障害福祉の職場へ就職・転職を検討している方は、「やりがいのある仕事なのかな?」「働いている人はどんなことにやりがいを感じているんだろう?」といったことが気になっているでしょう。
この記事では、障害者施設の仕事内容や仕事のやりがいについてご紹介しますので、ぜひご覧ください。
障害者施設とは?
障害者施設とは、障害を持った方が自立した生活を送ることができるように、介護や支援、指導、訓練などの障害福祉サービスを提供する施設です。
障害者総合支援法の目的である、障害があったとしても尊厳ある生活を送ることができる社会を実現するために、様々なサービスが定められ、提供・施設運営がされています。
障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与すること
※障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第一条より
障害者施設の法律
障害者施設は、『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)』を中心に、一部『児童福祉法』に基づく施設もあります。
これらの法律によって定められ、実際の運営は『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害者支援施設の設備及び運営に関する基準』などに定められる基準を満たすことで運営されています。
障害者施設の種類
それでは、障害者施設にはどのような種類があるのかを説明します。
サービス分類 | サービス種別 | サービスの概要 |
---|---|---|
訪問系サービス |
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在宅で生活している利用者の自宅を訪問し、介護等を提供するサービス |
日中活動系サービス |
|
在宅で生活し、施設へ通所した、または短期の宿泊をした利用者に介護等を提供するサービス。 |
施設・居住系サービス |
|
施設に入居する利用者に介護等を提供するサービス |
訓練系・就労系サービス |
|
在宅で生活し、施設に通所した利用者に就労の機会、就労のための訓練、指導などを提供するサービス |
障害児通所系サービス |
|
在宅で生活する児童に、自宅の訪問や施設への通所により、介護等を提供するサービス |
障害児入所系サービス |
|
施設に入居する児童に、介護や医療等を提供するサービス |
相談系サービス |
|
利用者の障害福祉サービスの利用や継続のサポートを行うサービス |
障害者施設の職種
障害者施設には、多様なサービス種別があるので、それに合わせて様々な職種が働いています。ここでは、障害者施設で働く職種の例をご紹介します。
障害者施設で働く職種
- 医師
- 看護職員(看護師、准看護師など)
- リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
- 栄養士(管理栄養士、栄養士)
- サービス管理責任者
- 生活支援員、訓練指導員、介護職員
- 事務員
障害者施設で働く福祉・介護職員の仕事内容とは?
障害者施設で働く福祉・介護職員の主な仕事内容は、利用者に介護サービスを提供することです。
入浴や排せつ、食事の介助などの直接的な介護業務をはじめ、外出の支援、生産活動や創作活動のサポート、日々の利用者の状況の記録などを行っています。
障害者施設で働く福祉・介護職員のやりがいとは?
ここでは障害者施設で働くスタッフの仕事のやりがいをご紹介します。
働いている(いた)職員の声①生活介護で働くAさん
『生活介護で働いています。ご本人やご家族の希望を踏まえた介護を行うことを心がけています。仕事をする中で、言葉が出にくい利用者様と歌を歌ったり、ことば遊びをしたり、さまざまなアプローチを考え、その結果、利用者様の笑顔が見られた時は、「この仕事をしていて良かった」と、仕事にやりがいを感じます。』
働いている(いた)職員の声②重度訪問介護で働くBさん
『ご利用者様の自宅に訪問して援助をするため、そのご利用者様ごとに援助の仕方や環境、使える物が変わるので大変でした。その中でも、「ご利用者様に適切な援助ができた」と感じることができた時に仕事のやりがいを感じます。特に印象に残っているのは、ご利用者様の希望であるピアノのコンサートに行くことを実現できたときに「生の演奏が聞けて良かった。本当にありがとう。」と涙を流して感激されていて、この仕事をしていてよかったと心から思いました。』
働いている(いた)職員の声③生活介護で働くCさん
『利用者様が、生きがいを見つけ、社会参加や日常生活を楽しんでいる様子を見るのが仕事のやりがいになっています。意思の疎通など、業務の中で大変だと思うこともありますが、利用者様の溢れんばかりの笑顔を見ると、こちらが元気になり、やる気が出てきます。そして、この仕事を通して自分自身の成長を感じられることにもやりがいを感じています。」
障害者施設の仕事にやりがいを感じなくなったら?
仕事にやりがいを感じなくなってしまった場合はどうすれば良いでしょうか。ここでは、対処法の例を3つご紹介します。
目標を持つ
対処法の1つ目として『仕事に目標を持つこと』が挙げられます。
仕事に慣れることで、仕事にやりがいを感じなくなってしまうことがあります。そのような時は、目標を持つことで、仕事のやりがいに繋がることがあります。目標を持つことで、そのために「何をするのか?」「どうすれば良いのか?」と考えたり、誰かに相談したりして行動した結果、目標を達成した時には達成感を感じて「この仕事をやっていて良かった」と思うのではないでしょうか?
また、「○○の資格を取る」や「○○の勉強をする」といった目標は、自分自身の成長を感じられ、将来の役にも立つでしょう。
やりたい仕事や仕事の中で実現したいことを考える
対処法の2つ目として、『仕事の中で実現したいことを考える』が挙げられます。
まずは、やりがいを感じなくなった原因を考えましょう。職場内で「ご利用者やご家族のためにこういうことをやりたいけど実現できない」ということが原因の場合もあるのではないでしょうか?職場の環境や利用者の状態、皆さん自身の能力の問題など、様々な要因でやりたい仕事ができないという状況になっているでしょう。そのような状況を変えるには、例えば『実現したいケアの明確化』や『実現するための仲間作り』などの行動を起こすのも良いでしょう。
転職する
対処法の3つ目として、どうしてもやりがいを感じられない職場であれば『転職すること』も良いでしょう。
転職することにより、気持ちを切り替えて新しい職場で新鮮な気持ちで働くことができたり、職場に原因があってできなかったことが実現できることもあります。
まとめ
障害者施設の仕事内容や仕事のやりがいについてご紹介しました。
障害福祉の仕事は、障害があって困っている方の生活の支援や障害がある方のできることを伸ばし、できないことをサポートするなど、障害がある方と関わるからこそ感じる仕事のやりがいがあります。もし、障害福祉での就職・転職を迷っている方は、せひこの機会に求人情報を探してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
監修者 カイゴジョブ編集部
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