【NPO法人で障がい児の成年後見人を探すお仕事と別の放課後等デイサービスのトリプルワーク】いつか大人になっていく子供たちが困らないよう、正しいことを丁寧に根気強く伝えていきたい

【NPO法人で障がい児の成年後見人を探すお仕事と別の放課後等デイサービスのトリプルワーク】いつか大人になっていく子供たちが困らないよう、正しいことを丁寧に根気強く伝えていきたい

介護・福祉業界で働く方々にインタビューする企画。

今回は、神奈川県横浜市の放課後等デイサービスに勤務する59歳のOさんにお話を伺いました。

10年程花屋で働いていましたが、娘さんの障がいが発覚したのを機に障がい福祉の勉強をしようと思い、通信大学に通い社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得。 それから今まで障がい領域の事業所で働いています。現在は「よろこび」様と別の放課後等デイサービスの児童指導員として働きつつ、NPO法人で障がい児の成年後見人を探すお仕事もしています。

障がい福祉の世界に興味を持った理由、児童指導員としてどのようにお子様へ接していくべきかなども伺いました。

【1】Oさんのプロフィール

――まず、Oさんの職歴や転職経験を教えてください。

職種関係なく言えば5~6回ありますが、福祉領域だと2回ありますね。

――障がい福祉業界の仕事に興味を持ったきっかけのようなものはありますか?

はい。私は娘がいるのですが、その娘が小学校5年生くらいから学校に行けなくなり、中学生の時に病院に連れて行ったところ、アスペルガー症候群と診断されたんですよ。

――それはとても大変でしたね…。

そうですね…。それまでは10年程お花屋さんで働いたんですけど、娘の障がいのサポートに少しでもなれればと思い、まずは障がい福祉のことを勉強しようと思ったんですね。

実際には通信大学に通って社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得しました。

――娘さんのためにそれだけ行動に移せるのは素晴らしいですね!

ありがとうございます!

それからは働いていたお花屋さんを退職し障がい領域の事業所でパートとしてお仕事をしています。

また5年前からですが、平行してNPO法人で障がい児の成年後見人を探すお仕事もしていますね。

――現在もWワークされているんですね!

実は別の放課後等デイサービスでも児童指導員として働いているんです(笑) 「よろこび」様では月曜に週に1度勤務しているので、トリプルワークでも働けてます。

――トリプルワークはすごいパワフルですね!

でも毎日仕事しているわけではないので、大丈夫ですよ(笑)!

【2】Wワークで働きつつも「よろこび」様へ入職

――それでは、Oさんがこの「よろこび」様に転職された時のことを教えてください。なぜこの事業所で働こうと思ったのでしょうか?

なるべく家から近い条件で探していたところ、ここを見つけましたね。 近所だったこともあり、通うイメージがつきやすかったです。

――「よろこび」様に入職する前からWワークだったにも関わらず、お仕事を増やそうと思ったのはなぜだったのでしょうか?

もう一つの放課後等デイサービスが就労支援事業所も運営しているところで、利用者の年齢層も上で、自分のことはちゃんと自分でできるお子様が多かったんですよね。

仕事内容も児童指導員というより、勉強を教えるなどの塾講師っぽい部分が多く、そこまで勉強を教えることに自信があるわけでもないので若干イメージと違ったんです。

――少し堅苦しいイメージがあったということでしょうか?

そうですね。 個人情報の管理なども全てデータ管理でかなりしっかりしていたが、逆にアットホームさが少し無いような感じがしまして。 なのでなおさら「よろこび」様のような職場でも働いてみたいなと思いまして。

――では探していた基準として近所の次に「アットホーム」な職場を探していたのでしょうか?

そうかもしれませんね!

――「よろこび」様はどのように見つけて応募しましたか?

カイゴジョブから来ていたメールの中に、「よろこび」様を見つけました。 求人情報を見ると外観の写真が載せてあったのですが、こじんまりした雰囲気が好きで気になってました。

――応募後は面接に行かれたと思いますが、その時の印象はございますか?

