第25回 精神保健福祉士国家試験の過去問と解答(2023年2月4日・5日実施)

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第25回 精神保健福祉士国家試験の過去問と解答(2023年2月4日・5日実施)

第25回 精神保健福祉士国家試験(2023年2月4日・5日実施)の過去問題と解答をご紹介します。

過去問:第25回 精神保健福祉士国家試験 解答(2023年2月実施)

精神疾患とその治療

問1 問2 問3 問4
5 3 3 2
問5 問6 問7 問8
5 3 2,5 1
問9 問10
1,4 2

精神保健の課題と支援

問11 問12 問13 問14
1 5 4 1
問15 問16 問17 問18
2 3 2 4
問19 問20
1,3 5

精神保健福祉相談援助の基盤

問21 問22 問23 問24
2,5 3 1 1,2
問25 問26 問27 問28
2 1,3 4 5
問29 問30 問31 問32
3,5 4 2 2
問33 問34 問35
3,5 4 1

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問36 問37 問38 問39
1 5 3 4
問40 問41 問42 問43
3 4 2 3,4
問44 問45 問46 問47
1 3 1,4 5
問48 問49 問50 問51
2 5 1,4 2
問52 問53 問54 問55
2 5 1 3
問56 問57 問58 問59
4 5 4 1,3
問60
3

精神保健福祉に関する制度とサービス

問61 問62 問63 問64
2,4 1,4 2,3 5
問65 問66 問67 問68
4 2 5 3
問69 問70 問71 問72
4 1 3 1

精神障害者の生活支援システム

問73 問74 問75 問76
3,5 3 4 5
問77 問78 問79 問80
1 5 1,2 4

人体の構造と機能及び疾病

問1 問2 問3 問4
5 4 2 1
問5 問6 問7
3,4 3 2

心理学理論と心理的支援

問8 問9 問10 問11
5 4 3 3
問12 問13 問14
2 1 2

社会理論と社会システム

問15 問16 問17 問18
5 2 2 4
問19 問20 問21
3 4 1

現代社会と福祉

問22 問23 問24 問25
5 4 3 1
問26 問27 問28 問29
5 3 1 5
問30 問31
1 2

地域福祉の理論と方法

問32 問33 問34 問35
4 2 3 1,3
問36 問37 問38 問39
5 3 1 2
問40 問41
5 4

福祉行財政と福祉計画

問42 問43 問44 問45
5 1 3 2
問46 問47 問48
1,4 3 4

社会保障

問49 問50 問51 問52
1 3 2 1
問53 問54 問55
4 5 2

障害者に対する支援と障害者自立支援制度

問56 問57 問58 問59
4 1,5 1,3 2
問60 問61 問62
1 4 3

低所得者に対する支援と生活保護制度

問63 問64 問65 問66
4 5 1 2
問67 問68 問69
5 5 2,3

保健医療サービス

問70 問71 問72 問73
2 1 4 4
問74 問75 問76
5 3,5 なし

権利擁護と成年後見制度

問77 問78 問79 問80
4 1,2 2 2
問81 問82 問83
4 3 5

第25回 精神保健福祉士国家試験の合格基準点(1問1点)

101点/163問

第25回 精神保健福祉士国家試験 過去問題(2023年2月実施)

精神疾患とその治療

問題1

次のうち、1995年(平成7年)の「精神保健福祉法」への改正の内容として、正しいものを1つ選びなさい。

1 通院医療費公費負担制度の新設

2 任意入院制度の新設

3 精神医療審査会制度の新設

4 保護者制度の廃止

5 精神障害者保健福祉手帳制度の新設

(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

問題2

次のうち、神経性大食症の患者に認められる、過食に対する不適切な代償行為として、正しいものを1つ選びなさい。

1 虚言

2 睡眠薬の大量服薬

3 緩下剤乱用

4 ネット依存

5 リストカット

問題3

次のうち、統合失調症の陰性症状として、正しいものを1つ選びなさい。

1 言葉のサラダ

2 貧困妄想

3 感情鈍麻

4 作為体験

5 思考抑制

問題4

うつ病で入院中の患者が、「私はがんにかかっていて死ぬのを待っているだけだ」と訴えている。身体的な検査をしたところ、特に異常はなく、がんの所見は認められなかった。

次のうち、患者にみられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。

1 妄想気分

2 心気妄想

3 注察妄想

4 罪業妄想

5 関係妄想

問題5

次のうち、ほかの精神疾患よりも、アルツハイマー型認知症を疑う症状として、正しいものを1つ選びなさい。

1 微小妄想

2 妄想知覚

3 観念奔逸

4 連合弛緩

5 物盗られ妄想

問題6

次のうち、強迫性障害に最もよくみられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。

1 対人恐怖

2 解離

3 儀式行為

4 幻嗅

5 パニック発作

問題7

次のうち、認知症のスクリーニングに有用な心理検査として、適切なものを2つ選びなさい。

1 文章完成テスト

2 ミニメンタルステート検査

3 ウェクスラー成人知能検査

4 ミネソタ多面人格テスト

5 改訂長谷川式簡易知能評価スケール

問題8

次のうち、認知行動療法に関連の深い人物として、正しいものを1つ選びなさい。

1 ベック(Beck, A.)

2 ユング(Jung, C.)

3 ソーンダイク(Thorndike, E.)

4 ロジャーズ(Rogers, C.)

5 カルフ(Kalff, D.)

問題9

統合失調症の維持期における治療に関する次の記述のうち、適切なものを 2つ選びなさい。

1 医療者は、患者と治療のゴールや内容について話し合い、決定できるよう支援する。

2 抗精神病薬の服用は、患者本人の判断に委ねる。

3 入院による治療を優先的に行う。

4 患者の再発予防のため、家族への心理教育を行う。

5 病状悪化のきっかけになるので、患者が希望しても就労はしないよう助言する。

問題10

Aさん(20歳、男性)は、両親と兄の4人家族である。Aさんは、3か月前から自室で独り言をつぶやきながら、くぎを壁に抜き差しするなどの奇異な行動があった。母親に注意されると、「テレパシーが送られてきた。『やめたらお前の負けだ』という声が聞こえてくる」と言い、夜間も頻回に行っていた。

また、過去には、母親が早く寝るように言うと、殴りかかろうとしたこともあった。Aさんは、次第に食事や睡眠が取れなくなり、父親と兄に伴われ、精神科病院を受診した。Aさんは、父親と精神保健指定医による入院の勧めに同意した。

次のうち、この場合の入院形態として、正しいものを1つ選びなさい。

1 措置入院

2 任意入院

3 医療保護入院

4 緊急措置入院

5 応急入院

精神保健の課題と支援

問題11

次のうち、青年期の発達課題は、同一性(アイデンティティ)の確立に特徴づけられると規定した人物として、正しいものを1つ選びなさい。

1 エリクソン(Erikson, E.)

2 カプラン(Caplan, G.)

3 ピアジェ(Piaget, J.)

4 フロイト(Freud, S.)

5 ハヴィガースト(Havighurst, R.)

問題12

市の保健センターに勤務するB精神保健福祉士は、同僚の保健師から、「訪問に行っていると、家族も含めて、ストレスへの対処の仕方が分からない人がそれなりにいるんです。住民の皆さんにストレス対処についての正しい知識を知ってもらう必要があると思います」と聞いた。

このため、センターとして一般住民向けにストレス対処に関する普及啓発用のパンフレットの作成に取り組むことにした。

次のうち、この取組の考え方として、適切なものを1つ選びなさい。

1 ユニバーサルデザイン

2 第二次予防

3 ハイリスクアプローチ

4 支持的精神保健

5 ポピュレーションアプローチ

問題13

グリーフケアに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 遺族が悲しみを表現してから開始する。

2 故人への怒りの感情を表出しないよう助言する。

3 傾聴よりも励ますことが重視されている。

4 悲嘆は正常な反応であることを伝える。

5 故人のことを早く忘れるよう働きかける。

問題14

次のうち、不登校児童生徒の社会的自立に資する相談・指導を行う目的で教育委員会等が設置するものとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 教育支援センター

2 児童自立支援施設

3 地域若者サポートステーション

4 児童相談所

5 放課後児童クラブ

問題15

次の記述のうち、労働と精神保健に関連する法律の説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度で高ストレス者と判定された労働者には、医師による面接指導を受ける義務がある。

2 過労死等防止対策推進法が規定する過労死等の原因には、精神障害が含まれている。

3 「男女雇用機会均等法」は、妊娠中及び産後の危険有害業務の就業制限を規定している。

4 健康増進法は、事業者に対してパワーハラスメント防止のための措置を講じなければならないと規定している。

5 労働契約法では、国が労働者の心の健康の保持増進のための指針を策定することが規定されている。

(注) 「男女雇用機会均等法」とは、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」のことである。

問題16

N県で大規模災害が発生したことから、P県に勤務するC精神保健福祉士に対し、その担当部署より被災地支援チームの一員として参加するよう要請がなされた。

当該支援チームの主な活動内容は、急性期の精神科医療ニーズへの対応、精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援である。C精神保健福祉士は国が認めた専門的な研修・訓練も受け、同チームの構成メンバーとして登録されている。

次のうち、このチームの名称として、正しいものを1つ選びなさい。

1 DHEAT

2 DMAT

3 DPAT

4 DWAT

5 JMAT

問題17

次のうち、第2期アルコール健康障害対策推進基本計画において、わが国で増加傾向にあることが示されているものとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 飲酒習慣のある男性の割合

2 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している女性の割合

3 20歳未満の者の飲酒の割合

4 妊娠中に飲酒している女性の割合

5 酒類の販売(消費)数量

問題18

次のうち、グループホーム等の新設に際して地域住民から反対運動が起こることを意味する用語として、正しいものを1つ選びなさい。

1 異文化間コンフリクト

2 バリアフリー・コンフリクト

3 接近-接近コンフリクト

4 施設コンフリクト

5 ロール・コンフリクト

問題19

日本いのちの電話連盟に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 フリーダイヤル相談を行う。

2 自殺対策基本法の成立を受けて創設された。

3 一般市民への自殺予防に関する普及啓発事業を行う。

4 ひきこもり専門のデイケア事業を行う。

5 訪問介護事業を行う。

問題20

次の記述のうち、「WHOの手引き」で推奨されている、自殺が生じた際の責任ある報道の在り方として、正しいものを1つ選びなさい。

1 報道記事を目立つところに配置する。

2 発生した場所の詳細を伝える。

3 自殺がよくある普通のこととみなす言葉を使う。

4 用いられた手段を明確に表現する。

5 どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供する。

(注) 「WHOの手引き」とは、「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2017年最新版」のことである。

精神保健福祉相談援助の基盤

問題21

次のうち、2010年(平成22年)の精神保健福祉士法改正で精神保健福祉士の義務等に、新たに設けられたものとして、正しいものを2つ選びなさい。

1 信用失墜行為の禁止

2 資質向上の責務

3 名称の使用制限

4 秘密保持義務

5 誠実義務

問題22

次の記述のうち、社会福祉士及び介護福祉士法制定の背景として、適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉基礎構造改革の議論が行われ、個人の多様な需要に対し、地域での総合的な支援のための人材が求められた。

2 障害福祉サービスにおいて、ケアマネジメントを用いた生活支援を展開するための人材が求められた。

3 増大する介護需要に対応するために、老人、身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。

4 福祉三法が整備される中、各都道府県等に社会福祉行政を担当する人材を配置することが求められた。

5 高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を営めるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進する人材が求められた。

問題23

次の記述のうち、ソーシャルワーカーのコーディネーターとしての役割を説明するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 クライエントの生活を支援するために、専門職間の連携を図り、連絡調整を行う。

2 クライエント自身が問題を解決することを可能にするため、側面的援助を行う。

3 クライエントの問題解決に向けて、クライエントに自発的、能動的な行動を促す。

4 クライエントの権利擁護のために交渉し、クライエントを保護する。

5 クライエントの生活問題を把握・分析し、福祉サービスの課題を明らかにする。

問題24

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)におけるソーシャルワークに関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 実践に基づいた専門職であり学問である。

2 原理の一つに社会正義がある。

3 集団的権利ではなく個人の権利を尊重する。

4 西洋の諸理論を基準に展開される。

5 「人々とともに」ではなく「人々のために」働くという考え方をとる。

(注) 「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは、2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。

問題25

相談援助の理念に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 自立支援とは、不十分な生活スキルを訓練して克服し、地域での暮らしを可能にするための実践的理念をいう。

