履歴書の書き方を見本サンプルで解説!おさえておきたい基本マナーから、項目別の書き方、印象アップのコツ、封筒の書き方まで。履歴書のテンプレートもダウンロードできます。
履歴書作成の基本ルール・NG例
黒のボールペンで書く
鉛筆やシャープペンシル、消せるボールペンで書くのはNGです。水性よりも、インクがにじみにくいゲルインクや油性のボールペンがおすすめ。
修正液や修正テープは使わない
経歴を証明する文書としての信頼性が下がるので、修正液などの使用はNGです。鉛筆で下書きをして清書したり、別の紙に書くことをまとめておいて見ながら記入していくなど工夫して、書き間違いを防ぎましょう。
誤字・脱字・略字に注意
書き終わったら読み直して、誤字・脱字がないことを確認しましょう。略字も使用しない方がいいので、普段から使っている場合は要注意。
志望先を記載する時は「貴法人」「貴社」
書面で志望先の法人や企業を示す場合は「貴法人」や「貴社」と記載しましょう。なお、面接の時は「貴」ではなく、「御法人」「御社」と表現します。
空欄がないように
「空欄=記入漏れ」と思われて印象をおとさないように、各項目ごとに空欄なく記入しましょう。
過去の履歴書は使いまわさない
履歴書をコピーして使いまわすと、応募先の印象は悪くなります。面倒でも応募企業ごとに書き直しましょう。
WEB履歴書の活用もアリ履歴書ダウンロード
一般的な形式の履歴書を下記からダウンロードすることができます。A3もしくはB4で印刷してご利用ください。
コンビニや文房具店などで購入できる市販のものは、A3を二つ折りにしたA4サイズ(210㎜×297㎜)か、B4を二つ折りにしたB5サイズ(182㎜×257㎜)があります。サイズはどちらでも問題ありません。
職歴が少ない場合は、趣味や文化活動などの記入欄がある履歴書を選ぶのもいいでしょう。
項目別・履歴書の書き方見本
基本情報の書き方
①日付
履歴書の日付には「応募先に提出するその日」を書きます。郵送なら投函する日、持参なら持参する日、メールで送るなら送信する日を記入。
元号でも西暦でもどちらでもかまいませんが、履歴書の中で元号と西暦が混在しないように、どちらかに統一しましょう。
②氏名
苗字と名前の間に少しスペースをあけて読みやすくします。ふりがなは、履歴書に「ふりがな」とあればひらがなで、「フリガナ」とあればカタカナで記入。
③生年月日
①の日付時点の年齢を記入します。①の日付で元号を使ったなら元号、西暦を使ったなら西暦に統一。
④性別
該当するものに丸をつけます。厚生労働省が2021年に更新した履歴書の様式例をもとに、性別が任意記載となっている履歴書もあります。
⑤現住所・連絡先
郵便番号や都道府県は省略せず記入します。「連絡先」は事情があって現住所ではない場所から、応募先と連絡を取りたい場合のみ記入が必要です。そのような事情がなければ「同上」と記入。
もし転職活動中に引越しする場合、応募時点で引越し先が確定しているのであれば、新住所を記入して、その後ろに「〇月〇日に転居」と記載しておきます。
⑥電話番号
応募先から連絡がきたときに、対応しやすい番号を記入しましょう。
⑦証明写真
写真のサイズはタテ40㎜×ヨコ30㎜が一般的です。スナップ写真の切り抜きはNG。
なるべく3か月以内、少なくとも6か月以内に撮影したものを使用しましょう。
証明写真には本人確認の役割のほか、書類段階での第一印象や雰囲気を伝える役割もあります。下記のポイントに気を付けましょう。
チェック | NG例 |
---|---|
服装の清潔感があるか | NG:汚れが目立つ、シャツのボタンをあけている、色や柄が派手、アクセサリーが目立つ、胸元があきすぎているなど |
髪が顔や肩にかかっていないか | NG:前髪で目が見えづらい、顔の輪郭が隠れている、寝ぐせが直っていない、ワックスなどで固めすぎている、ジャケットやブラウスの襟が髪で隠れている、ボサボサで清潔感がないなど |
メイクは派手ではないか | NG:マスカラやアイライナーが目立ちすぎる、口紅の色が濃すぎるなど |
顔と目線は真正面を向いているか | NG:あごが上がっている、あごを引きすぎている、上目づかい、顔が左右に傾いているなど |
背筋がまっすぐで姿勢がいいか | NG:猫背になって顔が前にでている、左右の肩の高さが揃っていないなど |
口角があがっているか | NG:表情が暗い、口が大きくあいて歯が見えすぎているなど |
履歴書は書き直すこともあるので、証明写真はすべて書き終わってから貼りましょう。
学歴・職歴の書き方
①学歴
学歴は、高校卒業から記入します。義務教育は省略してかまいません。
高校は「私立」や「〇〇県立」「〇〇市立」から記入します。「~高校」ではなく「~高等学校」とします。
学校名、学部、学科などは省略せず、正式名称で記入します。入学・卒業年を元号にするか、西暦にするかは、日付や生年月日と統一しましょう。
②職歴
職歴は、入職・退職を時系列に沿って記入します。
介護業界以外の職歴も記載しますが、短期間のアルバイト経験の場合は、応募する仕事のアピールにつながる経験かどうかで、職歴に入れるか判断しましょう。
●職歴はすべて書かないとダメ?