面接はすごく雰囲気が良かったです。

一軒家なので凄くアットホームな感じでした。 面接の時も管理者の「小林さん」 が担当してくださったんですけど、こちらの施設の説明をとても丁寧にしてくださり、こちらもよく理解できました。そういうこともあって印象はよかったですね。

――通いやすさなどは入職前のイメージと変わりないでしょうか?

現在2か月目で週に1回なので、まだ数回の出勤しかしてないのですが、 皆さん凄く和気あいあいとしていてスタッフさん同士のコミュニケーションがとても多いですね。

雑談もありますが、仕事に関わるコミュニケーションもしっかり取れてるイメージですかね。 もう一個の職場はお話してもよいですか?と一度確認取るようなコミュニケーションだったので…。

――自分的にはどちらがあってますかね?

私はコミュニケーションとしてはもう一個の職場と中間くらいがいいけど、どちらもよさがあってよいと思ってます。

――可能であれば1日のスケジュールを教えてください。

私は13時出勤で19時までの6時間勤務で入ってます。

まだちょっと私も慣れてないところもありますが、出勤してすぐに何かやらなくちゃいけないっていう仕事がいつもあるわけじゃなくて、お子様が来所されるまでの時間が結構長い時は、自由時間になりますね。

――お子様が来るまでは比較的時間に余裕があるんですね!

そうですね。お子様がいらっしゃってからはそれぞれのお子様についてあげて色々なサポートをしていきます。 具体的にはおやつの準備とか勉強を教えたり一緒にイベントを考えたりなどをしていきます。

――お子様の送迎はありますでしょうか?

ありますね。

毎回ではないんですけど根岸駅までバスで、3名か4名のお子様をお迎えに行ってます。13時か13時半くらいにここを出発して戻りが大体14時~15時ぐらいになりますね。 それからはいつも通りお子様のサポートをしていきます。

――事務作業ってありますか?

事務作業はあるんですけど、空いてる時にこれをやっといてくださいっていう事は言われないですね。 まだ慣れてないからだとは思いますが、先輩方が今事務作業をしてくださってます。 なので事務作業を強要されることはないですね。

――お子様の連絡帳は書きますか?

連絡帳などは連絡帳担当がいるので、担当ごとに記入していますね。

――そうなんですね!ちなみに今は1日何人くらいのお子様がいらっしゃるんでしょうか?

私が出勤してる時はいつもお子様がお休みが多くて、お子様の人数は少ないんですよね。いつもは5名くらいで初日が6人ぐらいだったかな?

でも送迎があるので、スタッフはちょっと多めなんですよ。今日だと6名いますね。

――どの事業所もそのくらいの人数なのでしょうか?

お子様に対するスタッフの人数は多い印象はありますね。

だいたい1人で見れるのは、3名くらいなんですけど、傍から見てもお子様5~6名に対してスタッフが3名以上というのは多いイメージです。 最初来た時「元は取れてるのかしら」と心配しました(笑) ちなみに通常お子様の人数は8名ぐらいですね。

――割とゆとりがある見方ができますね!そうするとあまり忙しいという感じではなさそうですか?

そうですね。私としてはもう少し仕事を振ってほしいなと思っていますね(笑)

――今は入ったばかりということでこれから忙しくなるかもしれませんね!

【3】Oさんが転職した「よろこび」様について

――ここからは職場の雰囲気や関わり方について伺いたいと思います。先輩職員さんは、歳が近い方が多いんでしょうか?

皆さん比較的お若い方が多いですね。多分私の娘と同年代くらいだと思います。 スタッフが6名いるんですけど、そのうちの4名が20代ですね。

――男女の割合はいかがでしょうか?

女性の方が多いですが、男性も2人くらいいらっしゃいます。

――男性もいらっしゃるんですね!雇用形態などはどのような感じでしょうか?

常勤スタッフは5名ほどで、非常勤スタッフもいますね。 1日に6名ほどのスタッフが常駐しています。

――やはり障がい福祉系の職場経験者は多いでしょうか?