2 ノーマライゼーションとは、障害者が地域において普通の生活を営むことが、当たり前である社会をつくる理念をいう。

3 ハームリダクションとは、罪悪感に働きかけて薬物を断つ動機を高めることを目指す支援理念をいう。

4 ボランタリズムとは、国や行政による福祉サービスの恩恵を自発的に受けて自立を実現する理念をいう。

5 ソーシャルイクオリティとは、信頼・規範・ネットワークという人々の協調行動を重視した活動の理念をいう。

問題26

相談援助過程におけるインテークに関する次の記述のうち、適切なものを 2つ選びなさい。

1 面接は複数回に及ぶ場合がある。

2 クライエントとの契約から始まる。

3 クライエントの主訴を明確化する。

4 クライエントと一緒に援助計画を考える。

5 ラポール形成にこだわらずに多くの情報を収集する。

問題27

次の記述のうち、精神科医療機関に勤務する専門職が患者に対して行う業務として、正しいものを1つ選びなさい。

1 公認心理師は、主治医の指示がなくても心理検査や心理療法を実施することができる。

2 薬剤師は、医師等の処方箋に疑わしい点がある場合には、自身の判断で調剤変更することができる。

3 看護師は、薬剤の投与や採血、創部の処置などを、医師の指示なく、自身の判断で行うことができる。

4 作業療法士は、医師の指示の下に、社会的適応能力等の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることができる。

5 精神保健指定医は、入院患者に対し、信書の発受を制限することができる。

問題28

次の記述のうち、精神保健福祉士が行う権利擁護における発見機能として、適切なものを1つ選びなさい。

1 生活費の管理に課題を抱えるクライエントに対し、日常生活自立支援事業の活用を促す。

2 退院後に単身生活を控えているクライエントに対し、アパートの物件情報を提供する。

3 ソーシャルワークの理念と組織・制度の問題を結び付けるために、クライエント集団と地域福祉政策とを結び付ける。

4 市民を対象とした精神保健福祉講座の運営を通して、精神障害に対する理解を求める。

5 長期入院にあるクライエントに対し、地域生活のイメージを描けるような働きかけを行う。

問題29

Dさん(43歳、女性)は、ひきこもり経験を経て、一人暮らしをしながらU精神科クリニックに通院している。U精神科クリニックのE精神保健福祉士は、Dさんの今後の生活について継続して相談に乗っていた。

最近Dさんは通院しておらず、気になったE精神保健福祉士が自宅を訪問してみると、Dさんは横になっており,右足首がギプスで固定されていた。Dさんは、「骨折して入院し、退院してから歩くには松葉づえが必要で、通院だけでなく買物もおっくうになっています」と話した。

食卓の上には薬が入ったままの薬袋が幾つか置かれていた。E精神保健福祉士は現在の状況を踏まえ、連携する機関を考えた。

次のうち、連携する機関として、適切なものを2つ選びなさい。

1 ひきこもり地域支援センター

2 地域活動支援センター

3 訪問看護ステーション

4 精神科病院

5 障害者相談支援事業所

(精神保健福祉相談援助の基盤・事例問題1)

次の事例を読んで、問題30から問題32までについて答えなさい。

〔事 例〕

Fさん(41歳、女性)は、会社員として働いていた25歳の時にW精神科病院を受診し、うつ病と診断された。その後、幾つか通院先を変え、1年前からV精神科クリニックに通っている。ある日、FさんはV精神科クリニックのG精神保健福祉士(以下「Gワーカー」という。)に障害年金の申請に関する相談をした。Fさんとの面接の中で、母親とH社会保険労務士(以下「H社労士」という。)が、申請の手続を進めようとしていることが分かったが、Fさんは、「申請が必要なのか悩んでいるんです」と語った。そこでGワーカーは、「Fさんとお母さんの考えを出し合ってよく話し合いましょう」と話しかけた。(問題30)

その後、障害年金の申請について、主治医を交えて四者で面談するために、FさんとH社労士が来院した。面談の中でH社労士は、経済的な基盤ができることが最重要ではないかと発言し、主治医は、継続的な受診が必要で、年金を受給できる状態であると述べた。面談の間、Fさんは押し黙ったままであり、GワーカーはFさんの受給に対する意向や考えを明確にすることが大切だと考え、「Fさんはどう思いますか」と尋ねたところ、「ずっと、迷っています」とつぶやいた。そこでGワーカーは、「Fさんの障害年金に対する思いを皆で詳しく聞いてみませんか」と提案した。(問題31)

四者での面談から2週間ほど経過した後、GワーカーはFさんに改めて意向を確認した。「母は今後の生活を考え申請を勧めてくるが、障害者として生きていくということですよね」と話し始め、病気にならなければ違った人生になったかもしれないという思いが語られた。そこでGワーカーは、Fさんに、同じ病気を経験した人と交流できる場を紹介した。交流の場に参加したFさんは、参加者が自分の人生を前向きに捉えており、その場での経験がFさんにとって、将来を考えるきっかけとなった。この体験を通しFさんは、障害年金の申請を自分の権利として積極的に捉えるようになった。この考え方の変化をGワーカーへ伝え、早速、H社労士にも連絡を取り、受診歴や初診時の年金加入条件等を調べてもらうことにした。(問題32)

問題30

次のうち、この時点でのFさんの揺らぎに焦点を当てたGワーカーの声かけの根拠となるソーシャルワークの価値として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自己覚知

2 人間の社会性

3 自己実現

4 変化の可能性

5 パーソナリティの発達

問題31

次の記述のうち、この段階でのチームビルディングの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 チームの目標づくりを目指し、同時に各メンバーの役割について話し合う。

2 メンバーが集まり、各自の情報が交換され相互理解を図る。

3 メンバーそれぞれが振り返り作業を行い、その体験を整理する。

4 相互の信頼が醸成され、タスク達成に向けて実践する。

5 メンバー間の考え方の相違が明らかになり、役割に関する対立が表面化する。

問題32

次のうち、事例を通してGワーカーが行ったFさんへの支援の焦点として、適切なものを1つ選びなさい。

1 父権主義の尊重

2 障害の受容

3 社会的役割の確立

4 不正義の解消

5 社会的復権の実現

(精神保健福祉相談援助の基盤・事例問題2)

次の事例を読んで、問題33から問題35までについて答えなさい。

〔事 例〕

Jさん(55歳、男性)は、高校生の時に統合失調症を発症したが、今は病状も落ち着き、通院しながらアパートで一人暮らしをしている。Jさんは、3年ほど前から、K精神保健福祉士が勤めている地域活動支援センターで週に1~2日過ごしているほか、昨年からは月に1度保健所で開かれている「精神保健福祉を考える集い」(以下「集い」という。)に参加している。「集い」では精神障害当事者のほか、病院や地域の精神保健福祉士や地域住民など20名ほどが集まり、その月の出来事などを語り合っている。「集い」の代表は統合失調症を経験したLさんであり、「集い」の運営や事務を行っている。人との交流の少ないJさんにとってはいろいろな人と出会う大切な機会となっている。ある日、K精神保健福祉士は暗い表情をしたJさんから、「Lさんが県外に転居することになった。Lさんがいなくなったら『集い』はどうなってしまうのだろう」と消え入るような声で相談を受けた。(問題33)

Lさんの転居後約1年の間に、様々な広報活動の効果もあり、「集い」は精神障害当事者の参加が増え、病気を抱えながら生活する日々の出来事が前向きに捉え直されたり、元気づけられたり、また地域住民との間で共有される場面が多くなった。やがて「集い」には精神科病院から、「ここで話されているようなことを入院中の方とも話してほしい」という依頼が来るようになった。Jさんも数回精神科病院で入院中の方と話をした。ある日JさんはK精神保健福祉士に、「入院中の方に退院後の生活や自分の体験を話すことで自分が人の力になれるように感じた。精神科病院を訪問した仲間たちの間で、『このような活動を続けるために精神障害当事者の会を立ち上げたい』と話しているので相談に乗ってほしい」と伝えた。(問題34)

K精神保健福祉士は、地域活動支援センターで一人静かに時を過ごし、「集い」に参加し始めた頃のJさんを思い出し、「Jさんは変わられましたね」と声をかけた。(問題35)

問題33

次の記述のうち、この時のK精神保健福祉士の対応として、適切なものを 2つ選びなさい。

1 Jさんに、Lさんの後を継ぐように勧める。

2 JさんのためにLさんに連絡を取り、方針を決めてもらう。

3 Jさんの「集い」に対するこれまでの気持ちを聞き取る。

4 Jさんのために「集い」に参加し「集い」が継続するように、力を尽くす。

5 Jさんに、他の参加者と一緒に「集い」のこれからを考えていけるよう促す。

問題34

次のうち、Jさんたちが始めようとしている会の活動として、適切なものを1つ選びなさい。

1 コンサルテーション

2 スーパービジョン

3 ソーシャルアクション

4 ピアサポート

5 アファーマティブアクション

問題35

次のうち、K精神保健福祉士の発言の背景にある考え方として、適切なものを1つ選びなさい。

1 リカバリー

2 コ・プロダクション

3 コンピテンス

4 ライフヒストリー

5 ワーカビリティ

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問題36

 次の記述のうち、第二次世界大戦後のアメリカの精神保健福祉に関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 クラブハウスモデルとしてファウンテンハウスが設立された。

2 精神科病院中心の医療からセクター制度への転換が進められた。

3 法律第180号を制定して公立精神科病院の閉鎖を国の政策とした。

4 精神科サバイバー・ネットワークがオヘイガン(O’Hagan, M.)らによって立ち上げられた。

5 「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」が公表された。

問題37

次の記述のうち、エンパワメントに関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 障害者が差別されず、社会の中に組み入れられていくこと。

2 専門家による最小限の介入で、自分の選んだ環境で落ち着き、満足できるようにすること。

3 逆境や困難を克服することで強化される、人間に本来備わっている復元力のこと。

4 人々がお互いに責任を果たすことで、個人の権利が日常レベルで実現されること。

5 社会的に不利な状況に置かれた人が、自己決定能力を高め主体的に行動できるようになること。

問題38

精神科病院に医療保護入院しているMさん(30代、女性)は、A退院後生活環境相談員の支援を受け、退院後の生活についてイメージを育んできた。そのような中、Mさんの退院支援委員会が開催され、Mさんも参加した。そこで、主治医より、退院に向けた今後の治療方針が説明された。Mさんは不安なことや確認したいことについてA退院後生活環境相談員のサポートを受けながら、治療プログラムの理解を深めた。その後、Mさんは治療プログラムに主体的に取り組み始めた。

次のうち、Mさんの主体的な取組を表す用語として、適切なものを1つ選びなさい。

1 インフォームドコンセント

2 アカウンタビリティ

3 アドヒアランス

4 コンプライアンス

5 シェイピング

問題39

次の記述のうち、精神保健福祉士が退院支援をしているクライエントから、「俳優になりたい」と聞いたとき、プランニング段階での関わりとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 症状の安定に努め、俳優のことは退院後に検討することを伝える。

2 過去の職歴を聞き、合っている仕事は何か一緒に検討する。

3 病棟での患者ミーティングの司会を担って、人前で話すことに慣れるよう勧める。

4 俳優になるために何が必要かを話し合う。

5 入院中にオーディションを受けられるよう調整する。

問題40

解決志向アプローチに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 解決を要する問題行動の生じる頻度を測定する。

2 問題に対するこれまでの対処方法は用いず、新しい方法を提案する。

3 問題が解決した場合の状況について質問する。

4 専門的知見から、問題解決のイメージを提案する。

5 問題を解決するために、直接的な原因を追究して除去する。

問題41

地域アセスメントに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 介入を行い、地域の変化を観察する。

2 提供したサービスの効果を評価する。

3 地域で生活する精神障害者のもとへ出向いて働きかける。

4 地域における潜在的な資源力を把握する。

5 地域課題に対する援助を所属する機関で行えるか否かを判断する。

問題42

次のうち、相談援助過程におけるモニタリングとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 援助関係の契約

2 支援の進捗状況や適切性の確認

3 支援ネットワークの形成

4 相談援助過程の総括

5 ニーズの背景を分析

問題43

B精神保健福祉士は、精神科デイ・ケアで自立生活に関する学習会を担当している。5回目のテーマは前回に続き「互いの経験から学ぶ」である。参加者Cさんが、「私は病気になって、自分なんて価値がないと思っていたけど、今は生きていていいと思えるようになりました」と話した。すると参加者Dさんが、「でもやっぱり、なんで病気になったんだろう」とつぶやいた。

B精神保健福祉士はDさんの気持ちを受け止めて、Cさんに、「なぜそう思えるようになったのですか」と発言を促した。Cさんは、「前回、生き生きと自分の体験を語っていた人の話を聞いたことがきっかけですね」と話した。するとDさんが、「僕もあのように堂々と生きていきたいなって思った」と語った。

