのような受験対策をしているのでしょうか?

ここでは、受験対策として代表的な3つの方法をご紹介します。

介護福祉士国家試験の受験対策①模擬試験

受験対策として『模擬試験』を受けている人はとても多いです。

介護福祉士の模擬試験は、大手の資格のスクールや教科書等の出版会社などで実施しているので、近くで受験できる資格のスクールを探したり、自宅受験で申し込みをします。

模擬試験を受けるメリットとして、試験会場で受験することで試験本番と同じような雰囲気を体験できること、講師などの専門家が予想する問題を学習できることなどが挙げられます。

介護福祉士国家試験の受験対策②過去問

『過去問』を使った学習も受験対策として、多くの人がやっています。

過去問と解答は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページに掲載されていますが、正答の理由や正答以外の間違っている点についての解説を理解することで理解が進むので、資格のスクールや出版会社が販売している解説集を購入して、学習を進めことが多いようです。

過去問を解くメリットとして、過去にどのような問題が出題されたのかを知って傾向を把握できること、時間配分を確認できること、点数によって学習の理解度を確認できることなどが挙げられます。

介護福祉士国家試験の受験対策③受験対策講座

資格のスクールなどでは、『受験対策講座』も実施されています。

重点ポイントや出題予想のポイントなどを中心に講義が進められるので、メリットとして受験前に効率よく復習することが挙げられます。また、不明点を講師に質問できることもメリットになっています。

介護福祉士の資格取得を目指すために、何から始めるべき?

これから介護福祉士を目指す人は、まず『実務経験になる職場に、介護職として就職する』ことから始めましょう!

介護福祉士を取得している人の多くは、実務経験から受験する『実務経験ルート』を選んでいます。これは、受験までにかかる費用が実務者研修の受講料(おおよそ8万円~20万円)と少ない、働いて給料をもらいながら資格取得を目指せるといった理由から選ばれています。

ぜひ、皆さんも介護職として就職して、実務経験に合わせて実務者研修を受講し、介護福祉士を目指しましょう!

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まとめ

介護福祉士は、介護の専門職として介護現場で中心的な役割を担い、活躍しています。そして、介護職の中でも介護福祉士の待遇は年々上昇傾向にあり、高齢化が進む日本では将来的にも安定した職業となっています。

ここでご紹介した介護福祉士の資格取得方法や条件を確認していただき、ぜひ介護福祉士の資格取得を目指しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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