短期間での転職経験や、転職回数が多い場合、「悪い印象を与えたくないから書きたくない…」と思ってしまいがちですが、すべて記載しておくことをおすすめします。
記載しないことで履歴書に空白の期間が生まれれば、ほぼ間違いなく、面接で理由を聞かれます。
短期間の転職でも、転職回数が多くても、理由をきちんと説明できれば問題ありません。履歴書には正確に記入し、理由を説明できるように準備しておきましょう。
短期間での転職は不利になる? どう説明すればいい?【介護の転職Q&A】
転職回数が多いと不利になる? 転職回数が多い場合の注意点は?【介護の転職Q&A】
●正式名称で書く
会社名や施設名は省略せず、正式名称で記入します。「株式会社」「社会福祉法人」「医療法人」も、(株)などに略すのはNGです。
「特養」「デイ」などサービス種別を略すのもNGなので、「特別養護老人ホーム」「デイサービス」と正式名称で書きましょう。
●担当業務も書く
学歴とは違い、職歴の場合は担当業務についても記載して、これまでの経験を伝えます。
「介護職員として介護業務全般に従事」など簡潔にまとめましょう。
退職については、すべて「一身上の都合により退職」という記載に統一します。
結婚や出産、病気などで仕事を離れていて、長期間のブランクがある場合には、「一身上の都合により退職 専業主婦として育児に専念」「一身上の都合により退職 1年間の病気療養。現在は完治」など、その理由を記載しておくとスムーズです。
職歴の最後に記載した業務に現在も就業しているなら、次の行に「現在に至る」と書き、その次の行に右詰めで「以上」と書きます。行が足りない場合は「現在に至る」と「以上」を同じ行にまとめてもOK。
すでに退職しているなら、右詰めで「以上」のみ書きます。
免許・資格の書き方
取得年月順に、正式名称で記入します。介護福祉系の資格以外でも、運転免許、パソコン関係の資格など、応募する仕事のアピールになりそうなものは記載しましょう。
研修を受講中の場合は「介護職員初任者研修を受講中、〇月に修了予定」と書いておくのもいいでしょう。
ペーパードライバーだとしても、履歴書に記載することはもちろん問題ありません。
しかし、ご利用者の送迎など入職後に車の運転が見込まれる場合には、面接の際にペーパードライバーであることを正直に伝えておいた方がいいでしょう。
「運転の感覚を取り戻すために現在練習している」など、ブランク克服のための行動をしていることが伝えられると好印象です。
仮免許の段階であれば、まだ公道を運転できないので、履歴書への記載はNGです。
志望動機・特技・アピールポイントの書き方
一般的な履歴書では、志望動機と自己PRが同じ枠になっています。この場合は、志望動機をメインに書きつつ、自己PRを盛り込みます。
良い志望動機のポイント3つ
①実体験を盛り込むなど具体的に
誰にでも当てはまるような漠然とした内容だと伝わりにくいので、具体的に書くことを意識しましょう。一番簡単なのは実体験を盛り込むことです。
②なぜその会社がいいのか
会社の理念や取り組みのどういう点に共感して、なぜ他の会社ではなくそこで働きたいと思ったのかを書きます。
求人票や会社のHPから理念や介護方針を確認して、共感できる部分をピックアップしましょう。
③自分のスキルをどう活かせそうか
応募する仕事でどう働きたいか、これまで経験してきたことがどう活かせるかを書きます。
面接官や人事はあなたの人となりやどんなことができるかを知りたがっているので介護業界で働いたことがなくても問題ありません。他業界での経験や、家事・子育ての経験から、応募する仕事に活かせそうな成果や強みを見つけましょう。
悪い志望動機の例
NGポイント:その会社であるべき理由が薄い。なぜ介護職に興味をもったのかわからない
状況別・資格別「志望動機」と「自己PR」のポイント
自分の境遇・希望の職種に合わせて下記の記事も参考にしてみてください。
・未経験・無資格から介護職に転職する場合の「志望動機」「自己PR」のポイント
・介護福祉士の資格を活かして転職する場合の「志望動機」「自己PR」のポイント