次の記述のうち、B精神保健福祉士の促しによって、グループに生まれた効果として、適切なものを2つ選びなさい。

1 生活に必要な生きた情報が共有される。

2 社会的に必要なスキルを身に付ける。

3 他者の乗り越えた体験を知り希望を抱く。

4 自分だけの問題ではないという安心感を得る。

5 他者への関わりの結果から対人関係について学ぶ。

問題44

障害者就業・生活支援センターに相談に来所したEさんは、これまで就職しては半年以内に退職することを繰り返していた。Eさんは、「いつも今度こそは長く続けようと思って仕事をするんですが、疲れてしまって、うまくいかないんです。仕事が続かない自分はだめなんです」と話した。F精神保健福祉士は気持ちを受け止め、「Eさんは、諦めずに何度も仕事に挑戦されていますよね」と話した。

次のうち、F精神保健福祉士の用いた技法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 リフレーミング

2 アサーション

3 リンケージ

4 リフレクティング

5 ストレス・インタビュー

問題45

Gさんの精神科病院での精神保健福祉援助実習は、中盤に差し掛かっている。この日、デイケアでは統合失調症のメンバーを対象とした社会生活技能訓練を行い、Gさんはコ・リーダーを担った。ロールプレイの場面でGさんは、それまでずっと発言しなかったメンバーHさんに対し、「今の場面で良かったところはどこですか」と発言を促した。すると、Hさんは何も言わずに怒った様子で部屋を出ていってしまった。

その様子を見たGさんは、何も言えずにぼう然としてしまい、その後のコ・リーダーとしての役割ができなくなった。夕方の振り返りでGさんは、「うまくできなくて、Hさんを怒らせてしまった。実習を続けていけるだろうか。精神保健福祉士には向いてないかも」と実習指導者Jさんに涙ぐみながら話した。

次の記述のうち、この場面で実習指導者JさんがGさんに行う実習スーパービジョンにおける発言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「今後はHさんと少し距離を置くようにしましょう」

2 「Hさんの行動は症状からくるものだから、大丈夫ですよ」

3 「ロールプレイ時の状況を振り返って、Gさんの行動を確認してみませんか」

4 「Gさんの担当教員に実習中断の連絡をしておきます」

5 「社会生活技能訓練をもう一度学ぶために課題を出します」

問題46

Kさん(65歳)は、精神科病院に入退院を繰り返していたが、両親が他界してからは入院が数年続いている。現在は精神症状が軽減しており、病棟でも落ち着いて過ごしている。そこで、指定一般相談支援事業所のL精神保健福祉士も参加して地域移行に向けたケア会議が開かれた。Kさんは、「自分のような長期入院者が退院できるのか」「初めての一人暮らしで不安だ」「日中はどう過ごせばいいのか」「家事や日常生活での金銭管理に自信がない」と話した。

次のうち、この時のL精神保健福祉士がKさんに提案した内容として、適切なものを2つ選びなさい。

1 ピアサポーターとの交流

2 就労継続支援A型事業所への通所

3 障害福祉サービスによる療養介護の利用

4 グループホームでの宿泊体験

5 成年後見制度の利用

問題47

次のうち、行政の精神保健福祉士が企画する精神障害者の生活上の困りごとを理解するための民生委員研修として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 精神科医による精神疾患の病因と症状に関する講義

2 行政職員による「精神保健福祉法」についての講義

3 精神科医による薬物療法の効果と副作用についての講義

4 民生委員の大変さを分かち合うグループワーク

5 小グループでの精神障害のある当事者との話合い

(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

問題48

精神障害者のケアマネジメントに関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。

1 精神保健福祉士が示した方針に基づき立案する。

2 社会資源の調整、改善及び開発を行う。

3 治療目標に沿って計画を作成する。

4 単一のサービス利用者を対象にする。

5 家族の同意を得てから実施する。

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題1)

次の事例を読んで、問題49から問題51までについて答えなさい。

〔事 例〕

Mさん(30歳、男性)は、高校3年生の時に統合失調症を発症した。その後、服薬を中断し、幻聴によって大声を出し、騒ぎになっては入院することが度々あった。25歳の時に高校の同窓会の案内が届いた。高校の同級生は皆大学を出て働いており、このままでは同窓会に出られないと思い、治療を受け続ける覚悟を決めた。そして、病気で受験を諦めていたが、大学に入学し、卒業後に同級生と同じように就職したいと思うようになった。それからMさんは、服薬を継続し、予備校に通い受験勉強に取り組んだが、模擬試験で思うような成績が得られず、焦りから両親への八つ当たりが増えた。ある日、Mさんは通院先の医療相談室のA精神保健福祉士に、「両親から『受験をやめてはどうか』と言われてしまった。大学には絶対行きたいが、再発して入院にならないか心配だ」と相談してきた。(問題49)

Mさんは2年後に大学に入学することができ、入学後間もなく学生支援室のBキャンパスソーシャルワーカー(以下「Bワーカー」という。)を訪ね、心配事の相談をした。Mさんは、「聞きたいことを先生にうまく伝えられない」「授業のグループディスカッションは、参加したいのに緊張して議論に加われず、休みがちになった」「頑張って同級生に話しかけても、うまくいかず自信をなくした」「関心のある授業を取りすぎたせいか、夕方の授業は疲れて内容が頭に入らない」と語った。(問題50)

その後、MさんはBワーカーの支援を受け、体調の波と付き合いながらも単位を取得し、卒業の目途がついた4年次には企業のインターンシップに参加した。しかし、緊張もあって社員の指示が理解できず、簡単な書類作成をミスするなど失敗を重ね、中断となってしまった。相談を受けたBワーカーは、一緒にインターンシップの経験を振り返り、ミスを繰り返しても人に聞けなかったが、慣れるまで時間がかかるもののパソコン作業は正確にこなせることが分かった。Mさんは、「パソコン作業の仕事に就きたいが、病気があり、自信がない。学生生活やインターンシップと同じようになるのではないか。会社には相談できる場はないし」と話した。(問題51)

問題49

次の記述のうち、この時のA精神保健福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 再発が心配なため、大学受験を先延ばしにするよう勧める。

2 両親に心配をかけないよう、ひそかに受験勉強することを提案する。

3 服薬を忘れないように服薬管理を両親に依頼する。

4 Mさんが行きたい大学のオープンキャンパスの参加を勧める。

5 一緒にクライシスプランを作成することを提案する。

問題50

次の記述のうち、この時のBワーカーの支援として、適切なものを2つ選びなさい。

1 同級生に話しかける場面を設定し、ロールプレイを行う。

2 グループディスカッションを免除してもらうよう教員に働きかける。

3 卒業を最優先と考え、出席するよう励ます。

4 履修状況を確認し、必要な見直しを行う。

5 授業後に聞きたい点について、Mさんの代わりに教員に聞きに行く。

問題51

次の記述のうち、この後のBワーカーの支援として、適切なものを1つ選びなさい。

1 緊張を克服できるように、アルバイトを幾つもやってみることを勧める。

2 就職時のジョブコーチの利用について情報を提供する。

3 パソコンスキル向上のために、就労移行支援事業所につなげる。

4 自信を付けるために、就労継続支援B型事業所の利用を提案する。

5 事務に限らず、営業や販売などにも広げて就職活動することを勧める。

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題2)

次の事例を読んで、問題52から問題54までについて答えなさい。

〔事 例〕

Cさん(25歳、男性)は、19歳の時に友人に勧められて覚醒剤を使用し、警察に逮捕され、その後、保護観察処分を受けた。保護観察期間が終わってからは、その友人とも距離を置き、就職して23歳の時に結婚して子どもも生まれた。ところが新しい上司との相性が悪く、ミスを叱責されたことから口論となって仕事を辞め、再び覚醒剤を勧めた友人と会うようになった。働かずブラブラしているCさんをみた妻は、子どもを連れて家を出てしまった。Cさんは、失意と孤独から抑うつ状態に陥り、覚醒剤を再使用したいという欲求にかられ、精神科クリニックを訪れた。診察した医師はクリニックで実施しているSMARPP(せりがや覚せい剤依存再発防止プログラム)への参加を勧め、担当のD精神保健福祉士がプログラム導入のための面接を行った。Cさんは、面接室に座るなり、「保護観察の時にも更生プログラムを受けた。本当に効果があるんですか」と疑心暗鬼な様子で尋ねた。D精神保健福祉士はCさんがクリニックに来たことをねぎらい、面接を始めた。(問題52)

Cさんは,D精神保健福祉士との面接を経て,プログラムに参加することになった。プログラムを始めたばかりのCさんは,身体もつらそうで緊張した面持ちだったが,「妻からは,『覚醒剤を勧めた友人と縁を切って,働くようになったらまた一緒に暮らしても良い』と言われた。頑張って妻と子どもに回復した姿を見せたい」と週1回の参加を続けた。4週目には,薬物の再使用の「引き金」について考えるプログラムに参加した。Cさんは自分の「引き金」が対人関係のつまずきと考え,D精神保健福祉士やほかのメンバーと一緒にその対処方法について確認した。(問題53)

その後、順調にみえていたCさんだったが、プログラムが始まって2か月が過ぎた頃からイライラしてプログラムのメンバーと何度か言い争う姿がみられた。心配したD精神保健福祉士が、Cさんと面談すると、「妻と子どものことを考えると、もう絶対覚醒剤はやってはいけないと思うが、ふとした時にまた無性に覚醒剤を使いたいと思うことがある」「妻と子どもに会いたい」と訴えた。(問題54)

問題52

次の記述のうち、この面接時のD精神保健福祉士のCさんへの発言として、適切なものを1つ選びなさい。

1 「覚醒剤がいかに危険なものか分かっていますか」

2 「覚醒剤を使うことをどのように思っていますか」

3 「最初に、治療プログラムについて説明します」

4 「あなたがしたことで、ご家族がどんな思いをしたか考えてください」

5 「そのような態度では、覚醒剤を再使用してしまいますよ」

問題53

次の記述のうち、Cさんと確認した対処方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 特に予定を入れずに毎日を気ままに過ごす。

2 覚醒剤を使用したくなる場面を徐々に増やす。

3 お酒を飲んでリラックスする。

4 誰とも連絡を取らず、一人で過ごす。

5 深呼吸して気分を変え、妻と子どもの写真を見る。

問題54

次の記述のうち、Cさんの訴えに対するD精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1 プログラムで、今の気持ちをメンバーと共有することを提案する。

2 保護観察処分を受けたことがあるため、保護観察所に対応の指示を得る。

3 クリニックでのプログラムを中止し、司法のプログラムに変更することを伝える。

4 クリニックへの立入りを制限し、底つき体験を促す。

5 妻に連絡し、Cさんに会いに行くよう依頼する。

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題3)

次の事例を読んで、問題55から問題57までについて答えなさい。

〔事 例〕

人口7万人のQ市は、人口減少や世帯の小規模化が進み、地域のつながりの希薄化が課題となっている。X障害者基幹相談支援センターのE相談支援専門員(精神保健福祉士)(以下「E専門員」という。)はピアサポーターから、「地域の事業所は、精神障害への偏見の修正や生活のしづらさの改善のために、地域にどう関わり、支援に活かしているのか」と聞かれた。E専門員は地域内の取組を伝えながら、幾つかの課題が頭に浮かび、それを整理する必要があると考えた。そこでE専門員は、翌月開催されたQ市「協議会」の部会で、「各事業所及び事業所がある地区の強みと弱みなどを可視化して、現状や課題を探ってみませんか」と参加者に提案した。

その後、8事業所から参加協力を得て学習会を開催し、市内各地区のマトリックス表を作成した。実施後に参加者から、「地区別の各事業所の課題と役割が分かった」「市全域と各地区との関係が分かった」「現状を各地区の実践にどう活かすかが今後の課題だ」と報告があった。(問題55)

E専門員は報告を取りまとめ、「この結果を実践に活かすために、各事業所が個々の支援で工夫していることや課題と、今回地区ごとに可視化できたこととを結び付けてみてはどうでしょう。それらを精査して、地区やQ市の戦略的方策を考えていきませんか」と学習会において新たに提案した。(問題56)

その後、学習会で検討した結果、「取組はあるが、その実践スキルやノウハウが集約できていない」「取組成果が地域に発信されていない」「住民からフィードバックを受ける仕組みが整っていない」ことが整理された。そこで「協議会」ではそれらを戦略的方策として、地域住民や当事者、その家族と事業所の協働で、地域実践を蓄積する方法を開発し、外部評価の仕組み作りを進めていった。この活動が継続していくと、参加する住民や団体も増え、Q市各地区での信頼感や結束力の高まりがみられるようになった。(問題57)

(注) 「協議会」は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づき、障害者等への支援体制の整備を図るため、保健医療関係者、福祉関係者等で構成される。

