老健と特養の違いとは?どちらが働きやすいの?

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老健と特養の違いとは?どちらが働きやすいの?

介護業界での転職や就職を考えている皆さんは、就職先として『老健(介護老人保健施設)』と『特養(特別養護老人ホーム・介護老人福祉施設)』で迷っていて、その違いを知りたいと思っているのではないでしょうか?

この記事では、『老健』と『特養』の目的の違いや仕事内容の違いについて説明していますので、ぜひご一読ください。

老健と特養の役割の違いとは?

それでは、老健と特養の役割の違いを表で見ていきましょう。

老健 特養
目的
  • 在宅復帰のための中間施設
  • 低所得でも入所可能
  • 対象者:要介護1~要介護5
  • 終身にわたり生活を送る施設
  • 低所得でも入所可能
  • 対象者:要介護3~要介護5

介護老人保健施設とは?

介護老人保健施設は、要介護高齢者にリハビリなどを提供して在宅復帰を目指す施設としての役割を担っています。入所者に対して、医療、看護、医学的管理の下での介護、その他日常生活の世話、機能訓練を提供する施設となっています。

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特別養護老人ホームとは?

特別養護老人ホームは、中重度の要介護高齢者に向けた生活施設としての役割を担っています。入所者に対して、入浴、排泄、食事等の介護、その他日常生活の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を提供する施設となっています。

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老健と特養の人員配置の違いとは?

老健と特養は、役割・提供するサービスが違うことから、求められる人員配置も違いがあります。それでは人員配置基準の違いを見ていきましょう。

職種 老健 特養(介護老人福祉施設)
医師 常勤1人以上(入所者の数を100で除した数以上) 1人以上(入所者の健康管理・療養上の指導を行うために必要な数以上)
薬剤師 実情に応じた適当数(入所者の数を300で除した数が標準) なし
看護職員 介護職員と合わせて入所者3人に対して1人以上(看護・介護職員の7分の2が標準) 介護職員と合わせて入所者3人に対して1人以上(入所定員30人以下の場合は1人以上、31人以上50人以下の場合は2人、51人以上130人以下の場合は3人以上、131人以上の場合は130人を超えて50またはその端数を増すごとに1以上)
介護職員 看護職員と合わせて入所者3人に対して1人以上(看護・介護職員の7分の5が標準) 看護職員と合わせて入所者3人に対して1人以上
支援相談員・生活相談員 常勤1人以上(入所者の数が100人以上の場合は、超えた人数を100で除した数以上) 常勤1人以上(入所者の数を100またはその端数を増すごとに1以上)
リハビリ専門職・機能訓練指導員 理学療法士または作業療法士または言語聴覚士を常勤換算で入所者の数を100で除した数以上 1人以上(看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、実務経験があるはり師・灸師)
栄養士 入所定員100以上の施設は1以上 1人以上
介護支援専門員 常勤1人以上(入所者の数を100またはその端数を増すごとに1を標準) 常勤1人以上(入所者の数を100またはその端数を増すごとに1を標準)
調理員 実情に応じた適当数 実情に応じた適当数
事務員 実情に応じた適当数 実情に応じた適当数

老健と特養の仕事内容の違いは?

老健と特養は要介護高齢者が生活を送る施設という点では同じですが、施設の役割が違うため同じ職種でも仕事内容に違いがあります。

リハビリ専門職・機能訓練指導員の仕事内容の違い

老健と特養のリハビリ専門職・機能訓練指導員の仕事内容の違いとして、老健の『医学的なリハビリの提供』と特養の『機能訓練(生活リハビリ)の提供』という点が挙げられます。老健では常勤の医師が診察し、指示に基づいたリハビリを実施しますが、特養では機能訓練指導員が入所者の心身機能や生活機能の維持・向上を目的とした機能訓練・生活リハビリを実施します。

介護職員の仕事内容の違い

老健も特養も入所者が生活を送る施設として、食事・入浴・排せつといった介護業務を行うことは共通していますが、老健の在宅復帰を目指すという視点で行う介護と、特養の安心した生活を送るための視点で行う介護により、業務を行う上での視点に違いがあります。

また、平均入所期間にも大きな差があるので、短期~中期での関わりが多い老健と、長期での関わりが多い特養では、入所者に対する理解の深さという点でも違いがあります。

老健と特養の介護職員の給料の違い

厚生労働省の『平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果』から、老健と特養、その他の介護サービス種別の介護職員の給料を比較すると以下のようになっています。

施設名 平均給与月額
老健 317,350円
特養(介護老人福祉施設) 332,260円
介護療養型医療施設 285,360円
訪問介護 291,930円
通所介護 262,900円
グループホーム(認知症対応型共同生活介護) 276,320円

介護職員として働くなら老健と特養どちらがいい?

仕事内容の違いの項目でも記載したように、老健と特養の介護職員の仕事内容は共通する部分が多いです。ですから、施設の種別ではなく、それぞれの求人情報を比較して就職先を選ぶのが良いでしょう。

【求人情報を比較するポイントの例】

  • 給料(基本給、手当、賞与)
  • 休日、労働日数
  • 勤務時間、夜勤の勤務時間数
  • 通勤時間
  • 福利厚生
  • ケアの方針
  • 法人の理念
  • 人材育成の取組状況
  • キャリアアップ

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まとめ

『老健』と『特養』の違いについて様々なポイントから説明してきましたがいかがでしたか?施設の役割の違いから同じ職種であっても仕事を行う上での視点が異なることをおわかりいただけたと思います。

介護サービス種別によって、そのサービスの役割、利用する方の状態が違うので、その提供する介護サービスの内容をしっかりと把握して、皆さんが希望する仕事ができる職場を選びましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 カイゴジョブ編集部

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