事業所内はそうでもないと思います。 施設で支援をすること自体初めてという方が、若い方は皆さんそうなんじゃないかなと。大体4人ぐらいいらっしゃいますね。比較的初めてでも始めやすい環境かなと思います。

――働いていてわからない事があったとき、職員の皆様に相談などできたりはしますか?

私は分からない時にしっかり聞きますね。他のスタッフさんに「こういう時どうしてます?」とか気軽に全然聞ける感じですし、フォローもしてもらったりしてるので、それは本当によかったです。

――具体的にどんな時に相談されてますか?

まだお子さんの特性を掴めてない時に聞きますね。気持ちの切り替えが難しいお子様がいる時になど聞くことが多いですかね。

――やはり最初はお子様の特性を理解するのは時間がかかりますか?

やはり時間かかる印象があります。やはり人対人ですし、難しいと思います。

「こういう時はどうしてます?」みたいな感じで聞いたら、「こういう風にすると、結構切り替えできますよ」みたいにスタッフさんが教えてくださったりとかしますね。やっぱり経験があってもなかなかお子様によって違うので、その辺はやっぱりずっと見てるスタッフさんの方が分かるので、随時聞きながらサポートしてます。

――すぐに相談できるのは良いですよね!ちなみにお子様達の雰囲気ってどうですか。今も元気な声聞こえますが(笑)

お子様みんな元気ですね(笑)

「第2のおうちみたいな感じで、みんなには自由に過ごしてほしい」と小林さん(管理者)もおっしゃってたんですけど、なんとかご本人のやりたいことやらせてあげるっていうのを事業所全体的に考えているので、それが体現されているのかも。

――以前事業所へお伺いした際に家庭環境だったりとか発達障がいの子など様々なお子様がいらっしゃるとお聞きしましたが、担当されているお子様はどんな子がいらっしゃいますか?

毎回担当は変わるんですけど月曜日にいらっしゃってるお子様は…そうですね、

本当に様々なので、家庭に色んな問題抱えていらっしゃる子もいますし、学校に行けてないお子さんもいますね。あとは支援学校に行っているお子様については、以前支援していたこともあったので、私としては接しやすい感じではありますね。

――接し方がやはり難しいお子様もいらっしゃいますか?

支援学校ではなく、通常の学校に行ってる場合はそういう支援が必要かどうかっていうのが分かりにくいお子様がいらっしゃるんですよね。

――今発達障がいと診断されるお子様が多くなってますもんね…。

そうですね。ただそれほど病院へ診断もしやすくなったのだとは思います。

そのためどんな支援が必要かどうかっていう判断が難しい場合はありますね…。

――その辺り、もう少し詳しくお伺いできればと思うんですが、そういった場合自分なりにコツみたいなのってあるんでしょうか?

おそらく障がいのあるお子様って割と、親御さんや周りの方が「これ」と言っても分からないから、子どもの言うこと・行動などは流してしまうみたいなことって結構あるんですよね。

そうやって育てられてきてるので、本当にやってはいけないことをきちんと注意してこられなかった子が多いんですよ。例えばバスに乗ってる時に勝手にピンポン乗っちゃうとか、他の乗客の方に迷惑になるような声を出したりとか、そういった振る舞いをしてしまうお子さんもいらっしゃると思うんですよ。

「よろこび」様では、そこまでのお子様はあまりいらっしゃらないんですけど。

もしそういう時には、やってはいけない社会のルールっていうのがあるので、境界という線をきちんと引いて、それを分かってもらうように根気よく接することを私は大事にしています。その境界線が人によってぶれてしまうと、本人も分からなくなると思いますので、そこはスタッフも全員きちんとはっきり分かるようにしてあげることがやっぱり子供達が大きくなり社会に出た時に、困らないようにしてあげるのが児童指導員として大事だと思います。

――将来困らないように正しいことを正しく、そして根気強く伝えることはとても大事ですよね。

そうですね、やはり大人になれば社会のルールがありますので、丁寧に教えていきたいですね。

――入社時の研修は充実していましたか?

研修はなかったですね。

それは経験者だったからなのかもしれないです。

――先輩スタッフのフォローやOJT研修などでのサポートはありましたか?