問題55

次のうち、マトリックス表の作成時に用いられた方法として、正しいものを1つ選びなさい。

1 PERT法

2 グラウンデッド・セオリー

3 SWOT分析

4 デルファイ法

5 アクションリサーチ

問題56

次のうち、この時点でE専門員が活用を意図したコミュニティソーシャルワークの機能として、適切なものを1つ選びなさい。

1 精神障害当事者家族の問題解決能力の向上

2 地域における新しいニーズの発見

3 新しい社会資源の創造

4 個と地域の一体的支援の展開

5 住民による地域福祉問題の早期発見機能の強化

問題57

次のうち、この活動を通して地域に形成されたものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ソーシャルベンチャー

2 ソーシャルファーム

3 コミュニティビジネス

4 コミュニティチェスト

5 ソーシャルキャピタル

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題4)

次の事例を読んで、問題58から問題60までについて答えなさい。

〔事 例〕

F精神保健福祉士が勤務する精神科病院に、10日前、アルコール依存症のGさん(52歳、男性)が入院となった。Gさんはこれまで2度入院し、その都度F精神保健福祉士が担当していた。離脱症状が治まったため、F精神保健福祉士は病棟の面接室でGさんと面接を行った。

Gさんは、「大学を出て今の会社に就職して、趣味もなく仕事ばかりの生活だった。3年前に管理職に昇進して、慣れない内容が増えてそのストレスを飲酒でごまかすようになり、そのうち時々早退して昼から酒を飲むようになった。その様子を見兼ねた妻が病院に連れて来た。今まで自分で酒を断とうとしたけど、うまくいかなかった。こんな僕だけど、家族のためにも酒のない生活に変わりたい気持ちはある。

妻や社長からは、今回は入院してしっかり治して帰ってくるようにと言われているけど、迷惑をかけて、つくづく自分はだめな人間だと思う」とやっと本音を話した。F精神保健福祉士は、「そう思いつつも、Gさん自身はこれから酒のない生活に変わっていきたいんですね」と話を続けた。(問題58)

翌週、妻から面談の希望があり、F精神保健福祉士が対応した。「私も仕事をしているのでお金のことは心配ない。でも、また夫が酒浸りになるんじゃないかと一人で考えていると胸が苦しくなってくる。このことは、誰にでも話せることじゃないし、どうしたらいいでしょうか」と相談された。そこで、F精神保健福祉士は、「私たちも相談に乗りますし、地域にも相談できる所がありますよ」と提案した。(問題59)

入院から1か月後、Gさんを含めた病棟カンファレンスが開催された。その際、F精神保健福祉士は、Gさんが自宅へ退院しても断酒が継続できるよう、今後を見据えたGさんへの支援を提案した。(問題60)

問題58

次のうち、この時にF精神保健福祉士が行った面接として、正しいものを 1つ選びなさい。

1 構造化面接

2 指示的面接

3 居宅訪問面接

4 動機づけ面接

5 生活場面面接

問題59

次のうち、この時にF精神保健福祉士が妻に提案した社会資源として、正しいものを2つ選びなさい。

1 保健所

2 ギャマノン(GAM-ANON)

3 アラノン(Al-Anon)

4 婦人相談所

5 地域包括支援センター

問題60

次のうち、この時にF精神保健福祉士が提案した内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ひとりSSTの実施

2 アルコール依存症回復支援施設への入所

3 入院中からの自助グループ参加

4 日常生活自立支援事業の申請準備

5 復職を想定した職場の仕事内容の確認作業

精神保健福祉に関する制度とサービス

問題61

次のうち、「精神保健福祉法」に規定される者として、正しいものを2つ選びなさい。

1 退院支援相談員

2 精神保健福祉相談員

3 相談支援専門員

4 退院後生活環境相談員

5 成年後見人

(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

問題62

障害者基本法に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 障害者週間を設けることが規定されている。

2 法の制定当初から、障害を理由とする差別を禁じている。

3 精神障害者の長期入院の解消について規定されている。

4 法改正により、「障害者の家族にあつては、障害者の自立の促進に努めなければならない」という規定が削除されている。

5 障害者の定義から、発達障害者は除外されている。

問題63

介護保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 要介護状態区分は、1~6まで設定されている。

2 要介護認定・要支援認定には、有効期間がある。

3 第2号被保険者であっても、初老期における認知症である場合、要介護認定を受けることができる。

4 予防給付は、要介護の認定を受けた人でも利用できる。

5 救護施設に入所している者も、介護保険の給付を利用できる。

問題64

生活保護制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 医療扶助は、原則として金銭給付される。

2 障害厚生年金3級を受給している場合、障害者加算が認められる。

3 障害者加算の金額は、在宅者と入院者で同額である。

4 精神障害者保健福祉手帳3級に相当する場合、障害者加算が認められる。

5 入院患者日用品費は、原則として金銭給付される。

問題65

更生緊急保護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 矯正施設の長からの申出により実施される。

2 保護の期間は、最長で3年である。

3 仮釈放中の者も対象に含まれる。

4 公共の衛生福祉に関する機関等による保護が優先される。

5 社会福祉法に規定されている社会福祉事業に含まれる。

問題66

「医療観察法」における鑑定入院に関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。

1 入院期間は、6か月が限度である。

2 地方裁判所の命令に基づく。

3 精神保健審判員が鑑定する。

4 医療観察病棟で実施される。

5 精神保健福祉士を付添人として選任できる。

(注) 「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。

問題67

精神保健参与員に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 審判の合議体の構成員である。

2 生活環境調査を行う。

3 保護観察所に配置される。

4 CPA会議を主催する。

5 審判期日で意見を述べる。

問題68

次の記述のうち、社会調査におけるオプトアウトの説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 外部との経済的な利益関係等によって、研究が適正に行われないことを指す。

2 調査対象者に研究の目的やリスクなど十分に説明を行い、同意を得ることを指す。

3 調査対象者の既存の個人情報を調査で利用することについて、本人に拒否の機会を保障することを指す。

4 調査対象者の心的外傷に触れる質問をすることで、調査対象者の精神的負担が生じることを指す。

5 調査対象者の人格や尊厳を傷つけるような言動や行為になっていないか、常に意識することを指す。

問題69

精神科デイ・ケアの業務改善のために、H精神保健福祉士は大学の研究者と共に利用者に、「デイケアを利用して感じている効果や不満」についてフォーカスグループインタビューを複数回行った。その結果得られたテキストデータをH精神保健福祉士は、意味のある単位に区切ってラベルを付ける作業を行った。

次のうち、この作業を示す用語として、正しいものを1つ選びなさい。

1 トライアンギュレーション

2 クラスター分析

3 サンプリング

4 コーディング

5 エディティング

(精神保健福祉に関する制度とサービス・事例問題)

次の事例を読んで、問題70から問題72までについて答えなさい

〔事 例〕

地元の中小企業で正社員として勤務するJさん(55歳、男性)は、学生時代に統合失調症を発症し、入院をした。退院後に、症状はほぼ消失したため、現在の会社に就職し、何度か再発の危機はあったが、その都度外来治療で乗り越えてきた。ある日、勤務中に、「誰かが自分の命を狙っている」「窓の外に誰かがいる」などの発言がみられるようになり、心配した勤務先の同僚に付き添われてY精神科病院を受診した。

Jさんは支離滅裂なことを言ったり、大きな声で叫んだことから、診察したK医師(精神保健指定医)は直ちに入院を必要とする状態と判断した。入院を勧めたが、Jさんは拒否したため、K医師は本人の意思によらない入院の手続を進めることとした。なお、Jさんの両親はすでに他界しており、兄弟等の親族もいない。(問題70)

入院後間もなく、Jさんは徐々に落ち着きを取り戻した。ある日、Jさんは相談室のL精神保健福祉士に対して、「給与が出なくなり、経済的に不安だ」と訴えた。そこで、L精神保健福祉士は、Jさんに対して、健康保険法に基づく制度を紹介し、申請方法について説明した。その後のJさんは、この制度を利用できたことにより経済的な不安が解消し、退院後の自分の生活について考えられるようになった。(問題71)

3か月後、JさんはY精神科病院を退院した。その後、外来時にJさんは相談室に寄りL精神保健福祉士に対し、「しばらくは働かずに、自宅で療養して過ごそうと思います。ただ、家に一人でいるのも不安があるので、誰かと話したり,趣味である絵を描いたりする場所が欲しいと思っています」と相談してきた。そこで、L精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」において、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等を行うZセンターの紹介を検討した。(問題72)

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題70

次のうち、Jさんの入院の同意者として、正しいものを1つ選びなさい。

1 市町村長

2 都道府県知事

3 Jさんの勤務先の同僚

4 Y精神科病院の管理者

5 保健所長

問題71

次のうち、この時点でJさんが利用した制度として、最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 障害基礎年金

2 障害厚生年金

3 傷病手当金

4 自立支援医療(精神通院医療)

5 一般求職者給付

問題72

Zセンターに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 市町村地域生活支援事業である。

2 自立支援給付の介護給付である。

3 自立支援給付の訓練等給付である。

4 都道府県地域生活支援促進事業である。

5 地域相談支援である。

精神障害者の生活支援システム

問題73

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 事業者には、差別の解消を図るために必要な啓発活動を行うことが義務づけられている。

2 公的機関には、合理的配慮の提供は努力義務として規定されている。

3 障害者の権利に関する条約の批准に向けてこの法律が制定された。

4 この法律における障害者の定義では、障害者手帳の所持が規定されている。

5 社会的障壁の定義では、社会における慣行や観念も含まれている。

(注) 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

問題74

次の記述のうち、住宅入居等支援事業(居住サポート事業)の説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 指定相談支援事業者による実施が義務づけられている。

2 2020年度(令和2年度)において全市町村の8割が実施している。

3 事業内容には、家主への相談・助言が含まれている。

4 住宅確保要配慮者居住支援協議会の設置が義務づけられている。

5 「障害者総合支援法」における自立支援給付に位置づけられている。

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題75

次のうち、「障害者総合支援法」に規定される自立生活援助として、正しいものを1つ選びなさい。

1 医療機関における機能訓練及び日常生活上の世話

2 主として夜間において、相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助

3 身体機能又は生活能力の向上のための訓練

4 一定期間にわたる、定期的な巡回訪問等による相談、助言等の援助

5 障害者が行動する際の危険回避のために必要な援護

問題76

次の記述のうち、障害者トライアル雇用助成金における障害者短時間トライアルコースの説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 助成期間は6か月を上限とする。

2 雇入れ時に求められる週所定労働時間は20時間以上である。

3 企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)が配置されている企業への助成を目的とする。

4 訓練生に訓練手当が支給される。

5 発達障害者も対象である。

問題77

次のうち、保健所における精神保健福祉業務として、正しいものを1つ選びなさい。

1 定期病状報告の受理

2 精神医療審査会の事務

3 退院支援委員会の主催

4 自立支援医療(精神通院医療)の支給認定

5 障害年金の申請受理

(精神障害者の生活支援システム・事例問題)

次の事例を読んで、問題78から問題80までについて答えなさい。

〔事 例〕

Mさん(30歳、女性)は、大学卒業後に就職したが、3年目に統合失調症を発症し退職した。数か月の入院を経て、退院後は精神科デイケアに数年通いながら、再発することなく地域生活を続けていた。

デイケアのA精神保健福祉士は、Mさんとの面談を通して、改めて一般就労にチャレンジしたいというMさんの意欲を評価するとともに、対人面での緊張が強いことや体力面の課題があることを確認した。主治医からは、一般就労に向けて準備してもよいのではないかという意見が得られた。そこで、A精神保健福祉士は障害福祉サービスの利用を提案し、Mさんも希望した。A精神保健福祉士はこのサービスの利用に向けてU事業所のB相談支援専門員(精神保健福祉士)に連絡を取った。B相談支援専門員はMさんと話し合いながら、V事業所が提供する一般就労を目指した「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスの利用を検討した。(問題78)

その後、B相談支援専門員は、Mさんがこのサービスを利用するために市役所に申請を行った。(問題79)

Mさんは企業の事務補助の仕事に就くことができた。その後、V事業所によるフォローもあり、不定期に休むことはありつつも、仕事を続けることができた。しかしMさんは、一人で悩みを抱え込む性格から疲れやすく、職場の上司や同僚もMさんを心配していた。Mさん自身、これからも仕事や生活面の不安をV事業所の担当職員に相談したいと話した。継続的な支援の必要性がMさん、企業、V事業所で共有された。そこで、V事業所が提供する新たな障害福祉サービスの利用を検討した。(問題80)

