介護職の働く悩みや疑問に、介護現場で働く人達がリアルに答えるQ&A。「こんなとき、他のみんなはどうしているの?」といった疑問に、介護職歴10年以上の経験者が答えます。
Q 介護のおむつ交換で「漏れない」コツはありますか?
介護のおむつ交換で、漏れなく快適に過ごしてもらうためのコツがあれば教えてください。
A 漏れ防止で意外と重要なのは、おむつに空気をふくませて「ギャザー」を立てることです。
おむつ交換の手技のポイントとして、以下を意識してみましょう。
①おむつ or パッドを広げて左右に優しくひっぱり、空気をふくませてギャザーを立てる
②おむつ or パッドの中心線と背骨のラインを合わせる
③腰の高さを合わせる
④ソケイ部(Vライン)のギャザーがしっかり立っていることを確認してから当てる
⑤テープ止めはキツすぎず、指1本入るくらいの余裕をもって
⑥相手にできることは協力してもらう(横を向いてもらう、ベッド柵に掴まってもらう、腰を浮かしてもらうなど)
排泄介助は、利用者さまの心身の状態によって個人差があります。
例えば、側臥位(横向きの姿勢)になると腹圧がかかって失禁してしまう方もいるので体位交換時に気を付ける、痩せている方だとギャザーに隙間ができてしまい漏れの原因になるのでサイズを見直してみるなど。
基本をおさえながら、利用者さまに合わせて手技をカスタムしていけると良いと思います。(介護職歴10年/介護福祉士)
Q おむつ交換の時の体位交換が苦手です。ポイントはありますか?
おむつ交換の時の体位交換が難しいと感じています。骨折しやすい方や、麻痺のある方、関節の拘縮がある方など、利用者さまの身体状況が異なる中で、安全に体位交換するためのコツがあれば知りたいです。
A 一つ一つの動作で声かけを忘れずに、相手と協力して体位交換をしましょう。
おむつ交換時の体位交換が苦手という方は結構多い印象で、私も新人の頃はかなり苦戦しました。ポイントをお伝えしますね。
①腰痛予防のために、まずベッドの高さを介護者の腰の高さに合わせる
②できるだけ相手の協力を促したいので、これから行う事を一つ一つしっかり伝わるように声かけしながら、自力で動ける動作はお願いし、できない動作をお手伝いする
③介助により体の向きを変える時(この時も一つ一つ声かけが大事)は、なるべく相手に体を近づける。手は体の前で組んでもらい、膝は曲げてもらうなど、ボディメカニクスを最大限いかす
④麻痺がある場合は、麻痺側の手足を巻き込まないように十分に気を付ける
ぜひ体位変換される時に意識してみてくださいね。(介護職歴13年/介護福祉士)
おむつ交換時に用意するアイテム
おむつ交換は、利用者にとっても介護者にとっても、精神的負担が伴うものです。清潔に、手際よく短時間でできるように、おむつ交換時に必要なもの、あるといいものを確認しておきましょう。おむつ交換時には、これらのアイテムを利用者の顔の近くには置かないなど、配慮が必要です。
排泄介助用エプロン
排泄物が付着する可能性があるため、使い捨てのものを使用するか、繰り返し使用する場合は洗濯時に消毒まで行うなど、衛生面に注意しましょう。
汚物類を置く、入れるもの
おむつ交換を始める前に用意しておきます。利用者の足元側にする、ベッドより低い位置にするなど配慮しましょう。
使い捨ての手袋
おむつは利用者の肌に直接触れるものなので、必ず手袋をしてからおむつを取り出しましょう。
新しいおむつや尿とりパッド
すぐ手にとれる位置に準備しておきます。畳まれた状態から広げて軽くひっぱり空気をふくませます。ギャザーがしっかりと立って舟形のようになっていることを確認しましょう。
トイレットペーパー
排便があったときは、洗浄を行う前にトイレットペーパーで優しく拭き取ります。女性の場合は尿路感染や膣炎を予防するために、あおむけの状態で上から下に向かって拭き取り、洗浄を行います。
陰部洗浄ボトル
ボトルのお湯が人肌程度か、自分の腕にかけて確認してから洗浄を開始します。洗浄がおわったら手袋を清潔なものに取り換えます。
陰部清拭用タオル
人肌のお湯で湿らせたものと、乾いたものを用意しましょう。洗浄後に濡れタオルでやさしく拭き取ったあと、乾いたタオルで押さえ拭きし、水分を吸収します。
塗り薬や保湿クリームなど
注意していても、かぶれなどで肌が荒れてしまうことがあります。主治医などに相談の上、必要に応じて塗り薬や保湿クリームを用意しましょう。
監修者 カイゴジョブ編集部
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