『LINE採用革命!』の著者に聞く、採用人数を2倍に増やすためのLINE活用術

『LINE採用革命!』の著者に聞く、採用人数を2倍に増やすためのLINE活用術

今や国内のユーザー数は8400万人を超え、ソーシャルメディア最大の利用者を誇るLINE。電話やメールよりも手軽でレスポンスも速いことから、採用に活用する企業が増えてきています。なかには採用人数が2倍に増えるなど、採用に成功している企業も続々と出てきているそう。そうしたLINE採用の最新事情やノウハウが詰まった書籍、『LINE採用革命!』の著者である斎藤元有輝さんは、「中小企業こそ、LINEを使うことで大きな成果を上げることができる」と言います。その真意と中小企業が採用に成功するためのLINE活用術について教えていただきました。

なぜ、コストをかけずに採用人数を倍増できたのか?

「採用人数が前年に比べて2倍になった」――。

ある中小企業のセミナーに出席した際に、その話を耳にして驚きました。求人媒体への掲載や採用を担当する人員を増やしていないにもかかわらず、前年は30人余りだった採用人数が、その翌年には60人を超える新卒を採用することができたというのです。

なぜ、そうした際立った成果を1年で、しかもコストをかけずに上げることができたのか?

それは「LINEを採用に活用したから」にほかなりません。

多くの中小企業は、応募者の獲得など採用に苦戦しています。私自身、地元・岡山で中小企業を経営しているのでその実情はよくわかりますが、やはり知名度の点で大企業と差が出てしまうことが大きいでしょう。

ただ、規模は小さくても魅力的な事業を手がける中小企業はたくさんあります。せっかくいいものを持っているのに発信の仕方がわからず、応募者にその魅力を伝えきれない現状はあまりにもったいない……。LINEビジネスの専門家として、中小企業の方々に「LINEを活用した『勝てる採用戦略』をお伝えできないか」と思い、本書を執筆しました。

一斉配信、タイムライン、チャット…採用シーンでのLINE活用法

LINEというと個人がコミュニケーションツールとして使用するイメージが強いですが、ここでお伝えしているのは、企業用のLINE公式アカウントのことです。ユニクロや楽天のように「販売促進」を目的に使うのが一般的ですが、最近では採用に特化した公式アカウントを作成して、採用に活用する企業が増えてきています。

企業のLINE公式アカウントは個人のLINEと違って、複数人で管理できて内容を共有できるのがメリット。採用での主な使い方としては以下の3つが挙げられます。

1.一斉配信

2.タイムライン

3.チャット(1対1の個別対応)

まず①の一斉配信ですが、仮に就職・転職希望者が1000人登録してくれたら、一度の配信で1000人に一斉に送信できる、メールマガジンのような機能になります。この機能を利用すれば、会社説明会の案内や一次面接のお知らせなども一度の操作で終わり、採用業務の効率は一気に上がります。ただ、お知らせを送りすぎると不快に感じてブロックされてしまう可能性もあります。一斉配信の送信回数は、多くても週に1度にとどめるのがいいでしょう。

続いて②のタイムライン。これはFacebookのタイムラインと同様、リアルタイムに投稿できるページです。例えば、社内で行われたイベントの様子や、社員が生き生きと働いている姿など、活気のある雰囲気を写真で“魅せる”ことで求職者の目に留まりやすくなります。プロが撮った映える写真はかえって現実味がなくなるので、よりリアルな写真のほうがおすすめです。こちらは、更新頻度が高くてもOKです。

そして③のチャット。このチャットこそ、中小企業の採用に最も活かしやすい、重要な機能になります。

個別チャットを使うことで、求職者との関係性が密に

チャットとは、個人のLINEでいう「トーク」のことで、相手と個別にやり取りができる機能です。採用プロセスの中で「連絡ツール」として使うことで、求職者及び応募者と直接つながり、関係性を深められるだけでなく、時間短縮になるメリットがあります。

今、学生をはじめとする若い世代はLINEなどのチャットを使ったコミュニケーションが主流で、メールを送るという習慣がほとんどありません。企業にメールを一本送るにも、件名や冒頭の挨拶文をどう書いていいのだろうとまず書き方に苦心し、ためらってしまう傾向があります。

電話も同様です。会話はほぼチャットで完結できることから、電話をかける機会も格段と減り、知らない番号からかかってきた場合には警戒して出ないという人も多いです。

これは若い世代に限ったことではありません。チャットでのコミュニケーションがすっかり浸透している30~40代の求職者も応募先企業にいきなりメールや電話をするのは、躊躇してしまうものです。