Mさんは、V事業所が提供する新たな障害福祉サービスを利用しながら、事務補助の仕事を継続している。

問題78

次のうち、この障害福祉サービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 日常生活支援

2 就労継続支援A型

3 就労継続支援B型

4 自立訓練

5 就労移行支援

問題79

次のうち、Mさんがこのサービスを利用するために必要なこととして、正しいものを2つ選びなさい。

1 市役所による認定調査

2 市役所へのサービス等利用計画案の提出

3 精神障害者保健福祉手帳の所持

4 障害支援区分の判定

5 市役所による、個別支援計画案の作成

問題80

次のうち、この新たな障害福祉サービスとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 職業準備支援

2 リワーク支援

3 職場適応援助者支援

4 就労定着支援

5 精神・発達障害者しごとサポーター

人体の構造と機能及び疾病

問題 1

思春期に伴う心身の変化に関する次の記述のうち、正しいものを 1 つ選びなさい。

1 この時期の心理的特徴として、自意識に乏しいことが特徴である。

2 女子では、初経から始まり、次いで乳房や骨盤の発育がみられる。

3 男子は、女子よりも早い時期から思春期が始まる。

4 身体の変化は緩徐な変化が多い。

5 第二次性徴という身体的な変化が始まる。

問題 2

国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち、正しいものを 1 つ選びなさい。

1 対象は障害のある人に限定されている。

2 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

3 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

4 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

5 その人の住居は「個人因子」の一つである。

問題 3

次のうち、疾病の予防に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

1 特定健康診査は一次予防である。

2 糖尿病予防教室は一次予防である。

3 ワクチン接種は二次予防である。

4 リハビリテーションは二次予防である。

5 胃がんの手術は三次予防である。

問題 4

次のうち、2021年(令和3年)における、がん(悪性新生物)の主な部位別にみた死亡数で女性の第1位として、正しいものを 1 つ選びなさい。

1 大腸がん

2 胃がん

3 膵臓がん

4 乳がん

5 肺がん

問題 5

パーキンソン病の原因と症状に関する次の記述のうち、正しいものを2 つ選びなさい。

1 小脳の異常である。

2 脳内のドーパミンが増加して発症する。

3 安静時に震えが起こる。

4 筋固縮がみられる。

5 大股で歩行する。

問題 6

事例を読んで、Aさんの症状として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

[事例]

Aさん(55歳)は、出勤途中に突然歩けなくなり、救急病院に運ばれた。脳梗塞と診断され、治療とリハビリテーションを受けたが、左の上下肢に運動麻痺が残った。左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい。歩行障害があり、室内は杖歩行又は伝い歩きをしている。呂律が回らないことがあるが、会話、読み書き、計算は可能である。食事は右手で箸を持って問題なく食べることができる。尿便意はあるが、自分でトイレに行くのが難しいため、間に合わず失禁することがある。

1 失語症

2 対麻痺

3 感覚障害

4 嚥下障害

5 腎臓機能障害

問題 7

注意欠如・多動症(ADHD)に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 学童期の有病率はおよそ20%とされている。

2 多動性の症状は、青年期及び成人期には改善する事が多い。

3 学校での症状が主であり、家庭では症状がみられないことが多い。

4 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)では、4歳以前に症状があることを診断基準としている。

5 治療としては、薬物療法が第一選択となることが多い。

心理学理論と心理的支援

問題 8

次の記述のうち、内発的動機づけとして、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受験した。

2 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

3 授業中、寒いので、窓を閉めた。

4 お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

5 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

問題 9

次の記述のうち、性格特性の5因子モデル(ビッグファイブ)の1つである外向性の特徴として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ささいないことで落ち込みやすい。

2 新しいことに好奇心を持ちやすい。

3 他社に対して親切である。

4 他社との交流を好む。

5 責任感があり勤勉である。

問題 10

集団における行動に関する次の記述のうち、傍観者効果の事例として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 作業をするときに見学者がいることで、一人で行うよりも作業がはかどった。

2 革新的な提案をチームで議論したが、現状を維持して様子を見ようという結論になってしまった。

3 路上でケガをしたために援助を必要とする人の周囲に大勢の人が集まったが、誰も手助けしようとしなかった。

4 チームで倉庫の片付けに取り組んだが、一人ひとりが少しずつ手抜きをした結果、時間までに作業が完了せず、残業になってしまった。

5 リーダーがチームの目標達成を重視しすぎることで、チームの友好的な雰囲気が損なわれ、チームワークに関心がないメンバーが増えてしまった。

問題 11

子どもの発達に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

2 初語を発する時期になると、喃語が生起する。

3 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

4 アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

5 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

問題 12

次の記述のうち、問題焦点型ストレス対処法(コーピング)の事例として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 介護ストレスを解消してもらおうと、介護者に気晴らしを勧めた。

2 困難事例に対応できなかったので、専門書を読んで解決方法を勉強した。

3 仕事がうまくはかどらなかったので、週末は映画を観てリラックスした。

4 育児に悩む母親が、友人に話を聞いてもらえて気分がすっきりしたと話した。

5 面接がうまくいかなかったので、職場の同僚の相談し、ねぎらってもらった。

問題 13

心理検査に関する次の記述うち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 乳幼児の知能を測定するため、WPPSIを実施した。

2 頭部外傷後の認知機能を測定するため、PFスタディを実施した。

3 投影法による人格検査を依頼されたので、東大式エコグラムを実施した。

4 児童の発達を測定するため、内田クレペリン精神作業検査を実施した。

5 成人の記憶能力を把握するため、バウムテストを実施した。

問題 14

心理療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ブリーフセラピーは、クライエントの過去に焦点を当てて解決を目指していく。

2 社会生活技能訓練(SST)は、クライエントが役割を演じることを通じて、対人関係で必要な技能の習得を目指していく。

3 来談者中心療法は、クライエントに指示を与えながら傾聴を続けていく。

4 精神分析療法は、学習理論に基づいて不適応行動の改善を行っていく。

5 森田療法は、クライエントが抑圧している過去の変容を目指していく。

社会理論と社会システム

問題 15

次の記述のうち、ヴェーバー(Weber, M.)の合法的支配における法の位置づけとして、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 法は、被支配者を従わせ、超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。

2 法は、伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。

3 法は、支配者の恣意的な判断により定められる。

4 法は、神意や事物の本性によって導き出される。

5 法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。

問題 16

社会変動の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ルーマン(Luhmann, N.)は、社会の発展に伴い、軍事型社会から産業型社会へ移行すると主張した。

2 テンニース(Tonnies, F.)は、自然的な本質意思に基づくゲマインシャフトから人為的な選択意思に基づくゲゼルシャフトへ移行すると主張した。

3 ディルケム(Durkheim, E.)は、産業化の進展に伴い、工業社会の次の発展段階として脱工業社会が到来すると主張した。

4 スペンサー(Spencer, H.)は、近代社会では適応、目標達成、統合、潜在的パターン維持の四つの機能に対応した下位システムが分出すると主張した。

5 パーソンズ(Parsons, T.)は、同質的な個人が並列する機械的連帯から、異質な個人の分業による有機的な連帯へと変化していくと主張した。

問題 17

「令和4年版男女共同参画白書」(内閣府)に示された近年の家族の動向に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 2020年(令和2年)において、全婚姻件数における再婚件数の割合は40%を超えている。/p>

2 家事、育児における配偶者間の負担割合について、「配偶者と半分ずつ分担したい」(外部サービスを利用しながら分担するを含む)と希望する18~39歳の男性の割合は、70%を超えている。

3 20代の男性、女性共に50%以上が、「配偶者はいないが恋人はいる」と回答している。

4 2021年(令和3年)において、妻が25~34歳の「夫婦と子供から成る世帯」のうち、妻が専業主婦である世帯の割合は50%を超えている。

5 子供がいる現役世帯のうち、「大人が一人」の世帯の世帯員の2018年(平成30年)における相対的貧困率は30%を下回っている。

問題 18

次の記述のうち、人々の生活を捉えるための概念の説明として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 生活時間とは、個々人の人生の横断面に見られる生活の様式や構造、価値観を捉える概念である。

2 ライフステージとは、生活主体の主観的状態に注目し、多面的、多角的に生活の豊かさを評価しようとする概念である。

3 生活の質とは、時間周期で繰り返される労働、休養、休暇がどのように配分されているかに注目する概念である。

4 家族周期とは、結婚、子どもの出生、配偶者の死亡といったライフイベントの時間的展開の規則性を説明する概念である。

5 ライフスタイルとは、出生から死に至るまでの人の生涯の諸段階を示す概念である。

問題 19

社会的役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 役割距離とは、個人が他者からの期待を自らに取り入れ、行為を形成することを指す。

2 役割取得とは、個人が他者との相互行為の中で相手の期待に変容をもたらすことで、既存の役割期待を超えた新たな行為が展開することを指す。

3 役割葛藤とは、個人が複数の役割を担うことで、役割の間に矛盾が生じ、個人の心理的緊張を引き起こすことを指す。

4 役割期待とは、個人が他者からの期待と少しずらした形で行為をすることで、自己の主体性を表現することを指す。

5 役割形成とは、個人が社会的地位に応じた役割を果たすことを他者から期待されることを指す。

問題 20

次の記述のうち、ハーディン(Hardin, G.)が提起した「共有地の悲劇」に関する説明として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 協力してお互いに利益を得るか、相手を裏切って自分だけの利益を得るか、選択しなければならない状況を指す。

2 財やサービスの対価を払うことなく、利益のみを享受する成員が生まれる状況を指す。

3 協力的行動を行うと報酬を得るが、非協力的行動を行うと罰を受ける状況を指す。

4 それぞれの個人が合理的な判断の下で自己利益を追求した結果、全体としては誰にとっても不利益な結果を招いてしまう状況を指す。

5 本来、社会で広く共有されるべき公共財へのアクセスが、特定の成員に限られている状況を指す。

問題 21

次の記述のうち、ラベリング論の説明として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 社会がある行為を逸脱とみなし統制しようとすることによって、逸脱が生じると考える立場である。

2 非行少年が遵法的な世界と非行的な世界の間で揺れて動き漂っている中で、逸脱が生じると考える立場である。

3 地域社会の規範や共同体意識が弛緩することから、非行や犯罪などの逸脱が生じると考える立場である。

4 下位集団における逸脱文化の学習によって、逸脱が生じると考える立場である。

5 個人の生得的な資質によって、非行や犯罪などの逸脱が生じると考える立場である。

現代社会と福祉

問題 22

次の記述のうち、近年の政府による福祉改革の基調となっている「地域共生社会」の目指すものに関する内容として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 老親と子の同居を我が国の「福祉における含み資産」とし、その活用のために高齢者への所得保障と、同居を可能にする住宅等の諸条件の整備を図ること。

2 「地方にできることは地方に」という理念のもと、国保補助負担金改革、税源移譲、地方交付税の見直しを一体のものとして進めること。

3 普遍性・公平性・総合性・権利性・有効性の五つの原則のもと、社会保障制度を整合性のとれたものにしていくこと。

4 行政がその職権により福祉サービスの対象者や必要性を判断し、サービスの種類やその提供者を決定の上、提供すること。

5 制度・分野ごとの縦割りや、支え手・受け手という関係を超えて、地域住民や地域の様々な主体が我が事として参画すること等で、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共に創っていくこと。

問題 23

福祉にかかわる思想や運動についての次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 バーリン(Berlin, I.)のいう積極的自由とは、自らの行為を妨げる干渉などから解放されることで実現する自由を意味する。

2 ポジティブ・ウェルフェアは、人々の福祉を増進するために、女性参政権の実現を中心的な要求として掲げる思想である。

3 1960年代のアメリカにおける福祉権運動の主たる担い手は、就労支援プログラムの拡充を求める失業中の白人男性たちであった。

4 フェビアン社会主義は、ウェッブ夫妻(Webb, S.&B.)などのフェビアン協会への参加者が唱えた思想であり、イギリス福祉国家の形成に影響を与えた。

5 コミュニタリアニズムは、家族や地域共同体の衰退を踏まえ、これらの機能を市場と福祉国家とによって積極的に代替するべきだとする思想である。

問題 24

福祉政策に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 アダム・スミス(Smith, A.)は、充実した福祉政策を行う「大きな政府」からなる 国家を主張した。

