障害者施設の管理者・施設長の要件とは?

#サービス管理責任者 #用語解説
障害者施設の管理者・施設長の要件とは?

障害福祉サービス事業所で働いている人や、これから障害福祉サービスで働くことを考えている人は、キャリアアップとして「管理者」や「施設長」を目指しているのではないでしょうか?

ここでは、管理者・施設長になるための任用要件や、管理者・施設長の仕事内容、給料などをご紹介します。ぜひ最後までお読みください。

障害者施設の管理者・施設長の役割とは?

障害者施設の管理者・施設長の役割は、「施設運営全般の管理」です。適切なサービスを提供すること、サービスを提供するために必要なスタッフを確保して配置すること、スタッフの業務を管理すること、正確な報酬請求の管理、建物・備品・消耗品等の管理などを通して、管理業務全般を行っています。

障害者施設の管理者・施設長の資格・任用要件とは?

ここでは、障害者施設として「施設入所支援」「生活介護」の管理者要件をピックアップしてご紹介します。

これらの管理者の要件は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準」に、以下のように定められています。

管理者は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に二年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

この要件を簡単にお伝えすると以下のようになります。

・社会福祉主事任用資格

・社会福祉事業に2年以上従事した者

社会福祉主事任用の求人を探す

管理者・施設長・ホーム長の求人を探す

サービス管理責任者と管理者・施設長の違い

障害者施設には、「管理者・施設長」と「サービス管理責任者」という役職・職種がいます。ここでは、役職・職種の違いについて説明します。

組織図上の立場は、管理者・施設長が障害者施設のトップであり、その下にサービス管理責任者、さらにその下に生活支援員や職業指導員などいる形が一般的です。そのため、キャリアアップの最終的に目指す職種が管理者・施設長であり、サービス管理責任者は中間管理職としての役割を担っています。このように管理者・施設長は、障害者施設全体の管理業務を担い、サービス管理責任者は、障害者施設が提供するサービスについての管理業務を担っています。

また、任用要件にも違いがあり、サービス管理責任者は「一定の実務経験」「サービス管理責任者研修の修了」「相談支援従事者初任者研修(講義部分)の修了」が必要になります。

サービス管理責任者の求人を探す

障害者施設の管理者・施設長の仕事内容とは?

ここでは、障害者施設の管理者・施設長の具体的な仕事内容の例をご紹介します。

サービスの質の管理

管理者・施設長は、障害者施設で提供するサービスの質の管理を行います。これは、実際に提供しているサービスの確認、サービス提供責任者の業務管理からサービスの質の維持・向上に必要な指導やアドバイス、研修・検討会の実施や物品の購入検討・決定・手配なども行います。

人事管理

働くスタッフの採用・退職などの管理も行います。人員配置基準を満たすためのそれぞれの職種の確保や、サービスの質を維持・向上させるためのスタッフの適切な配置、スタッフのキャリアアップなどを考えた人事制度の提案・構築などを行っています。

労務管理

働くスタッフの労働時間の管理なども行います。適切な労働時間管理をはじめ、サービス残業ゼロの取り組み、職場環境の改善、ハラスメントの防止などを行っています。また、労働基準監督署への提出書類の作成・決裁、スタッフへの説明なども行います。

収支の管理

管理者・施設長は収入・支出の管理も行っています。利用者の確保や正確な報酬請求、経費の確認や配分の見直し、支払の決裁、財務諸表や会計書類の確認、収支予算や資金計画の作成なども行うことがあります。

建物備品の管理

障害者施設は、自己所有している建物で運営されていることが多いので、建物や設備の管理も必要になります。管理者・施設長は、日々のメンテナンス、建物の老朽化の確認、修繕が必要な場合の業者の手配、入替に伴う設備や業者の選定なども行います。

障害者施設の管理者・施設長の給料・年収は?

厚生労働省の実施した「平成30年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると管理職の平均月給は以下のようになっています。

サービス分類 平均年齢 平均勤続年数 平均給与 (月額)
日中活動系サービス 47.4歳 10.4年 372,650円
グループホーム 51.6歳 8.1年 349,092円
入所施設 44.0歳 17.6年 404,108円

※第131表 処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)の届出をしている事業所等における平均給与額等

障害者施設・支援の求人を探す

まとめ

これまでご紹介してきたように、管理者・施設長の仕事は多岐に渡っています。障害者施設の運営について管理を行うことは、責任やプレッシャーを感じることもありますが、利用者やその家族、スタッフから信頼を得ることでやりがいを感じる仕事です。

管理者・施設長の平均勤続年数が長いことと求人情報の件数が少ないことからもわかるように、管理者・施設長として就職・転職する機会は少なく、サービス管理責任者や生活支援員、職業指導員として就職してからキャリアアップして目指すことが多いようです。

ここでご紹介した内容が、皆さんの障害者施設へ就職、そして管理者・施設長へのキャリアアップのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

働きたいエリアに「賞与あり」の
求人はどれくらいある?
介護職員・ヘルパー
賞与・ボーナスあり
の求人をチェック!
カイゴジョブ編集部

監修者 カイゴジョブ編集部

介護業界でがんばる皆様、転職を検討している皆様を全力応援!お悩みQ&Aや転職ノウハウなど、お役立ち情報を発信します。

管理者・施設長・ホーム長の求人を都道府県から探す