そこで、もし企業側から「採用に関するご質問がありましたら、ぜひお気軽にLINEでご連絡ください」とアナウンスがあったらどうでしょう。「LINEに登録して連絡してみようかな」とアクションにつながりやすくなりますし、面接などの選考日程もLINEでスムーズにやり取りができれば、好感度がグッと上がります。

相手が返信をしやすい「投げかけ」をすることが肝心

しかし、企業のLINE公式アカウントで個別チャットをするには一つハードルがあります。それは公式アカウントに友だち登録してもらっただけでは、双方向のやり取りができないということです。つまり、初回のみ相手(学生や求職者)側から何かしらの返信がないと個別のコミュニケーションを始めることができないのです。

ただ、これには裏技があります。LINE公式アカウントと連携するクラウド上のシステムを導入することで、相手からの返信がなくても誰が登録したのかがわかり、企業側から個別にメッセージを送ることができます。このクラウドシステムについては本書でご紹介していますので、参考にしていただけたらと思います。

システムの導入にあたっては当然、費用がかかります。そのため、まずは費用をかけずにチャレンジするなら、相手側から返信をしてもらえるような「投げかけ」をすることから始めてみるといいでしょう。

効果的なのは、LINEに登録してくれた学生や求職者に向けて、アンケートやクイズ形式で投げかけることです。例えば「弊社で新たにイベントを企画中です。現在、このイベント名を考えていますが、AとB 、どちらが良いでしょうか? よかったらご意見を聞かせてください」といった、答えやすい投げかけです。

ほかにも「〇月に会社説明会を企画していますが、Zoomを使ったオンライン説明会と現地での対面の説明会、どちらが良いでしょうか?」などとアンケートを募るのもいいかもしれません。

このような形で、相手が返しやすい球を投げることが肝心です。返信が来たら、少なくとも自社に関心を持ってくれているということ。そこから双方のキャッチボールを続けることで、自社の魅力が伝わり、応募への流れが生まれるでしょう。

いち早くLINE採用を始めて、先行者優位を手に入れよう

先ほども申し上げましたが、個別チャットこそ、中小企業が採用に成功する上では鍵になります。というのも、応募者数が多い大企業があまり活用できていない「チャット」というツールを使うことによって、一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションが可能となるからです。

実際、冒頭に紹介した企業のほかにも、「説明会の無断キャンセルがなくなった」「内定承諾率が2倍に増えた」など、応募者へのきめ細やかなフォローによって成果を上げている中小企業が続々と出てきています。

もちろん、LINEを使っただけで採用がうまく行く、というわけではありません。自社の採用サイトを充実させたり、Twitter、FacebookなどのSNSやYouTubeを使って発信したりと、認知度を高める工夫も大切です。こうして情報の窓口を増やすことで、LINEへの登録を促すことにもつながります。

自社の採用サイト、他のSNS、LINEの「合わせ技」が採用成功の強力な後押しになりますし、本書でもそれぞれの活用法について詳しくお伝えしていますので、チェックしていただけたらと思います。

インターネットでのエントリーが当たり前になったように、今後はLINEを使った採用がスタンダードになっていくでしょう。今はまだLINE採用を行っている企業は少数であり、介護業界でも活用している企業はごくわずかです。一歩先んじて始めるメリットが大きいことは間違いありません。

本書ではLINE公式アカウントの利用が初めての方にもわかりやすいよう、具体的なノウハウをたっぷりとお伝えしています。ぜひ採用にお役立ていただけたらうれしいです。

プロフィール:斎藤 元有輝

岡山県倉敷市出身。関西学院大学卒。LINEコンサルタント。株式会社サイトウジムキ代表取締役。LINEビジネス活用の専門家として日本経済新聞社での講演や資生堂での研修をはじめ、講演・研修、テレビ出演など幅広く活躍。LINEビジネスセミナーでは通算200回ほど登壇、国内でトップクラスの実績を誇る。著書に『LINE@活用術』があり、Amazon2部門で1位を獲得。自らも中小企業の三代目社長として、「全国の中小企業を元気にしたい」というミッションのもと精力的に活動。

取材・文/伯耆原良子

書籍情報

『LINE採用革命! LINEを使えば御社の採用人数を2倍に増やせます!』
著者:斎藤 元有輝
出版社:スタンダーズ
発売日:2020年7月30日
定価:1500円+税

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