2 マルサス(Malthus, T.)は、欠乏・疾病・無知・不潔・無為の「五つの巨悪(巨 人)」を克服するために、包括的な社会保障制度の整備を主張した。

3 ケインズ(Keynes, J.)は、不況により失業が増加した場合に、公共事業により 雇用を創出することを主張した。

4 フリードマン(Friedman, M.)は、福祉国家による市場への介入を通して人々の 自由が実現されると主張した。

5 ロールズ(Rawls, J.)は、国家の役割を外交や国防等に限定し、困窮者の救済を 慈善事業に委ねることを主張した。

問題 25

近代日本において活躍した福祉の先駆者に関する次の記述のうち、最も適 切なものを 1 つ選びなさい。

1 石井十次は岡山孤児院を設立した。

2 山室軍平は家庭学校を設立した。

3 留岡幸助は救世軍日本支部を設立した。

4 野口幽香は滝乃川学園を設立した。

5 石井亮一は二葉幼稚園を設立した。

問題 26

福祉六法の制定時点の対象に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 児童福祉法(1947年(昭和22年))は、戦災によって保護者等を失った満18歳未満の者(戦災孤児)にその対象を限定していた。

2 身体障害者福祉法(1949年(昭和24年))は、障害の種別を問わず全ての障害者を対象とし、その福祉の施策の基本となる事項を規定する法律と位置づけられていた。

3 (新)生活保護法(1950年(昭和25年))は、素行不良な者等を保護の対象から除外する欠格条項を有していた。

4 老人福祉法(1963年(昭和38年))は、介護を必要とする老人にその対象を限定していた。

5 母子福祉法(1964年(昭和39年))は、妻と離死別した夫が児童を扶養している家庭(父子家庭)を、その対象外としていた。

問題 27

福祉のニーズとその充足に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ジャッジ(Judge, K.)は、福祉ニーズを充足する資源が不足する場合に、市場メカニズムを活用して両者の調整を行うことを割当(ラショニング)と呼んだ。

2 「ウルフェンデン報告(Wolfenden Report)」は、福祉ニーズを充足する部門を、インフォーマル、ボランタリー、法定(公定)の三つに分類した。

3 三浦文夫は、日本における社会福祉の発展の中で、非貨幣的ニーズが貨幣的ニーズと並んで、あるいはそれに代わって、社会福祉の主要な課題になると述べた。

4 ブラッドショー(Bradshaw, J.)は、サービスの必要性を個人が自覚したニーズの類型として、「規範的ニード」を挙げた。

5 フレイザー(Fraser, N.)は、ニーズの中身が、当事者によってではなく、専門職によって客観的に決定されている状況を、「必要解釈の政治」と呼んだ。

(注) 「ウルフェンデン報告」とは、1978年にイギリスのウルフェンデン委員会が発表 した報告書「The Future of Voluntary Organisations」のことである。

問題 28

生活困窮者自立支援法の目的規定に関する次の記述のうち、正しいものを 1つ選びなさい。

1 生活困窮者に対する自立の支援に関する措置を講ずることにより、生活困窮者の自立の促進を図ること。

2 すべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、最低限度の生活を営めるよう必要な保護を講ずることにより、生活困窮者の自立の促進を図ること。

3 尊厳を保持し、能力に応じ自立した日常生活を営めるよう、必要な保健医療及び福祉サービスに係る給付を行い、生活困窮者の自立の促進を図ること。

4 能力に応じた教育を受ける機会を保障する措置を講ずることにより、生活困窮者の自立の促進を図ること。

5 社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるよう施策を講ずることにより、生活困窮者の自立の促進を図ること。

問題 29

 日本における人口の動向に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 第二次世界大戦後、1940年代後半、1970年代前半、2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。

2 15~64歳の生産年齢人口は、高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け、以後は横ばいで推移している。

3 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では、65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり、以後は緩やかに減少すると予想されている。

4 「2021年の人口推計」において、前年に比べて日本人人口が減少した一方、外国人人口が増加したため、総人口は増加した。

5 1970年代後半以降、合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。

(注)1 「『日本の将来推計人口』における中位推計」とは、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」における、出生中位(死亡中位)の推計値を指す。

  2 「2021年の人口推計」とは、総務省「人口推計 2021年(令和3年)10月1日現在」における推計値を指す。

問題 30

福祉サービスの利用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉法は、社会福祉事業の経営者に対し、常に、その提供する福祉サービスの利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならないと規定している。

2 社会福祉法は、社会福祉事業の経営者が、福祉サービスの利用契約の成立時に、利用者へのサービスの内容や金額等の告知を、書面の代わりに口頭で行っても差し支えないと規定している。

3 福祉サービスを真に必要とする人に、資力調査を用いて選別主義的に提供すると、利用者へのスティグマの付与を回避できる。

4 福祉サービス利用援助事業に基づく福祉サービスの利用援助のために、家庭裁判所は補助人・保佐人・後見人を選任しなければならない。

5 福祉サービスの利用者は、自らの健康状態や財力等の情報を有するため、サービスの提供者に比べて相対的に優位な立場で契約を結ぶことができる。

問題 31

男女雇用機会均等政策に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 常時雇用する労働者数が101人以上の事業主は、女性の活躍に関する一般事業主行動計画を策定することが望ましいとされている。

2 セクシュアルハラスメントを防止するために、事業主には雇用管理上の措置義務が課されている。

3 総合職の労働者を募集・採用する場合は、理由のいかんを問わず、全国転勤を要件とすることは差し支えないとされている。

4 育児休業を取得できるのは、期間の定めのない労働契約を結んだフルタイム勤務の労働者に限られている。

5 女性労働者が出産した場合、その配偶者である男性労働者は育児休業を取得することが義務づけられている。

地域福祉の理論と方法

問題 32

地域福祉の基礎的な理念や概念に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 コミュニティケアとは、地域の特性や地域における課題やニーズを把握し、地域の状況を診断することをいう。

2 セルフアドボカシーとは、行政が、障害者や高齢者等の権利を擁護するよう主張することをいう。

3 福祉の多元化とは、全ての人々を排除せず、健康で文化的な生活が実現できるよう、社会の構成員として包み支え合う社会を目指すことをいう。

4 社会的企業とは、社会問題の解決を組織の主たる目的としており、その解決手段としてビジネスの手法を用いている企業のことである。

5 住民主体の原則とは、サービス利用者である地域住民が、主体的にサービスを選択することを重視する考え方である。

問題 33

地域福祉における多様な参加の形態に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 特定非営利活動法人は、市民が行うボランティア活動を促進することを目的としており、収益を目的とする事業を行うことは禁止されている。

2 社会福祉法に規定された市町村地域福祉計画を策定又は変更する場合には、地域住民等の意見を反映させるように努めなければならないとされている。

3 重層的支援体制整備事業における参加支援事業は、ひきこもり状態にある人の就職を容易にするため、住居の確保に必要な給付金を支給する事業である。

4 共同募金の募金実績総額は、1990年代に減少に転じたが、2000年(平成12年)以降は一貫して増加している。

5 市民後見人の養成は、制度に対する理解の向上を目的としているため、家庭裁判所は養成された市民を成年後見人等として選任できないとされている。

問題 34

地域共生社会の実現に向けた、厚生労働省の取組に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 2015年(平成27年)の「福祉の提供ビジョン」において、重層的支援体制整備事業の整備の必要性が示された。

2 2016年(平成28年)の「地域力強化検討会」の中間とりまとめにおいて、初めて地域包括ケアシステムが具体的に明示された。

3 2017年(平成29年)の「地域力強化検討会」の最終とりまとめにおいて、縦割りの支援を当事者中心の「丸ごと」の支援とする等の包括的な支援体制の整備の必要性が示された。

4 2018年(平成30年)の「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」において、社会福祉士は特定の分野の専門性に特化して養成すべきであると提言された。

5 2019年(令和元年)の「地域共生社会推進検討会」の最終とりまとめにおいて、生活困窮者自立支援法の創設の必要性が示された。

(注)1 「福祉の提供ビジョン」とは、「誰もが支え合う地域の構築に向けた福祉サービスの実現―新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン―」のことである。

  2 「地域力強化検討会」とは、「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会」のことである。

  3 「地域共生社会推進検討会」とは、「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」のことである。

問題 35

事例を読んで、自立相談支援機関のB主任相談支援員(社会福祉士)がこの時点で検討する支援として、適切なものを2つ選びなさい。

[事例]

 Cさん(30歳代、男性)は、60歳代の両親と同居している。終日、自室でオンラインゲームをして過ごしており、10年以上ひきこもりの状態にある。父親はいくつかの仕事を転々としてきたが、65歳で仕事を辞め、その後は主に基礎年金で生活をしているため、経済的にも困窮している様子である。また、母親は長年にわたるCさんとの関係に疲れており、それを心配した民生委員が、生活困窮者自立支援制度の相談機関を紹介したところ、母親は自立相談支援機関に来所し、B主任相談支援員にCさんのことを相談した。

1 ひきこもりの人に配慮された居場所が、地域のどこにあるかを調べ、Cさんにその場所と事業・活動を紹介する。

2 まずはCさんが抱える心理的な課題に絞ってアセスメントを行い、支援計画を作成する。

3 福祉専門職による支援だけでなく、当事者や経験者が行うピアサポートや、ひきこもりの家族会などの情報を母親に提供する。

4 手紙やメール等を用いた支援は不適切であるため行わず、直接、Cさんと対面して支援する。

5 地域の支援関係者間で早期に支援を行うため、Cさんの同意を取る前に、支援調整会議で詳細な情報を共有する。

問題 36

次のうち、社会福祉法に規定されている地域福祉に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 2017年(平成29年)の社会福祉法改正において、「地域福祉の推進」の条文が新設された。

2 市町村社会福祉協議会は、災害ボランティアセンターを整備しなければならない。

3 地域住民等は市町村からの指導により、地域福祉の推進に努めなければならない。

4 重層的支援体制整備事業は、参加支援、地域づくりに向けた支援の二つで構成されている。

5 市町村は、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備に努めなければならない。

問題 37

地域福祉の推進に向けた役割を担う、社会福祉法に規定される市町村地域福祉計画に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 市町村地域福祉計画では、市町村社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画をもって、地域福祉計画とみなすことができる。

2 市町村地域福祉計画の内容は、市町村の総合計画に盛り込まれなければならないとされている。

3 市町村地域福祉計画では、市町村は策定した計画について、定期的に調査、分析及び評価を行うよう努めるとされている。

4 市町村地域福祉計画は、他の福祉計画と一体で策定できるように、計画期間が法文上定められている。

5 市町村地域福祉計画は、2000年(平成12年)の社会福祉法への改正によって策定が義務化され、全ての市町村で策定されている。

問題 38

社会福祉法に規定される共同募金に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 災害に備えるため準備金を積み立て、他の共同募金会に拠出することができる。

2 共同募金を行うには、あらかじめ都道府県の承認を得て、その目標額を定める。

3 共同募金を行う事業は第二種社会福祉事業である。

4 市町村を区域として行われる寄附金の募集である。

5 募金方法別実績で最も割合が高いのは街頭募金である。

問題 39

災害時における支援体制に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 災害対策基本法は、国及び地方公共団体が、ボランティアによる防災活動を監督し、その指揮命令下で活動するよう指導しなければならないと規定している。

2 災害対策基本法は、市町村長が避難行動要支援者ごとに、避難支援等を実施するための個別避難計画を作成するよう努めなければならないと規定している。

3 災害対策基本法は、本人が同意している場合でも、市町村長が作成した避難行動要支援者の名簿情報を避難支援等関係者に提供してはならないと規定している。

4 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(2021年(令和3年)改定(内閣府))は、福祉避難所は社会福祉施設でなければならないとしている。

5 「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」(厚生労働省)は、国が主に福祉避難所において、災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するとしている。

問題 40

 地域福祉におけるネットワーキングに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 地域介護予防活動支援事業は、市町村が介護保険の第二号被保険者に対して、介護予防の活動を行うために、地域住民とネットワークを構築して取り組むものである。

2 被災者見守り・相談支援事業では、復興公営住宅の居住者を対象として、生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)が見守りを中心としたネットワークを構築し、支援を行う。

3 社会福祉法人による「地域における公益的な取組」は、社会福祉充実残額が生じた場合に、社会福祉法人がネットワークを構築して取り組むものである。

4 介護保険の生活支援・介護予防サービスの体制整備に向けて、都道府県は、協議体を定期的な情報共有のネットワークの場として設置している。

5 ひきこもり地域支援センター事業では、地域の多様な関係機関で構成される連絡協議会を設置する等、ネットワークづくりに努めるとされている。

問題 41

事例を読んで、会議に向けたD社会福祉士の方針に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

[事例]

独立型社会福祉士事務所のD社会福祉士は、一人暮らしのEさん(85歳、女性、要介護1、身寄りなし)の保佐人を務めている。Eさんが熱中症の症状で入院することになった際、担当介護支援専門員からEさんの退院後の支援方針について会議を持ちたいと提案があった。担当介護支援専門員は、Eさんは認知機能の低下もあり、単身生活に不安を表明する近隣住民もおり、今後の本人の安全も考えるとサービス付き高齢者向け住宅への転居を検討すべきではないかと話している。また、長年見守りを続け、Eさんが信頼を寄せるF民生委員は、「本人の思いを尊重したい」と述べている。