フォローはありますね。気軽に聞ける感じではあると思います。

――Oさんがご経験が豊富なので、「よろこび」も安心お任せしているのかもしれませんね!ちなみに残業はございますでしょうか?

基本的には19時に終わりますが、私はありませんね。

他のスタッフさんは振り返りを30分程しているみたいですが…。

ただ夏休みは午前中から来るお子様もおり、その場合は一日見ることになりますので、少し忙しいかもしれませんね。

――ありがとうございます!Oさんの中で、この事業所に向いている方ってどんな方だと思いますか?

明るい方や積極的にイベントに参加したり案を出す方が向いていると思います。

障がい児に関しての知識は入ったら培われると思いますので、特に必要はない印象です。

あと施設とは関係ないですが、保育士の資格持っていると、やっぱり重宝されるかなと個人的には思っています。 障がい福祉だと保育士さんの需要が凄く多いですね。資格も取りやすいですしね。

その前の職場でも50代の男性の方が保育士で受けてそのまま施設受かったりしているので、保育士の資格をお持ちの方はぜひチャレンジしていただきたいです。

――ありがとうございます!では最後に「よろこび」で何か実現したいこと・チャレンジしたいこと・目標などはありますか?

今まで自分が今まで培った知識とか体験とか技術を活かせればいいかなと思ってます!

お子さん達の状況や性格などが、よく分かるようになっていけば色々サポートとか支援の面でも活かしていきたいなと。

――そうなんですね!ぜひこれからも障がい福祉の世界で今まで培った経験を活かした仕事をしていただきたいです。本日はありがとうございました!

――「よろこび」管理者であり、相談支援専門員でもある小林さんにも入っていただき、方針や考え方について教えていただきました。

当事業所では、毎週定期的に公共交通機関を利用することで、公共交通機関に慣れること、公の場でのルール等を繰り返し伝えてきました。

“ピンポンを押したらそこで降りる”ということを徹底し、降りた場所から延々と歩くということも行いました。

奇声を発してしまって注意をしてもやめられない時も、その場で下車して本人が落ち着くまで待ちました。時には30分以上待つこともあります。

その時々で様々な行動を起こし、注意をせざるを得ない状況になることは今でもあります。 そのような行動の一つ一つをその日に振り返り、どう対応するかを話し合っています。

最近は、子どもたちが慣れてきているため頻度は減っていますが。

迷惑な行動をしてしまうから公共交通機関を使わない、という選択をするのではなく、 小さいうちから使い続けることで正しい使い方を学んで、将来の余暇に繋げることがよろこびの目的です。

ほとんどの放課後等デイサービスは車送迎になっています。

ドアツードアの送迎は本人も支援者も家族も、その時は楽ですが、大人になったときにヘルパーとの余暇での外出ができなかったり、 通所先の送迎車が定員いっぱいで乗れなかった時にヘルパーで通うことができなかったり、 様々な課題となって残ってしまいます。

将来を見据えた支援を考える時、“今が良ければそれで良い”と考えずに支援をすること、 どういう意図をもって私たちが活動に取り組んでいるのかを保護者の皆様に説明していくことを大切にしています。

将来を見据えてという支援を行っていますので、 放デイの中の話だけではなく、制度の利用についてや制度に繋げるための支援、 その子どもを支援する他の事業所への支援も行っています。

横浜市では、児童の計画相談がほとんど利用できていない状況にあります。 よろこびでは、計画相談に繋がっていない子どもたちに対して、計画相談のような役割も積極的に担っています。

インタビューを終えて

ご自身の娘さんの障がいが発覚してから現在まで、ずっと障がい福祉の仕事に携わっており、今回の転職でさらに自分のノウハウを活かせる職場を見つけられたのではないかと思います。

現在は障がいに対して理解のある社会になりつつありますが、それでもやはり不十分な部分が多々あります。障がいを持つ子どもたちやその親御さんの「どうしていいかわからない」を少しでも減らせるよう、今からしっかり伝えていきたいというOさんの思いは、障がい福祉に携わる以上大切なことなのだと感じました。

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監修者 カイゴジョブ編集部

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