・ケアマネジャーの資格を活かして転職する場合の「志望動機」「自己PR」のポイント
・社会福祉士の資格を活かして生活相談員に転職する場合の「志望動機」「自己PR」のポイント
・機能訓練指導員・リハビリ職に転職する場合の「志望動機」「自己PR」のポイント
・福祉用具専門相談員に転職する場合の「志望動機」「自己PR」のポイント
その他項目の書き方
①通勤時間
自宅をでてから会社に着くまでの最短ルートの所要時間を書きます。電車遅延などイレギュラーな事態を想定する必要はありません。
時間は5分単位で書きましょう。「電車とバスで」「徒歩で」など交通手段も書きます。
②扶養家族(配偶者除く)
配偶者(妻・夫)以外の扶養家族の人数を書きます。
③配偶者
結婚していれば「有」を、していなければ「無」を丸で囲みます。
④配偶者の扶養義務
配偶者(妻・夫)を扶養していれば「有」を、していなければ「無」を丸で囲みます。
⑤本人希望記入欄
基本的には、「貴施設の規定に従います」と記入します。待遇面の希望は履歴書の段階ではなく、選考が進んだ段階で交渉した方がいいでしょう。
ただ、家庭の事情で残業や夜勤ができないなど、働き方で譲れない点があれば、ミスマッチを防ぐためにも早い段階で伝えておくことをおすすめします。
本人希望記入欄に記載しつつ面接で補足するか、面接時に口頭で伝えて相談してみましょう。
すべて書き終えたら、面接の際に何を書いたのか見返せるように、提出する前にコピーをとっておきましょう。
履歴書の封筒の書き方
郵送する場合
二つ折りのA4もしくはB5サイズの履歴書を、さらに折って小さな封筒に詰め込むのはNGです。A4もしくはB5サイズがそのまま入る封筒を用意しましょう。
履歴書はクリアファイルに挟んでから封筒にいれると、汚れや角の折れを防ぐことができるのでおすすめです。
表には、宛先の郵便番号、住所、会社名、宛名を記入して、左下の位置に「応募書類在中」と書きます。「応募書類在中」の文字は目立つように赤ペンで書くのが一般的です。
宛名が部署名などであれば「御中」、個人名であれば「様」を使います。会社名と宛名を中央に、少し大き目の文字で書くとバランスが良くなります。
切手は斜めにならないように、まっすぐに貼りましょう。
裏には、左下のスペースに自宅の郵便番号、住所、氏名を記入します。
手渡しの場合
手渡しの場合も、履歴書をそのまま持っていくのではなく、郵送のときと同様に封筒を用意しましょう。
郵送と違い宛名を記入する必要はないので、表面は何も書かなくてOKです。
裏面には、誰の書類かわかるように、左下のスペースに自宅の郵便番号、住所、氏名を記入しておきます。
WEB履歴書の活用で効率アップ
カイゴジョブでは、インターネット上で必要事項を入力すると、自動的に履歴書が作成されるツールがあります。
応募の際に一緒に送ることができるので、応募先がそれを見て情報が十分だと判断すれば、紙の履歴書を作成して提出することなく、転職活動を進めることができます。
また、情報を登録しておくことで、施設や事業所の採用担当者から直接スカウトが届くこともあります。
入力する項目は以下です。
・氏名
・生年月日
・性別
・住所
・メールアドレス
・電話番号
・学歴
・職歴
・保有資格
・配偶者の有無、扶養家族
・勤務地など本人希望欄
・自己PR
紙の履歴書と違い応募先を特定しないので、応募先に合わせた志望動機ではなく、自己PRが入力必須項目になっています。
良い自己PRのポイント
自己PRでは「これまでの経験で得たスキルや成果、強み」を伝えます。
仕事上で評価された点や成長した点、家事や育児で日々工夫し努力している点などを具体的に盛り込み、それを入社後にどう活かしていきたいかまで伝えられると好印象です。
悪い自己PRの例
NGポイント:実例がなく、強みが本当なのか伝わりにくい
面接前にチェック!
監修者 カイゴジョブ編集部
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