1 Eさんの最善の利益を実現するため、Eさんにサービス付き高齢者向け住宅への転居を促す。

2 Eさんにとって危険な状況であるため、緊急的な措置入所の可能性を検討する。

3 Eさんの意思を尊重するため、専門職を中心に自宅で暮らし続ける方法を検討する。

4 Eさんが思いを表明しやすくするため、Eさんが信頼するF民生委員に会議に同席してもらう。

5 Eさんは認知機能の低下が見込まれるため、会議ではEさんや関係者で判断せず、かかりつけ医の判断に委ねる。

福祉行財政と福祉計画

問題 42

次のうち、厚生労働省に設置されているものについて、正しいものを1つ選びなさい。

1 子ども・子育て会議

2 障害者政策委員会

3 中央防災会議

4 孤独・孤立対策推進会議

5 社会保障審議会

問題 43

次のうち、福祉行政における、法に規定された都道府県知事の役割として、正しいものを1つ選びなさい。

1 介護保険法に規定される居宅介護サービス費の請求に関し不正があったときの指定居宅サービス事業者の指定の取消し又は効力の停止

2 老人福祉法に規定される養護老人ホームの入所の措置

3 子ども・子育て支援法に規定される地域子ども・子育て支援事業に要する費用の支弁

4 社会福祉法に規定される共同募金事業の実施

5 「障害者総合支援法」に規定される自立支援給付の総合的かつ計画的な実施

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 44

「令和4年版地方財政白書」(総務省)に示された民生費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 民生費の歳出純計決算額の累計額を比べると、都道府県は市町村より多い。

2 民生費の目的別歳出の割合は、都道府県では生活保護費が最も高い。

3 民生費の目的別歳出の割合は、市町村では児童福祉費が最も高い。

4 民生費の性質別歳出の割合は、都道府県では人件費が最も高い。

5 民生費の性質別歳出の割合は、市町村では補助費等が最も高い。

問題 45

社会福祉に係る法定の機関・施設の設置に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 都道府県は、地域包括支援センターを設置しなければならない。

2 指定都市(政令指定都市)は、児童相談所を設置しなければならない。

3 中核市は、精神保健福祉センターを設置しなければならない。

4 市は、知的障害者更生相談所を設置しなければならない。

5 町村は、福祉事務所を設置しなければならない。

問題 46

次のうち、都道府県地域福祉支援計画に関して社会福祉法に明記されている事項として、正しいものを2つ選びなさい。

1 社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項

2 重層的支援体制整備事業の提供体制に関する事項

3 地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項

4 福祉サービスの適切な利用の推進及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項

5 厚生労働大臣が指定する福利厚生センターの業務に関する事項

問題 47

次のうち、法律で市町村に策定が義務づけられている福祉に関連する計画として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく高齢者居住安定確保計画

2 健康増進法に基づく市町村健康増進計画

3 自殺対策基本法に基づく市町村自殺対策計画

4 再犯の防止等の推進に関する法律に基づく地方再犯防止推進計画

5 成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づく成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画

問題 48

次のうち、法律に基づき、福祉計画で定める事項として、正しいものを1 つ選びなさい。

1 都道府県介護保険事業支援計画における地域支援事業の見込み量

2 都道府県障害者計画における指定障害者支援施設の必要入所定員総数

3 市町村子ども・子育て支援事業計画における地域子ども・子育て支援事業に従事する者の確保及び資質の向上のために講ずる措置に関する事項

4 市町村障害福祉計画における障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に関する事項

5 市町村老人福祉計画における老人福祉施設の整備及び老人福祉施設相互間の連携のために講ずる措置に関する事項

社会保障

問題 49

日本の社会保障の歴史に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会保険制度として最初に創設されたのは、健康保険制度である。

2 社会保険制度のうち最も導入が遅かったのは、雇用保険制度である。

3 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会の勧告では、日本の社会保障制度は租税を財源とする社会扶助制度を中心に充実すべきとされた。

4 1986年(昭和61年)に基礎年金制度が導入され、国民皆年金が実現した。

5 2008年(平成20年)に後期高齢者医療制度が導入され、老人医療費が無料化された。

問題 50

日本の社会保険に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 国民健康保険は、保険料を支払わないことで自由に脱退できる。

2 健康保険の給付費に対する国庫補助はない。

3 雇用保険の被保険者に、国籍の要件は設けられていない。

4 民間保険の原理の一つである給付・反対給付均等の原則は、社会保険においても必ず成立する。

5 介護保険の保険者は国である。

問題 51

事例を読んで、社会保険制度の加入に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

[事例]

Gさん(76歳)は、年金を受給しながら被用者として働いている。同居しているのは、妻Hさん(64歳)、離婚して実家に戻っている娘Jさん(39歳),大学生の孫Kさん(19歳)である。なお、Gさん以外の3人は、就労経験がなく、Gさんの収入で生活している。

1 Gさんは健康保険に加入している。

2 Hさんは国民健康保険に加入している。

3 Jさんは健康保険に加入している。

4 Jさんは介護保険に加入している。

5 Kさんは国民年金に加入している。

問題 52

公的医療保険における被保険者の負担等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 健康保険組合では、保険料の事業主負担割合を被保険者の負担割合よりも多く設定することができる。

2 「都道府県等が行う国民健康保険」では、都道府県が保険料の徴収を行う。

3 「都道府県等が行う国民健康保険」の被保険者が、入院先の市町村に住所を変更した場合には、変更後の市町村の国民健康保険の被保険者となる。

4 公的医療保険の保険給付のうち傷病手当金には所得税が課せられる。

5 保険診療を受けたときの一部負担金の割合は、義務教育就学前の児童については 1割となる。

(注) 「都道府県等が行う国民健康保険」とは、「都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険」のことである。

問題 53

次のうち、労働者災害補償保険制度に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 労働者の業務災害に関する保険給付については、事業主の請求に基づいて行われる。

2 メリット制に基づき、事業における通勤災害の発生状況に応じて、労災保険率が増減される。

3 保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。

4 労働者災害補償保険の適用事業には、労働者を一人しか使用しない事業も含まれる。

5 労働者の業務災害に関する保険給付については、労働者は労働者災害補償保険又は健康保険のいずれかの給付を選択することができる。

問題 54

社会保険制度の適用に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 週所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者は、雇用保険に加入することはできない。

2 労働者災害補償保険制度には、大工、個人タクシーなどの個人事業主は加入できない。

3 日本国内に住所を有する外国人には、年齢にかかわらず国民年金に加入する義務はない。

4 厚生年金保険の被保険者の被扶養配偶者で、一定以下の収入しかない者は、国民年金に加入する義務はない。

5 生活保護法による保護を受けている世帯(保護を停止されている世帯を除く。)に属する者は、「都道府県等が行う国民健康保険」の被保険者としない。

問題 55

公的年金制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 厚生年金保険の被保険者は、国民年金の被保険者になれない。

2 基礎年金に対する国庫負担は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金のいずれに対しても行われる。

3 厚生年金保険の保険料は、所得にかかわらず定額となっている。

4 保険料を免除されていた期間に対応する年金給付が行われることはない。

5 老齢基礎年金の受給者が、被用者として働いている場合は、老齢基礎年金の一部又は全部の額が支給停止される場合がある。

障害者に対する支援と障害者自立支援制度

問題 56

障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 1960年(昭和35年)に成立した精神薄弱者福祉法は、ソーシャルインクルージョンを法の目的とし、脱施設化を推進した。

2 1981年(昭和56年)の国際障害者年では、「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」というテーマが掲げられた。

3 2003年(平成15年)には、身体障害者等を対象に、従来の契約制度から措置制度に転換することを目的に支援費制度が開始された。

4 2005年(平成17年)に成立した障害者自立支援法では、障害の種別にかかわらず、サービスを利用するための仕組みを一元化し、事業体系を再編した。

5 2013年(平成25年)に成立した「障害者差別解消法」では、市町村障害者虐待防止センターが規定された。

(注) 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

問題 57

「障害者総合支援法」における介護給付費等の支給決定に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

1 市町村は、介護給付費等の支給決定に際して実施する調査を、指定一般相談支援事業者等に委託することができる。

2 障害児に係る介護給付費等の支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする。

3 就労定着支援に係る介護給付費等の支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする。

4 市町村は、介護給付費等の支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者に対し、支給決定後に、サービス等利用計画案の提出を求める。

5 障害支援区分は、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものである。

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

問題 58

事例を読んで、これからの生活においてLさんが利用可能な「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスとして、適切なものを2つ選びなさい。

[事例]

Lさん(30歳)は、視覚障害により障害等級1級の身体障害者手帳の交付を受けている。慣れた場所では白杖を利用し単独で歩行でき、日中は一般就労に従事している。これまで実家暮らしで家族から介護を受けてきたが、職場近くの賃貸住宅を借り、そこで一人暮らしをしようと準備している。これからは、趣味や外食のため、行ったことがない所にも積極的に外出したいと考えている。Lさんの障害支援区分は3で、調理、洗濯、掃除等の家事援助を必要としている。

1 居宅介護

2 重度訪問介護

3 同行援護

4 行動援護

5 重度障害者等包括支援

問題 59

「障害者総合支援法」等に基づく専門職などに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅介護従業者は、指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者として配置されている。

2 相談支援専門員は、指定特定相談支援事業所において指定計画相談支援を行う者として配置されている。

3 相談支援専門員は、モニタリングに当たっては、1年に1回、利用者宅を訪問し面接を行わなければならない。

4 児童発達支援管理責任者は、指定障害児相談支援事業所において障害児支援利用計画の作成を行う者として配置されている。

5 居宅介護従業者は、病院又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う者として配置されている。

問題 60

事例を読んで、この段階においてU相談支援事業所のM相談支援専門員(社会福祉士)が行う支援の内容として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。

[事例]

U相談支援事業所のM相談支援専門員は、V精神科病院の地域医療連携室に勤務するA精神保健福祉士から、精神障害者のBさん(50歳代)の今後の生活について、相談を受けた。Bさんは、V精神科病院において約10年にわたって入院生活を送ってきた。現在、症状は安定しているが、身寄りもなく、帰る場所もない状態であり、聞かれれば、「可能なら就労したい」と答える。そこで、M相談支援専門員は、A精神保健福祉士と連携しつつ、Bさんとの定期的な面接による相談を行い、これからの生活を一緒に考えることになった。

1 地域移行支援による退院支援

2 地域定着支援による退院支援

3 公共職業安定所(ハローワーク)を利用した求職活動の支援

4 障害者就業・生活支援センターによる職業準備訓練を受けるための支援

5 後見開始の審判申立て支援

問題 61

身体障害者福祉法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 身体障害者福祉法の目的は、「身体障害者の更生を援助し、その更生のために必要な保護を行い、もつて身体障害者の福祉の増進を図ること」と規定されている。

2 身体障害者の定義は、身体障害者手帳の交付を受けたかどうかにかかわらず、別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者をいうと規定されている。

3 身体障害者手帳に記載される身体障害の級別は、障害等級1級から3級までである。

4 都道府県は、身体障害者更生相談所を設置しなければならない。

5 市町村は、その設置する福祉事務所に、身体障害者福祉司を置かなければならない。

問題 62

「精神保健福祉法」に規定されている入院に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 任意入院では、入院者から退院の申出があった場合、精神保健指定医の診察により、24時間以内に限り退院を制限することができる。

2 応急入院では、精神科病院の管理者は、精神保健指定医の診察がなくても、72時間以内に限り入院させることができる。

3 医療保護入院では、精神保健指定医の診察の結果、必要と認められれば、本人の同意がなくても、家族等のうちいずれかの者の同意に基づき入院させることができる。

4 医療保護入院では、精神保健指定医の診察の結果、必要と認められれば、本人の同意がなくても、本人に家族等がいない場合は検察官の同意により入院させることができる。

5 措置入院では、本人に自傷他害のおそれがあると認めた場合、警察署長の権限に基づき入院させることができる。

(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

低所得者に対する支援と生活保護制度

問題 63

「生活保護の被保護者調査(令和2年度(月次調査確定値))」(厚生労働省)に示された生活保護の動向に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 保護率(人口百人当)は、16.3%である。

2 1か月平均の被保護実人員数は、約20万人である。

3 保護の種類別に扶助人員をみると、「医療扶助」が最も多い。

4 保護開始世帯の主な理由別構成割合をみると、「貯金等の減少・喪失」が最も多い。

5 保護廃止世帯の主な理由別構成割合をみると、「働きによる収入の増加・取得・働き手の転入」が最も多い。

問題 64

現行の生活保護法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 生活保護は、日本国憲法第21条が規定する理念に基づいて行われる。

2 生活保護が目的とする自立とは、経済的自立のみを指している。

3 能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、生活の維持及び向上に努めなければ、保護を申請できない。

4 補足性の原理によって、扶養義務者のいる者は保護の受給資格を欠くとされている。

5 保護の基準は、保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、これを超えないものでなければならない。

問題 65

生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 生業扶助には、高等学校等就学費が含まれる。

2 生活扶助は、衣食住その他日常生活の需要を満たすために必要なものを給付する。

3 教育扶助は、原則として現物給付によって行うものとする。

4 介護扶助は、原則として金銭給付によって行うものとする。

5 葬祭扶助は、原則として現物給付によって行うものとする。

問題 66

生活扶助基準の設定方式に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 標準生計費方式とは、現行の生活保護法の下で、栄養審議会の答申に基づく栄養所要量を満たし得る食品を理論的に積み上げて最低生活費を計算する方式である。

2 マーケット・バスケット方式とは、最低生活を営むために必要な個々の費目を一つひとつ積み上げて最低生活費を算出する方式である。

3 エンゲル方式とは、旧生活保護法の下で、経済安定本部が定めた世帯人員別の標準生計費を基に算出し、生活扶助基準とした方式である。

4 格差縮小方式とは、一般国民の消費水準の伸び率を超えない範囲で生活扶助基準を引き上げる方式である。

5 水準均衡方式とは、最低生活の水準を絶対的なものとして設定する方式である。

問題 67

生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生活困窮者自立相談支援事業は、委託することができないとされている。

2 生活困窮者自立相談支援事業と生活困窮者家計改善支援事業は、必須事業である。

3 子どもの学習・生活支援事業は、全ての都道府県、市町村に実施の責務がある。

4 生活困窮者一時生活支援事業は、生活困窮者に対し、生活に必要な資金の貸付けのあっせんを行うものである。

5 生活困窮者就労準備支援事業は、雇用による就業が著しく困難な生活困窮者に対し、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行うものである。

問題 68

生活福祉資金貸付制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 貸付対象世帯は、高齢者世帯、傷病者・障害者世帯、ひとり親世帯とされている。

2 日本に居住する低所得の外国人世帯は、貸付対象から除外されている。

3 緊急小口資金の貸付金の利率は年1.5%である。

4 資金の種類は、総合支援資金、緊急小口資金、教育支援資金の3種類である。

5 複数の種類の資金を同時に貸し付けることができる。

問題 69

事例を読んで、N市の生活困窮者を対象とした自立相談支援機関の相談支援員(社会福祉士)による、Cさんへの支援に関する次の記述のうち、適切なものを 2つ選びなさい。

[事例]

Cさん(40歳)は、派遣社員として働いていたが、雇用契約期間が満了して、P市にあった会社の寮から退去した。その後、N市にあるインターネットカフェで寝泊まりをしていたが、なかなか次の仕事が見付からず、所持金も少なくなって不安になり、N市の自立相談支援機関を探して来所した。

1 最後の居住地であったP市に対して、生活保護を申請することを勧める。

2 生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金の利用を勧める。

3 住居を見付け、生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金を利用することを勧める。

4 居住地がないため、直ちに救護施設に入所できると判断し、施設に直接連絡をして利用を申請する。

5 当面の住まいを確保するため、社会福祉法に基づく無料低額宿泊所への入所を自治体に申請するよう提案する。

保険医療サービス

問題 70

日本の医療保険の適用に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 国民健康保険の被保険者に扶養されている者は、被扶養者として、給付を受けることができる。

2 健康保険組合が設立された適用事業所に使用される被保険者は、当該健康保険組合に加入する。

3 「難病法」の適用を受ける者は、いずれの医療保険の適用も受けない。

4 国民健康保険は、後期高齢者医療制度の被保険者も適用となる。

5 週所定労働時間が10時間未満の短時間労働者は、健康保険の被保険者となる。

(注) 「難病法」とは、「難病の患者に対する医療等に関する法律」のことである。

問題 71

「令和元(2019)年度国民医療費の概況」(厚生労働省)に示された日本の医療費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 65歳以上の国民医療費は、国民医療費の50%を超えている。

2 診療種類別の国民医療費のうち最も大きな割合を占めるのは歯科診療医療費である。

3 都道府県(患者住所地)別の人口一人当たり国民医療費が最も高い都道府県は、東京都となっている。

4 制度区分別の国民医療費では、医療保険等給付分に比べて公費負担医療給付分が高い割合を占めている。

5 入院医療費及び入院外医療費を合わせた医科診療医療費の割合は、国民医療費の50%未満である。

問題 72

診療報酬制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 診療報酬の点数は、通常3年に1度改定される。

2 診療報酬点数表は、医科、歯科、在宅医療の3種類が設けられている。

3 療養病棟入院基本料の算定は、出来高払い方式がとられている。

4 地域包括ケア病棟入院料の算定は、1日当たりの包括払い方式がとられている。

5 診療報酬には、選定療養の対象となる特別室の料金が設けられている。

問題 73

日本の医療提供体制に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 医療計画は、市町村が策定義務を負っている。

2 地域医療支援病院は、第1次医療法の改正(1985年(昭和60年))に基づき設置された。

3 診療所は、最大30人の患者を入院させる施設であることとされている。

4 介護医療院は、主として長期の療養を必要とする要介護者に対し、療養上の管理、看護、医学的管理の下での介護、必要な医療及び日常生活上の世話を行う。

5 地域包括支援センターは、地域における高齢者医療の体制を整えるため、地域医療構想を策定する義務を負う。

問題 74

後期高齢者医療制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 保険者は都道府県である。

2 被保険者は、60歳以上の者が対象である。

3 保険料の算定は、世帯単位でされる。

4 各被保険者の保険料は同一である。

5 各医療保険者から拠出される後期高齢者支援金が財源の一部となっている。

問題 75

事例を読んで、W病院の医療相談室のD医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)による、妊婦であるEさんへの支援に関する次の記述のうち、適切なものを 2つ選びなさい。

[事例]

Eさん(33歳)は、会社員の夫(38歳)の健康保険の被扶養者であり、夫の母親(78歳、軽度の認知症、要介護1)と3人暮らしである。Eさんは現在、妊娠20週目で、第一子を出産予定である。実家は遠方で、実両親も高齢であることから、産後の子育てと義母の介護の両立に不安を抱えていた。義母は、昼間は通所型サービスを利用しているが、帰宅後は毎日同じ話を繰り返している。夫も多忙で残業も多く、頼りにできないとの思いを持っている。妊婦健診の結果は良好であるが、今後のことを考えると不安であるため、受診しているW病院の医療相談室を訪問した。

1 特定妊婦の疑いがあるため、地域包括支援センターに連絡をする。

2 出産手当金を受け取れることを説明する。

3 認知症高齢者の家族の会などの当事者同士が支え合う活動を紹介する。

4 義母の介護のために特殊寝台の貸与サービスを勧める。

5 産前・産後の不安や負担などを相談するために母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)を紹介する。

問題 76

次の記述のうち、医療チーム内で専門分野を超えて横断的に役割を共有するトランスディシプリナリモデルの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Fさんの病状が急変したため、医師は、看護師へ静脈注射機材の準備、薬剤師へ薬剤の準備、医療ソーシャルワーカーへ家族への連絡の指示を出した。

2 災害発生による傷病者の受入れのため、G病院長は、全職員の招集、医師へのトリアージ、看護師へ手術室の準備、医事課職員へ情報収集などの指示を出した。

3 Hさんの食事摂取の自立の希望を達成するため、理学療法士は座位保持、作業療法士は用具の選定、管理栄養士は食事形態、看護師は食事介助の工夫を行った。

4 一人暮らしで在宅療養中のJさんの服薬管理について、往診医、訪問看護師、薬剤師、訪問介護員、介護支援専門員等の自宅への訪問者それぞれが、Jさんとの間で確認することにした。

5 自立歩行を希望するKさんの目標をゴールに、理学療法士、作業療法士、看護師、介護福祉士とでケースカンファレンスを行い、立位保持訓練の方法を検討した。

権利擁護と成年後見制度

問題 77

日本国憲法の基本的人権に関する最高裁判所の判断についての次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 公務員には争議権がある。

2 永住外国人には生活保護法に基づく受給権がある。

3 生活保護費を原資とした貯蓄等の保有が認められることはない。

4 嫡出子と嫡出でない子の法定相続分に差を設けてはならない。

5 夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は違憲である。

問題 78

事例を読んで、成年後見人のLさんが、成年被後見人のMさんと相談の上で行う職務行為として、適切なものを2つ選びなさい。

[事例]

Mさん(70歳代)は、自身の希望で一人暮らしをしているが、居住地域は、介護サービス資源が少なく、交通の便の悪い山間部である。Mさんは、要介護2の認定を受け、持病もある。最近、Mさんは心身の衰えから、バスでの通院に不便を感じ、薬の飲み忘れも増え、利用中の介護サービス量では対応が難しくなってきているようである。Mさん自身も一人暮らしへの不安を口にしている。

1 自宅以外の住まいに関する情報収集

2 Mさんの要介護状態区分の変更申請

3 Lさんによる家事援助

4 Lさんによる通院介助

5 Lさんによる服薬介助

問題 79

事例を読んで、成年後見人の利益相反状況に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

[事例]

共同生活援助(グループホーム)で暮らすAさん(知的障害、52歳)には弟のBさんがおり、BさんがAさんの成年後見人として選任されている。先頃、Aさん兄弟の父親(80歳代)が死去し、兄弟で遺産分割協議が行われることとなった。

1 Aさんは、特別代理人の選任を請求できる。

2 Bさんは、成年後見監督人が選任されていない場合、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。

3 Bさんは、遺産分割協議に当たり、成年後見人を辞任しなければならない。

4 特別代理人が選任された場合、Bさんは、成年後見人としての地位を失う。

5 特別代理人が選任された場合、特別代理人は、遺産分割協議に関する事項以外についても代理することができる。

問題 80

成年後見制度の補助に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 補助は、保佐よりも判断能力の不十分さが著しい者を対象としている。

2 補助開始の審判をするには、本人の申立て又は本人の同意がなければならない。

3 補助人の事務を監督する補助監督人という制度は設けられていない。

4 補助開始の審判は、市町村長が申し立てることはできない。

5 補助人に対し、被補助人の財産に関する不特定の法律行為についての代理権を付与することができる。

問題 81

「日常生活自立支援事業実施状況」(2021年度(令和3年度)、全国社会福祉協議会)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 2021年度(令和3年度)末時点で、実契約者数は100万人を超えている。

2 2021年度(令和3年度)末時点で、実契約者数の内訳では、知的障害者等の割合が最も多い。

3 新規契約締結者のうち、約7割が生活保護受給者であった。

4 新規契約締結者の住居は、7割以上が自宅であった。

5 事業実施主体から委託を受け業務を実施する基幹的社会福祉協議会の数は、約300であった。

問題 82

家庭裁判所に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 家庭裁判所は、近隣トラブルに関する訴訟を取り扱う。

2 家庭裁判所は、「DV防止法」に基づく保護命令事件を取り扱う。

3 家庭裁判所は、嫡出でない子の認知請求訴訟を取り扱う。

4 家庭裁判所は、労働審判を取り扱う。

5 家庭裁判所は、債務整理事件を取り扱う。

(注) 「DV防止法」とは、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」のことである。

問題 83

事例を読んで、消費者被害に関する次の記述のうち、X地域包括支援センターのC社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

[事例]

Dさん(70歳)は、認知症の影響で判断能力が低下しているが、その低下の程度ははっきりしていない。宝石の販売業者Yは、Dさんが以前の購入を忘れていることに乗じ、2年にわたって繰り返し店舗で40回、同じ商品を現金で購入させ、その合計額は1,000万円に及んでいた。E訪問介護員がこの事態を把握し、X地域包括支援センターに所属するC社会福祉士に相談した。

1 Dさんのこれまでの判断を尊重し、Dさんに対し、今後の購入に当たっての注意喚起を行う。

2 Dさんの意向にかかわりなく、宝石の販売業者Yと連絡を取り、Dさんへの宝飾品の販売に当たり、今後は十分な説明を尽くすように求める。

3 Dさんの判断能力が著しく不十分であった場合、C社会福祉士自ら保佐開始の審判の申立てを行う。

4 クーリング・オフにより、Dさん本人にその購入の契約を解除させる。

5 これらの購入につき、消費者契約法に基づく契約の取消しが可能かを検討するため、Dさんのプライバシーに配慮して、消費生活センターに問い合わせる。

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※過去問題の内容・解答は、試験実施年度当時の情報です。制度改正等による変更がある可能性があります。

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